[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
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216(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:05 ID:fHUQGPHQ(3/24) AAS
>>215
つづき
本論文では、まず §2 で高次元局所体の性質、§3 で K 群の性質を述べた後に、§4 で
主定理の証明方法の方針を示す. そして主定理の証明に決定的な役割を果たす Kummer
pairing(§5) と Artin-Schreier-Witt pairing(§7) の非退化性を示し、最後に §8 主定理の
証明と、他の重要な存在定理などを述べる.
1.2 歴史
高次元局所類体論について、類体論の歴史について概観しながら見ていくことにする.
Hilbert・高木貞治、最終的に 1925 年の E.Artin による相互写像の写像の証明によ
り、まず代数体の類体論 (大域類体論) が完成した. その後解析を使わない類体論の算
術的な証明の研究が進み、Chevalley により イデールが導入され算術的類体論の証明が
完成した. その当時局所類体論は大域類体論の系として得られていたが、大域類体論と
は独立して局所類体論を証明する動きが起こり、中山正・Hochschild・Tate らによる
有限群の Galois Cohomology の研究により Cohomology を用いて局所類体論が証明さ
れた。またその結果を利用して局所類体論を証明してから、大域類体論を証明する方法
も見出された. その後 Cohomology を使わない局所類体論の証明方法の研究がなされ、
M.Hazewinkle([H1],[I1]) の方法. Neukirch([NE1]) の方法. Lubin-Tate([LT1]) による
formal group を用いる証明方法. と現在様々な局所類体論の証明方法が知られている. (大
域類体論と局所類体論全般については例えば [KKS1]、また歴史については [A.M1] を参
照されたい.)
高次元局所体は伊原康隆による 1968 年京大数理解析研究所講究録の 「ある p 進完備な
関数体についての問題」([IH1]) の中に最初に現れたといわれている. 彼の仕事に刺激を受
けた加藤和也によって 1978 年ごろに高次元局所類体論が完成された.([K1, K2, K3]) 高次
元局所類体論の要点は、主定理が表しているように最大 Abel 拡大の Galois 群が Milnor
K-group で近似されることである. 一方 A.N.Parshin は Z 上有限型既約スキームの研究
([P2]) をしているなかで、高次元局所体が現れることを見出し、加藤和也とは独立して
ほぼ同時期に高次元局所類体論を完成させたといわれている.
つづく
218(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:06 ID:fHUQGPHQ(4/24) AAS
>>216
つづき
Parshin による類体論の証明方法 ([P1]) は、河田・佐竹による標数 p (> 0) の局所類体論の証明方法 ([KS1]) を応
用したものである. この論文で述べることであるが、Parshin による証明は主定理の証明
において表面上は Cohomology を使用しない類体論の証明方法である. 加藤と Parshin
の証明の大きな違いを述べると、Parshin の方法は K 群から最大 Galois 群の p-part へ
の写像の構成が、加藤の証明方法のように de Rham-Witt Complex を用いたりせず、
Artin-Schreier-Witt pairing を用いて、比較的容易にできる点である. その後も高次元
局所類体論について研究がなされ、Neukirch の方法を応用した I.B.Fesenko([F1, F2] に
よる方法、modified hypercohomology を用いた小屋 ([Ko1]) による方法が知られている.
(高次元局所体・高次元局所類体論全般については [F1] や [FK1] を参照のこと.)
局所類体論の証明方法またはそのアイディアを応用して、Parshin や Fesenko など高次
元局所類体論がいくつか証明されており、局所類体論の方法で高次元局所類体論が証明で
きるのではと期待されるのだが、Lubin-Tate による方法などの応用は、今のところ良い
結果が知られておらず ([V.Z1]) 同様にして証明できるか否か不明である.
一方で局所体に対して大域体と上位の概念があるように、高次元局所体に対して高次元
大域体というものがあり、加藤和也・斎藤秀司によって高次元大域類体論が完成されてい
る. 大域類体論と局所類体論の関係のようにして、高次元大域類体論を証明した後に、そ
の系として高次元局所類体論を得るということも考えられるが、高次元局所類体論の結
果を用いずに、高次元大域類体論を証明する方法はまだ知られておらず、大域類体論の
時のように、高次元大域類体論を最初に証明してから、高次元局所類体論を証明できる
かどうかも現在わかっていない. (高次元局所類体論と高次元大域類体論全般については
[RA],[IS1],[KA1],[KA2] を参照.)
つづく
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