[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
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214(2): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)10:55 ID:fHUQGPHQ(1/24) AAS
>>198
ID:QC0xCFfPさん、どうも。スレ主です。
ありがとう ありがとう
了解です
あなたの言っているのは、
自由度を上げると解けるって話ですね
元は
"ガロアの逆問題" (下記):
基礎体Fと群G(非可換の場合も)が与えられたとき、拡大体Eを構成せよ
対して、
あなたの変形した問題:
群G(非可換の場合も)が与えられたとき、ある基礎体Fと拡大体Eの組が存在するか
あなたの変形した問題では、自由度が上がって、基礎体Fと拡大体Eの組合わせが1つあれば良い
それは、>>176に示したように、ガロア理論の基本定理と
ケーリー(Cayley)の定理(>>129)から、
Snを十分大きく取れば、
任意の群Gに対して、
Gal(E/F) =Sn (n次対称群)
体:Q ⊆ F ⊆ K ⊆ E
↓↑(ガロア対応)
群:S'⊇ Sn⊇ G ⊇{e}
から、「 K ⊆ E」の存在が示せるってことですね
”自由度を上げる”というのは、数学では、他にもいろいろありますね
整数解を求める前に、有理数解を求めるとか、代数的整数の解を求めてみるとかね
(>>45より)
(参考)
外部リンク:ja.wikipedia.org
ガロア理論
(抜粋)
逆問題
与えられた方程式(あるいは体のガロア拡大)のガロア群を計算する問題を "ガロアの順問題"、与えられた群をガロア群にもつ方程式(あるいは体の拡大)を構成する問題を "ガロアの逆問題" と呼ぶことがある。
215(3): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:03 ID:fHUQGPHQ(2/24) AAS
>>190
Fesenko先生、下記 渡邉崇
”高次元局所類体論の諸定理を I.B.Fesenko([F2]) の方法で示した”か
で、ところで、下記はOpenなのか
”今のところ素体 (有理数体 Q および有限体) に関係する体において、扱いやすい形で
Abel 拡大における Galois 群を近似する方法・すなわち類体論がいくつか知られているわ
けだが、素体によらない体で、類体論が構成され得るのか? また1世紀以上過ぎても依然
として Hilbert23 の問題の未解決問題として残っている類体の構成問題は、類体論が証明
されているすべての体上で解決できる問題なのか? など代数体の類体論が完成して、一世
紀弱が経過しているが、類体論について考えるべき問題が依然として多く残されている.”
類体論を、ガロアの逆問題(>>45)として見たとき
ガロア群がアーベルの場合は、類体論が役に立つ
では、
・ガロア群がアーベルの場合には、類体論で全て尽くされているのかどうか?
・ガロア群が非アーベルの場合は、どこまで解明されたのか?
外部リンク:www.math.kyoto-u.ac.jp
雪江明彦のホームページ
外部リンク[pdf]:www.math.kyoto-u.ac.jp
Parshin による高次元局所類体論の構成について M2 渡邉 崇 2007年修士卒業 東北大学
目次
2 高次元局所体 7
2.1 諸定義 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
2.2 高次元局所体の位相 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
1 序文
1.1 概略
本修士論文は A.N.Parshin([P1]) による高次元局所類体論の主定理の証明の紹介と、そ
の論文の中で示されていない高次元局所類体論の諸定理を I.B.Fesenko([F2]) の方法で示
した、標数 p (> 0) の高次元局所類体論の証明である. 主にこの論文通じて示したいこと
は次の主定理と類体論の諸定理である.
定理 1.1 (高次元局所類体論の主定理). F を標数 p (> 0) が n 次元局所体. Ktop
n (F) を
位相的 n 次 Milnor K-group とするとき
ψF : Ktopn(F) → Gal(Fab/F)
単射連続な準同型 ψF でその image が dense となるものが存在する.
つづく
216(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:05 ID:fHUQGPHQ(3/24) AAS
>>215
つづき
本論文では、まず §2 で高次元局所体の性質、§3 で K 群の性質を述べた後に、§4 で
主定理の証明方法の方針を示す. そして主定理の証明に決定的な役割を果たす Kummer
pairing(§5) と Artin-Schreier-Witt pairing(§7) の非退化性を示し、最後に §8 主定理の
証明と、他の重要な存在定理などを述べる.
1.2 歴史
高次元局所類体論について、類体論の歴史について概観しながら見ていくことにする.
Hilbert・高木貞治、最終的に 1925 年の E.Artin による相互写像の写像の証明によ
り、まず代数体の類体論 (大域類体論) が完成した. その後解析を使わない類体論の算
術的な証明の研究が進み、Chevalley により イデールが導入され算術的類体論の証明が
完成した. その当時局所類体論は大域類体論の系として得られていたが、大域類体論と
は独立して局所類体論を証明する動きが起こり、中山正・Hochschild・Tate らによる
有限群の Galois Cohomology の研究により Cohomology を用いて局所類体論が証明さ
れた。またその結果を利用して局所類体論を証明してから、大域類体論を証明する方法
も見出された. その後 Cohomology を使わない局所類体論の証明方法の研究がなされ、
M.Hazewinkle([H1],[I1]) の方法. Neukirch([NE1]) の方法. Lubin-Tate([LT1]) による
formal group を用いる証明方法. と現在様々な局所類体論の証明方法が知られている. (大
域類体論と局所類体論全般については例えば [KKS1]、また歴史については [A.M1] を参
照されたい.)
高次元局所体は伊原康隆による 1968 年京大数理解析研究所講究録の 「ある p 進完備な
関数体についての問題」([IH1]) の中に最初に現れたといわれている. 彼の仕事に刺激を受
けた加藤和也によって 1978 年ごろに高次元局所類体論が完成された.([K1, K2, K3]) 高次
元局所類体論の要点は、主定理が表しているように最大 Abel 拡大の Galois 群が Milnor
K-group で近似されることである. 一方 A.N.Parshin は Z 上有限型既約スキームの研究
([P2]) をしているなかで、高次元局所体が現れることを見出し、加藤和也とは独立して
ほぼ同時期に高次元局所類体論を完成させたといわれている.
つづく
218(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:06 ID:fHUQGPHQ(4/24) AAS
>>216
つづき
Parshin による類体論の証明方法 ([P1]) は、河田・佐竹による標数 p (> 0) の局所類体論の証明方法 ([KS1]) を応
用したものである. この論文で述べることであるが、Parshin による証明は主定理の証明
において表面上は Cohomology を使用しない類体論の証明方法である. 加藤と Parshin
の証明の大きな違いを述べると、Parshin の方法は K 群から最大 Galois 群の p-part へ
の写像の構成が、加藤の証明方法のように de Rham-Witt Complex を用いたりせず、
Artin-Schreier-Witt pairing を用いて、比較的容易にできる点である. その後も高次元
局所類体論について研究がなされ、Neukirch の方法を応用した I.B.Fesenko([F1, F2] に
よる方法、modified hypercohomology を用いた小屋 ([Ko1]) による方法が知られている.
(高次元局所体・高次元局所類体論全般については [F1] や [FK1] を参照のこと.)
局所類体論の証明方法またはそのアイディアを応用して、Parshin や Fesenko など高次
元局所類体論がいくつか証明されており、局所類体論の方法で高次元局所類体論が証明で
きるのではと期待されるのだが、Lubin-Tate による方法などの応用は、今のところ良い
結果が知られておらず ([V.Z1]) 同様にして証明できるか否か不明である.
一方で局所体に対して大域体と上位の概念があるように、高次元局所体に対して高次元
大域体というものがあり、加藤和也・斎藤秀司によって高次元大域類体論が完成されてい
る. 大域類体論と局所類体論の関係のようにして、高次元大域類体論を証明した後に、そ
の系として高次元局所類体論を得るということも考えられるが、高次元局所類体論の結
果を用いずに、高次元大域類体論を証明する方法はまだ知られておらず、大域類体論の
時のように、高次元大域類体論を最初に証明してから、高次元局所類体論を証明できる
かどうかも現在わかっていない. (高次元局所類体論と高次元大域類体論全般については
[RA],[IS1],[KA1],[KA2] を参照.)
つづく
219(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:07 ID:fHUQGPHQ(5/24) AAS
>>218
つづき
今のところ素体 (有理数体 Q および有限体) に関係する体において、扱いやすい形で
Abel 拡大における Galois 群を近似する方法・すなわち類体論がいくつか知られているわ
けだが、素体によらない体で、類体論が構成され得るのか? また1世紀以上過ぎても依然
として Hilbert23 の問題の未解決問題として残っている類体の構成問題は、類体論が証明
されているすべての体上で解決できる問題なのか? など代数体の類体論が完成して、一世
紀弱が経過しているが、類体論について考えるべき問題が依然として多く残されている.
(引用終り)
つづく
221(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:08 ID:fHUQGPHQ(6/24) AAS
>>219
つづき
河田 敬義先生 数学1954年
「§7.結び
もともと類体論はHilbertによつて示唆
されたように,代数函数体の不分岐拡大の理論の
整数論における類似を求めようという企てから出
発した.
しかし高木先生およびArtinによつてで
き上つた類体論は,Hilbertの示唆をはるかにこ
えて,一般アーベル拡大の理論が含まれてしまつ
た.従つて代数函数体の理論との類似は必ずしも
密接ではなくなつてしまつた.しかし類構造の立
場からここに再び両者の関係をつけることができ
た.この類似から見ると,いくつかの問題がおこる.」
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
数学/6 巻 (1954-1955) 3 号/書誌
種々のアーベル拡大の理論と類体論との関係について 河田 敬義
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
論説
種々のアーベル拡大の理論と類体論との関係について
東京大学 河田 敬義 数学1954 年 6 巻 3 号 p. 129-150
(抜粋)
類体論を新らしい立場から,特にコホモロジー
論を利用して再構成しようという企ては,多くの
人々(Artin, Chevalley, Hochschild,中山,
Tateら)によつてなされた.これはすでに本誌に
おいて論ぜられたことである(中山[13]).Artin
はPrincetol1大学における講義(1952-3)で,
大局的および局所的類体論の或る部分がコホモ戸
ジー論によつて統一的に論ぜられることを指摘
し,類構造(class formation)の理論を展開し
た(Artin-Tate[2]).一方アーベル拡大の理論
は,類体論の他に,Kummer拡大の理論,標数
力の体の力拡大の理論(Witt[19]),古典的1変
数代数函数体の不分岐拡大の理論(Wey1[18])な
どが知られている.そこで当然これらの理論がす
べて共通の立場から論ぜられないかという問題が
生じる.本論説の目標は,類構造の理論を中心
に,すべてのアーベル拡大の理論を統一的に論じ
ようということである。
つづく
222(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:09 ID:fHUQGPHQ(7/24) AAS
>>221
つづき
以下まず類構造の一般論
を述べ(§1),Kummer拡大およびρ 拡大
(§2),および古典的代数函数体(§3)の場合に
あてはめる.次にWei1[17]が整数論において考
察したいわゆるWei1群の理論を一般の類構造
において論し(§4),これを古典的代数函数体の
不分岐拡大の場合に適用する(§5).さらにWei1
[17]で示唆された普遍Weil群の理論を,代数
函数体の場合に考察する(§6).'以上の考察から
さらに新な問題に直面する。最後にそれらについ
て述べたい.
§7.結び
(i)類体論は,数学における最も美しい理論
の一つとして,その理論の構成にも,証明におい
ても,種々の改良が企てられていることは初めに
述べた。もともと類体論はHilbertによつて示唆
されたように,代数函数体の不分岐拡大の理論の
整数論における類似を求めようという企てから出
発した.
しかし高木先生およびArtinによつてで
き上つた類体論は,Hilbertの示唆をはるかにこ
えて,一般アーベル拡大の理論が含まれてしまつ
た.従つて代数函数体の理論との類似は必ずしも
密接ではなくなつてしまつた.しかし類構造の立
場からここに再び両者の関係をつけることができ
た.この類似から見ると,いくつかの問題がおこ
る.例えば,Kummer体の場合にせよ,代数函
数体の場合にせよ,A(k)は或る群の指標群の形
でかなり自然に導びかれている。一方(例えば)局
所類体論ではA(k)=k*であるが,何故にA(k)
としてk*を取るかという解釈がほしいものであ
る.またKummer体などの場合に公理F5は
二つの完全系列によつて簡単に証明される。しか
るにF5の証明は,類体論において極めて厄介で
ある.(局所)類体論の証明において,いま一段の
簡易化はできないものであろうか?
また代数数体においても,普遍Wei1群WΩ,k
を構成することはできるが,それの構造は簡単な
ものとはいえない.§6,定理13に対応して,
WΩ,kの簡単な意味づけはできないものであろう
か?
つづく
223(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:09 ID:fHUQGPHQ(8/24) AAS
>>222
つづき
(ii)すでに知られたアーベル拡大でも,いま
だ類構造の形で述べられないものがある。例えば
(イ)標数pの代数的閉体を係数体とする1変数
代数函数体kの不分岐p拡大の場合にはSafarevic
の結果より, G(Ω/k)は自由群のp完備とな
るので,§2の理論と並行したものが予想される
が,まだA(k)がうまく求められない。それより
も(官) 多変数代数函数体の場合の不分岐拡大
の理論が重要であろう.すなわち射影空間の中
の,或るnon-singularな代数多様体Vの上の
有理型函数の作る函数体をkとする。Vの有限被
覆多様体V'はまた或る別の射影室間内のnonsil1gular
な代数的多様体として表わされ,そこ
での有理型函数体Kはkの有限拡大となり,1変
数の場合との類似が成り立つ(小平邦彦,Ann.
of Math.59(1954),§12)。この場合に因子の
理論はPicard varietyの理論として,いろい
ろと研究されている(井草準一,Amer. J.
Math.,74(1952),他Chow, Wei1,小平).
さらにRiemann-Rochの定理もn変数の場合
に拡張された(Hirzebruch等).これらの材料
を用いて不分岐アーベル拡大の理論を類構造の形
に表わすことができないであろうか?
(iii)類体論をnon-abelianな理論に拡張す
ることは,多くの人々の唱えるところである。し
かし具体的な形は予想されていない.一体類構造
の理論が,アーベル拡大でない場合への同型定理
の拡張を含んで,一般の場合に拡張できるもので
あろうか?
ところで古典代数函数体の場合には,Wei1(J.
d.math..17(1938), 遠山啓(Bu11.Tokyo
Inst。 Tech。 No。4(1950))のnon-abelianな
理論が存在する.これを§3の形と類似のものに
表現できないであろうか?
さらに整数論にその類似を求めることもできな
いであろうか?
(引用終り)
つづく
224(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:11 ID:fHUQGPHQ(9/24) AAS
>>223
つづき
加藤 和也先生(^^
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
数学/40 巻 (1988) 4 号/書誌
類体論の一般化
加藤 和也
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
類体論の一般化
加藤 和也 数学/40 巻 (1988)
(抜粋)
有理数体の有限次拡大,いわゆる有限次代数体を,以下,代数体と称する.
代数体の類体論を,素体上(有限次に限らず)有限生成な体に一般化すること,一般化した時に生
じてくる様々の新しい問題や研究テーマについて述べたい。
代数体が整数論において研究の対象とされる理由は,ひとつには有理数体が昔から人間にとつて
親しみ深い対象であり,有理数体を考察していけば自然にその有限次拡大である代数体に考察が及
んだからであるが,もうひとつには.代数体は考察の対象とするに足る特別に豊かな理論をもつ体
であるということがある:
代数体
=整数論の対象となる体
=特別に豊かな理論をもつ体
=人間にとって身近な体.
等号(2)の存在は整数論研究者の信ずる所であると思うし,等号(3)の存在はふしぎな事で理由は
わからないけれども確かな事である.そして近年の整数論の発展を見れば,等号(1)の左側が
素体上有限生成な体=
と置きかわるようになっていくものと思われる.(例えばゼータ関数は代数体だけでなく素体上有
限生成な体に対して考察されている.)
類体論は代数体のアーベル拡大の理論であるが,それが素体上有限生成な体のア.__.ベル拡大論と
して一般化できると思うと,心に浮かぶ事は多い.
最初から夢想を書いて恐縮であるが,
そのような代数多様体の整数論に,もし一般化された類体論が活躍することができれば,どん
なにかすばらしいであろう.整数論の書物にある,類体論に関係した諸結果,諸問題はみな,こう
した素体上有限生成な体に拡張されるはずである.そしてまた,代数体に関する事の一般化だけで
なく,代数体の場合にはなかった新しい興味深い問題が生じてくる.例えば,.各アーベル拡大体に
おいて,整数環上のその体のモデルにどのような特異点が現われるか,モデルはどのくらい900d
reductionから遠いか,などを類体論的に考える問題がそれである.
つづく
225(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:12 ID:fHUQGPHQ(10/24) AAS
>>224
つづき
そうしたいろいろな問題に,
昔からの類体論の伝統的手法や見方が.定式化を適切にすれば適用できると信ずることは楽しい.
その報文で,アーベル拡大の理論には多くの宝が蔵されていると述べたHilbertの言葉は,今も真
理であると考えたい.
筆者が類体論に志したのは,河田敬義・伊原康隆両先生のおすすめによるものである.([6]に提
出された,あるρ 進完備な関数体の類体論をつくる問題を,修士論文の目標とした・)両先生と共同
研究者斉藤秀司氏,影響をうけた先輩三木博雄氏にお礼を申しあげたい.
以下§1で代数体の類体論を復習し,§2でその一般化を述べ,§3に§2の補足を,§4に分岐理
論を述べる.
§1.代数体の類体論
代数体の類体論の要約を述べる.専門外のかたにも読んでいただけるようにすること,類体論の
抽象的な定理が,どのように`平方剰余の相互法則,などの古くから知られてきた整数論の定理を
含んでいるかを説明すること,そして,類体論の主精神は次の(1.0.1)のようなものであると思う
ので,その精神を強調することに力点をおいた.
(1.0.1)代数体のアーベル拡大がどのように存在するか,また代数体の各アーベル拡大において
どのようなことがおこるかは,手に取るようによくわかるものである.
この`どのようなことがおこるかがよくわかる,ことの内容として,次の§1.ユに述べるような,
アーベル拡大における簡明な‘分解法則,の存在がある.§1.1に述べる事柄や平方剰余の相互法則
は類体論以前から知られていた‘類体論のあらわれ'であつたのであり,類体論から説明できるの
である(§1.3).
つづく
226(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:13 ID:fHUQGPHQ(11/24) AAS
>>225
つづき
§4.3.D加群との類似
この§4.3では,D加群の理論との類似を追いながら,定理(4.2.1)のC(ρ)を定義する.D加群
の理論では,cotangent bundle上に定義されるD加群のcharacteristic cycleと, cotangent
bundleの0-sectionめ交わりとして,重要なo-cycle classが定義されるので,それをまねるので
ある.
素体上有限生成な体のアーベル拡大についての情報は,そのK理論的idele類群の中に原理的に
はすべて蔵されているわけである.この§4で述べた事は,§3.3末(五)の例に記述したような,
Milnor K群のfi1trationのgrの様子,大域体のidele類群が内蔵する微分の海にwildな分岐がも
,たらす嵐の様子,を読みとろうとしたものである.K群の語る言葉に耳をかたむければ,特異点の
ことも含め,高次元でも,(1.0.1)に述べた類体論の主精神のように‘アーベル拡大において何がお
こるかは手にとるようにわかる,ようになるはずだと考えている。
(引用終り)
つづく
228(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:15 ID:fHUQGPHQ(12/24) AAS
>>226
つづき
非可換の場合(^^;
外部リンク:deepblueibm.hatena(URLがNGなので、キーワードでググれ(^^ )
All arts is quite useless
2017-03-24
非可換類体論とは
ブログの記事にある今や数論の中心に位置する一大プロジェクト保型形式とゼータ関数の不思議な関係、非可換類体論についてわかったことをまとめます。まだまだ整数論初心者なので逆に非可換類体論について教えてくれる人は教えてください。
1.類体論とは?
「ガロア群が可換」の場合しか示されてないんですね。その意味では人類はまだ類体論を攻略してません。
2.志村谷山予想とは?
フェルマーの最終定理と関係する予想(定理)として有名な志村谷山予想がありますがそれは実は2次元の非可換類体論だと考えることができます。
これを数学的に定式化すると、楕円関数のゼータ関数が必要になってきます。これは二次元のゼータ関数で
略
こういう式になります。
3.表現論とは
結論から言うと現代数論ではゼータ関数が重要なものでいかにしてゼータという対象に帰着できるかにかかってます。志村谷山予想もそうですが問題をゼータに直してわかりやすくしています。
ということは古典的な類体論もゼータ関数にまとめられるのではないか?という考えが思い浮かんでも不思議では無いでしょう。その等式を作るのがここで言う表現論の役割です。
ここで古典類体論を統一的なゼータ関数や表現論的なperspectiveで考えてみたいと思います。まずQ上の整数論を考えてみます。
ここで言う表現とは指標のことです。指標とは群から体への写像のことでここでは単位的な指標のみを扱うこととします。
Qの最大アーベル拡大のガロア群をG→K(これはKの単数群)だとしたらこれを一次元ガロア表現と言います(単数群はその体の自己同型写像)。
有理数体はQの最大アーベル拡大はクロネッカーウェイバーの定理によってQ(μ)の集合と同型と考えれます。
そのQ(μN)は(Z/N)の単数群の集合と同型(円分体の基本定理)。
つづく
230(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:23 ID:fHUQGPHQ(13/24) AAS
>>228
つづき
なので最大アーベル拡大は整数環の副有限完備化の単数群と同型ですが、整数環に定義される指標といえばディリクレ指標なのでこの関係式は「ガロア群の表現とディリクレ指標の一対一対応」と考えることができます。
詳しく言うとΠ1/1?(a/p)p=Σλ(n)/n^nが二次体のガロア表現と保型表現の対応になるみたいです。
類体論の骨組みは代数体上アーベル拡大のガロア群がイデール類群と同型になるような写像を作れるということでした。
(イデールはアデールの可逆元の集合でアデールはある体のp進付値で完備化したものをぜんぶくっつけたものです。
よくわからないならZに対するRみたいなもので(イメージは全然違いますが任意の体に(位相的に見てZとRの関係性に似たような関係を持つ)体を定義したようなものです。)
とにかくデカイ体だということを認識してくれたら大丈夫です。物理的にも重要な環らしいです。通常)。
アデール群の一般線形群が保型表現では重要になりますが1次元の場合はイデール群となりラングランズ予想で出て来るアデールの一般線形群と一次元類体論と整合がつきます。
通常のイデール群はQの可逆元の集合、Zの副有限完備化の可逆元の集合、R>0の可逆元の集合に直積分解でき、類体論の基本定理はイデール群のQとR>0の可逆元の剰余群(イデール類群)に最大アーベル拡大は同型だという主張のことです。
イデール類群のCの可逆元のへの指標の集合をヘッケ指標だと言い、これがさっき注意したZの副有限完備化の単数群の集合を経由する場合にはディリクレ指標になります。
l進ガロア群の重要さは古典的アーベル拡大の理論から来てるのだと思います。自然にl進数に射影できるし
4.ラングランズ予想とは
Langlands予想とは簡単に言えば「n次の良いEuler積は全てGLnの保型L関数である。という予想であって、ここで良いとは全s平面に有理型に解析接続できてs⇔1-sという型の関数等式をもつこと」らしい(数論Uより)。このGL群はアデール上の一般線形群のことを指すのだと思います。
保型形式論では行列群の整数係数部分群、所謂モジュラー群が重要になって来るんですが、ラングランズ予想は一般の体係数の行列群をそのモジュラー群と見てアデール上の保型形式を考えること、そのアデール係数行列群からの右正則表現の部分表現のことらしいです。
つづく
231(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:24 ID:fHUQGPHQ(14/24) AAS
>>230
つづき
(どんな部分表現かは理解してません。英語のpdfでも探してみてください。
一方ガロア表現の定義はK を体とし,GK を K の絶対 Galois 群E を 複素数体 C,p進体(Qp の有限次拡大、有限体のいずれかとし、V を体 E 上の有限 次元ベクトル空間として、K の Galois 表現とは,連続準同形 ρ: Gal(K/K) ?→ GL(V ) のことです。
そしてなぜ志村谷山予想がラングランズプログラムの一部かというと楕円曲線Eのl分点の群E[l]をQの絶対ガロア群の表現として考えて保形形式と結びつけて考えたからみたいです。
これは僕の考察ですがKを標数pの体としてE→Eの自己同型写像を整数Nに対してN倍写像と定義されていているのでl^n分点アーベル群を逆極限とった加群がTate加群ってことなのかな?
おそらくだけど楕円曲線は「いい素数」だけを見たくて、そのいい素数の集合で考えるのが便利との発想でl進数で考えてるのかな?
5.非可換類体論とは
予想ですけど多分楕円曲線ガロア群が得られてmodpの解をモジュラー関数の係数(母関数だと)見たのと同じように、最小多項式をモジュラー関数の係数だと考えればmodpでイデアルの分岐の様子がわかるのが非可換類体論だということじゃないでしょうか?
まだ保形形式の係数にどういう数学的意味が含まれているか僕はわかりませんが、実際に非可換なガロア群と対応できる保形形式は見つかってるそうです。ということはこれがラングランズの応用。非可換なアーベル群の文化の様子を調べる理論ってことじゃないでしょうか???
(勉強したことをまとめた上での推測です
(引用終り)
つづく
233(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:29 ID:fHUQGPHQ(15/24) AAS
>>231
つづき
可換類体論のまとめ(^^
外部リンク:lemniscus.hatena(URLがNGなので、キーワードでググれ(^^ )
再帰の反復blog
2014-07-06
類体論についてのメモ
(抜粋)
3. 類体論の主な定理
類体とは次のようなものだった。
類体についての3種類の説明:
(1)類体とは、あるmで [Im(K):Hm(L/K)]=[L:K] となるような拡大体L/Kのことである。
(2)類体とは、素イデアル(≒素数)の分解の仕方が、合同イデアル群Hによって(≒ あるmで割ったときの「余り」による類別で)判るような拡大体L/Kのことである。
(3)類体とは、アーベル拡大体L/Kのことである。
もっと短く言えば、類体とは、(1)ある等式をみたす拡大体のことであり、(2)素イデアルの分解の仕方が「余り」で判る拡大体のことであり、(3)アーベル拡大体のことである。
類体論を証明する上では、(1)を類体の定義として、
・基本定理: アーベル拡大体は類体である。
・分解定理: 類体では、素イデアルの分解の仕方は合同イデアル群Hm(L/K)によって定まる。
(特に合同イデアル群に含まれる素イデアルp∈Hm(L/K)は「完全分解」する(体の拡大次数個の異なる素イデアルに分解する))
が証明される(さらに類体論の他の結果も使って(1)と(2)と(3)が同値性が示される)。
類体は、他にもいろいろな性質を持っている。
特に重要(で証明がたいへん)なのは、同型定理、一般相互法則、存在定理など。
4. エルブランの補題の使われるところエルブランの補題は、基本定理「アーベル拡大は類体である」を証明するときに使われる。
類体の定義に戻れば、基本定理は次のような主張になる。
L/Kがアーベル拡大なら、あるmで
[Im(K):Hm(L/K)]=[L:K]
となる。
つづく
234(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:31 ID:fHUQGPHQ(16/24) AAS
>>233
つづき
類体論の源流クロネッカー(^^
外部リンク[pdf]:www.kurims.kyoto-u.ac.jp
類体論の源流
三宅克哉 (東京都立大学理学研究科) 数理解析研究所講究録 1060 巻 1998 年 185-209
(抜粋)
§ 1 源流クロネッカー (1823-1891)
類体論の直接の源流はクロネッカーである. 彼は特にアーベルとクムマーの影響下で
2 種類の問題を提示した : 「アーベル多項式の特徴付け」 と, いわゆる 「単項化定理」
である.
1853 年, 29 歳のクロネッカーは短い論文 [Kr-18531 で次の主張を提示した.
クロネッ朝 $-$ ーヴエ一バーの定理 : 有理整数係数のアーベル方程式の根は必ず 1 の
罵乗根の有理整数係数の有理関数として表される.
ただし, この時点では, クロネッカーはガロア群が巡回群であるような代数方程式を
「アーベル方程式」 と呼んでおり, 後に [Kr-18771 ではこれを [単純アーベル方程式
またガロア群が可換群であるものを 「アーベル方程式」 と呼ぶことにした. この論文で
説明されているように, どちらの定義を取ってもこの定理の含むところは変わらない.
彼はこの定理を ttSatztt と呼んでいるが, 証明は結局は ${}^{\mathrm{t}}\mathrm{i}\grave{7^{\backslash }}i\mathrm{L}^{-}$ バーの論文「We-18871 を待
つことになる.
1857 年になると, 短いが?段と楕円関数に踏み込んだ論文 [虚数乗
法が生じる楕円関数につい $\text{て}4$ ([Kr-1857a]) を著している. これと, この年にディリ
シュレに宛てた手紙 [Kr-1857b1 からみて, いわゆる 「クロネッカ一の青春の夢」 がこの
頃に描かれたものと思われる. 数学上の予想ないし研究課題としての 「クロネッカ $-$ の
青春の夢」 は, 彼がデデキントに宛てた 1880 年の手紙 ( $[\mathrm{K}\mathrm{r}- 1880\mathrm{b}]\rangle$ のなかで, 彼が
「私のいちばんのお気に入りの青春の夢」 $\langle$
... um meinen liebsten Jugendtraum, $\ldots\rangle$ と呼
んだ, おおむね次のような数学の問題 (予想) を指す :
クロネッカーの青春の夢 : 虚 2 次体上のアーベル多項式の根は, その 2 次体を虚数乗
法に持つ楕円関数の「特異モデュライ」 と周期の等分点での値ですべて与えられる.
つづく
235(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:32 ID:fHUQGPHQ(17/24) AAS
>>234
つづき
類体論の源流クロネッカー(^^
外部リンク[pdf]:www.kurims.kyoto-u.ac.jp
類体論の源流
三宅克哉 (東京都立大学理学研究科) 数理解析研究所講究録 1060 巻 1998 年 185-209
(抜粋)
§ 1 源流クロネッカー (1823-1891)
類体論の直接の源流はクロネッカーである. 彼は特にアーベルとクムマーの影響下で
2 種類の問題を提示した : 「アーベル多項式の特徴付け」 と, いわゆる 「単項化定理」
である.
1853 年, 29 歳のクロネッカーは短い論文 [Kr-18531 で次の主張を提示した.
クロネッ朝 $-$ ーヴエ一バーの定理 : 有理整数係数のアーベル方程式の根は必ず 1 の
罵乗根の有理整数係数の有理関数として表される.
ただし, この時点では, クロネッカーはガロア群が巡回群であるような代数方程式を
「アーベル方程式」 と呼んでおり, 後に [Kr-18771 ではこれを [単純アーベル方程式
またガロア群が可換群であるものを 「アーベル方程式」 と呼ぶことにした. この論文で
説明されているように, どちらの定義を取ってもこの定理の含むところは変わらない.
彼はこの定理を ttSatztt と呼んでいるが, 証明は結局は ${}^{\mathrm{t}}\mathrm{i}\grave{7^{\backslash }}i\mathrm{L}^{-}$ バーの論文「We-18871 を待
つことになる.
1857 年になると, 短いが?段と楕円関数に踏み込んだ論文 [虚数乗
法が生じる楕円関数につい $\text{て}4$ ([Kr-1857a]) を著している. これと, この年にディリ
シュレに宛てた手紙 [Kr-1857b1 からみて, いわゆる 「クロネッカ一の青春の夢」 がこの
頃に描かれたものと思われる.
つづく
236(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:34 ID:fHUQGPHQ(18/24) AAS
>>235
つづき
数学上の予想ないし研究課題としての 「クロネッカ $-$ の
青春の夢」 は, 彼がデデキントに宛てた 1880 年の手紙 ( $[\mathrm{K}\mathrm{r}- 1880\mathrm{b}]\rangle$ のなかで, 彼が
「私のいちばんのお気に入りの青春の夢」 $\langle$
... um meinen liebsten Jugendtraum, $\ldots\rangle$ と呼
んだ, おおむね次のような数学の問題 (予想) を指す :
クロネッカーの青春の夢 : 虚 2 次体上のアーベル多項式の根は, その 2 次体を虚数乗
法に持つ楕円関数の「特異モデュライ」 と周期の等分点での値ですべて与えられる.
虚数乗法についてはワイエルシュトラスの $\wp$ 関数に基づく説明を次の節で簡単に与え
る. ここではアーベルやクロネッカー [Kr-1857a1 が扱った楕円関数とそのモデュライに
触れておく.
アーベルは, まず楕円積分が特に対数関数で積分されてしまう場合を連分数に基づく
手法で決定した $\langle_{[6}\mathrm{A}\mathrm{b}- 182\mathrm{b}$]) が, 次の瞬間には, 素直に楕円積分の逆関数に注目し,
またコーシーが展開していた複素線積分を取り入れ, たちまち 「楕円関数論」 を構築してしまう.
§3 デデキント $(1831-1916\rangle$
デデキントは, ガウスに倣ったわけでもないのだろうが, 理論的な枠組みが明快にな
るまでは不用意な公表をひかえていたように見受けられる. この点は 「預言者」 と呼ば
れたクロネッカーと著しく異なっている. したがって彼が実際に何を見, 何を意図して
いたのかを, 整った論文のなかに見いだすことは容易ではない. 第 1 項については, 特
に『ディリシュレの数論講義への補足\sim の最終版 [De-18931 の完成度が高い ; しかも
[De-1871], [De-1877a1, [De-1879], $[\mathrm{D}\mathrm{e}- 18\mathfrak{B}]$ と順を追って成熟していく様子が見られ
る. このようなことから, [De-18931 こそが彼の最終目的であったと見倣されるかもし
れない.
つづく
238(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:36 ID:fHUQGPHQ(19/24) AAS
>>236
つづき
しかし, 彼の代数的数論における 「研究計画」 は, 必ずしも 「代数的整数
「モデュール」 , 「オーダー」 , 「イデアル」等の概念め抽出とか, それらによる代数
的数論の骨格の基礎づけに最大の主眼があったわけではなかった. 彼にはもっと明確な
数論らしい問題意識があった. 純 3 次体に対する類数公式の探求が彼を強く動機づけて
いたものと思われる.
§5 クロネッカーの仕事について
そう単純に 「ヤマ」 などという言葉づかい
に乗ってしまうわけには行かない.
また数学史からの観点からすれば, そのように端的に切り捨てるわけには行かない.
例えば「厳密な証明」 にしても, それは当然その時点での数学界のレヴェルと相対的で
しかありえない. 高木も 「この予言者の名を冠して [クロネッケル』$\sim$ 式密度の称呼を用
いたのであ」 り, クロネッカーを単に 「数学」 の観点からアッサリと切り捨てられるわ
けではなかった.
とはいえ, クロネッカーの論文の多くは, 特に彼がその構築をライフワークとした代
数的数論に関するものについては, 現代から見れば, 十分に 「数学的」 に書かれている
と言えるものではないかもしれない ; 恐らく当時の常識からしても. しかし, 例えば現
代の物理学者達の論文と対比して見ればわかりやすい. クロネッカーは, いまだ定義も,
概念すらはっきりとはしていない, しかし彼にとって現代の物理学者達の見るものより
も遥かに厳然, 確固として存在する 「数学的な事実」 を発見し, それを報告しようとし
た. 彼が見たもの自体は, 例えば「一般的な関数」 , 「一般的な無限級数」 と言ったあ
やふやな, 捉え所のない新参者とは異なり, 新しいとはいえ, どこから見ても伝統的で
歴とした数学であった. 彼はそこに新しく驚嘆すべきものを発見し, それを, 書き方と
しては 「数学的」 ではな $\vee\supset$ かたにせよ, なんとか報告したのであった. そこに自身の数
学者としての全身の重みをかけていた.
つづく
239: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)11:37 ID:fHUQGPHQ(20/24) AAS
>>238
つづき
例えば, 有理数体上のアーベル多項式の根が 1 の累乗根の有理整数係数の有理式とし
て表わされることを 「発見」 して, 躊躇わずにそれを 「定理 $\langle \mathrm{s}_{\mathrm{a}\mathrm{t}\mathrm{Z}}\rangle$ 」 として報告した
$\langle_{15}\mathrm{K}\mathrm{r}- 183$ ]). 有限体の扱い方を例にとれば, 彼は決してガロア流を採らず, あくまで
もガウス流にこだわり続けたろう. それは, 彼の代数体における因子論 ([Kr-lae21; 高
木 [T-19481, 附録 (三) 参照) からも想像がつく. 例えば彼は, 師でもあったクムマー
の理想数の与え方 (lKu-1845, -18471) に満足せず, そのように本質的なものは「明確な
数学的なもの」 によって表示すべきであるとした ; (そしてその嗅覚は確かであった) ’
まず虚 2 次体について, それを虚数乗法として持つ楕円関数の 「特異モデュライ」から
得られる本物の数として虚 2 次体の理想数を具現すること, および, それらの数によ
る虚 2 次体の拡大が不分岐であること, を発見した $\langle_{[\mathrm{a},18}\mathrm{K}\mathrm{r}- 1857-62]\rangle$ ; さらに 「単項化定理」 に基づく 「類体」の存在を信じて彼の代数的数論構築ひとつの大きな指針と
し, 一般の代数的数体に対して 「単項化定理」 を彼の流儀で定式化した $([\mathrm{K}\mathrm{r}- 1\Re 2])$.
クロネッカ $-$ は, デデキントに比べれば, たしかに明蜥さにおいて遅れをとる. しかし,
ヒルベルトがそこから出発して彼の頭体論の構想へと進んだことは明らかである. しか
もまた,
$\text{ウ_{ェ}^{}\backslash }-$バーも高木も, 先ず「クロネッカーの青春の夢」 に惹付けられたのであっ
た $([\mathrm{M}- 1994]\rangle$.
(引用終り)
以上
ではまた(^^;
250(2): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)21:50 ID:fHUQGPHQ(21/24) AAS
>>215
追加
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
数学/67 巻 (2015) 3 号/書誌
論説
高次元類体論の現在
??非アーベル化への展望と高次元Hasse原理??
斎藤 秀司
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
論説 高次元類体論の現在 非アーベル化への展望と高次元Hasse 斎藤秀司 数学 ?2015
外部リンク:ja.wikipedia.org
斎藤 秀司(さいとう しゅうじ、1957年10月16日 - )は、日本の数学者。東京工業大学理工学研究科理学研究流動機構教授。専門は数論幾何、代数幾何。
経歴
1981年東京大学大学院修士課程修了。1985年博士号を取得。東京大学助教授、東京工業大学教授、名古屋大学教授、東京大学教授を経て、東京工業大学理工学研究科理学研究流動機構教授。
師は伊原康隆、加藤和也。
加藤和也との共同研究である高次元類体論の一般化は広く知られている。アーベルの定理の高次元化、代数的サイクル、高次元アーベル=ヤコビ写像などの研究もある。
受賞
1996年 - 日本数学会春季賞:類体論の一般化および代数的サイクルの研究
Twitterリンク:unaoya
りす. ?@riss_gendarmery 2016年4月23日
高次元類体論 ってなにが高次元なんだろう…wiki見ると高次元大域体とかあったけどそれがなんなのかからわからない
梅崎直也 @unaoya 2016年4月25日
普通の類体論が代数体の整数環とか有限体上の曲線とか1次元のスキームを調べるのに対して(Z上有限生成な)次元の高いスキームを考える感じです。Galois側は基本群とかその表現とかで、アデール側はK群とかチャウ群とかを使います。
りす. @riss_gendarmery 2016年4月25日
なるほど!スキームの次元が高いということだったんですね!ありがとうございます!
梅崎直也@unaoya 2016年4月25日
高次元大域体というのは素体上有限生成な体ぐらいの意味だと思います。そのようなものを関数体にもつスキームを考えるかんじです。
つづく
Twitterリンク:5chan_nel (5ch newer account)
251(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)21:51 ID:fHUQGPHQ(22/24) AAS
>>250
つづき
外部リンク:ja.wikipedia.org
代数体
(抜粋)
数学の体論・代数的整数論における代数体(だいすうたい、英: algebraic number field[注 1])とは、有理数体の有限次代数拡大体のことである。代数体 K の有理数体上の拡大次数 [K:Q]を、K の次数といい、次数が n である代数体を、n 次の代数体という。 特に、2次の代数体を二次体、1のベキ根を添加した体を円分体という。
K を n 次の代数体とすると、K は単拡大である。つまり、K の元 θ が存在して、K の任意の元 α は、以下の様に表される。
α =a_0+a_1θ +・・・ +a_n-1θ^n-1。
但し、 a_0, a_1,・・・, a_n-1 は有理数。
このとき θ は n 次の代数的数であるので、K を Q 上のベクトル空間とみたとき、1, θ ,・・・ , θ^n-1 は基底となる。
外部リンク:hooktail.sub.jp
拡大体
(抜粋)
ある体 F に,幾つかの元を付け足すことで, F を含む体 E を作れるとき, E を F の 拡大体 (もしくは単に 拡大 )と呼びます.
体 F の拡大体 E は, F 上のベクトル空間になっています.
F 上のベクトル空間と見たときの E の次元を EのF上の次数 もしくは 拡大次数 と呼び, [E:F] と書きます. [E:F] が有限のとき E を 有限次拡大体 ,無限のとき 無限次拡大体 と呼びます.
素体
逆に,部分体を考えて行くとき,これ以上小さな部分体が取れない(部分体は体自身のみ)となる体を 素体 と呼びます.有理数体は素体です.
有理数体 Q は素体です.
素数 p の剰余体 Z_p は素体です.
実は『全ての素体は, Q か Z_p と同型である』と言えるのです.後ほど 素体 の記事で証明します.
外部リンク:hooktail.sub.jp
素体
(抜粋)
有理数体と剰余体は,それぞれ素体であることを 拡大体 で示しました.実は,逆に全ての素体は有理数体か剰余体のどちらかに同型であることが言えるのです.
全ての素体は,有理数体 Q か剰余体 Z_p に同型です.
証明には準同型定理と商体の知識が必要です.イデアルも少し出てきます.少し長いですが,証明を掲げておきます.
次の定理も重要です.
任意の体 F は,ただ一つの素体を含みます.
252: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)22:05 ID:fHUQGPHQ(23/24) AAS
>>251 追加
外部リンク:ja.wikipedia.org
二次体
(抜粋)
二次体 (にじたい、英: quadratic field) は、有理数体上、2次の代数体のことである。任意の二次体は、平方因子を含まない 0, 1 以外の整数 d を用いて、Q(√d)と表現される。
もし、d > 0 である場合、実二次体 (real quadratic field)、d < 0 の場合、虚二次体 (imaginary quadratic field) という。
性質
体論・環論
・任意の二次体は、ガロア拡大体であり、ガロア群は巡回群となる。
・その整数環がユークリッド整域となる二次体 Q (√d) は、d = ?11, ?7, ?3, ?2, ?1, 2, 3, 5, 6, 7, 11, 13, 17, 19, 21, 29, 33, 37, 41, 57, 73 だけである。
・その整数環が一意分解整域となる虚二次体 Q(√d)は、d = ?1, ?2, ?3, ?7, ?11, ?19, ?43, ?67, ?163 だけである。
・任意の二次体K に対して、有理素数 p は、以下のいずれかを満たす。
1. (p)= p_1 p_2 ( p_1, p_2 は、相異なるK の素イデアル)。 (このとき、p は、K で完全分解であるという。)
2. (p)= p^2 ( p は、K の素イデアル)。(このとき、p は、K で不分解であるという。)
3. (p)は、K の素イデアルである。(このとき、p は、K で不分岐であるという。)
二次体と円分体
・任意の二次体 K に対して、ある整数 n が存在して、K⊂ Q (ζ_n) 。
ここで、 ζ_n は、1 の原始 n 乗根である[4]。
特に、n = 2q (q ? 3) とすれば、円分体 Q (ζ_n) には、 Q (√-1), Q (√2), Q (√-2) が含まれる。
・上記のことは、クロネッカー=ウェーバーの定理の特別な場合である。
さらに、基礎体を有理数体ではなく、虚二次体にしたときに同様なことが言えるかを問うたのが、クロネッカーの青春の夢(の特別な場合)である。
(引用終り)
254(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/10/26(土)23:38 ID:fHUQGPHQ(24/24) AAS
>>214
(引用開始)
自由度を上げると解けるって話ですね
元は
"ガロアの逆問題" (下記):
基礎体Fと群G(非可換の場合も)が与えられたとき、拡大体Eを構成せよ
対して、
あなたの変形した問題:
群G(非可換の場合も)が与えられたとき、ある基礎体Fと拡大体Eの組が存在するか
(引用終り)
これ、数学センス良いですね
数学で結構ある話ですが、例えば、ベースを実数から複素数に拡張する
そうすると、「有理数係数のn次代数方程式には、必ず複素数解が存在する」となる
因みに
ガロア対応:(正規かつ分離の)有限次代数拡大E/F vs ガロア群Gal(E/F)
みたいな話、結構数学ではある
微分方程式を、
フーリエ変換した空間に移して、
代数方程式にして解いて(圧倒的に解きやすい)、
その解を逆フーリエ変換して、微分方程式の解を求めることに似ている
(ガロア対応は、体の拡大を、より扱い易い群の理論に移すということ)
外部リンク:ja.wikipedia.org
フーリエ変換
(抜粋)
応用
微分方程式の解析学
フーリエ変換および近い関係にあるラプラス変換は微分方程式の解法において広く用いられる。
f(x) を可微分函数で、
そのフーリエ変換を ^f(ξ) とすると、
導函数のフーリエ変換が 2πiξ^f(ξ)
で与えられるという意味でフーリエ変換と微分作用素は両立する。
このことを用いて微分方程式を代数方程式に変換することができる。
ただし、この手法は定義域が実数全体である場合にしか適用できないことに注意が必要である。
これを拡張して、定義域が Rn であるような多変数函数に関する偏微分方程式を代数方程式に書き換えることもできる。
(引用終り)
以上
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
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