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現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1571400076/
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416: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/11/03(日) 08:59:43.88 ID:apiWSBWV つづき さてそもそも j(τ) を, 楕円関数とは独立に, H 上の SL2(Z) 不変な関数とし て研究し始めたのは Dedekind と Klein15 が最初である. 彼らの論文16はそ の動機も行っていることも全くといっていいほど違う. 一言でいうと, Klein は関数論的, Dedekind は数論的, となるだろうか. 数論の立場から見ると, Dedekind の論文がとりわけ興味深く思われる. 彼は序文の中で, 自分の研究 動機が, 3 次体の類数の決定と楕円関数の虚数乗法との間の深い関係に気づい たことにあると述べているが, 残念なことにこれらの関係について彼が書き 残したものはないと思われる17. 最後に, j(τ) のフーリエ係数について述べるにあたって “Moonshine” に触 れないわけにはいかない. これをごく手短に述べよう. 通常「モンスター」と呼ばれる, 位数が 2^46・ 3^20・ 5^9・ 7^6・ 11^2・ 13^3・ 17 ・ 19 ・ 23 ・ 29 ・ 31 ・ 41 ・ 47 ・ 59 ・ 71 = 808017424794512875886459904961710757005754368000000000 (約 8 × 10^53) の有限群がある. これは, 26 個ある散在型有限単純群の内, 位数 が最大のものである. この群は, その存在が確定する前から, 次数 196883 の 既約指標を持つ, という仮定の下に指標表が作成されていた. その 196883が j(τ)の q-展開の 1 次の係数 196884から 1だけ減じた数に他ならないことを注 意したのは John Mckay, 本人の言によると Dedekind の論文より 101 年目の 1978 年のことという28. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1571400076/416
417: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/11/03(日) 09:00:25.41 ID:apiWSBWV >>416 つづき その後 John Thompson が, c5 までをモンスターの既 約表現の次数の簡単な一次結合で書いた表と, このことの説明として各 n に 対し cn 次元のベクトル空間でモンスターの表現空間となっているものの存在 を問う短い論文29を書く. 例えばモンスターの既約指標の次数は小さい順に 1, 196883, 21296876, 842609326, . . . となっているが, c1 = 196884 = 1 + 196883, c2 = 21493760 = 1 + 196883 + 21296876, c3 = 864299970 = 2 ・ 1 + 2 ・ 196883 + 21296876 + 842609326 29 Some numerology between the Fischer-Griess Monster and the elliptic modular function, Bull. London Math. Soc. 11 (1979), 352?353. といった具合である. それから間もなく, この Mckay-Thompson の観察は, John Conway (三たび John だ) と Simon Norton による “Monstrous Moonshine” という論文30において, はるかに一般的かつ精密な形の予想として提 出され, それから十数年の後, Conway の弟子の Richard Borcherds により最 終的に解決された31. これらについては最近の原田耕一郎による本32や論説33,その他文献に譲る34 30Monstrous Moonshine, Bull. London Math. Soc. 11 (1979), 308?339. 31Monstrous moonshine and monstrous Lie superalgebras, Invent. Math. 109 (1992),405?444. 32モンスター 群のひろがり, 岩波書店 (1999). 33モンスターの数学, 「数学」51 巻 1 号 (1999). 34第 6 章参照 第6章 問題と文献 これからの問題のひとつとして考えられるのは, SL2(Z) を他の種数 0 の群に して, そこでの j(τ) にあたるもの (“Hauptmodul”) の係数の公式を問うこと であろう. そのための手がかりとなるべき Zagier の定理の一般化について, 何を考えればよいかということは Zagier の論文 D. Zagier: Traces of singular moduli, Max-Planck-Institut f¨ur Mathematik Preprint Series 2000 (8) http://www.mpim-bonn.mpg.de/html/preprints/preprints.html に論じてある. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1571400076/417
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