[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
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(2): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/19(土)20:26 ID:ti2BclkQ(6/18) AAS
>>16-17
ID:S/ONPb/Gさん、どうも。スレ主です。

>Q上(Q(ζ)上としてもほぼ同じ)の可解5次方程式f(x)=0 は2項5次方程式に帰着するか?

ここ、下記 松田 修 のべき根拡大 定理 61 があるのです
つまり、体 K が 1 の原始 n 乗根 ζが添加されているとして、
べき根拡大 ←→ 巡回群
が成立つ

これは、小島寛之のガロア本(下記)の
P208 べき根拡大の定理1と(=簡単に言えば、べき根拡大ならガロア群は巡回群)
P222 べき根拡大の定理1の逆(=簡単に言えば、ガロア群が巡回群ならべき根拡大)
と同じです

これ、方程式のガロア理論では、多分頻出です

(参考)
外部リンク:www.tsuyama-ct.ac.jp
Matsuda’s Web Page 松田 修 
外部リンク[html]:www.tsuyama-ct.ac.jp
TSUYAMA E-MATH BOOKS
外部リンク[pdf]:www.tsuyama-ct.ac.jp
PDF ガロア理論を理解しよう Osamu MATSUDA 津山高専 2018/11/16
(抜粋)
P76
10.2 べき根拡大

定理 61
体 K が 1 の原始 n 乗根 ζ (ζ≠ 1 (1 <= r <= n-1), ζn = 1)を含むとする.
(1) L が K の n 次巡回拡大であれば,L = K(α), Irr(α, K) = X^n - a となる α が存在する.
(2) もし L = K(α), α^n = a ∈ K であれば,L は K の巡回拡大である.
証明


外部リンク:gihyo.jp
知の扉
【完全版】天才ガロアの発想力
―対称性と群が明かす方程式の秘密―
著者
小島寛之 著
発売日
2019年7月6日
(抜粋)
2010 年に刊行した『天才ガロアの発想力』を大幅加筆しました。
これまでにないガロアの定理の完全解説本です。

第7章 5次以上の方程式が解けないからくり
ガロアの基本定理1の証明
解けない方程式の「からくり」はこうだ(それなり版証明)
P208 べき根拡大の定理1(=簡単に言えば、べき根拡大ならガロア群は巡回群)
解ける方程式の「からくり」はこうだ
P222 べき根拡大の定理1の逆(=簡単に言えば、ガロア群が巡回群ならべき根拡大)
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(3): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/19(土)20:47 ID:ti2BclkQ(7/18) AAS
>>23 つづき

もし、体 K に 1 の原始 n 乗根 ζが添加されていない場合は
単純に、「べき根拡大 ←→ 巡回群」は言えない
例えば、下記 元吉 文男
f(x)=x^5+x^4-4x^3-3x^2+3x+1
のガロア群は、巡回群になるそうです
(詳しくは下記)

(参考)
スレ77 2chスレ:math
外部リンク[pd]:repository.kulib.kyoto-u.ac.jp
巡回群をガロア群に持つ5次方程式の判別とその解法(数式処理と数学研究への応用)
元吉 文男
数理解析研究所講究録 (1990), 722: 17-20
(抜粋)
P17
§1. ガロア群が巡回群かどうかの判定
fのQ上の最小多項式はfであるのでfの 1 根をα としたとき にfを Q(α)で因数分解して、
根がすべて分離できれば巡回群である。

P18
§3. 例
f(x)=x^5+x^4-4x^3-3x^2+3x+1
を解くことにする。α をf(x)=0の根とする。

f(x)=(x-α)h(x,α)
=(x-α)(x-(α^4-4α^2+2))(x-(α^3-3α))(x-(α^2-2))(x-(-α^4-α^3+3α^2+2α-1))
となって因数分解ができ、 fのQでのガロア群が巡回群であることがわかる。

f(x) の代数的解法
上の因数分解から
θ(α)=α^2-2
とする。 これより
θ^2(α)=α^4-4α^2+2
θ^3(α)=α^3-3α
θ^4(α)=-α^5-α^4+3α^3+2α-1
となる。
略(原文を見よ)
(実はα はω_{11} を 1 の原始 n 乗根として
α=ω_{11}+ω_{11}^10
と表すことができる。)
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(2): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/19(土)20:57 ID:ti2BclkQ(8/18) AAS
>>23-24 追加

(引用開始)
松田 修 のべき根拡大 定理 61 があるのです
つまり、体 K が 1 の原始 n 乗根 ζが添加されているとして、
べき根拡大 ←→ 巡回群
が成立つ
(引用終り)

なので
1)方程式のガロア理論的の教育というか学習としては、「1 の原始 n 乗根 ζが添加されているとして」考えると
 ”べき根拡大 ←→ 巡回群”が成立つので、理論的にはすっきりしています
2)>>24 の 元吉 文男さんなどが研究されているのは(>>17の兵庫教育大学 大迎規宏 著)もそうかも知れないが
 数式処理等にのせるには、「1 の原始 n 乗根 ζが添加されている」という仮定は、かえってコンピュータの処理に乗せにくい部分があるのでしょう
 数体はQ(実際には整数ベース)として、数式処理の乗せる方が、素直なような気がします
 (数式処理ソフトは、あまり使っていないので、ここは外しているかも知れませんが)

なので、上記1)と2)の立場をうまく使い分けるのが良いと思います
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