ひびき高等学園(元戸畑中央高校) (569レス)
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: 2017/02/21(火)05:58
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114: [sage] 2017/02/21(火) 05:58:21.44 ID:BY7DAcLx0 「なあアイジャ」その声は老いていた。だが老いて尚、研ぎ澄まされた、鋭い声。老いた声の主は、鋭い。俺は言葉を返す。「なんだ」 「おぬしが……あの娘に近寄って良い事はない」と、髭を弄びながら言った。彼は俺の師だった。今は占い師をしていると聞く。 俺が口が下手であるのは物心つく前、元々何も話せなかったところをこの当時、五十を過ぎていた堅物の男に拾われたからだと、俺を知る人間は口を揃えて言う。 紛れもない、俺の師だった。もう齢七十近い。白髪をうなじで束ねている厳格な老人だ。 都は賑わっている。商人達の声が飛び交う表通りから、ミアがおそるおそる路地裏から様子を見ている。表情が僅かなこわばっていた。 俺が声をかけると、僅かに安心したような、機嫌の良い柔らかな表情になる。 俺や師と違い、ゲンキンなものだ。長生きするだろうか。体の疲れのせいか、雑念が過ぎる。いや、疲れたのは心か。 「街を歩いてきても、いい?」という彼女のか細い問いに対し、俺は首を縦に振った。箱庭のような安全な街だ。 危険を気にする必要はない。あれから数ヶ月が経つが、大分背が伸びた。何も食べていなかったのだろう。 「……アイジャ。経緯を、話せ」 間延びした声。老いたものだ、と俺は少し傲慢な考えを抱いた。俺はこの、何処から浮浪してきたかも分からない男に十六まで育てられた。 師の事なら、二番目に良く知っているだろう。そしてその経験から言えば、俺の師は隠し事を嫌う。何故か嘘も通じない。溜息を吐くと説明を始めた。少女の事、そして自分のことを。 昼過ぎ、街は賑わっていた。今日は戦争が終わってから、ちょうど一周年の祭の日だった。 戦争から一年。戦争? 戦争。 * 二十年前の冬。冬? 冬。その日見た女性の輪郭が、最も淡く古い記憶である。 初めは一兵士としてこの国に赴くまで、俺はこの右手の指が一つ無い壮年の老人に育てられた。 毎日、分厚い本を読んで生きる限り必要最低限の生き物を狩り続けた。殺したとは言いたくはない。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/lifework/1219506593/114
なあアイジャその声は老いていただが老いて尚研ぎ澄まされた鋭い声老いた声の主は鋭い俺は言葉を返すなんだ おぬしがあの娘に近寄って良い事はないと髭を弄びながら言った彼は俺の師だった今は占い師をしていると聞く 俺が口が下手であるのは物心つく前元何も話せなかったところをこの当時五十を過ぎていた堅物の男に拾われたからだと俺を知る人間は口を揃えて言う 紛れもない俺の師だったもう齢七十近い白髪をうなじで束ねている厳格な老人だ 都は賑わっている商人達の声が飛び交う表通りからミアがおそるおそる路地裏から様子を見ている表情が僅かなこわばっていた 俺が声をかけると僅かに安心したような機嫌の良い柔らかな表情になる 俺や師と違いゲンキンなものだ長生きするだろうか体の疲れのせいか雑念が過ぎるいや疲れたのは心か 街を歩いてきてもいい?という彼女のか細い問いに対し俺は首を縦に振った箱庭のような安全な街だ 危険を気にする必要はないあれから数ヶ月が経つが大分背が伸びた何も食べていなかったのだろう アイジャ経緯を話せ 間延びした声老いたものだと俺は少し慢な考えを抱いた俺はこの何処から浮浪してきたかも分からない男に十六まで育てられた 師の事なら二番目に良く知っているだろうそしてその経験から言えば俺の師は隠し事を嫌う何故か嘘も通じない溜息を吐くと説明を始めた少女の事そして自分のことを 昼過ぎ街は賑わっていた今日は戦争が終わってからちょうど一周年の祭の日だった 戦争から一年戦争? 戦争 二十年前の冬冬? 冬その日見た女性の輪郭が最も淡く古い記憶である 初めは一兵士としてこの国に赴くまで俺はこの右手の指が一つ無い壮年の老人に育てられた 毎日分厚い本を読んで生きる限り必要最低限の生き物を狩り続けた殺したとは言いたくはない
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