[過去ログ] ウサミ「狛枝くん、みなさんと仲良くしてくだちゃい」狛枝「えっ」 2周目 (1002レス)
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991: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/11/27(水)19:17 ID:yKB+E4So0(70/78) AAS
自分のものとは思えない、消えてしまいそうな情けない声が出た。
こんな情けない声は誰にも聞かせたくはなかった、そう思い自嘲の笑みを浮かべた。

「な…何でだよ、俺なんか後回しだろ!!
 俺なんかより、麗の怪我の方が酷いじゃねーかよっ!!」

「だからだよ…わかるだろ……?」

「やだ、もみじわかんない、わかりたくなんかないッ!!!」

「アンタらしくない、弱音吐いてんじゃないわよッ!!!」

もみじが泣きじゃくって麗の足に縋り付いた。
紗羅は声を裏返して叫ぶと再度麗のネクタイに手を伸ばしたが、その手は小刻みに震え、力無く落ちた。
皆、わかっているはずだ。
麗自身、とっくにわかっていた。
身体に3ヶ所も穴を開けられて、意識は朦朧とするし、目は霞み耳は遠く、暑いような寒いような奇妙な感覚が先程から消えない――高度な技術のある医療機関ならともかく、中学3年生がどうにかできるような状態ではない、ということを。

「健太…榊原にやられたトコ……本当に…平気なんだな…?」

「こんなの何でもねーよ、脇腹にちょっと風穴開いただけだって!!」

穴開いてるんだから、何でもないことはないだろうが。

「紗羅は…頑張ってたけど、怪我してないか…?」

「ナメないでよね、傷一つ増えちゃいないわよッ!!」

そりゃ何よりだ、恐れ入った。

「もみじ…荒い真似して悪かったな……大丈夫か…?」

「もみじは何ともない…何ともないよぅ……ごめんなさい…ごめんなさい……!!」

何ともないなら良かった、だから泣くなって。

もみじの頭を撫でてやろうと思ったけれど、思うように身体が動かなかった。
ただ、安心した。
皆、無事だ、ちゃんと生きている。
護りきることができた。

「もみじのせいだ…ごめんね…みんなごめんなさい…っ
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