【オリジナル】男「没落貴族ショタ奴隷を買ったwwww」 (655レス)
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9: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:08 ID:+YyZKnXG0(9/18) AAS
『紳士淑女の皆様、ようこそお越しくださいました』
 袖から出てきたスーツ姿にシルクハットの男は、
慣れた様子でオーバーリアクションを取りながら挨拶をはじめた。
 挨拶は説明に変わり、いわく、ここは競売場であるとのことだった。
 店に出されている男娼や娼婦となにが異なるのかと言えば、『ランク』であるらしい。
 今舞台に並ぶ彼らは『初物』で、なおかつ『出自がよろしい』のが売りのようだった。
 みな没落貴族などから売り払われてきた子女であり、
なるほど、タカシが見たことがある顔がちらほらいるのも納得がいく。
 国が変わり政治が変わり、突然制度が革められ、お家取り潰しとなり突如として貧しくなった元貴族は少なくない。
 国は変わった。輸出入に対する鎖国が解かれ、飛行機の輸入なども盛んになり、富める者はますます富んだが、
省10
10
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水)01:08 ID:C8OnaKZL0(1) AAS
みて●るよ
11: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:10 ID:+YyZKnXG0(10/18) AAS
『お次にご紹介するのは……』
 明るい声音で笑顔のまま言う男に反して、商品たちの顔はみな暗い。
 人生を諦めたような無表情の者、漁港に引き上げられた魚のような目をした者、赤く泣きはらした顔の者――、
誰一人幸せそうな者は居なかった。これから紳士の皮を被ったヒヒジイどもに手篭めにされるのだ、
当然と言えば当然であろう。
 ましてや相手はかつては自分たちが見下してきた庄屋などの労働階級の者たちだ。
 その感情は筆舌に尽くしがたいものに違いない。
 彼らの目には、きっと年若いタカシもその『ヒヒジイ』に映っているのだろう、
時折目が合う彼らのうちの何人かはひどく反抗的な目でタカシをにらみ返していた。
 ――これは思いのほか面白そうだ。
省13
12: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:12 ID:+YyZKnXG0(11/18) AAS
「あの首輪の少女が愛らしい」
 祖父の声にオペラグラスを一旦外し、彼の視線の先を再びレンズ越しに見る。
 華やかな顔をしているが、タカシの好みではない。派手すぎるのだ。
「そうですか?」
 祖父の言葉で気づいたが、時折首輪をした者が居る。
 もしかしたら抵抗の激しい人間にはそのような措置をとっているのかもしれない。
 オペラグラスをめぐらせれば、ざっと1/4ほどの商品の首が繋がれている。
 なにも身につけてない者よりも、首輪つきが気になるのは、おそらくタカシの悪い癖だ。
 抵抗しない人形よりも、うるさく喚く警戒心の強い猫の方が断然そそられる。
 そう、今まさに舞台の端で激しく抵抗をしている彼のような――。
省9
13: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:15 ID:+YyZKnXG0(12/18) AAS
 意外にも少年に入札をしたのは四、五名で、彼らはタカシの敵と呼ぶほどの存在ではなかった。
 歪んだ顔の所為か、それとも擦り傷だらけの体の所為か、みな彼のことは差ほど『趣味ではない』ようだった。
「こちらが御落札の御品でござます」
 アンドロイドの手によって、空気穴のある本皮製のトランクはタカシに引き渡された。
 一応服は着ているが、簡素なものであると付け加えられ、『生もの』であるから長時間の放置は――、
つまり未開封のまま部屋の放っておくのは望ましくない、という当然の説明がなされた。
 店の前で祖父に別れを告げ、馬車に乗って家路を急ぐ。
 スカイカーは大層便利であったが、趣がなく、タカシはあまり好きでなかったのだ。
 御者も馬も当然のようにタカシ自身のものであり、長年の付き合いにある彼らはタカシの足として
どこへでもついてきてくれた。勿論、御者がタカシの行動に口出しをするはずもない。
省10
14: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:18 ID:+YyZKnXG0(13/18) AAS
 トランクのダイヤルを回し、そして蓋をそっと開け放つ。
 体を胎児のように丸めていた少年は、まず室内の僅かな光りにでさえ眩しそうに目を眇め、
それからタカシを見つけると、ひどくきつい眼差しで睨んできた。
 手足は枷で繋がれている。両手は両手で同士で足は別――、それならばよかったが、
 彼はその全てを体の真ん中辺りで繋がれていて、
どう足掻いても脱走などできないようないでたちでそこに納まっていた。
「やあ」
 タカシが声を掛ければ、しかし少年はうーうーと唸る。ボールギャグとはなんと味気ない風景だ。
 タカシは近くのデスクにまで歩いていくと、その引き出しに収められたはさみを持って帰ってきた。
 刃物を見て、一瞬怯える少年が可愛かった。
省10
15: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:19 ID:+YyZKnXG0(14/18) AAS
「名前は?」
 会場で名は叫ばれていたが、しかし落札に夢中で彼のプロフィールなど聞き逃していた。
「……話すことはない」
 勝気な目がタカシを見上げ、数十秒の時間を開けてそう言った。
「いいや、話してもらうよ。私は君を買った。私は君の主人だ」
「俺は買われた覚えなんてないよ! ジンケンを無視するっておかしいと思わない!?」
 床に転がったままの姿勢で、首だけ持ち上げ言う姿が滑稽だった。
 くすくすと笑ってやれば、少年は「なにがおかしいんだよ!」と吼える。
 そうだ、これでいい。腹立たしさなど微塵も感じない。ただ、楽しいと思えるだけだった。
 少年が抵抗すればするほどタカシの楽しみは増えていく。
省13
16: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:22 ID:+YyZKnXG0(15/18) AAS
 タカシは貴族の、この貴族的な態度を嫌悪していた。
 なにをするわけでもなく、長く続く家系であるとか金が偶々あったというだけで称号が与えられ、
怠惰な生活を国で手厚く保護されのうのうと暮らし、それだけなら兎も角、
農民や商人を見下しきり人の上に人を作り、その下々の民の税で贅沢三昧の彼らが嫌いだったのだ。
 顔が歪むほどに頬を掴まれた少年は苦悶の表情を浮かべて「イハイ」と意味不明の言葉を漏らす。
「なにを言っているのか判らないね。ああ、私が手をどかせば話せるかな。放すつもりはないけどね。
痛いかい? 私はこのまま君の顎を砕くこともできるよ。そうされたくなかったら私の質問に答えなさい」
 一際右手に力を込めると、少年の目に涙が溜まっていった。
 それを確認して手を放すと、まずは最初にした問いと同じい「名は?」と質問をした。
 しかし不思議なことに、なんとなくではあるが彼がなんと答えるのかは想像ができた。
省10
17: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:23 ID:+YyZKnXG0(16/18) AAS
 タカシはしばしの間、彼の暴言を楽しんだ。
「俺の爺ちゃんは大臣をしたことこあるんだぞ! お前なんか、すぐにでも捕まえてくれるんだよ!
俺にこんなことをしてただで済むと思うなよ! お前が俺にこんなことをしたってわかったら、お前こそ豚の餌だ!」
 貴族のお坊ちゃまとも思えぬような罵詈雑言が飛び出し、しかし稚拙なそれはいっそ愛らしいほどだ。
 タカシはショウタの前に椅子を置くと、それにすわり、そして口角を持ち上げたままで彼を見下ろした。
 止め処なくあふれ出す罵詈雑言を悠然とした笑みで受け止め、
そして彼の呼吸が荒くなる頃を見計らうと、先ほど取り除いたばかりのゴミ箱の中のギャグボールを
口内に突っ込んでやる。
 息苦しいのか、それとも恥辱のためか、ショウタは目を見開きタカシを見た。
「君のお爺様が大臣だったからなんだというんだ? 家はもうないだろう。
省21
18: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:26 ID:+YyZKnXG0(17/18) AAS
 自分の顔の横に転がった新聞記事を、ショウタは目を忙しなく移動させながら読んでいた。
 ショウタにはきょうだいが居なかったようだ。なんとか家を建て直そうと試みたものの、
金を騙し取られて泥沼化、ショウタは売りに出され、もうどうにもならぬと諦めがついたところで
心中をしたようだった。
「嘘、嘘だ……だって、だって……」
迎えに来るって、いっていたもん。
ショウタはかすれる声で呟くと、そのうちヒッヒッとえづきそして泣き出した。
「嘘だ、嘘だぁ……!」
「諦めろ。お前は私に買われたんだ」
 嫌だ、嫌だ。お母様、お父様、お爺様お婆様。
省17
19: ◆OfJ9ogrNko 2013/12/18(水)01:27 ID:+YyZKnXG0(18/18) AAS
>>10
ありがとう

今日はここまで
20
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 2013/12/18(水)18:15 ID:6fQzdFyn0(1) AAS

速報は初めて?
メール欄に半角でsagaって入れると「殺す」とかがきちんと表示されるよ
あと、ここでは基本、作者はsageない。読者がsageる
詳しくは「初めてSS速報に来た方へ」ってスレを読んで

あと、悪いけど行間を一つあけてくれると携帯から見やすくなるから、手間じゃなければそうしてほしい
21
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/19(木)21:11 ID:n+ke/+nK0(1) AAS
待っ●いるよ
22: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:12 ID:5GdPqy6h0(1/8) AAS
>>20
うお、素で間違えてたわthx
>>21
ありがとう
23: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:13 ID:5GdPqy6h0(2/8) AAS
 昼過ぎに目を覚ましたのは、女中が遠慮がちに「坊ちゃま」と呼びかけたからだ。
「なんだ?」
 寝起きで頭が回らない。昨夜は遅くに帰宅をしたから、眠りにつくのが必然的に遅くなってしまった。
 どうせ今日は仕事も休みだと気分よく惰眠を貪っていたというのに、台無しである。
 扉の向こうから彼女は「あの」と言いづらそうに切り出す。
「あの、地下室が……」
 騒がしくてたまらない。
 彼女はそう告げた。地下室にはショウタが居るはずだ。食事の必要もないと告げてあるから、
使用人たちがわざわざ地下へと赴くことはない。
 となると、ショウタが外にまで聞こえるような声で叫んだり暴れたりを繰り返しているということになる。
省16
24: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:16 ID:5GdPqy6h0(3/8) AAS
 地下室への入り口は壁を隔てているが、それでも声ははっきりと聞こえるのだから、
近くであったのならどれほど響くことだろう。
「活きのいい子供だ」
「え?」
「なんでもないよ」
 イジメがいがある。舌なめずりしたいような、自分でも不気味に思えるほどの感情をもてあましながら
タカシは地下への入り口が設けられた家の中心部へと向かった。

 タカシの住まうこの家は、回廊型をしている。
 邸宅の一階は一二の部屋から成っていて、まるで時計ようだ。
 時計のとおりに番号を振るうならば、玄関の丁度前の部屋は六、
省10
25: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:18 ID:5GdPqy6h0(4/8) AAS
 それぞれの部屋に添う形で伸びる廊下は実はその端と端は繋がっていないのだ。
 六を基点として、向かって右に進めば一で廊下は途切れ、
逆に進めばに一二にが行き止まりになっているということだ。
 何故こんな不便な造りにしたのかタカシには判らなかった。
 さて、ショウタを放り込んだ地下室は一二の部屋にある。
 正確には、一二の部屋の中へと地下へ続く入り口があるのだ。
 タカシは一二に赴く間、そのくぐもった叫び声を存分に楽しんだ。普段は不便極まりない廊下も、
今日だけは乙なものと思えるから性欲とは不思議なものだ。
 微かに聞き取れるのは「馬鹿」だとか「アホ」、それから「死ね」という言葉で、貴族のお坊ちゃまにしては
如何せん語彙力が貧困だ。
省4
26: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:27 ID:5GdPqy6h0(5/8) AAS
 ようやくたどり着いた一二の部屋の襖を開き、そして現れた純和風の客間の、その床の間へと一直線に進む。
 掛けられた巻物を無造作に捲り、そしてその先に続く扉を押し開くと階段が現れた。
 階段のその先は薄暗く、目視することは困難だ。左手で壁を探ると突起物に行き当たり、
それを指先で軽く押せば、壁に点在する電灯に上部から下部へと流れるように順に明かりが点っていった。
 そしてその微かな光りで満ちた階下をタカシが見下ろすと、まるでそれを見計らったかのように
「開けろ!」と言うしゃがれた声が今度ははっきりと響き渡ったのだった。
 地下室に入るにはもうひとつ扉を開けなくてはならない。
 そのような状態でもショウタの声がはっきりと聞こえるということは、相当な大声で叫んでいるということだ。
 その声にほくそ笑む自分自身に呆れつつも、わざと足音を鳴らしてタカシは階段を下る。
 一歩ごとにひんやりとした空気で満たされていく空間を楽しみながら足を運んでいく。
省12
27
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金)00:28 ID:t/JPKquR0(1) AAS
地の分は結構なことなんだけれども、もしよろしければ地文と台詞の間に行あけてくれるとうれしい。
今の状態だと見辛くて…
28: ◆OfJ9ogrNko [saga] 2013/12/20(金)00:30 ID:5GdPqy6h0(6/8) AAS
 手は手枷のほかには手錠を嵌めているから、自由は利きにくいだろう。
 それでも手は壁、足は床へと繋がる鎖はいずれも長いから、
地下室内のみにおいてはある程度は自由に動ける仕様だ。
 過度のストレスは反抗心を早くに磨耗させる。だからこそある程度の自由――、
逃げられそうで逃げられない状況をタカシは作ったのだ。
「これ、外せよ」
 ショウタはタカシを睨みつつ再びそう言った。
 変声期前の可愛らしかった声はすっかりしゃがれている。二、三日大人しくさせれば治るのだろうが、
これはこれで味があっていいものだと考える。
 今まで明かりひとつなかった地下に灯された電灯は、少しばかりショウタの緊張をほぐしたようだった。
省12
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