【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (1002レス)
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)15:13 ID:mHCNoPnp0(4/10) AAS
>>7

【――目を凝らさなくても。そのうちにニュースで見る羽目になるかもしれないのだから】
【ここで聞かなくていいのは本当のことかもしれなかった。「それ」に、何故少女がショックを受けていたか】
【そこまでは解らずとも。……それとも、アーディンに聞けば諒解できるのかもしれず】
【どっちにしたってここで聞かなくてもいい話なのは変わらないけど。それでもいつかは――ばれるのだろうが】

ブラックハート、さん、に……リベルちゃん。うん、よろしく。
……そんな大切な荷物だったんだ。そっか、アーディンさんが頼むくらいなんだったら
本当にすごいものなんだろネ、…………そっか。じゃあ、気を付けて――

【口ごもる動作にはさしたる反応を示さなかった。示す余裕もなかっただけ、とも言えるけど】
【それだけ聞いたら――あろうことかさっさと踵を返し、帰ろうとまでするのだった】
省6
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(1): ◆1miRGmvwjU [saga] 2019/03/23(土)15:32 ID:qRStJCCTo(1/11) AAS
【焼け付いたような白い午後だった。マスメディアの垂れ流すニュースは何時にも増して喧しかった】
【 ─── 水国の外務省に属している秘匿機関が、種々の違法な軍事作戦に関与し、剰え壊滅した筈のカルト教団/その幹部を雇用していたという風聞】
【街頭を見上げる人々の騒めきが途絶える事はなかった。誰もが誰もを疑っていた。この街に平和が齎された事などあったろうか】

【水国/首都フルーソ。"最高議会"野党の主要本部/その一ツである高層複合ビル、"ウォーターゲート"】
【硝子を基調に彩られた、ごく清潔なエントランス。 ─── 入口近く、柱の裏側。人影一ツが佇んでいた】

    「状況、開始。」

【冬も終わるというのに厚手のトレンチコートを着込んでいた。一瞥するに上等なスーツは一張羅にも見えた】
【ハンチング帽を目深に被って、 ─── 耳朶と口許に何かを付けていた。嗄れた声が独白のように囁いた】
【ひどく人目を引くべき男だった。それでも傾き始めた陽に晒されて雑踏は疎らだった。ならば、或いは】
省1
10
(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)15:33 ID:QhqfSCns0(4/9) AAS
>>8

……色々訳ありでさ。あたしの身体、ほとんどがニセモノなのさ……
ま、生きてるだけで儲けものだから、今更そんなに気にしちゃ、いないんだけどね?

【夕月の機微から、ブラックハートは自分の体に、夕月がまた、何らかのショックを受けたらしい事を理解したようだった】
【苦笑しながら、黒鋼の腕で、金属繊維の髪を掻き撫でる。流石に、間接的に面識があったとはいえ、初対面の人間に対して詳らかに話す事でもない】
【ただ、自分は気にしていないと笑ってごまかすのが、精一杯だった――――夕月の方にも、事情があった事など露知らず】

(……流石に、メンテナンスも……限界が近いかもしれない。あたしゃ、くたばる前に……何が出来るってんだろうね……)

【そして、ブラックハート自身はと言えば、既にいつ死んでもおかしくない環境に身を置いている】
【表層を取り繕いながら、ふと心に陰が差さる。生き延びた事の意味を、なす事はできるのだろうかと】
省20
11
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)15:47 ID:mHCNoPnp0(5/10) AAS
>>10

えっ? …………あ、そんな、あたし別にそんなつもりじゃ……
身体がニセモノだなんて、そんなこと! ぜんぜん気にしてないよっ、これ本当だから――

【はっとする。間違えた風に捉えられてしまったことを深く恥じて、ぶんぶん首を振る】
【そうして言うことは取り繕っているようにも聞こえるかもしれないが――かぎりなく本当のことだった】
【そも、夕月という少女自身が「ニセモノ」の命をしているのだから。……それは今、どうでもいいかもしれないけど】

…………そうだね、櫻も、水も――いろんなことがあって。
アーディンさん、やっぱり忙しい? だったらパーティしてだなんてワガママ言えないや。
あのネ、……あたし、アルクさんやレグルスさんにたくさんお世話になったから。そのうち会いに行きたいって、

【「思ってたんだけど――」 声がどんどん細くなる。ふたりの口から聞くに、そんな暇はないのだと】
省9
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)16:10 ID:QhqfSCns0(5/9) AAS
>>11

お、おいおい……そんなに焦るような事でもないんじゃ――――
(ぁ――――アリア……そういや、「そういう事」も、有り得る訳か……)
ま……良いじゃないのさ。どうあれ『今』が、一番あたしらに結びついている。それだけさ……

【確かに、取り繕いに思えていた。ブラックハートとしても、昔に比べて丸くなったのか。それを宥めるような言葉がすんなりと出てきたが】
【――――そうれは同時に、相手の事を察する能力が低減している事も、意味していたのかもしれない】
【昔のブラックハートなら、もう少し早く察する事も出来ただろう。アリアの様に――――「自分みたいな」奴も、いない事はないのだろう、と】

――――あ……あぁ、そういう事かい……
……奴らの事は、あたしも悔しく思うよ……一度、危ない所を助けてもらっちまってたし、ね……
でも……そうだね。旦那、何でも近頃、敵に一杯食わされたって言ってて、最近ピリついてるのさ……
省23
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)16:21 ID:mHCNoPnp0(6/10) AAS
>>12

…………そっか。今みたいなときこそ、……会ったほうがいいのかもしれないのか。
ならそのうちにでも行こうかな、えへへ……アルクさんとレグルスさんってどんなものが好き?
プレゼント、持っていきたいの――あたしはアルクさんにもらってばっかりだったから、……、

【曇り行く空気を振り払うようにして、またしても話題の転換。ふたりの墓前に供えるものについて】
【あれやこれやと思いを広げていくのも――束の間の話でしかなかったのだろう】
【近くのベンチにでも座って、三人は休息を取り始めるだろうか。そしたら、ブラックハートは見てしまうから】

【蜜姫かえで。外務八課。その単語が耳に入っただけだとしても、きっと夕月は怯えただろう】
【何せ前者は友達だった。後者に至っては、伴侶の属する組織だった。それが今や「炎上」だなんて】
【そんなスラングじゃ言い表せないほどに燃え上がっている。だけど問題はその次であり、】
省8
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)16:42 ID:QhqfSCns0(6/9) AAS
>>13

……本当ならね。会えるうちに会っておく。今はそれ、馬鹿に出来ないんじゃないか、多分ね……
――――2人の場所だったら、あたしも知ってるし、レグルスは1度、『会って』きた……

【今のご時世、どうしてもネガティブな意味合いを払拭し切れないが、それは大事な事なのだろう】
【レグルスの言っていた「悔いのない様に」――――例え戦士として生きる人間でなくても、個の心がまえは、大事なのかもしれない】
【それは、生者に対してだけでなく、死者に対しても同じ事だと言わんばかりに】

アルク? ……あいつはね、なんでも……意外と、料理なんかが好きだったそうだよ
よく、サンドイッチだのラスクだの、頬張ってたらしいし、たまに自分で作ってたらしいね……
<レグルスは……レグルスさんは、お酒……重たいビールなんかが、好きだって言ってました……
 お姉ちゃん……お墓参りに、お酒持って行ったって……>
省21
15
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)16:58 ID:mHCNoPnp0(7/10) AAS
>>14

………………、そっか、じゃあアルクさんにはお料理――ピクニックに持ってくみたいなやつがいいのかな。
あたし最近練習してるんだ、だからきっとマシなのが作れるようには、なったし、……レグルスさんはお酒、
そっか、………………そっか。ふふ、ふつうに、パーティの準備、するみたいな――――

【青い顔のまま。話の節々に意味深な沈黙を挟んで。話すのはやっぱり、話題を逸らしたいからか】
【少なくとも無理矢理作った笑い顔はもはや引き攣り顔と言ってしまったほうが、正しかった】
【そのまま楽しい、幸せな――近しい未来の話だけしていたい。させてほしい。どうか、そうさせて】
【願うように呟くのはほとんど譫言のような響きを持って、……しかし、ブラックハートは気づいてしまうから】

ち、が…………違うっ、……ちがわないけどっ、何もなかった、わけじゃないけどっ、
…………むしろたくさんあるんだけど、…………、そうだよね、「畜生」だよね。
省13
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)17:20 ID:QhqfSCns0(7/9) AAS
>>15

(……考えようによっちゃ、これ……これも、残酷だな……ドラッグに逃げるってのを、まんま見てるみたいだ……)

【なんて事のない話題に興じながら――――興じようとしながら、必死の作り笑いをしている夕月に、なんとも言えない心境になる】
【無理をしている事が、手に取る様に分かってしまうから。そして、その無理を、更なる『無理』で塗りつぶそうとしている】
【――――こんな時に「しっかりしろ」などと言うべきではない。正解が、正着手が見えないから、ブラックハートは何も言う事が出来なかった】

<……ブラックハート、ちょっと……>
――――夕月、今はもう何も考えなくていい。余計な事は、雑音は、もうこれ以上……ッ――――!?

【そんな無理が、逆方向に溢れ始めた――――リベルはもう、偽装している口調を投げ捨てて、ブラックハートに厳しい視線を向ける】
【ブラックハートとしても分かっていた。夕月に、この現実を見せるべきではない。シャットしなければならない、と】
【――――だが、もう遅すぎた。恐らく、崖際の巌を、転がしてしまったのだ】
省20
17
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)17:41 ID:mHCNoPnp0(8/10) AAS
>>16

【描かれたシンボルを見て、引き攣っていた唇がぐっと噛みしめられる。それだけで十分だった】
【肯定も否定もしなかった、けれど前者であるのは明らかだった。だって見覚えのないものを見るなら】
【こんな顔などしないはずだ。こんな、――ああ全部が終わってしまった、なんて悟ったような、顔】

……………………こども、を、…………ずたずた……?

【そうしてオウム返しのように呟く声色にも――やはりどこか心当たりがあるとでも言いたげな色が含まれる】
【だって彼女は、件の女から直接聞いていた。「ちょっと難しいお仕事があるから」、つい最近のこと】
【であれば「それ」が「そう」だったのだと、理解してしまうのだ。もはや逃げる場所、逸らせる話題などどこにもなく】

【――――もいちどぐう、と唇を噛みしめる。何も言い返せることなどない。これで終いだと思って、けれど】
【ブラックハートがいくらでも言葉を選んで、思慮して、言ってくれているのがよくわかった。……わかったからこそ】
省20
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)18:06 ID:QhqfSCns0(8/9) AAS
>>17

<……やっぱり、な……>
…………

【その反応を、傍から見ていれば、実に分かりやすいものだったのだろう。『リベル』――――現在は『ランド』の人格だが――――は、静かに頷いた】
【それを、ブラックハートも理解して。すぐにその紙を握りしめて、手を下ろす】

あぁ――――この国の、大物と手を組んで、上手い事その子を誘拐して、その『大物』に言われるままに、道具に仕立て上げちまったんだよ……ッ
あたしゃ、アーディンの旦那があんなにキレたの、見た事ないよ……

【自分たちの身に何があったのか、それをブラックハートは、知ってる限りに話していく】
【つまるところ、ブラスフェミアと言うその女は――――アーディンにとって、シャッテンにとって、不倶戴天の敵と化したのだろう】
【それこそ――――ラベンダーにとっての、アルクにとっての、鈴音の様に】
省18
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)18:21 ID:mHCNoPnp0(9/10) AAS
>>18

………………そっか。あいつ、代価さえ貰えればなんでもやるもんね。
どれほどひどいことでも、……ひどいことされるのでも、なんでも、やるもん……

【どこか納得したように、やはり諦めきった声で呟くのだろう。しかし、代わりに謝るなんてことはしなかった】
【そんなことをしても無意味だと知っていた。冒涜者、その死で償うことすらできるのかもわからないのに】
【そんな無責任な言葉で、この場をなあなあにしようだなんて、できなかった。ぎゅうと目を瞑って】

違わないかな。どうだろう――――あたしはハートさんのこと、よく知らないから、あれだけど。
…………あたしは人のことが、みんなのことが大好きだよ。大好きな人のこと、傷つけるヤツ以外はみんな好き。
いろんな好きのカタチがあるの、友達としての好きとか、信頼できるから好きとか、それ以外にも――

――――――――でもね、「好き」にはね、順番があるの。どうしても。
省8
20
(1): ◆rZ1XhuyZ7I [ saga] 2019/03/23(土)18:29 ID:juD1R3Ct0(1/3) AAS
>>764

「氷の国軍上級大佐メルツェル≠ニいう、ロクな手合いでないという事は肯定しておくよ。」

                ―――メルツェル先生。

【現れたのは無機質な雰囲気を漂わせる存在だった。】
【絹のような腰まで伸びる白髪、機械で出来た二本の角のようなものが耳の上より伸びており】
【瞳はカメラのシャッターのように幾重にも層が重なっており金属的な光を放っている】
【ネイビーのロングスカート型軍服の上から銀色のマントを羽織っている長身の女性。】

【その姿を見て少年は感極まったような、悲しみのような、複雑な表情をしてから】
【何か言葉を発しようとするが、メルツェルと名乗った女性はそれを制して少女へと向き直る。】
省9
21
(1): ◆1miRGmvwjU [saga] 2019/03/23(土)18:51 ID:qRStJCCTo(2/11) AAS
>>20

    「 ─── 大仰な名前だなァ。」「チェスの得意なツラには見えないけれど、まァ、いい。」

【パーカーのポケットに両手指を突っ込んだまま、少女は対手と向き合った。気取らない立ち方をしていた】
【肩の力を抜くというにも幾らかラフな体勢に過ぎるようだった。 ─── それでも笑っているのだから】

「"顧問"として働く分にはワタシも嫌いじゃない。 ─── そっからも少しデカい生き物にノシ上がれるなら文句はない」
「聞かせてみなよ。けれど手短にね」「枝葉末節のムズカシイ話は好きじゃあないんだ。そういうのは飛び込んでみてから判断する」

【小首を傾げながら問う声だった。 ─── 紅いフードの奥で色素の皆無な髪先が揺れた】
【慮外に大雑把な所のある少女であるらしい。だとしても、斯様に彼女は命を繋いでいるのだから】
【そういう遣り方に支障が無いほど世渡りに手馴れているのも事実であるのだろう。 ─── ポケットからガムを探っていた】
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(1): ◆rZ1XhuyZ7I [ saga] 2019/03/23(土)19:07 ID:juD1R3Ct0(2/3) AAS
>>21

「良ければ貴女の名前も教えてくれないか、その方がより接しやすい。」

【本当にそう思っているのか分からない無機質な表情でそう言った。】
【口元には微笑みすらも浮かばない、むしろ設計上そうできないかのように。】
【「いい佇まいだ」と、ポツリと呟くように相手を見つめると本題に入る。】

「ああ、ではまず顧問として契約を結ばせてもらうとしよう。」
「―――先程そこの男からも話があったと思うが昼の国≠ヨ介入する。」

「私が引き継いだアーカイブによればすでに星の国≠フ企業と共同して波紋は起こしているようだ」
「そしてそこに引き寄せられるように大きな渦が起こる。」
省4
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(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土)19:31 ID:QhqfSCns0(9/9) AAS
>>19

…………ッ!
<……『冒涜者』の肩書に、偽り無しって訳かよ……ッ!>

【2人は、思わず口元を噛み締める。それが、怒りから来るものである事は、容易に見て取れるだろう】
【尊厳ある個人から、命だけを残して、全てを引き剥がしていく。そんな事さえも涼しい調子でやってのける、そんな奴なのだろうと、2人は理解した】
【――――ブラックハートは、かつての己の『飼い主』を思い出して、ランドは、ただ義憤の故に、怒りを燃え上がらせる】
【あのアーディンが、怒りに我を忘れるのも、無理はないと、共感が一致して】

――――――――だから……だから――――それで、ブラスフェミアの為に、本気で好きだって言える友達を、弟分妹分を、1人残らず、殺していくって言うのかい……ッ?

【夕月の言葉は紡がれ、そして結ばれる。その全てを聞き届けて――――ブラックハートは、やはり低く、呻くような言葉を吐いた】
省25
24
(1): ◆1miRGmvwjU [saga] 2019/03/23(土)19:33 ID:qRStJCCTo(3/11) AAS
>>22

   「イュン。 ─── イュン・ベルクト。そンな大切な名前でもないんだ。忘れて貰ってもいいよ」

【求められるなら、端的に少女は名前を述べた。軽薄に名乗っていた。音節全てに異国の訛りがあった】
【見れば顔立ちは真白く在ったが、鼻梁の輪郭は東洋の階調を帯びていた。得意な体質であるのかもしれない/いずれにせよ】

「ふゥん。 ……… ま、素性も知れないPMCsに任せて貰う分には、中々悪くない仕事を当てがってくれるのだ。」
「いいだろう。 ─── 引き受けようジャン?」「きししッ。 ……… 期待以上の働きは、してやるよ。」

「契約だの定款だの面倒臭いコトはこっちで遣り取りしてくれるカナ。」「 ─── そいじゃ、またネ?」
省4
25: ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土)19:42 ID:mHCNoPnp0(10/10) AAS
>>23

後悔なんかするくらいならその前に死んでやる。

【ただ一言だけ、言い返したのはそれだけだった。強がりの嘘っぱちかもしれないが】
【化物じゃないって言われても、人間だって言われても――彼女はもう、その道を選んだのだから】
【間違いだったって正解だったって構わない。彼女にとって肝要なのは、最後まで道を走り切って】
【燃え尽きて死ぬことだけ。踊り狂って死ぬ運命を選ぶ。誰かに足を斬ってもらって、楽になろうだなんて思わない】

【だって誰も知らないんだ。彼女にとって、冒涜者と呼ばれる女が――どういう存在であるかなんて】
【彼女だけが知っていればよかった。誰にわかってほしいわけでもなかった。だから、】
【――この日限りで少女は、日常風景から消え失せるのだろう。あんなに熱心にやってた料理の練習だって、無に帰して】

//おつかれさまでした、ありがとうございました!
26
(1): ◆ImMLMROyPk [saga] 2019/03/23(土)21:24 ID:6YQiD33u0(1/8) AAS
>>9
【陽が首を傾げる。山々の稜線、地平の筋が赤々と燃え上がる。朱のインキが空に落とされ、滲む】
【人々は家路に着く。歩を進め、或いは歩を止め、自らの行く先を確かめている。誰も彼も、マスメディアに踊らされながら】
【騒めきが耳を満たす。狂騒が喉を潤す。変わりない街を一人行く】

【それは、白いトレンチコートを着た銀髪の男だった。やや老けた十代にも、若々しい三十代にも見える】
【ふらり、と高層ビルへ近づいていく。ポケットに手を突っ込み、ただの一般人にしか見えない風体で】

───────────────

【空気は未だ肌寒い。吐く息がほんのりと白く染め上がる。もうすぐ春が来ると言うのに、星はまだ目覚めてくれない】
【にわかに、その碧眼が入り口近くに佇む男を見据える。とても澄んだ、宝石のような双眸だった】

/よろしくお願いします!
27
(1): ◆1miRGmvwjU [saga] 2019/03/23(土)21:31 ID:qRStJCCTo(4/11) AAS
>>26

【 ─── 射殺すような眼睛に、されど男は動じなかった。その装束は果たして隠れ蓑に類していた】
【インカムの入出力系を幾度か弄って、通信の指向性を変更しているようだった。張り巡らされるような静寂】

  「 ───………… 。」「 …………、 ─── 。」

【白いマスクに隠された口許が微妙ながら動きを示していた。 ─── 何か言葉を発しているらしい】
【然してそれも現今この彼我距離においては判然としなかった。何を語っているのか/誰に語っているのか】
【近付く事は容易であるのだろう。エントランスは疎らな人混みであるとはいえ、それだけの接近遭遇を図るには十分であった。であるなら】
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