[過去ログ] ガンダムヒロインズMARK ??I (152レス)
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133: フェニックステイル第38話後編投下準備 2023/06/04(日)14:47 ID:s1uIMrE2(1/9) AAS
投下します。
引き続きエロ場面ありません。
134: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:48 ID:s1uIMrE2(2/9) AAS
「ここがP−04の中央基地司令部か……。はじめて来た」
 きょろきょろと周りを見渡しながら、アイネ・クライネ伍長はおのぼりさんの雰囲気丸出しで呟いた。
 P−04自体は僻地の方面軍基地に過ぎないが、現在その隷下にある兵力はかなりのものだ。当然、それに伴って司令部の規模も大きい。
 幕僚らしき軍人たちが時にアイネの度肝を抜くほど巨大なパイロットスーツ越しのバストに視線を奪われながらも行き交う中で、アイネの方も初めて見る世界に興奮していた。
「おお、……司令部の雰囲気って、こういう感じなんだ……」
「アイネ、もう少し落ちつきなって。この辺、まだほんの入り口だよ」
 訓練生時代の同期にして元ルームメイトの親友、シエル・カディス伍長の静かな声で、アイネははっと我に返った。
 改修工事でサラミス改級巡洋艦『トラキア』を追われた間に起居するミケリヤ家で、その家主たるサブリナ・ミケリヤ少尉から、アイネらトラキアMS隊は新たな命令を告げられたのだ。
 休暇中のマコト・ハヤカワ准尉を除くMSパイロット3人に、整備兵マリエル・エイムズ軍曹を加えた4人で、P−04中央基地司令部まで出頭すること。トラキアMS隊はそう命じられたのだった。
 そしてゲート前では第223戦隊の僚艦であるサラミス改級駆逐艦『アルマーズ』所属のMSパイロット、シエルとも合流した。示された集合場所と時間が同じだったのだという。
省26
135: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:50 ID:s1uIMrE2(3/9) AAS
「『境界』の方で昨晩、ちょっとした騒ぎがあったのはご存じですか」
「ええ。確かあのとき緊急出撃したのは、農協の第411MS中隊……そうか。あれは」
「空振りでしたよ。ムカつくことにね」
 初対面のシエルと互いに牽制しあうような視線を絡ませ合っていたトモエが、そこを切りながら吐き捨てるように呟いた。リタは淡々と続ける。
「『ゴアズ・ジャンクハンター』。最近売り出し中の境界漁民でしたが、どうやら境界を漂う噂の『宝船』を見つけ出して、近づこうとしていたらしいです。そこを『亡霊』に襲われて――」
「見事に全滅ですよ。ザク?1機相手に、リック・ドム?1機とボール2機の合計3機が社長もろともまとめて殺られて、かろうじて母船とボール1機だけが逃げ帰ってきた。あたしらはそこへ上から突っ込んで、『亡霊』ザクのケツを追い回してやったんですが」
「ルスランの哨戒部隊に横槍を入れられて、取り逃がした……そんなところ?」
 マリエルが言うと、トモエは不満げに頬を膨らませ、リタは感情を見せない笑顔で応じた。
「『亡霊』は女を狙うという、あの噂――どうやら事実のようですね。もともとゴアズの社員は男ばかりでしたが、襲撃当日は女を一人連れていました。
 漁民上がりの社長愛人だったそうですが、それで『境界』へ入って『宝船』へ近づいた途端に、『亡霊』は彼女を狙って襲ってきた。――そういう通信が入ってきたと、生き残りの社員が吐きました」
省24
136: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:51 ID:s1uIMrE2(4/9) AAS
「撒き餌? 私たちがあちこちで単機にバラけて行動して、そいつを誘い出すってこと?」
「まさか。境界漁民のボールあたりならともかく、連邦軍のまともなMSや艦艇が境界宙域で堂々と動けば、『亡霊』より先にまずルスランの哨戒部隊が束になって突っ込んでくる。撒き餌どころの騒ぎじゃない」
「じゃあ、どうやって――」
「女子だけで組んだ漁民チームで、境界あたりを漂う『宝船』をしつこく追ってる連中がいる。『亡霊』に邪魔され続けて膨らんだ借金で首が回らなくなってて、やっと尻尾を掴んだ『宝船』をここで穫れないと詰むらしい。
 とどめにこの『亡霊』騒ぎが大きくなって、肝心の船すら借りられなくなって往生してたみたいだが――私らが、そいつらに船を貸す」
「――その子たちを、囮にする……ってこと?」
 女子だけで組んだ漁民と言われて、アイネの脳裏に第113整備場で見かけた少女たちの姿が蘇る。
 直感的に、心に波が立つのがわかった。
「ええ。そして、私たちもその船に乗る……こっそりとね。船倉にジムを隠しておいて、『亡霊』が出てきたら一斉に飛び出して始末にかかる。これとは別にパブリク改を近くに1隻用意して、始まったら全速力で駆けつけてもらう。
 漁民のボールで引きつけたところを、まず同乗の私たちが仕掛ける。そしてパブリク改の別働隊が後詰めで、ルスランの介入を足止めするなり、『亡霊』の退路を断つなりして締める。完璧でしょう?」
省27
137: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:53 ID:s1uIMrE2(5/9) AAS
 先手を打たれてしまった。
 シュンを狙うトモエとリタは『亡霊』討伐作戦を企画し、その作戦にかこつけてシュンを寝取るつもりなのだ。
 アイネもシュンとの肉体関係は最初の事故以外に無いので、寝取るというのもおかしな話ではあるが、シュンとの心の絆はこの二人より自分の方がずっと近いという自負があった。
 この二人は第113整備場で、シュンを寝取るためなら実力行使すら厭わなかった連中だ。危険すぎる。
 裸身でベッドに縛り付けられながら全身にマジックペンで変な落書きをされ、同じく裸身のトモエとリタに挟まれながら光の無い瞳で両手にピースサインを作らされるシュンの姿を幻視して、アイネは怒りに全身を震わせた。
「おいおい、いちいちピーピー騒ぐなよ。これは作戦、ちゃんとした正規の作戦なんだよ。あんたも軍人なら、正規の命令にはちゃんと従わなきゃなあ?」
「だ、大丈夫……大丈夫だよ、クライネ伍長。僕は……僕は、絶対に負けないから……必ず、無事に帰ってくるから……」
「彼自身もそう言ってることですし。ここは同僚として、おとなしく信じて送り出してあげたらいかがですか?」
 シュンは引き攣った微笑みを浮かべ、その左右から挟み込むようにトモエとリタが歩み寄ってくる。アイネはその動きを阻止することが出来ない。
「――お」
省25
138: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:54 ID:s1uIMrE2(6/9) AAS
「宇宙の海はあたしの海ッ! 男は乗せない漁船(いさりぶね)!! ダーウィン海運社長クレア・ダーウィン、お呼びにあずかりただいま参上ッ!!」
「いや、その……そうじゃなくて、……漁船、……社長……?? どちら様で……どうしてここに??」
 リタが未だ微笑みを保ちながら――しかし、その薄皮一枚下に隠しきれない困惑を露わにしながら、クレアと名乗った三角帽の金髪ツインテール長身爆乳美女に問いかけた。
「私が説明しよう、リタ・ブラゼル伍長」
 そのときまたドアが開き、新たな進入者の声が響いた。
 また女だった。
 今度は制服姿の連邦軍士官、階級は中佐。アフリカ系と思しき褐色の美女、階級章は中佐を示している。高官だ。アイネにとっては初対面の相手だったが、その場の軍人全員とともに姿勢を正す。
 トモエとリタの隙を突いて逃れてきていたシュンが、そっとアイネに耳打ちした。
「タニア・メーティス中佐。元トラキア隊で『中央派』の重鎮だよ」
「『中央派』……」
省26
139: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:55 ID:s1uIMrE2(7/9) AAS
 そしてアイネは、次にシュンと目を合わせる。
 しかし、これは、……ひとまず助かった、……のだろうか?
「だからサントス伍長とカーペンター伍長には降りてもらう。マリエル・エイムズ軍曹、アイネ・クライネ伍長、シエル・カディス伍長。君たち3人は残れ」
「なら、なぜ私たちが――」
 なおも異を唱えんとするリタに、タニアが堂々と言いつけた。
「今回の『亡霊』討伐作戦は『地球連邦軍』として実施する。ルウム農協の出る幕ではない」
「……!!」
 P−04の政治について大した予備知識のないアイネにも、その濃厚な『政治』の腐臭は鋭く鼻を突いてきた。
『亡霊』騒ぎが大きくなりすぎた。だから膨らんだ狩りの手柄をルウム農協や現地派に渡さないため、中央派として独占したくなったということか。
「戦力の心配は無用だ。欠員は補う。入れ」
省24
140: フェニックステイル第38話後編 2023/06/04(日)14:55 ID:s1uIMrE2(8/9) AAS
「確実なもの……?」
 マリエルに答える途中、タニアの無線端末に何か通話が入った。タニアは応えて小さく頷くと「お入りいただけ」とだけ短く返し、そのまま視線をドアに向ける。
 ドアが開き、また新たに2人のMSパイロットが入ってきた。
 金髪の爆乳美女と、銀髪の美青年。パイロットスーツは連邦軍と同型だが、その薄紫の色彩は軍の制式にないものだった。
 長い金髪をポニーテールにまとめた美女は、室内を傲慢そのものの視線で睥睨する。
 その長くまっすぐに輝く金髪も、アイネには及ばずながらの爆乳もクレアに匹敵するものだ。だが気品に裏打ちされつつもすべてを見下すような冷たさが、彼女の雰囲気を全く異なるものにしていた。
 背後の美青年を従えるようにしながら、ポニーテールの金髪美女が名乗りを上げた。
「ロナ騎士団、騎士キーラ・ブロンベルク。『クシナダ作戦』とやらを支援させてもらいに参上した」
「同じく、騎士ヴィリ・グラーフ。よろしくお願いします」
「……お、おお〜〜〜☆」
省23
141: フェニックステイル第38話後編投下終了 2023/06/04(日)14:56 ID:s1uIMrE2(9/9) AAS
今回は以上です。
増えた登場人物の把握については、ハーメルンなどに掲載の登場人物紹介(挿絵付き)をご活用ください。
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