[過去ログ] 勇者「お前が勇者をやってみろ」 魔王「どうしてそうなる?」 (130レス)
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(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:36 ID:wqn4CCQG0(1/59) AAS
AA省
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:42 ID:wqn4CCQG0(2/59) AAS
AA省
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:48 ID:wqn4CCQG0(3/59) AAS
[ピーーー]=殺 す
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:49 ID:wqn4CCQG0(4/59) AAS
[ピーーー]=殺 す
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:52 ID:wqn4CCQG0(5/59) AAS
魔王「・・・・・・どうやら、此度の勇者は最初から異常だったというわけだ。 
   それならば、貴様の仲間が後ろに控えている年寄りの賢者一人というのも頷ける」

賢者「ふぉっふぉっふぉww わしのことは気にせずに。 ささ、続けなされ」

勇者「爺さんはただの付き添い人だ」

魔王「付き添いだと?」

賢者「わしは手をださんわいw」

勇者「そういう事だ。 だから、まずは・・・・・・」 チャキ

魔王「ようやく構えたか。 まぁ、そうだろうな。 でなければ、貴様が我が城まで出向いてきた意味がない。
   とどのつまり、魔王と勇者とはこういう関係でしかないのだ」 チャキ

勇者「爺さん、手は出さないでくれよ。 世界最高峰の賢者とて、魔翌力はきっちり温存しておいてくれ」

賢者「分かっておるわいww ふぉっふぉっふぉww」

魔王「ラスボス相手に随分な余裕ではないか。 貴様一人で我に挑もうというのか? 随分と舐められたものだ」

勇者「舐めちゃいないさ。 しかし、これは俺がやらなくちゃはいけないことだ。 もう、神も精霊も関係ない。
   国からの要請も受けない。 華やかなパーティーにも出ない。 これが俺の、最後の仕事だ」

魔王「ならば、その役職から我が解き放ってやろう。 貴様の死をもってしてな!」 ダッ

勇者「・・・・・・それは、どうかな!」 ダッ

―――勇者と魔王の剣が激しい音を立ててぶつかった!!
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)00:55 ID:wqn4CCQG0(6/59) AAS
―――1時間後

勇者「はぁ、はぁ、はぁ」

魔王「や、やるではないか、はぁ、はぁ。 勇者よ・・・・・・」

勇者「はぁ、はぁ、はぁ。 お前も、剣を支えにして立つのがやっとじゃ・・・・・・ないかっ」

魔王「っふ、それは貴様とて同じこと。 しかし、はぁ、本当に手を出さぬとはな、賢者よ・・・・・・。
   確かに、勇者一人で我をここまで追い詰めるとは驚きだが・・・・・・っく、勇者が惜しくはないのか・・・・・・」

賢者「ふぉっふぉっふぉww そういう約束じゃったからの。 じゃが、そろそろかの? 勇者・・・・・・」

勇者「あぁ。 っぐ、もういいだろう。 お互い、ここまで消耗すれば・・・・・・」

賢者「本当に、いいんじゃな?」

勇者「構わない。 これは俺が望んだことなんだから」

賢者「分かった。 ならば、もはや何も言うまい」

勇者「・・・・・・短い付き合いだったが。 面倒な役割を任せて、本当にすまない。 だが、ありがとう」

賢者「それが、年寄りの役割というものじゃて。 わしも楽しかった。 ・・・・・・いくぞいっ!!」 キィィン!!

―――賢者は両手に魔翌力を集中させた!!
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:03 ID:wqn4CCQG0(7/59) AAS
ヒント助かります 書き込む前に(ryがエラーで読めなくて見切り発進したから分からなかった。
[ピーーー]=倒す の方がよかったですね。
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:06 ID:wqn4CCQG0(8/59) AAS
魔王「何っ、何だこの光はっ!?」

勇者「言ったろう。 俺はお前を救ってみせるってな」

魔王「貴様まだそんな世迷いごとを・・・・・・っ。 貴様のエゴに我が屈すると思ってか!!」

勇者「魔王にそんな事を言われれば褒め言葉だな。 っぐ、あぁぁぁ」

魔王「っぐぁっ! 意識が・・・・・・。 賢者っ! 貴様か!!」

賢者「じっとしておれ!! この魔法は術者の負担も相当なのじゃからな!!」 キィィン!!

魔王「貴様、手は出さぬと言ったではないか!!」

賢者「確かに、わしは手は出さぬと言ったな」

魔王「そうだ!!」

賢者「あれは嘘じゃww」

魔王「爺ぃ貴様ぁぁぁ!!」

勇者「賢者ぁぁ!! やれぇぇぇ!!」

魔王「ぐわぁぁぁぁ!!」

賢者「うりゃぁぁぁ!!」

―――大広間を眩い光が埋め尽くした。 そして、しばしの時が流れた。
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:10 ID:wqn4CCQG0(9/59) AAS
* 「・・・・・・う、うぅ」

賢者「気がついたか? 随分長いこと眠っていたのう。 日頃の疲れが溜まっていたんじゃないかの?
   ふぉっふぉっふぉww」

* 「賢、者・・・・・・?」

賢者「まぁ、もう少し休んでおってもよかったんじゃがな。 全て、終わった後じゃ。
   わしも、些か疲れたわい。 ふぉw」

* 「終わった、だと? ・・・・・・っ!? 勇者は!! 奴はどうした!?」

賢者「ふぉっふぉww 何を言うとるんじゃww 自分のなりをよく見てみろ」

賢者「どっからどう見ても、お主が勇者ではないか」

勇者「何、だと・・・・・・?」 ペタペタ

賢者「そう自分の顔を撫で回さんと分からんのか?」

勇者「こ、これは・・・・・・」

賢者「その様子じゃと、どうやら成功したようじゃな」

勇者「一体、どうなったというのだ?」

賢者「ふむ、簡単に言うとじゃな、精神を入れ替えたのじゃ」

勇者「ふざけた事を・・・・・・。 しかし、この体は・・・・・・」

賢者「髪が白くなったのは、それだけの負荷がかかったか、元々魔王だった時の髪色が白かったからか・・・・・・。
   それ以外は完璧なまでに勇者じゃな。 っふぉw」
省7
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:13 ID:wqn4CCQG0(10/59) AAS
勇者「・・・・・・」

賢者「もうおらんよ」

勇者「お、おらんだと?」

賢者「居ないっていう意味じゃ」

勇者「分かっているわ!! 居ないとはどういうことだ!!」

賢者「貴様が眠りこけている間にの・・・・・・」

勇者「何だ」

賢者「わしが消し飛ばした」

勇者「・・・・・・・・・・・・は?」

賢者「跡形もなく、影も残さず、塵一つ許さず、この世界から消滅させた。 もはや、残ったものなど何もない」

勇者「だが精神を入れ替えたからには、我の肉体には、勇者がいたのではないのか?」

賢者「その通りじゃ。 まさに、魔王の肉体に勇者の精神が宿った」

勇者「承知の上でか?」

賢者「もとより、勇者が望んでおったことでな。 わしは約束通り、動いたまでよ」

勇者「勇者の精神ごと、我が肉体を・・・・・・」
省6
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:16 ID:wqn4CCQG0(11/59) AAS
―――勇者は手の平に魔翌力を集中させた! しかし、途中で霧散した!

勇者「っく、魔法が、どうしたというのだ!?」

賢者「無駄じゃよ。 お主が今付けている魔石付きの指輪をしている限り、一切の魔法は使えん」

勇者「何だと!? ・・・・・・っぐ、外れないっ」

賢者「そりゃあ、魔翌力で引っ付いておるからな。 油を塗りこんでも絶対に外れんよ」

勇者「ならば、この腕ごと切り落とすまでよ!!」 ブン!

賢者「・・・・・・無駄じゃ」

勇者「うっ・・・・・・っ」 ガクン

勇者「何故だ・・・・・・何故剣を振り抜くことができない!?」

賢者「当たり前じゃ。 勇者の自傷自決行為など、神や精霊がお許しになるはずがない」

勇者「っく・・・・・・」

賢者「勇者とは魔王を倒し、象徴として語り継がれなければならぬ者。
凱旋し、世界に平穏を詠わねばならぬ者。 何よりも、非道な行いを起こそうと思うものなら、
即座に制裁がその身に楔を打ち込む。 それが一生、お主につきまとう。
  “彼”も言っておったじゃろう。 呪いだと」

勇者「ふん、非道な行いだと? ならば試してやろうではないか。 貴様を剣の錆にしたあ・・・・・・とで・・・・・・」 フラリ・・・・・・

賢者「頭痛と脱力感が半端じゃないじゃろ? そうなるんじゃよ」

勇者「ぐ、がぁぁ!!」
省1
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:19 ID:wqn4CCQG0(12/59) AAS
AA省
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:23 ID:wqn4CCQG0(13/59) AAS
AA省
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:26 ID:wqn4CCQG0(14/59) AAS
―――王国郊外の森

賢者「ふぅ、懐かしの我が家に到着じゃわい」

勇者「ここが貴様の家か。 深い森の中に一軒家とは、肩書き通りのイメージだな」

賢者「賑やかな街も嫌いではないが、わしはやっぱり静かな場所が好きなんじゃよ」

勇者「で、そんな隠居暮らしの賢者に、我に合う服など持っているのか?」

賢者「もちろんじゃとも。 さぁ、立ち話をしていたところで始まらんわい。 早速“わしの城”へ招待しよう」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:29 ID:wqn4CCQG0(15/59) AAS
―――賢者の家

魔法使い「あ、お師匠様! お帰りなさい!」

賢者「ただいまじゃ。 魔法使い、元気にしておったか?」

魔法使い「はい! 課題もばっちり終わっています! それで、そちらの方は・・・・・・?」

勇者「我か? 我は魔おへぶし・・・・・・っ!!」 パシイィン!

賢者「ふぉっふぉっふぉwwww こやつは勇者じゃ。 魔王の討伐が終わったからの、一息入れに帰ってきたのじゃ」

魔法使い「お師匠様、そのハリセンはどちらから・・・・・・って、魔王を倒したんですか!? そんなさらっと・・・・・・いえ、でもすごいです!! さすがお師匠様!!」

賢者「ふぉっふぉwwww そうじゃろそうじゃろww」

勇者「・・・・・・っ」

賢者「魔法使いよ、悪いが茶を煎れてくれぬかの? いかにグレイトな天才のわしでも、いささか疲れたわい」

魔法使い「は、はい! ではお掛けになってお待ちください。 昨日町に出た時、いい茶葉を見つけたんです!」

賢者「それは楽しみじゃわい。 のう、勇者よ」

勇者「・・・・・・あぁ。 所で、あの女はお前の弟子なのか?」

賢者「うむ、魔法使いと言ってな。 元は王国の書物庫で働いておったのをわしがスカウトしたのじゃ」

勇者「ほう、貴様ほどの者がスカウトするとなれば、さぞや才能あふれる逸材なのだろう」
省1
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:33 ID:wqn4CCQG0(16/59) AAS
AA省
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:37 ID:wqn4CCQG0(17/59) AAS
魔法使い「お待たせしました」 カチャリ

賢者「ふぉっふぉwwwwww それほど待ってはおらんよ」

勇者「あぁ・・・・・・」

魔法使い「お師匠様は砂糖二つですよね?」

賢者「さすが我が愛弟子。 わしの好みを完璧に覚えておるのww」

魔法使い「勇者様、お砂糖とミルクはお使いになりますか?」

勇者「・・・・・・」

魔法使い「勇者様?」

賢者「お主の事じゃ」 パコン

勇者「うぉっ!? そ、そうだったな。 うむ、我はストレートで構わん」

魔法使い「そうですか? じゃあ私と一緒ですね。 私も紅茶はストレートで飲むのが好きなんです」

賢者「じゃあわしも!!wwww」

勇者「張り合うな爺ぃ!!」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:44 ID:wqn4CCQG0(18/59) AAS
勇者「ズズ・・・・・・しかし、魔法を使わない魔法使いというのもおかしな話だな」カタン

賢者「ゴキュッゴキュッ!! ぷふぁ。 なにを言うとる。 しっかり使えるわい」ゴトン

勇者「何? しかし貴様はさっき才能がないと」

魔法使い「あ、あはは。 確かに、私には魔法を使う才能はないんですが、
     それを補う方法は持っているんです」

勇者「補う?」

賢者「うむ、魔法使い、見せてあげるのじゃ」

魔法使い「よろしいんですか? お師匠様は以前、こういった道具は誰にも見せてはならないと・・・・・・」

賢者「ふぉっふぉww ここにはおかしなことを考えたり、腹をさぐり合う者はいない。 
   どぉーんとお主の才能を見せつけるのじゃww」

魔法使い「ふふ、分かりました。 勇者様、これが、私が魔法使いと名乗れる為のアイテムです」 コトン

勇者「これは、クロスボウに筒が添えられているようだが・・・・・・弦がない。
   それに、クロスボウに比べたらかなり小さいな」

魔法使い「古い文献を見て、私が組み立てたんです。 魔翌力投射装置(マジックボウ)という名を付けました」

勇者「ほう、名前から察するに、どうやらこれは矢ではなく、魔法を放つ頃が出来ると?」

賢者「うむ、我が弟子会心の一品じゃな」

勇者「正直に言えば、眉唾な代物だな。 本当にそのようなことが可能なのか?」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:48 ID:wqn4CCQG0(19/59) AAS
AA省
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:54 ID:wqn4CCQG0(20/59) AAS
魔法使い「お師匠様、勇者様、まだお時間はありますか?」

勇者「どうなんだ、賢者」

賢者「ふむ、一服も終えて、着替えもすんだ事じゃし、まぁ、まだゆっくりしていられるかの。
   どうせわしの転送魔法で一瞬じゃしwwwwww」 ドヤァ

魔法使い「あの、もう少しでクレームブリュレが出来るんですけど、食べてから行かれませんか?」

勇者「クレーム・・・・・・? なんだそれは?」

賢者「おお、魔法使いの作る料理の中でも、まか格別にうまいやつじゃな!
   勇者、食べておいて損はないぞww」

勇者「ほう。 しかし、我が舌を唸らせる程のモノかな? 
   これでも、魔界の料理はあらかた食べぶふぁっ!?」 パシイィン!!

魔法使い「え、魔界?」

賢者「ほ、ほれ、わしも勇者も腹ぺこなんじゃ。 さっそく持ってきてはくれぬかの? 
   ふぉっふぉっふぉwwwwww」

魔法使い「あ、はい! 分かりました!!」 タタタ
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)01:59 ID:wqn4CCQG0(21/59) AAS
―――3分後

勇者「な、なんだ、これは・・・・・・っ!?」

勇者「(表面のパリッとした感触もそうだが、その下にある甘い香りとトロリと溶けるクリーム状の存在感。
   一口でも口に入れれば、濃厚な味が下を楽しませ、口腔内の香りが鼻を抜ける際にはまた違った甘さが・・・・・・っ!?」

勇者「これを、魔法使いが?」

魔法使い「お口に、合いませんでしたか?」

勇者「いや、これほど完成度の高いデザートは初めて食べた。 
   言葉で飾ることが不可能なほど美味である」 ニコリ

魔法使い「あ、あはは/// そこまで言ってもらえると、私も嬉しいです」 テレテレ///

賢者「(勇者になった甲斐が少しはあったじゃろ)」 ヒソヒソ

勇者「(これほどのものを食べた後では、今だけは否定する言葉を持たん)」 ヒソヒソ

魔法使い「何を話しているんです?」

賢者「ふぉっふぉっふぉww なに、勇者があまりの美味さに魔法使いを嫁に欲しいなんぞ言うもんじゃから、
   窘めておったのじゃww」

勇者「うむ、我のそばで毎日作って欲しいくらいだ」

魔法使い「え!?」 ///

賢者「え?」

勇者「ん?」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:02 ID:wqn4CCQG0(22/59) AAS
魔法使い「あ、紅茶が切れてしまいましたね。 同じものをすぐに買ってきます」

賢者「よいよい、別のものでかまわぬわ」

魔法使い「いえ、せっかく長旅から帰ってきたのですから、私もくつろいでもらいたいんです」

賢者「そうか、すまんのう・・・・・・」

勇者「悪いな」

魔法使い「ふふ、ごゆっくりどうぞ」スチャ

―――魔法使いはマジックボウの射出口を自分のこめかみにあてた!!

勇者「な、何をする気だ!?」

魔法使い「では、行ってきます」 ダァン!

―――魔法使いは 転送魔法を放った!!

勇者「・・・・・・っ!?」

賢者「ふぉっふぉww 魔石に転送の魔法を込めておいたんじゃよww」

勇者「先に言っておけ。 肝が冷える」

賢者「わしは結構見慣れたもんじゃからな。 うっかりしておったわい。 ふぉw」

勇者「爺ぃ・・・・・・」
省1
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:09 ID:wqn4CCQG0(23/59) AAS
AA省
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:12 ID:wqn4CCQG0(24/59) AAS
賢者「さて、そろそろ城に出向くとしようかの! ふぉっふぉw」

勇者「あぁ、そうだな。 いい休憩になった」

魔法使い「あの、お師匠様。 工房で使う素材が切れそうなので、私も城下町で買い物をしたいんですが・・・・・・」

賢者「おぉ、ならば一緒に行くか。 もしかしたら、一緒には帰れんかもしれんが・・・・・・勇者も構わんか?」

勇者「あぁ」

魔法使い「ありがとうございます!」
   
賢者「では、行くぞい。 ふぉふぉww」 ブゥン

―――賢者は転送魔法を発動させた!!
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:16 ID:wqn4CCQG0(25/59) AAS
―――城下町

勇者「ここがこの国の城下町か。 なかなかの賑わいだな」

魔法使い「王様の人柄と、政への手腕のおかげで、流通が盛んなのです。 
     大抵のものなら何でも揃うんですよ。 ・・・・・・あれ、ご存じなかったんですか?」

勇者「い、いや。 もちろん知っていた」

賢者「では、行くとするかの。 まぁ、城で引き止められても深夜までには帰るつもりじゃ。
    パーティーではたらふく頂くつもりじゃがなww ふぉっふぉっふぉww」

魔法使い「では、せっかくなので、私も町で食べて帰りますね」

賢者「うむ、ではの」

魔法使い「パーティー、楽しんで来てくださいね。 それでは」 ペコリ スチャ

―――魔法使いはマジックボウの射出口を自分のこめかみにあてた!

勇者「ちょっと待て!!」

魔法使い「は、はい?」

勇者「・・・・・・そう遠くもないのだろう? 歩いていくがよい」

魔法使い「え・・・・・・?」

勇者「(二度目でも慣れぬな。 魔法使いの頭が吹き飛ぶ光景を幻視する)」

賢者「ふぉっふぉww その魔石は、町から家に帰るときにでも使うのじゃww」
省1
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:19 ID:wqn4CCQG0(26/59) AAS
賢者「どうする勇者よ。 多少見物でもしていくか?」

勇者「これから嫌と言うほど見ることになるのだろう? さっさと向かおう」

賢者「ああ、それとのう、勇者よ」

勇者「何だ?」

賢者「王の前で余計なことをして、わしの仕事をふやさんでおくれよ」

勇者「・・・・・・あぁ」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:20 ID:wqn4CCQG0(27/59) AAS
―――王城 執務室

兵士「ほ、報告!!」バタン

大臣「何事だ!? 会議中であるぞ!」

兵士「はっ、 しかし・・・・・・」

王「かまわぬ、何があった?」

兵士「勇者が、勇者様が・・・・・・ご帰還されました!」

王「何!? 勇者が帰ってきたと!?」

大臣「・・・・・・!?」

兵士「はっ! 御仲間と思われる方とご一緒に、現在来賓室でお待ちいただいています」

王「すぐに向かう!! 英雄をいつまでも待たせるわけにはいかん!!」 タッタッタ

兵士「はっ!」 タッタッタ

大臣「っく。まさか、このタイミングで・・・・・・」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:21 ID:wqn4CCQG0(28/59) AAS
眠気が限界値を振り切ったので、続きはまた明日。
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:29 ID:wqn4CCQG0(29/59) AAS
みんなの優しさに涙が止まらぬ! 今も“書き込む前に読んでね”がエラーで
読めないから、ご指摘が超ありがたいです。
読んでくれてるって思うとモチベーション上がるなww

では続きを書きます。
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:32 ID:wqn4CCQG0(30/59) AAS
―――王城 玉座の間

王「よくぞ、よくぞ戻った勇者よ!! 私は今日、いや、今日まで生を受け、これほど感極まったことがあろうか!」

勇者「・・・・・・」

賢者「お初にお目に掛かります、国王陛下。 わしは勇者の旅の途中、仲間に加わった賢者という者です。 
   この度は謁見の場に加えてくださり、ありがとうございます」

勇者「(貴様、真面目に話せるんじゃないか)」 ヒソヒソ

賢者「(男が格好つけれる場面というのは、一生のうちでも数えられる程じゃからな)」 ヒソヒソ

王「そなたが賢者か。 世界屈指の魔法の腕、その点に疎い余でも聞き及んでおる。 本当によくやってくれた。 
  魔王討伐というその大業、そなた達二人の名は、永遠に語り継がれるであろう」

勇者「(しかし、これが人間達の・・・・・・この国の王か。 貫禄はあるが、魔力を封じられた俺にも簡単に殺れそうだな)」 ヒソヒソ

賢者「(懲りない奴じゃ。 またぶっ倒れるぞ)」 ヒソヒソ

勇者「(・・・・・・あぁ。 思っただけで軽く冷や汗が出た。 監視体制完璧すぎるな)」 ヒソヒソ

賢者「(神や精霊は、いつでもそばにおる)」 ヒソヒソ

王「む? 勇者よ、顔色が優れぬようだが、如何なされた? 思えば、出立した頃よりも髪が・・・・・・」

賢者「陛下、勇者は魔王討伐戦にて心身ともに限界以上の疲労がその身に溜まっています。 お許し頂けるならば・・・・・・」

王「おお、そうであったな。 すまぬ、英雄に対して配慮が欠けていたようだ。 しばしその身を休めるがよい。 そして、英気を養えたなら、国中より集まったシェフが食べきれぬ程の食事を用意しよう。 今宵のパーティーに出席願えるなら、顔だけでも出して頂きたい。
  皆、英雄の姿を見たいと思っているのだ」

賢者「分かりました。 お心遣い、感謝します。 では勇者、行くとしようかの」
省3
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:36 ID:wqn4CCQG0(31/59) AAS
―――城下町 酒場

客「なぁ、今日城の明かりって灯ってたか? いつもより暗かった気がしない?」

ウェイトレス「え〜、どうだったかしら。 夕方には私仕事してたから分かんな〜い」

魔法使い「・・・・・・」

魔法使い「(勇者様とお師匠様、パーティーはまだなのかしら?)」

店主「どうしたんだい魔法使いちゃん、何か考えことかい?」

魔法使い「え、い、いえ。 やっぱりここの生ハムは最高ですね。 何度食べても飽きませんよ」

店主「ははは、食通の魔法使いちゃんにそう言ってもらえれば、まだまだこの店も安泰だな」

魔法使い「またそんなこと言って。 いつ来たって満席御礼なここが、廃れることなんてあるわけないじゃないですか」

店主「それも、魔法使いちゃんみたいな常連さんが通ってくれるからだよ」

魔法使い「美味しいものが嫌いな人なんて、この世にいませんからね。 ところで店主さん、ひとつ聞いていいですか?」

店主「ん? どうしたんだい?」

魔法使い「その、他のお客さんの事なので、答えにくければそれでも構わないのですが、
     あちらの奥にいる女性の方って、よくいらっしゃるんですか?」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:40 ID:wqn4CCQG0(32/59) AAS
盗賊「へぇ・・・・・・じゃぁやっぱり、王城にすごい盾があるって噂は本当なのかい?」

客「あぁ、だけどあくまで噂だからなぁ」

盗賊「だけど、火のない所に煙は立たないって言うだろ?」

客「はははっ、違いねぇや!!」

店主「ああ、盗賊のことかい? ここ一週間くらいかな、毎日のように顔を出すが、誰かとつるんでいるのは見たことないなぁ。 ただ・・・・・・」

魔法使い「ただ?」

店主「どうやら、ここの客や商人達から城の話をよく聞いているってのは小耳に挟んだっけか」

魔法使い「そうですか・・・・・・」

店主「それがどうかしたのかい?」

魔法使い「あ、いえ、なんでもないんです。 えっと、ピクルスも貰えますか?」

店主「あいよ! ちょっと待ってな」

魔法使い「(あの人の胸から下げた鍵・・・・・・。 どんな錠でも解除してしまうレアアイテムとそっくり)」

魔法使い「まさか・・・・・・」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:50 ID:wqn4CCQG0(33/59) AAS
―――王城 地下

勇者「む、う・・・・・・」

賢者「ふぉw ようやく気がついたか」

勇者「賢者か。 ここは、どこだ? 暖かいベッドがある部屋には見えんが」

賢者「古今東西、もっとも罪人にふさわしい一室じゃな」

勇者「なるほど、幻覚ではなかったわけだ。 つまりここは・・・・・・」

賢者「端的に言って、牢屋じゃな」

勇者「人間の世界では、英雄に与えられる最高の一室が牢屋なのか? 確かにこれでは、魔族が人間どもと分かり合うことは難しいな」

賢者「いや、これはおそらく大臣の一計じゃな」

勇者「大臣? 王の隣りにいたあいつか」

賢者「うむ、あやつがわしらに一服持ったのじゃ」

勇者「一服持った? そんな事よく気づいたな。 大臣には特に何も感じなかったが」

賢者「そうじゃな。 おかしかったのは、大臣以外じゃ」

勇者「ん?」
省22
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:02 ID:wqn4CCQG0(34/59) AAS
―――王城 宝物庫

盗賊「あっれ〜? 結局この城も真新しいお宝はなかったか〜。 
   ついでにと思ってせっかく一週間も情報集めしたのに。 まぁ時間も時間だし、そろそろ本命にいこうかね〜」

魔法使い「さすがに手慣れてるんですね。 最短で宝物庫までたどり着けるなんて」

盗賊「そりゃあ手際の良さが盗賊の・・・・・・っ!?」 バッ

魔法使い「どうしました?」

盗賊「あんた、いったいいつから・・・・・・?」

魔法使い「お城に入る前から、少し離れて着いてきてましたけど」

盗賊「(兵士にすら気づかれなかったあたしが、この女に出し抜かれたっていうの!?)」

盗賊「あんた、いったい何者?」 キッ

魔法使い「ただの魔法使い見習いです」 ニコ

盗賊「見習いにしては、大した肝っ玉じゃない。 王城に忍び込もうなんて。 盗賊の方が似合ってるよ」

魔法使い「そうですか? 初めてだったんですけど、うまく行きました」 テレテレ

盗賊「(何なのこいつ・・・・・・)」

魔法使い「けど、私みたいな素人が、誰にも見つからずにこんな所まで来れてしまえるなんて、あり得るんでしょうか?」
省14
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:08 ID:wqn4CCQG0(35/59) AAS
盗賊「(本当に調子狂うわね・・・・・・)」

盗賊「じゃあ、聞くだけだからね」

魔法使い「本当ですか!? ありがとうございます!」 パァ

盗賊「あんた、泣いてたんじゃ・・・・・・」

魔法使い「いえ、お師匠様が、涙は女の最終兵器と言っていたのを思い出しまして。 すごい威力ですね」

盗賊「(ろくでもない師匠だっていうのはわかった)」

盗賊「で、何だって言うんだい? そのお願いってのは」

魔法使い「私も、途中までご同行させてください」

盗賊「はぁ? あんた、本当に盗賊に趣旨替えしたいのかい?」

魔法使い「ち、違います違います!! ただ、少し気になることがあって・・・・・・途中まででいいんです」

盗賊「ふ、まぁどっちみちつれていく気なんて、さらさらないけどね」

魔法使い「わたし、ここで書物を管理してて、いろんな道を知ってるんです」

盗賊「・・・・・・」 ピクリ

魔法使い「もしもの時、そばにいたら絶対に役に立ちますよ」

盗賊「・・・・・・」 ピクリピクリ
省2
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:11 ID:wqn4CCQG0(36/59) AAS
ちょっと出かけっるので、続きはまた後ほど。
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:07 ID:wqn4CCQG0(37/59) AAS
―――王城 大臣の部屋

*「守備はどうなっている? 大臣よ」

大臣「滞りなく。 薬師に特別に調合させた催眠香で、太陽の光が城を染め上げる頃まで、
   城内の者は誰一人目を覚まさないでしょう」

*「それだけ眠っていれば十分。 国民をその土地から一人も逃すな。 赤子から老人まで、誰一人としてだ」

大臣「分かっております。 もうまもなく、最後の扉が、文字通り開くでしょう」

*「期待しているぞ、大臣。 そなたの働きにかかっているのだ」

大臣「・・・・・・はい」 ジィッ・・・・・・

*「なんだ、そんなに女の魔族は珍しいか?」

大臣「い、いえ。 決してそのような」

*「ふ、まぁよい」

大臣「全ては、側近様の為に」

側近「ひいては、魔王様復活の為に」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:15 ID:wqn4CCQG0(38/59) AAS
―――王城 廊下

 
 
魔法使い「(やっぱりおかしい。 勇者様とお師匠様が凱旋して、パーティーの一つでもあるはずなのに、
      この静けさ・・・・・・)」

盗賊「お宝お宝〜♪」

魔法使い「(ここまで誰にも見つからずに侵入できているのは、盗賊さんの実力だけじゃないみたい)」

盗賊「えぇっと、この次を左に二十七歩。 突き当たりの階段を二回分下がる・・・・・・ふふふ」

魔法使い「(まるで、誰かに誘い込まれているみたい)」

盗賊「待っててよ〜。 盗賊様の〜♪一世一代の〜♪お・お・し・ご・とぉ!」 〜♪

魔法使い「ここまで大声で歌って、気づかれないはずないもの」

盗賊「何か言ったかしら?」

魔法使い「い、いいえ。 何も・・・・・・」

盗賊「あらそ。 っと、ようやく着いたわ。 ここが目的地ね」

魔法使い「ここは・・・・・・この紋章は、大結界の間?」

盗賊「この先に、最っ高のお宝眠っているのよ」

魔法使い「どうして、あなたがその事を?」
省7
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:25 ID:wqn4CCQG0(39/59) AAS
盗賊「・・・・・・はい?」

魔法使い「おかしいと思いました。 初めの違和感は、日が落ちたというのに、城に明かりが一つも灯っていないこと。
     そして、偉大なる英雄が帰還したというのに、パーティーが催されず、それどころか、城に人気が全くないこと」

盗賊「知らないわよそんな事。 もう、あんたはあんたで好きにして頂戴。 あたしは勝手にやらせてもらうわ。」

魔法使い「鍵を下ろしてください!!」 スチャ

盗賊「何よそれ、クロスボウ?」

魔法使い「この先にあるアイテムは、誰も干渉してはならないモノなんです」

盗賊「へぇ・・・・・・そう」

魔法使い「存在は知っていました。 けど、国の根幹に触れるようなことは大罪中の大罪です」

盗賊「・・・・・・」

魔法使い「お願いです。 ここで、引いてください」

盗賊「・・・・・・」

魔法使い「盗賊さん」

盗賊「・・・・・・分かった」

魔法使い「あ、ありが・・・・・・」

盗賊「とでも、言うと思った?」
省8
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:30 ID:wqn4CCQG0(40/59) AAS
魔法使い「えっ、何!?」

盗賊「・・・・・・ふっ!」 バシ!

魔法使い「きゃっ!?」

盗賊「悪いね、お宝があたしを呼んでるのさ!!」

魔法使い「ま、待って!! 盗賊さん!!」

―――盗賊は魔法の鍵を使った!! 光とともに扉の封印が解かれた!!

盗賊「ごめん、もう開けちゃった」

魔法使い「そ、そんな・・・・・・」

盗賊「あれがお宝・・・・・・。 どうやら、オーブみたいだねぇ。 さぁって、お宝を頂戴しようかしら」

魔法使い「させません!!」

盗賊「させてもらっちゃうよ!!」 チャキ

魔法使い「ダガー・・・・・・ですか」

盗賊「ああ。 あたしは今までこいつと一緒にずっとやってきた。 あんた、人とやりあった事は?」

魔法使い「・・・・・・」

盗賊「・・・・・・そうかい」 ニヤリ
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:34 ID:wqn4CCQG0(41/59) AAS
大臣「いえ、そこまでで十分です。 ご苦労様でした、盗賊」

盗賊「ん? スポンサーじゃないか? どうしたってこんな所に?」

魔法使い「・・・・・・え?」

大臣「ようやく最後の門が開いたのでな。 仕上げに参ったのだ。 弓兵達、構え」 スッ スッ スッ ス

盗賊「それって、どういう・・・・・・」

魔法使い「盗賊さん!!」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:38 ID:wqn4CCQG0(42/59) AAS
―――王城 地下牢

賢者「けほっけほ・・・・・・。 指向性に難アリじゃな」

勇者「・・・・・・っぐ、う」

賢者「無事か勇者よ」

勇者「じ、爺ぃ・・・・・・貴様・・・・・・」

賢者「うむ、どうやら大丈夫なようじゃな」

勇者「大丈夫でたまるか。 爆心地で直撃だ」

賢者「まぁそう目くじら立てるな。 こうして出口も出来たんじゃ」

勇者「貴様とは一度じっくりと話し合う必要がありそうだな。 人間界の常識を掘り下げて」

賢者「ふぉっふぉww またいつか・・・・・・む? 魔力の拘束が解かれたようじゃ」

勇者「牢から出たからであろう」

賢者「そうじゃろうか? それにこれは・・・・・・魔法使いの気配かの」

勇者「なんだ、来てるのか?」

賢者「みたいじゃな。 行ってみるとしよう。 ほれ、この魔法陣に入れ」 ブゥン
省3
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:54 ID:wqn4CCQG0(43/59) AAS
―――王城 大結界の間

魔法使い「勇者様!? それに、お師匠様も!?」

賢者「魔法使いよ、一体こんなところで何をしておる?」

勇者「おい、そこの片隅で沈み込んでいるのは誰なんだ?」

盗賊「あたしのお宝・・・・・・あたしのお宝・・・・・・あたしの・・・・・・」

魔法使い「そうです、大変なんです!!」

勇者「どうした?」

賢者「あのねぇちゃん可愛くないかのww」

―――魔法使いは勇者と賢者に事情を説明した。

賢者「大臣が、オーブを破壊したというのじゃな?」

魔法使い「はい。 そうしたら、すぐにいなくなってしまって・・・・・・」

勇者「今日は大臣に引っ掻き回されてばかりだな」

賢者「・・・・・・こいつは、まずいことになったのう」

魔法使い「はい・・・・・・」
省6
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:03 ID:wqn4CCQG0(44/59) AAS
盗賊「ちょっと、あんた達!」

賢者「おぉww ナイスバディーww」

勇者「立ち直ったか」

魔法使い「ちょっと待っててください盗賊さん。 今重要な話を」

盗賊「いいからこれ見てよこれ!! あたしとアンタらの足元!!」

魔法使い「静かにしてください!! もとはと言えば、あなたが扉を・・・・・・」

―――突如、大結界の間に光が溢れる!!

賢者「む、これは!?」

勇者「赤い光の線? いや、違う・・・・・・」

魔法使い「魔法陣!? どんどん書き足されて大きくなっていく!?」

勇者「トラップか」

魔法使い「いいえ、この術式は違います」

賢者「ふむ・・・・・・魔法使いよ、読み取れるかの?」

魔法使い「これは・・・・・・。 召喚? いえ、呼び寄せる・・・・・・星?」
省7
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:09 ID:wqn4CCQG0(45/59) AAS
盗賊「ちょっと、顔真っ青にしてどうしたのよ」

魔法使い「そんな!? これは、こんな魔法が!?」

賢者「分かったかの?」

魔法使い「これは、これがもし本当に私の推測通りなら・・・・・・」

勇者「何が起こるんだ?」

魔法使い「あと数時間後に、この国めがけて空から星が降ってきます!!」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:18 ID:wqn4CCQG0(46/59) AAS
盗賊「星? 流星ってこと?」

魔法使い「普通の流星は地表に到達するまでに燃え尽きてしまいますが、
     この魔方陣で引き寄せられている星は、確実に落着します。 そういう魔法みたいです」

賢者「被害は? 推測でいいんじゃが」

魔法使い「私には、見当もつきません。 ですが、もしもこの国の大地にその星が衝突したら、
     恐らくあらゆる生命や建造物、大地を一瞬で吹き飛ばし、後には巨大な渓谷が出来上がるのではないでしょうか」
 
盗賊「・・・・・・」 ゴクリ

賢者「今からじゃと、民の避難も間に合いそうにないのう」

勇者「オーブの守りがなくなったタイミングで魔法陣の発動。 
   国境の兵士たちはモンスターの監視のために動けず、王城内部の停滞により、民への警告は不可能・・・・・・か」

賢者「大臣一人の知恵かは分からぬが、大した作戦じゃわい」

魔法使い「・・・・・・それだけではないのです」

盗賊「え?」

勇者「まだ何かあるのか?」

魔法使い「この魔法陣には、もう一つの術式が組み込まれているんです」

賢者「なんじゃそれは?」

魔法使い「人々の恐怖、憎悪、悲しみといった負の感情を収集し、そのエネルギーで召喚にも近い蘇生術を完成させるのです」

賢者「あまり聞きたくはないが、もしや、その対象とは・・・・・・」

魔法使い「はい、復活の対象は・・・・・・魔王です」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:42 ID:wqn4CCQG0(47/59) AAS
AA省
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:47 ID:wqn4CCQG0(48/59) AAS
―――王城 大結界の間

魔法使い「多くの人々が亡くなる瞬間に発生する負のエネルギーがどの程度かはわかりませんが、確実に魔王復活のエネルギーは集まると思います」

勇者「・・・・・・」

賢者「(どうした勇者? わしを利用して、また魔王に戻れるとでも思っておるのか?)」 ヒソヒソ

勇者「(ふん。 魔王が復活するとしても、それは我ではない。 そのような器に興味はない)」 ヒソヒソ

賢者「(ふぉっふぉww そうか。 それは何よりじゃ)」 ヒソヒソ

勇者「(賢者?)」 ヒソヒソ

賢者「(倒した矢先にまた復活では、“彼”も浮ばれん)」 ヒソヒソ

勇者「(・・・・・・)」

賢者「魔法使いよ、解呪は出来そうかの?」

魔法使い「お師匠様になら出来るかもしれませんが、私にはマジックボウの為に持ってきた魔石のストックを全て使っても術式の一部を削り取るくらいしか・・・・・・」

賢者「それで十分じゃわい」

魔法使い「え、お師匠様?」

賢者「わしはこれから、大臣を追ってみる」
省5
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:01 ID:wqn4CCQG0(49/59) AAS
魔法使い「わ、私がですか!? 無理ですよ!! というか今言ったじゃないですか! 術式の一部を削るくらいしか出来ないって」 オロオロ

賢者「魔法陣とは、大きければ大きいほど複雑であり、発動までの時間も長い。 そうじゃな?」

魔法使い「それは、そうですけど・・・・・・」

賢者「これだけの規模の魔法陣じゃ、時計のように、歯車を一つ外せば、正常には機能せんじゃろう」

魔法使い「でも、私なんかじゃ・・・・・・」

賢者「何を言うとるか。 愛弟子じゃから信頼できるんじゃよ」

魔法使い「お師匠様・・・・・・」

賢者「わしか魔法使い、どちらかがうまくいけばいいんじゃ。 あまり、肩肘張らずにの」

魔法使い「分かり、ました・・・・・・。 私、やってみます!」

賢者「うむ、その意気じゃ。 で、勇者よ」

勇者「何だ?」

賢者「妨害が入らないとも限らん。 解呪の間、魔法使いを守ってやってくれんか?」

勇者「ほう、お目付け役がの貴様が我を信用するのか?」

賢者「仕方がないじゃろ。 今頼めるのは、お主しかおらん。 それにじゃ」

勇者「・・・・・・?」
省12
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:08 ID:wqn4CCQG0(50/59) AAS
賢者「じゃあ、よろしく頼むぞい」 ブゥン

勇者「任せろ。 そっちもしっかりやれ」

賢者「うむ。 おっと、そうじゃ・・・・・・。 盗賊のお嬢ちゃん」

盗賊「ん? あたい?」

賢者「おぬにも手伝ってもらうかの」ガシ

盗賊「え!? ちょ、ちょっと待っ・・・・・・」

―――賢者は転送魔法を発動させた!!

勇者「行ったか。 さて・・・・・・ではこちらも。 ハッ!!」

―――勇者は剣で衝撃波を放った!! 大結界の門がバラバラになった!!

勇者「入口を潰しておけば、そう簡単には邪魔も入ってこれまい」

魔法使い「では、私は解呪の準備に入ります」

勇者「ああ。 安心して始めろ」

魔法使い「はい・・・・・・」

―――魔法使いは魔法陣に干渉した!!
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