[過去ログ] 勇者「お前が勇者をやってみろ」 魔王「どうしてそうなる?」 (130レス)
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27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:19 ID:wqn4CCQG0(26/59) AAS
賢者「どうする勇者よ。 多少見物でもしていくか?」

勇者「これから嫌と言うほど見ることになるのだろう? さっさと向かおう」

賢者「ああ、それとのう、勇者よ」

勇者「何だ?」

賢者「王の前で余計なことをして、わしの仕事をふやさんでおくれよ」

勇者「・・・・・・あぁ」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:20 ID:wqn4CCQG0(27/59) AAS
―――王城 執務室

兵士「ほ、報告!!」バタン

大臣「何事だ!? 会議中であるぞ!」

兵士「はっ、 しかし・・・・・・」

王「かまわぬ、何があった?」

兵士「勇者が、勇者様が・・・・・・ご帰還されました!」

王「何!? 勇者が帰ってきたと!?」

大臣「・・・・・・!?」

兵士「はっ! 御仲間と思われる方とご一緒に、現在来賓室でお待ちいただいています」

王「すぐに向かう!! 英雄をいつまでも待たせるわけにはいかん!!」 タッタッタ

兵士「はっ!」 タッタッタ

大臣「っく。まさか、このタイミングで・・・・・・」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:21 ID:wqn4CCQG0(28/59) AAS
眠気が限界値を振り切ったので、続きはまた明日。
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/28(水)02:34 ID:qyaqL883o(1) AAS
>>6のヒントを全く理解してないな、この>>1
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/03/28(水)02:35 ID:A6kREQzEo(1) AAS
乙。 sagaの使い方を素直に書いた方が早い気もするぜ。

あ、SS自体は楽しんでます! 期待株だぜっ!
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 2012/03/28(水)05:01 ID:a30NnlQ3o(1) AAS
メール欄に"saga"(さが)っていれると殺すとかドラえもんとか魔力がちゃんと表示されるようになるよ
"sage"(さげ)じゃなくて"saga"(さが)だからね!
続き待ってるよ〜
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 2012/03/28(水)05:11 ID:mKbOwxNDO携(1) AAS
mail欄に「saga」と入れる= 殺す 魔力 等のキーワードに引っかからなくなる

1乙続きが待ち遠しい
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水)09:32 ID:2E9b6mUqo(1/2) AAS
そしてsaga sageは併用可能
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:29 ID:wqn4CCQG0(29/59) AAS
みんなの優しさに涙が止まらぬ! 今も“書き込む前に読んでね”がエラーで
読めないから、ご指摘が超ありがたいです。
読んでくれてるって思うとモチベーション上がるなww

では続きを書きます。
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:32 ID:wqn4CCQG0(30/59) AAS
―――王城 玉座の間

王「よくぞ、よくぞ戻った勇者よ!! 私は今日、いや、今日まで生を受け、これほど感極まったことがあろうか!」

勇者「・・・・・・」

賢者「お初にお目に掛かります、国王陛下。 わしは勇者の旅の途中、仲間に加わった賢者という者です。 
   この度は謁見の場に加えてくださり、ありがとうございます」

勇者「(貴様、真面目に話せるんじゃないか)」 ヒソヒソ

賢者「(男が格好つけれる場面というのは、一生のうちでも数えられる程じゃからな)」 ヒソヒソ

王「そなたが賢者か。 世界屈指の魔法の腕、その点に疎い余でも聞き及んでおる。 本当によくやってくれた。 
  魔王討伐というその大業、そなた達二人の名は、永遠に語り継がれるであろう」

勇者「(しかし、これが人間達の・・・・・・この国の王か。 貫禄はあるが、魔力を封じられた俺にも簡単に殺れそうだな)」 ヒソヒソ

賢者「(懲りない奴じゃ。 またぶっ倒れるぞ)」 ヒソヒソ

勇者「(・・・・・・あぁ。 思っただけで軽く冷や汗が出た。 監視体制完璧すぎるな)」 ヒソヒソ

賢者「(神や精霊は、いつでもそばにおる)」 ヒソヒソ

王「む? 勇者よ、顔色が優れぬようだが、如何なされた? 思えば、出立した頃よりも髪が・・・・・・」

賢者「陛下、勇者は魔王討伐戦にて心身ともに限界以上の疲労がその身に溜まっています。 お許し頂けるならば・・・・・・」

王「おお、そうであったな。 すまぬ、英雄に対して配慮が欠けていたようだ。 しばしその身を休めるがよい。 そして、英気を養えたなら、国中より集まったシェフが食べきれぬ程の食事を用意しよう。 今宵のパーティーに出席願えるなら、顔だけでも出して頂きたい。
  皆、英雄の姿を見たいと思っているのだ」

賢者「分かりました。 お心遣い、感謝します。 では勇者、行くとしようかの」
省3
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:36 ID:wqn4CCQG0(31/59) AAS
―――城下町 酒場

客「なぁ、今日城の明かりって灯ってたか? いつもより暗かった気がしない?」

ウェイトレス「え〜、どうだったかしら。 夕方には私仕事してたから分かんな〜い」

魔法使い「・・・・・・」

魔法使い「(勇者様とお師匠様、パーティーはまだなのかしら?)」

店主「どうしたんだい魔法使いちゃん、何か考えことかい?」

魔法使い「え、い、いえ。 やっぱりここの生ハムは最高ですね。 何度食べても飽きませんよ」

店主「ははは、食通の魔法使いちゃんにそう言ってもらえれば、まだまだこの店も安泰だな」

魔法使い「またそんなこと言って。 いつ来たって満席御礼なここが、廃れることなんてあるわけないじゃないですか」

店主「それも、魔法使いちゃんみたいな常連さんが通ってくれるからだよ」

魔法使い「美味しいものが嫌いな人なんて、この世にいませんからね。 ところで店主さん、ひとつ聞いていいですか?」

店主「ん? どうしたんだい?」

魔法使い「その、他のお客さんの事なので、答えにくければそれでも構わないのですが、
     あちらの奥にいる女性の方って、よくいらっしゃるんですか?」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:40 ID:wqn4CCQG0(32/59) AAS
盗賊「へぇ・・・・・・じゃぁやっぱり、王城にすごい盾があるって噂は本当なのかい?」

客「あぁ、だけどあくまで噂だからなぁ」

盗賊「だけど、火のない所に煙は立たないって言うだろ?」

客「はははっ、違いねぇや!!」

店主「ああ、盗賊のことかい? ここ一週間くらいかな、毎日のように顔を出すが、誰かとつるんでいるのは見たことないなぁ。 ただ・・・・・・」

魔法使い「ただ?」

店主「どうやら、ここの客や商人達から城の話をよく聞いているってのは小耳に挟んだっけか」

魔法使い「そうですか・・・・・・」

店主「それがどうかしたのかい?」

魔法使い「あ、いえ、なんでもないんです。 えっと、ピクルスも貰えますか?」

店主「あいよ! ちょっと待ってな」

魔法使い「(あの人の胸から下げた鍵・・・・・・。 どんな錠でも解除してしまうレアアイテムとそっくり)」

魔法使い「まさか・・・・・・」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)12:50 ID:wqn4CCQG0(33/59) AAS
―――王城 地下

勇者「む、う・・・・・・」

賢者「ふぉw ようやく気がついたか」

勇者「賢者か。 ここは、どこだ? 暖かいベッドがある部屋には見えんが」

賢者「古今東西、もっとも罪人にふさわしい一室じゃな」

勇者「なるほど、幻覚ではなかったわけだ。 つまりここは・・・・・・」

賢者「端的に言って、牢屋じゃな」

勇者「人間の世界では、英雄に与えられる最高の一室が牢屋なのか? 確かにこれでは、魔族が人間どもと分かり合うことは難しいな」

賢者「いや、これはおそらく大臣の一計じゃな」

勇者「大臣? 王の隣りにいたあいつか」

賢者「うむ、あやつがわしらに一服持ったのじゃ」

勇者「一服持った? そんな事よく気づいたな。 大臣には特に何も感じなかったが」

賢者「そうじゃな。 おかしかったのは、大臣以外じゃ」

勇者「ん?」
省22
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:02 ID:wqn4CCQG0(34/59) AAS
―――王城 宝物庫

盗賊「あっれ〜? 結局この城も真新しいお宝はなかったか〜。 
   ついでにと思ってせっかく一週間も情報集めしたのに。 まぁ時間も時間だし、そろそろ本命にいこうかね〜」

魔法使い「さすがに手慣れてるんですね。 最短で宝物庫までたどり着けるなんて」

盗賊「そりゃあ手際の良さが盗賊の・・・・・・っ!?」 バッ

魔法使い「どうしました?」

盗賊「あんた、いったいいつから・・・・・・?」

魔法使い「お城に入る前から、少し離れて着いてきてましたけど」

盗賊「(兵士にすら気づかれなかったあたしが、この女に出し抜かれたっていうの!?)」

盗賊「あんた、いったい何者?」 キッ

魔法使い「ただの魔法使い見習いです」 ニコ

盗賊「見習いにしては、大した肝っ玉じゃない。 王城に忍び込もうなんて。 盗賊の方が似合ってるよ」

魔法使い「そうですか? 初めてだったんですけど、うまく行きました」 テレテレ

盗賊「(何なのこいつ・・・・・・)」

魔法使い「けど、私みたいな素人が、誰にも見つからずにこんな所まで来れてしまえるなんて、あり得るんでしょうか?」
省14
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:08 ID:wqn4CCQG0(35/59) AAS
盗賊「(本当に調子狂うわね・・・・・・)」

盗賊「じゃあ、聞くだけだからね」

魔法使い「本当ですか!? ありがとうございます!」 パァ

盗賊「あんた、泣いてたんじゃ・・・・・・」

魔法使い「いえ、お師匠様が、涙は女の最終兵器と言っていたのを思い出しまして。 すごい威力ですね」

盗賊「(ろくでもない師匠だっていうのはわかった)」

盗賊「で、何だって言うんだい? そのお願いってのは」

魔法使い「私も、途中までご同行させてください」

盗賊「はぁ? あんた、本当に盗賊に趣旨替えしたいのかい?」

魔法使い「ち、違います違います!! ただ、少し気になることがあって・・・・・・途中まででいいんです」

盗賊「ふ、まぁどっちみちつれていく気なんて、さらさらないけどね」

魔法使い「わたし、ここで書物を管理してて、いろんな道を知ってるんです」

盗賊「・・・・・・」 ピクリ

魔法使い「もしもの時、そばにいたら絶対に役に立ちますよ」

盗賊「・・・・・・」 ピクリピクリ
省2
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)13:11 ID:wqn4CCQG0(36/59) AAS
ちょっと出かけっるので、続きはまた後ほど。
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水)13:26 ID:dy+qJhhHo(1) AAS
これは期待紫煙
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:07 ID:wqn4CCQG0(37/59) AAS
―――王城 大臣の部屋

*「守備はどうなっている? 大臣よ」

大臣「滞りなく。 薬師に特別に調合させた催眠香で、太陽の光が城を染め上げる頃まで、
   城内の者は誰一人目を覚まさないでしょう」

*「それだけ眠っていれば十分。 国民をその土地から一人も逃すな。 赤子から老人まで、誰一人としてだ」

大臣「分かっております。 もうまもなく、最後の扉が、文字通り開くでしょう」

*「期待しているぞ、大臣。 そなたの働きにかかっているのだ」

大臣「・・・・・・はい」 ジィッ・・・・・・

*「なんだ、そんなに女の魔族は珍しいか?」

大臣「い、いえ。 決してそのような」

*「ふ、まぁよい」

大臣「全ては、側近様の為に」

側近「ひいては、魔王様復活の為に」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:15 ID:wqn4CCQG0(38/59) AAS
―――王城 廊下

 
 
魔法使い「(やっぱりおかしい。 勇者様とお師匠様が凱旋して、パーティーの一つでもあるはずなのに、
      この静けさ・・・・・・)」

盗賊「お宝お宝〜♪」

魔法使い「(ここまで誰にも見つからずに侵入できているのは、盗賊さんの実力だけじゃないみたい)」

盗賊「えぇっと、この次を左に二十七歩。 突き当たりの階段を二回分下がる・・・・・・ふふふ」

魔法使い「(まるで、誰かに誘い込まれているみたい)」

盗賊「待っててよ〜。 盗賊様の〜♪一世一代の〜♪お・お・し・ご・とぉ!」 〜♪

魔法使い「ここまで大声で歌って、気づかれないはずないもの」

盗賊「何か言ったかしら?」

魔法使い「い、いいえ。 何も・・・・・・」

盗賊「あらそ。 っと、ようやく着いたわ。 ここが目的地ね」

魔法使い「ここは・・・・・・この紋章は、大結界の間?」

盗賊「この先に、最っ高のお宝眠っているのよ」

魔法使い「どうして、あなたがその事を?」
省7
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:25 ID:wqn4CCQG0(39/59) AAS
盗賊「・・・・・・はい?」

魔法使い「おかしいと思いました。 初めの違和感は、日が落ちたというのに、城に明かりが一つも灯っていないこと。
     そして、偉大なる英雄が帰還したというのに、パーティーが催されず、それどころか、城に人気が全くないこと」

盗賊「知らないわよそんな事。 もう、あんたはあんたで好きにして頂戴。 あたしは勝手にやらせてもらうわ。」

魔法使い「鍵を下ろしてください!!」 スチャ

盗賊「何よそれ、クロスボウ?」

魔法使い「この先にあるアイテムは、誰も干渉してはならないモノなんです」

盗賊「へぇ・・・・・・そう」

魔法使い「存在は知っていました。 けど、国の根幹に触れるようなことは大罪中の大罪です」

盗賊「・・・・・・」

魔法使い「お願いです。 ここで、引いてください」

盗賊「・・・・・・」

魔法使い「盗賊さん」

盗賊「・・・・・・分かった」

魔法使い「あ、ありが・・・・・・」

盗賊「とでも、言うと思った?」
省8
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:30 ID:wqn4CCQG0(40/59) AAS
魔法使い「えっ、何!?」

盗賊「・・・・・・ふっ!」 バシ!

魔法使い「きゃっ!?」

盗賊「悪いね、お宝があたしを呼んでるのさ!!」

魔法使い「ま、待って!! 盗賊さん!!」

―――盗賊は魔法の鍵を使った!! 光とともに扉の封印が解かれた!!

盗賊「ごめん、もう開けちゃった」

魔法使い「そ、そんな・・・・・・」

盗賊「あれがお宝・・・・・・。 どうやら、オーブみたいだねぇ。 さぁって、お宝を頂戴しようかしら」

魔法使い「させません!!」

盗賊「させてもらっちゃうよ!!」 チャキ

魔法使い「ダガー・・・・・・ですか」

盗賊「ああ。 あたしは今までこいつと一緒にずっとやってきた。 あんた、人とやりあった事は?」

魔法使い「・・・・・・」

盗賊「・・・・・・そうかい」 ニヤリ
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:34 ID:wqn4CCQG0(41/59) AAS
大臣「いえ、そこまでで十分です。 ご苦労様でした、盗賊」

盗賊「ん? スポンサーじゃないか? どうしたってこんな所に?」

魔法使い「・・・・・・え?」

大臣「ようやく最後の門が開いたのでな。 仕上げに参ったのだ。 弓兵達、構え」 スッ スッ スッ ス

盗賊「それって、どういう・・・・・・」

魔法使い「盗賊さん!!」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:38 ID:wqn4CCQG0(42/59) AAS
―――王城 地下牢

賢者「けほっけほ・・・・・・。 指向性に難アリじゃな」

勇者「・・・・・・っぐ、う」

賢者「無事か勇者よ」

勇者「じ、爺ぃ・・・・・・貴様・・・・・・」

賢者「うむ、どうやら大丈夫なようじゃな」

勇者「大丈夫でたまるか。 爆心地で直撃だ」

賢者「まぁそう目くじら立てるな。 こうして出口も出来たんじゃ」

勇者「貴様とは一度じっくりと話し合う必要がありそうだな。 人間界の常識を掘り下げて」

賢者「ふぉっふぉww またいつか・・・・・・む? 魔力の拘束が解かれたようじゃ」

勇者「牢から出たからであろう」

賢者「そうじゃろうか? それにこれは・・・・・・魔法使いの気配かの」

勇者「なんだ、来てるのか?」

賢者「みたいじゃな。 行ってみるとしよう。 ほれ、この魔法陣に入れ」 ブゥン
省3
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)16:54 ID:wqn4CCQG0(43/59) AAS
―――王城 大結界の間

魔法使い「勇者様!? それに、お師匠様も!?」

賢者「魔法使いよ、一体こんなところで何をしておる?」

勇者「おい、そこの片隅で沈み込んでいるのは誰なんだ?」

盗賊「あたしのお宝・・・・・・あたしのお宝・・・・・・あたしの・・・・・・」

魔法使い「そうです、大変なんです!!」

勇者「どうした?」

賢者「あのねぇちゃん可愛くないかのww」

―――魔法使いは勇者と賢者に事情を説明した。

賢者「大臣が、オーブを破壊したというのじゃな?」

魔法使い「はい。 そうしたら、すぐにいなくなってしまって・・・・・・」

勇者「今日は大臣に引っ掻き回されてばかりだな」

賢者「・・・・・・こいつは、まずいことになったのう」

魔法使い「はい・・・・・・」
省6
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:03 ID:wqn4CCQG0(44/59) AAS
盗賊「ちょっと、あんた達!」

賢者「おぉww ナイスバディーww」

勇者「立ち直ったか」

魔法使い「ちょっと待っててください盗賊さん。 今重要な話を」

盗賊「いいからこれ見てよこれ!! あたしとアンタらの足元!!」

魔法使い「静かにしてください!! もとはと言えば、あなたが扉を・・・・・・」

―――突如、大結界の間に光が溢れる!!

賢者「む、これは!?」

勇者「赤い光の線? いや、違う・・・・・・」

魔法使い「魔法陣!? どんどん書き足されて大きくなっていく!?」

勇者「トラップか」

魔法使い「いいえ、この術式は違います」

賢者「ふむ・・・・・・魔法使いよ、読み取れるかの?」

魔法使い「これは・・・・・・。 召喚? いえ、呼び寄せる・・・・・・星?」
省7
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:09 ID:wqn4CCQG0(45/59) AAS
盗賊「ちょっと、顔真っ青にしてどうしたのよ」

魔法使い「そんな!? これは、こんな魔法が!?」

賢者「分かったかの?」

魔法使い「これは、これがもし本当に私の推測通りなら・・・・・・」

勇者「何が起こるんだ?」

魔法使い「あと数時間後に、この国めがけて空から星が降ってきます!!」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:18 ID:wqn4CCQG0(46/59) AAS
盗賊「星? 流星ってこと?」

魔法使い「普通の流星は地表に到達するまでに燃え尽きてしまいますが、
     この魔方陣で引き寄せられている星は、確実に落着します。 そういう魔法みたいです」

賢者「被害は? 推測でいいんじゃが」

魔法使い「私には、見当もつきません。 ですが、もしもこの国の大地にその星が衝突したら、
     恐らくあらゆる生命や建造物、大地を一瞬で吹き飛ばし、後には巨大な渓谷が出来上がるのではないでしょうか」
 
盗賊「・・・・・・」 ゴクリ

賢者「今からじゃと、民の避難も間に合いそうにないのう」

勇者「オーブの守りがなくなったタイミングで魔法陣の発動。 
   国境の兵士たちはモンスターの監視のために動けず、王城内部の停滞により、民への警告は不可能・・・・・・か」

賢者「大臣一人の知恵かは分からぬが、大した作戦じゃわい」

魔法使い「・・・・・・それだけではないのです」

盗賊「え?」

勇者「まだ何かあるのか?」

魔法使い「この魔法陣には、もう一つの術式が組み込まれているんです」

賢者「なんじゃそれは?」

魔法使い「人々の恐怖、憎悪、悲しみといった負の感情を収集し、そのエネルギーで召喚にも近い蘇生術を完成させるのです」

賢者「あまり聞きたくはないが、もしや、その対象とは・・・・・・」

魔法使い「はい、復活の対象は・・・・・・魔王です」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:42 ID:wqn4CCQG0(47/59) AAS
AA省
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)17:47 ID:wqn4CCQG0(48/59) AAS
―――王城 大結界の間

魔法使い「多くの人々が亡くなる瞬間に発生する負のエネルギーがどの程度かはわかりませんが、確実に魔王復活のエネルギーは集まると思います」

勇者「・・・・・・」

賢者「(どうした勇者? わしを利用して、また魔王に戻れるとでも思っておるのか?)」 ヒソヒソ

勇者「(ふん。 魔王が復活するとしても、それは我ではない。 そのような器に興味はない)」 ヒソヒソ

賢者「(ふぉっふぉww そうか。 それは何よりじゃ)」 ヒソヒソ

勇者「(賢者?)」 ヒソヒソ

賢者「(倒した矢先にまた復活では、“彼”も浮ばれん)」 ヒソヒソ

勇者「(・・・・・・)」

賢者「魔法使いよ、解呪は出来そうかの?」

魔法使い「お師匠様になら出来るかもしれませんが、私にはマジックボウの為に持ってきた魔石のストックを全て使っても術式の一部を削り取るくらいしか・・・・・・」

賢者「それで十分じゃわい」

魔法使い「え、お師匠様?」

賢者「わしはこれから、大臣を追ってみる」
省5
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:01 ID:wqn4CCQG0(49/59) AAS
魔法使い「わ、私がですか!? 無理ですよ!! というか今言ったじゃないですか! 術式の一部を削るくらいしか出来ないって」 オロオロ

賢者「魔法陣とは、大きければ大きいほど複雑であり、発動までの時間も長い。 そうじゃな?」

魔法使い「それは、そうですけど・・・・・・」

賢者「これだけの規模の魔法陣じゃ、時計のように、歯車を一つ外せば、正常には機能せんじゃろう」

魔法使い「でも、私なんかじゃ・・・・・・」

賢者「何を言うとるか。 愛弟子じゃから信頼できるんじゃよ」

魔法使い「お師匠様・・・・・・」

賢者「わしか魔法使い、どちらかがうまくいけばいいんじゃ。 あまり、肩肘張らずにの」

魔法使い「分かり、ました・・・・・・。 私、やってみます!」

賢者「うむ、その意気じゃ。 で、勇者よ」

勇者「何だ?」

賢者「妨害が入らないとも限らん。 解呪の間、魔法使いを守ってやってくれんか?」

勇者「ほう、お目付け役がの貴様が我を信用するのか?」

賢者「仕方がないじゃろ。 今頼めるのは、お主しかおらん。 それにじゃ」

勇者「・・・・・・?」
省12
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:08 ID:wqn4CCQG0(50/59) AAS
賢者「じゃあ、よろしく頼むぞい」 ブゥン

勇者「任せろ。 そっちもしっかりやれ」

賢者「うむ。 おっと、そうじゃ・・・・・・。 盗賊のお嬢ちゃん」

盗賊「ん? あたい?」

賢者「おぬにも手伝ってもらうかの」ガシ

盗賊「え!? ちょ、ちょっと待っ・・・・・・」

―――賢者は転送魔法を発動させた!!

勇者「行ったか。 さて・・・・・・ではこちらも。 ハッ!!」

―――勇者は剣で衝撃波を放った!! 大結界の門がバラバラになった!!

勇者「入口を潰しておけば、そう簡単には邪魔も入ってこれまい」

魔法使い「では、私は解呪の準備に入ります」

勇者「ああ。 安心して始めろ」

魔法使い「はい・・・・・・」

―――魔法使いは魔法陣に干渉した!!
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:11 ID:wqn4CCQG0(51/59) AAS
魔法使い「・・・・・・あ」

勇者「どうした?」

魔法使い「い、いえ・・・・・・その・・・・・・」

勇者「構わん。 言ってみろ」

魔法使い「その、見落としてた術式のトラップに引っかかりました・・・・・・」

勇者「・・・・・・それは、どんなトラップだ? かなりまずいのか?」

魔法使い「解呪しようとするものを排除するために、魔法陣の周囲から・・・・・・」 シュイーン シュイーン シュイーン

勇者「別の魔法陣が・・・・・・次々と・・・・・・?」

魔法使い「モンスターを転送させてくるんです・・・・・・」

勇者「oh・・・・・・」

魔法使い「ご、ごめんなさい!!」

勇者「扉を壊した意味がなくなったが、まぁいい」

勇者「勇者としての初仕事だ。 派手に参ろうぞ!!」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:15 ID:wqn4CCQG0(52/59) AAS
―――魔王城

側近「む? ・・・・・・ほう」

大臣「どうされました?」

側近「どうやら、魔法陣に干渉してきた輩がいるようだ」

大臣「なんと・・・・・・っ」

側近「案ずるな。 そう簡単に破られるような、生半可な術ではない」

大臣「でしたら、良いのですが」

側近「しかし、この作戦に、万が一があってはならぬ。後顧の憂いは断ってくぞ」

賢者「なら、わしは災いの禍根を断たせてもらおうかの。 ふぉっふぉっふぉwww」
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:21 ID:wqn4CCQG0(53/59) AAS
側近「・・・・・・っ!? 何やつ!?」

大臣「お、お前は・・・・・・!?」

賢者「呼ばれずとも飛び出る天才の具現、賢者じゃ!! ふぉw」

側近「ふん、人間風情がっ。 魔王城に単身乗り込んでくる気概だけは褒めてやろう。 
   しかし、私は今忙しい。 自殺志願なら、私の見えないところで勝手に自決しろ」

賢者「可愛い顔して辛辣じゃのう・・・・・・。 しかし、大臣を探すつもりがいきなり元凶に行き着いた感じじゃな」

大臣「お前達は王城地下の特殊牢に入れておいたはず・・・・・・」

賢者「ふぉっふぉっふぉww その辺は極秘事項じゃ」

大臣「っく、さすがは生ける伝説と言われるだけある」

側近「それで、その生ける伝説とやら。 ここに何のようだ? あいにく人事募集に空きはないぞ」
   
賢者「そう難しいことではないわい。 王城に発動された魔法陣、あれ解除してくれんかのう」

側近「何を言うかと思えば・・・・・・。 いや、あまりに期待通りの言葉だな」

賢者「根が真面目だと捻りを加えるのも難しいんじゃよ。 ふぉww」

側近「当然、私が何と答えるかも分かっているのであろう?」

賢者「そうじゃの〜。 わしも荒事は苦手じゃから、出来ることなら前向きな回答を期待したいんじゃが・・・・・・」

側近「ふふふ、私は荒事が大好きだ!!」 キィィン!!
省1
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:29 ID:wqn4CCQG0(54/59) AAS
側近「消し飛んだか・・・・・・。 肩慣らしにもならない。 所詮人間は人間か・・・・・・」

大臣「しかし、魔王様を倒したパーティーの一員でもありますが・・・・・・」

側近「ならば、それだけ先の魔王様が惰弱だったのだろう。 此度の作戦で誕生する魔王様の器も魂も、歴代最強を顕現させて見せようぞ!! 
   はぁっはっはっはっはっは!!」

大臣「そう、なのでしょうか・・・・・・」

側近「この分だと、魔界を蹂躙した勇者というのも、そう大したものではなさそうだな。
   魔王様復活の前に、私が始末しに出向こ・・・・・・っ!?」

賢者「ふぉw 先の魔王よりは、魔法のセンスがいいのう。 魔力の収束にキレがある。 これはまだまだ伸びるのうww」

―――煙が吹き飛び その中から賢者が現れた!!

側近「・・・・・・無傷だと?」

賢者「じゃが、密度がまだまだ半端じゃな。 及第点くらいは与えてやるかの」

側近「・・・・・・ふ、ならば何度でも食らわせてやるわ!! この老いぼれめがぁぁぁ!!」 キィィン!!

―――側近の眼前に 強大な魔力が集まっていく!!

賢者「・・・・・・小娘が」 ギィィン!!

―――賢者の眼前に 膨大な魔力が収束していく!!

賢者「“あの青年”の決意を踏みにじるような行い、決して見逃しはせぬわ!!」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:35 ID:wqn4CCQG0(55/59) AAS
―――王城 大結界の間

勇者「ふっ!! はぁ!! ちぃ!!」

―――勇者の攻撃!! 

魔物Eを倒した!
魔物Fを倒した!
魔物Gを倒した!

魔法使い「・・・・・・っ。 ここを・・・・・・魔力の流れが・・・・・・」

勇者「ふ、間断無く出てくるとは、っく! 良く出来た術式だ」

勇者「(それに、徐々に召喚される魔物の強さが上がっていくとはな)」

魔法使い「勇者様、大丈夫ですか?」

勇者「気遣いは無用だ。 貴様は自分の仕事に集中しろ。 式を崩す時間が早ければ、我の休まる時間も早まる。 期待しているぞ」

魔法使い「・・・・・・っ。 はい!! 頑張ります!!」

勇者「ふん、その意気だ。 さぁ、まだまだ夜は長いぞ」

勇者「(こやつら・・・・・・己の意識なく、ただ召喚されるだけの傀儡というだけまだ救われるな。 わが同胞達よ)」 

魔法使い「(そちらはどうなっていますか・・・・・・お師匠様)」
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:48 ID:wqn4CCQG0(56/59) AAS
―――魔王城

側近「そんな・・・・・・がはっ。 馬鹿な・・・・・・」 ガクッ

大臣「これ程か、よもや、人の身で・・・・・・」

賢者「終わりか。 お主の腕で、よく戦ったほうじゃ」

側近「お前、本当に、人間か・・・・・・?」

賢者「人のままで歩もうとすれば、どこまでも行ける。 あきらめなければ、どこまでも、どこへでも」

大臣「・・・・・・!?」

賢者「わしは人に恵まれた。 道をそれそうになった時、常にそこには人がいた。 だから、高みに至れる事が出来た」

大臣「あ、あなたは・・・・・・」

賢者「国を思うが故に、道を誤ることもある。 次からは、身近にでもなくていい、いい酒場にでも、愚痴をこぼせる友を作っておくことじゃ」

大臣「あなたは・・・・・・どうして・・・・・・」

賢者「なに、人より長く生きていると、見えるものも増えてくるもんじゃよ。 ふぉww」

大臣「それでは、私の事も・・・・・・」

賢者「まずは、先走らず、人に相談することから初めてはどうじゃ? それができるのも人間じゃてな」

大臣「・・・・・・私は、私は・・・・・・っ」
省4
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)18:58 ID:wqn4CCQG0(57/59) AAS
側近「少しでもおかしな真似をしたら、こいつをの喉を掻き斬る!! おとなしくしていることだな!!」

大臣「がっ、ぁっ・・・・・・」

賢者「往生際が悪い奴じゃ。 もう完全にわしのグレイトな勝利で決着じゃろう」

側近「黙れ!! こんな、こんな巫山戯たことがあるか!! 私は認めないっ。 絶対に認めない!!」

大臣「に、人間を・・・・・・裏切っ、た私がっ、人質になど・・・・・・」

側近「貴様も死にたくなければ口を噤んでいろ」 グイッ!

大臣「ぐっ・・・・・・!?」

側近「あと少しで復活なさるのだっ。 こんなところで終わってたまるか!!」

賢者「(さて、ポーカーフェイスを決めてはおるが、わしも結構魔力を消耗してくたくたなんじゃけどなぁ)」

賢者「まぁ、頃合じゃろうな。 ほいっ!!」ヒュン

―――賢者は持っていた杖を頭上に放り投げた!!

側近「余計な真似はするなと・・・・・・なにっ!? ぐあ!?」 バシッ!!

盗賊「悪いね、気配を消すのは職業柄得意なんだ。 人質は返してもらうよ」

賢者「ナイスじゃ盗賊のお嬢ちゃん!!」 ダッ!

―――賢者は一瞬にして側近との距離を詰めた!!
省4
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)19:01 ID:wqn4CCQG0(58/59) AAS
側近「な・・・・・・何・・・・・・が・・・・・・?」

賢者「わしは、賢者になる前は武闘家だったんじゃよ。 こっちもまだまだ現役でいけそうじゃの。 ふぉっふぉww」

側近「はっ・・・・・・けい・・・・・・だと?」

賢者「(足の骨にヒビ、あと肩が外れたかのぅ・・・・・・。 じゃが、それを顔には出せんわい)」

賢者「そっちはうまくやっておるかのう? 勇者、魔法使いよ・・・・・・」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/28(水)19:03 ID:wqn4CCQG0(59/59) AAS
外出してくるので、続きは帰宅した時に。
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水)19:22 ID:41o8uxTDO携(1) AAS
賢者色々凄過ぎww
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水)20:07 ID:2E9b6mUqo(2/2) AAS
賢者ぱねぇww
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:12 ID:xxKpLjt/0(1/31) AAS
―――大結界の間

魔法使い「もう少しです勇者様! もう少しだけ頑張ってください!!」

勇者「了解した。 敵が複数のドラゴンになってきたあたりで手間が増えたが、この調子なら大丈夫だ」

魔法使い「ストックしていた魔石も一つを残して終わりそうです」

勇者「ふ、賢者が認めるだけはあるな。 ハァァ!!」

―――勇者の攻撃!! ドラゴンは大きな音を立てて倒れた!!

魔法使い「勇者様も、剣戟だけでここまで・・・・・・。 凄いです!」

勇者「あぁ。 だいぶ馴染んできたところだ。 まだまだいけるぞ」

魔法使い「あと・・・・・・少し・・・・・・。 これが終われば、私も加勢に・・・・・・」

―――突然 魔法陣の一部が輝き出す!!
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:19 ID:xxKpLjt/0(2/31) AAS
勇者「もう終わったのか? 仕事が早いな」

勇者「(魔力を持たぬ人間が、魔方陣を無力化する・・・・・・か)」

魔法使い「・・・・・・ぇ?」 ポカーン

勇者「・・・・・・魔法使い?」

魔法使い「まだ・・・・・・終わっていません・・・・・・」

勇者「・・・・・・何?」

魔法使い「あともう少しだった。 けど、まだ終わってない・・・・・・。
 そんな・・・・・・。 流星の時間すらまだなのに・・・・・・」

勇者「まさか、またトラップか?」

魔法使い「いえ、これは・・・・・・術式の一部が正常に発動しています・・・・・・ここの術式は・・・・・・え、そんな・・・・・・」 ブルブル

勇者「どうした?」

魔法使い「・・・・・・やられ、ました。 全て、私の、責任です」 ガタガタ

勇者「しっかりしろ魔法使い!! 一体何がどうしたんだ!!」

魔法使い「は、初めのトラップに掛かった時から・・・・・・もうすでに・・・・・・」

勇者「落ち着け、落ち着くんだ。 っ!? オォ!!」 ズバァ!

―――勇者の攻撃! ドラゴンは壁に吹き飛ばされた!!
省1
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:29 ID:xxKpLjt/0(3/31) AAS
―――魔王城

側近「く、くくく。 はっはははは・・・・・・」

賢者「む?」

賢者「何を笑っておる?」

側近「いや、魔法陣のトラップに引っかかった奴、お前の仲間だろう? 思いの外、随分がんばってくれたようだ。 何体魔物をけしかけても倒せそうにもないよ くくく」

賢者「そうじゃろう? 何せ勇者じゃからな。 そう簡単にはくたばらんじゃろうて」

側近「通りで・・・・・・。ふふ、私でさえ手を焼く大型のドラゴン級でさえ、何体もほふられているみたいだよ。 もう完敗さ・・・・・・」ニヤニヤ

賢者「なら、もういいじゃろ。 そろそろ魔法陣を解除してもらえんかのう?」

賢者「(何じゃ、何を狙っておる・・・・・・?」

側近「でもね、そうやって何体も、何十体も何百体も倒してくれたおかげで・・・・・・」

―――突然 側近の足下に巨大な魔法陣が現れた!!
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/29(木)13:35 ID:CxBUpQwDO携(1/2) AAS
魔物を贄に…!?くっそハメられたっ!!
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:36 ID:xxKpLjt/0(4/31) AAS
側近「最低限のエネルギーが集まった!!」

盗賊「えぇ!?」

賢者「なんじゃと!?」

側近「本当によくやってくれたよ!! 最高の勇者様だ。 私たちが同じ事をしようとしても、同族からの反発でこうはならない。 
   無差別に、一瞬で、慈悲無く大量に殺しまくる勇者様でないと出来ないよ、これは!!」

賢者「(まずい、復活を止めようにも、それだけの魔力が残っておらん・・・・・・。 盗賊と大臣だけでも転送魔法で・・・・・・)」

側近「さぁ、あなたを滅ぼし、憎き人間に復讐を果たす時です! 魔王様、今こそ我らの元へ顕現なさいませ!! 復活なさいませ!!」

―――魔法陣が一段と輝きだす!!

賢者「っく・・・・・・、盗賊のお嬢ちゃん!! 大臣と一緒に逃げるんじゃ!!」

盗賊「あ、あんたはどうすんのよ!?」

―――賢者は転送魔法を発動させた!!

賢者「(もう二人分を送るくらいしか魔力がないんじゃ!)」

賢者「後から行くわい! 頼んだぞ!」

盗賊「わ、わかった!!」 シュン!
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:47 ID:xxKpLjt/0(5/31) AAS
―――大結界の間

盗賊「わわわ・・・・・・!」 シュン

大臣「っく・・・・・・!」 シュン

勇者「貴様達、無事だったか」

大臣「・・・・・・」

勇者「死に損なったか。 まぁ、挽回できるチャンスをもらったと思え」

盗賊「こっちは、大丈夫なの?」

勇者「ああ、魔法陣が光った後、魔物の出現が無くなった」

魔法使い「あ、あの、お師匠様は?」

大臣「すぐに、来るとは言っていたが・・・・・・」

盗賊「そ、そうだっ! 大変なんだよ!! 魔王が復活しちまうんだよ!! あのじいさん、先にあたし達だけ逃がしたんだ!!」

魔法使い「そんな・・・・・・まさか・・・・・・お師匠さま」 ポロポロ

勇者「そう悲観するな、魔法使い」

魔法使い「勇者様・・・・・・」 グスッ

勇者「あの爺ぃがそう簡単にくたばるわけがないだろう。 今は、信じて待っているんだ」
省2
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/29(木)13:55 ID:dvMhWY9Bo(1/2) AAS
魔王が復活したところであんまり危機感湧かない
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga] 2012/03/29(木)13:59 ID:xxKpLjt/0(6/31) AAS
―――魔王城

賢者「(かつて、ここまでグレイトな窮地に陥ったことがあるだろうか?)」

―――魔法陣からでる粒子が人型をなしていく!!

賢者「(ふぉっふぉっふぉww やばすぎじゃなww 終わったかもww)」

―――光が収まり 漆黒のローブを纏った魔王が現れた!!

魔王「・・・・・・」

側近「おお!! 魔王様!! 復活おめでとうございます!!」

賢者「なんと、いうことじゃ・・・・・・」

賢者「(空気が帯電するほどの魔力、間違いなく魔王じゃ)」

側近「(素晴らしい。 想像以上の力です、魔王様!! これなら人間共も、この忌々しい老いぼれ賢者も、一瞬にして消し炭だ!!)」

魔王「・・・・・・」

側近「私は側近と申します、あなた様の片腕であり、補佐をする者です。 お見知りおきくださいませ」

魔王「・・・・・・」

賢者「(う、動けん・・・・・・っ。 今少しでも動いたら殺られる」 
省6
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