長編SS投下用スレッド (142レス)
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86
(1): 2011/09/05(月)08:29 AAS
知らぬ間に投下されていただと?

乙です。
昔あったアルツハイマーになったキョンを介護する話を思い出した。それの逆版かな。
設定の都合だと思うけど、キョンが佐々木を名字呼びするのは想像力を働かせました。
87: 2011/09/09(金)16:27 AAS
>>86
読んでいただいてありがとうございます。
若年性のアルツハイマーの話しは,非常に興味深く読みました。
特に参考にしたのは,長編SSの夢というタイトルのSSです。
何度となく繰り返して読み,構成や書き出し等はほぼぱくりみたいになってしまいました。

佐々木と呼ぶのは,佐々木が職務上佐々木という氏を使用しておりキョンと佐々木が同業者で同じ職場で働いているという前提です。
にしても,プライベートで佐々木と呼ぶのは止めたまえ等という話しは出るでしょうが・・・
キョンは佐々木と一緒になるために,一人で努力を重ねてきたので,つい佐々木という名前が口をついて出てしまうと妄想しています。
88: 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)11:50 AAS
アクセス規制なので、こちらに投下。以前書いたいじめSSの続編となります。

何の為に学校に通うのか。最近は勉強に楽しさを見出してきて、より高いレベルを求め、佐々木と同じ塾に通う日々だ。
北高自体、そんなにレベルの高い高校ではない。上には上がいるし、その上の連中の見ている景色を少し見たくなってきた。
「最近は勉強が楽しくなってきた。」
「それは重畳だね。」
分からない場所を調べ、解いて行く。これだけの事に楽しみを見出すのだから、いかにこれまでが無知であったかよく分かる。
分からないから知りたい。それがきっとあの馬鹿の考える事なんだろうな。
佐々木は少し困ったように笑うと、空を見上げる。
「太陽に片想いした、イカロスの気持ちが分かるよ。」
「お前が何を言いたいか、さっぱりだ。」
省15
89: 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)12:15 AAS
駅前にいた涼宮さん達。あなたは気付いていたかしら。
後悔と悔恨、逡巡に彩られ、哀しみ嘆く様を。
私なら、彼等を仲直りさせる事は雑作もない。キョンもきっかけを探している節もある。だが。

それをやって、一体何になる?

嫌疑はいい。素直でない男だけにそれは仕方ない話だ。しかし。反論の機会すら与えずに貶めたあの集団に、キョンを返すわけにはいかない。
そして。
こうなってしまってから漸く気付いた自分の気持ちにも。

『得難い親友』という嘘。
結局は自分の意気地の無さへの肯定に過ぎなかった。

執着を受け、気持ち悪いまでに付きまとわれた時、真っ先に浮かんだのはキョンの顔だった。
省7
90: 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)12:49 AAS
ちょいと長丁場になるので、一旦区切ります。
91: 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)16:38 AAS
キョンがいた。
佐々木さんと一緒だったということは、あの二人はそういう関係になったのかも知れない。
きっかけなんて、単純な話だ。些細過ぎて忘れてしまうような事。それを錦の旗印にして、何故か皆が追随し、あっけなく戻れない場所まで行った。
私も楽しくなり、キョンへの迫害を繰り返し…キョンは次第に慌てた顔から失望の表情に変わっていった。それに最初に気付いたのは、私だったと自負している。
一人称が涼宮に変わり、迫害を受けたきっかけについて、全て否定の材料を持ってきた。
これで終わり、また何か楽しみをと思っていると、キョンはキッパリ言った。
「もう沢山だ。付き合いきれん。」
古泉くんがとりなす為にキョンを外に連れ出したが…
ハッキリ聞こえたのは
「今更、お前らを仲間だなどと思えるか!」
92: 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)16:58 AAS
何もかも壊れた。そう自覚した時、古泉くんとみくるちゃんが叫んだ。
願え、と。
二人の言葉に従い、私は心から願った。また元に戻りますように、と。

覆水盆に返らずとはよく言ったもので、私の祈りなんて歯牙にもかけられない。見ると、有希も青い顔をしていた。
私が理解した事。それは、些細な事でキョンを深く傷付け、キョンを失った事だ。

皆を問い詰めると、キョンは一度皆に弁解したようだ。だが、皆は歯牙にもかけなかった。理由は分からないし、聞きたくもない。
ただ、私の行動が理由である事は疑いない事実だろう。
自ら作ったSOS団を、自ら壊し…一人の人間を救いようなく傷付けた。その人間は、謝らせてもくれない。

存在を無いものと見做される位なら、いっそ殴られたり罵られたほうがマシだ。

自業自得。その言葉がこの状況にピッタリと合う。
省4
93
(1): 『みんなぼっち』 2013/08/03(土)17:21 AAS
何が間違っていたか、分からない。
僕は彼を見誤っていた。それが現実なのだろう。
涼宮さんにとっての鍵。彼はどんな状況にあっても彼女を見捨てないと思っていた。
それに、僕達の立場は明確だったはずだ。
それを明確にしただけの事。
長門さん、朝比奈さんも同じ考えであり、今更ながらに考えると涼宮さんの能力は、彼を起点に始まり、彼を終点に終わった。
つまりは。鍵の重要性を無視した結果だ。

「僕にしてみると、投げ出せる立場が羨ましいですがね…」

それは本音だが、だからといって道を誤る理由にはならない。そして彼を迫害する理由にも。
「頭を下げろというなら、幾らでも下げますし…僕の首が欲しいならくれてやるんですがね。」
省9
94: 2013/08/13(火)07:07 AAS
>>93
これは……以前の続きとありますが前の作品の名前教えてもらえますか?
95: 2013/08/13(火)08:41 AAS
>>94
69-204「ふたりぼっち」
96: 『ひとり』 2013/08/13(火)13:06 AAS
高校生なんて割と不便だらけだ。
大人のように何かを好きに出来る訳でもなく、子どものように無責任に居られる訳でもない。
社会に出たら理不尽が待ち構えているから、それの予行を今やってると考えれば、俺の現状にもまぁ納得はしてやれる。
…佐々木から言われた事の受け売りだがな!
「(今日も屋上で時間潰しか。)」
誤解は解いたが、後の居場所なんてあるわけねぇ。やれやれ。かといって何かを取り戻そうと躍起になるだけのモチベーションもない。
非行に走る理由付けにはなるが、それをやるだけの行動も面倒臭い。そこまで堕ちる理由もないし、別に今を変えたいなんて思えないしな。
非行に走るというのは、ある意味では自分が構ってほしいからだ。
俺は誰にも構って欲しくない。
願わくは、一刻も早く時間が過ぎて悲しい出来事を忘れたいというだけだ。
省16
97: 『ひとり』 2013/08/13(火)13:37 AAS
佐々木に言わせると、集団からリンチを受けたも同然だった俺の状況が、更に酷いらしいがね。俺はその意見については否定する。
俺の場合は、俺が招いた状況というのも少なからずある。だが、佐々木は一方通行の好意を寄せられただけだ。
それにより、何故に佐々木が傷付かないといかんのだ?
晴れない気持ちのまま屋上で寝転がる。さっさと昼休みが終わって放課後にならんかね。ついでに言えば、さっさと卒業させてくれんかね。
未だに続く嫌がらせ。その跡が残るぐしゃぐしゃになったパンを噛みながら、俺は時間が過ぎるのを待った。

「(さて、今日もまたクラスに一人か。)」
人の口に戸板は立てられないと言うが、それこそこうした進学校の人間達に相応しい。
興味はあれど実行に移せない連中に、耳だけ肥え太り実践のない頭でっかち。
「(綺麗なものだけ見ていたら、こんな連中になれるのかね。)」
白馬の王子様なんていやしないし、いると信じるのは幼児だけでいい。結局がいつか誰しも通るような道を、こうして大仰にやるのは私達が子どもである証なのだろう。
省15
98: 『ひとり』 2013/08/13(火)23:36 AAS
私にしてみると、些細な誤解や行き違い…説明しておくと、あのmikuruフォルダとやらか。あれをきっかけにキョンが孤立するなど思ってもいなかった。
確かに消すといって消していないのはキョンの落ち度であるが、それを理由に排斥にかかるかね?馬鹿馬鹿しい。
元を正せば涼宮さんのやらかした奇行の一部だ。いくらでも弁解出来ただろうに。
彼の仲間達も、だが。
彼の仲間達の意見については、あくまでも涼宮さんを刺激させない方向にしたのだろう。迂闊に刺激して藪を突ついて蛇を出す結果になっては敵わない。
ここがまずひとつの行き違い。
そして次の行き違いは、それを上手くキョンに伝えられなかった事だろう。
推測に過ぎない話だが、彼等はキョンにこう言った確率が高い。

「あくまでも涼宮さんの監視」

立場を考えたらそれは当然だろう。彼等が何を思いそうしたか。理由は前文であろう。
省10
99: 『ひとり』 2013/08/14(水)03:31 AAS
珍しい来客があり、私は対応に出たのです。あまり好ましい来客だとは言えませんでしたが。
客人にお茶を差し出し、私は衝撃的な事実を幾つか知る事になったのです。曰く。
佐々木さんがストーカー行為の被害者となり、窮地へ追い込まれてしまった話。
そして。涼宮さんの能力の喪失による機関の解散。キョンさんが涼宮さんを完全に見放した話。
幾つかの事実を知るにつれて、私は疑問を抱いたのです。
涼宮さんの能力喪失はともかくとして、形がどうあれ佐々木さんとキョンさんが結ばれたとあれば、能力は佐々木さんに移っていてもおかしくはない。
だけど、そのような事実はない。
まだ私に超常的な能力があるとするならば、私にそれを感じる事ができるはず。
それすら感じないという事は。二人がそれを望まないとなる仮説も考えられるのです。
私の場合、キョンさんや涼宮さんはどうでもいいのですが、佐々木さんが心配になるのです。
省17
100: 『一方通行』 2013/08/15(木)20:48 AAS
辟易するような日常と、鬱屈した生活。そして刹那的な快楽を求め、お互いを貪る日々。実にデカダンスだ。
こんなんじゃ、お互いダメになっちまうのは分かりきった話なんだがな…。
「刹那的な行動というのも悪くはないが、些か短絡的過ぎたね。」
「全くだ。」
気怠く横になり、お互いに抱き合う。お互い性急に事を進めただけに、お互いにお互いを汚した感覚が強い。
求めあったのは事実にしても、ロマンスなどには程遠く、ただ誰かに側にいて欲しかったというのが事実だろう。…報われんな。お互い。

抱き締め、キョンの体温を感じる。
どこか辛そうな表情で私を抱く彼は、恐らく私と似た事を考えているのだろう。
このまま何もかも忘れて、ふたりきりでふたりぼっちになれたら。どれだけ幸せなんだろうか。
子どもの頃に夢想した幸せ。そして少女ならば誰しも憧れるような恋物語。そこには幸せそうな男女が幸せな恋愛を模っていた。想い合う二人が求めあい、お互いの想いを通じ合わせる。
省15
101: 『一方通行』 2013/08/15(木)21:24 AAS
北高の文芸部室。そこには何をするわけでもない四人が、帰らぬ雑用係を待っていた。
…皆、自分達の取った行動に反省はしている。だが、被害者と加害者という立場は変わらない。
加害者からすると、悪ふざけの領域を出なかった。ハルヒはキョンならば笑って許すと頭から信じていたのだ。
周囲もいじめをやるなんていうのは予想外だったし、まさかクラスでもそうなるなんていうのも予想外だったが。
傍から見ていて、楽しかった。キョンが言い掛かりをつけられ、泡を食っている姿は、滑稽であり見ていて楽しかった。自分にしてもあくまで悪ふざけの積もりだった。
だが。現在も脈々と続く嫌がらせと、キョンへのいじめ。そのきっかけを作ったのは、自分。ハルヒは猛省したが、キョンは自分達を居ないものとして扱っている。
それだけに謝る事も出来ない。陰鬱な日々。そうしてしまったのは、自分達。発端は自分。ハルヒは重く溜息をついた。
ドアがノックされる。
ハルヒ、みくるの目が輝き、古泉の口元が上がる。長門も期待を込めた目をしている。
喜び勇んで開けたドアの向こうに立っていた人物を見て、皆が落胆したのは致し方ないであろう。
省16
102: 『一方通行』 2013/08/15(木)22:11 AAS
橘にしてみると、ハルヒ達に徹底的にキョンを幻滅させ、キョンの更なる迫害を誘発して佐々木に気持ちを向かせる事が目的だ。
古泉が口唇を噛みしめる。橘の目的もそうだが、それに対し是非を言う立場にない自分への怒りも強い。何処の馬鹿が洩らした情報だ。古泉は下を向く。
「さて、とあれば佐々木さんとキョンさんが結ばれても何も言う事はない、というわけですね?
ふふ、イジメなんてやるような方達より、佐々木さんと一緒にいたほうが幸せなんて分かりきった話なのですが。イジメなんてクズの所業なのですよ。」
得意になって語る橘に、古泉はポツリと言った。
「…その行いで、自分がクズに成り下がったと分かっていますか?」
長門が口を開く。
「あなたがやろうとしている事は、更なる迫害の誘発。そして佐々木○○への侮辱。古泉一樹の発言は極めて妥当であると思われる。」
みくるはおっかなびっくり口を開く。
「…私が佐々木さんなら、他の人にそんな関係をバラされたくないと思います。特に…私達には。」
省18
103: 『諦念と執念』 2013/08/16(金)11:39 AAS
学校での嫌がらせは確実に減りつつあるが、俺は別の問題に直面していた。それは。
「あんた、今度の土曜付き合いなさいよ。」
諸悪の根元たる団長様からの御達し。最も今は俺は無関係だけに言う事を聞く筋合いもないんだがな。
「お前が何を言いたいか、さっぱりだ。予定を話すなら、その日は佐々木と約束がある。よって参加は不可能だ。」
こう言っておけば、追求も来ないだろう。涼宮にしても、わざわざこうした面倒は避けたいだろうしな。
だが、この日の涼宮は違った。
「佐々木さんも一緒に来れば、何の問題もないわ。」
…一瞬、耳を疑った。少し参加しないうちに、随分とオープンになったんだな、SOS団は。
「断わる。お前と違って凡人たる俺は、これまでの学習の遅れを取り戻すのに必死なんだ。佐々木の教えのお蔭で、何とか成績が上昇しつつあるが、この流れを今更変えたいとは思わん。」
「お勉強、ねぇ。」
省18
104: 『諦念と執念』 2013/08/17(土)03:50 AAS
最近、タバコを喫ってみた。
行動だけを真似て大人になれるわけでないが、ただのポーズとしては良いかと思い、喫ってみたが…あんなもの、よく喫えるものだ。
記憶にあった父のタバコ…エコーとやらを喫ってみたら、頭は痛くなるわ噎せるわ息は臭くなるわで、それこそ百害あって一理もなかった。その帰りにキョンがタバコを喫っていたのを見て取り上げて暫く説教をした。
ポーズを真似てもどうしようもない、と最もらしい理由を言い、タバコを取り上げて捨ててやった。我ながら身勝手だとは思うが、やはりあんな臭いを身に纏うのは堪忍願いたい。
…喫煙の効能は分かるが、臭いがダメだ。私には堪えられない。学内にある吸殻を見て溜息をつく。
進学校故に、皆ストレスがあるんだろうな。そう思い私は地面にあった吸殻を足で踏み躙り、地面に埋めた。
「…佐々木さんってタバコなんて喫ってたんだ?」
唐突に声をかけられ、私は後ろを向いた。そこにいたのは…
「涼宮さんか。驚かせないで。」
涼宮さんだった。
省20
105: 『諦念と執念』 2013/08/17(土)05:23 AAS
放課後になり、俺は止む無く古泉の教室へと向かう。古泉は如才ない笑顔で迎えた。
「歓迎は出来んな。事と次第によっては扱いが手荒になるぜ。」
古泉は肩を竦めると、また如才ない笑顔を浮かべた。
「立ち話も何ですし、宜しければ文芸部室に行きますか?涼宮さんはお帰りになられましたし、そちらのほうが話もしやすいですから。」
古泉の言葉に、俺は露骨に顔を顰めた。
「断わる。俺は文芸部室に近寄るつもりはない。」
確かにそっちが都合はよかろう。長門や朝比奈さんにしても、あの二人の話も聞けるだろうしな。だが。
今更話す事は何もない。接近した理由も全てハルヒ絡みであった以上、ハルヒとの付き合いを絶った今、彼女らとの繋がりもないわけだ。それはお前にしても同様なんだがな、古泉。
明確な拒絶の意思に、古泉は溜息をついた。
「言い訳を宜しいでしょうか?」
省19
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