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ガンダムヒロインズMARK ??I (152レス)
ガンダムヒロインズMARK ??I http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/
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19: フェニックステイル第33話投下準備 [sage] 2021/05/16(日) 18:16:42.38 ID:WxyynVNG 投下します。 今回ようやく濡れ場が入りますが、女×女(非百合)で挿入無しです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/19
20: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:18:11.14 ID:WxyynVNG 「――まずいことになった」 長期にわたる哨戒任務から久々の入港を迎え、サラミス改級巡洋艦『トラキア』の艦内は上陸準備に湧いていた。その中でも特に、MS格納庫近辺の喧騒はひときわ激しい。 MS格納庫の大改装計画が発表されたことで、ほとんどがMS隊の領域である近辺の居住区画や倉庫までもがにわかに「立ち退き」を強いられる羽目になったからだ。 浮かれ騒ぎながら物資を運んで右往左往するMS隊の要員たちの喧騒を背中の壁越しに感じつつ、MS隊長マコト・ハヤカワ准尉は疲れ切った顔に手を当てていた。 「まさかP−04へ入港早々、MS格納庫の大改装とはねー。まあ確かに戦力増強も必要だったし、ルスランやエゥーゴがここまで押し出してきたこのタイミングでなら、 このトラキアの強化施策だろうがあの因業ババアも文句は言えない。この周到さと詰めの早さは、さすがに閣下の仕事だわ」 小部屋で一人うなだれるマコトの前で、MS整備班長ウェンディ・アーデル曹長は楽しげに笑いながら、手元の荷物を整理している。 「で、マコトには閣下自ら強制休暇処置だって? ちょうど良かったじゃん。こっちの方は任せて、半年ぶりにゆっくり会っておいでよ」 「簡単に言ってくれる……」 「いつかは向き合わなきゃならなかったことでしょ?」 頭を掻き、重たい息を吐きながら、マコトはようやく顔を上げた。強引に話題を変える。 「それより今いちばんの問題は『彼女』をどうするか、の方だろう。格納庫が改装されるのなら、ここにはもう置いておけないぞ」 「あー」 言われてウェンディも、その方向に目を向ける。 二人の視線の先――マジックミラー加工が施された防弾強化ガラスの壁の向こうに、四肢を縛られた白い裸身が揺れていた。 そこにひとり拘束されているのは、銀色に輝くロングヘアを無重力に漂わせながら、汗ばんだ白い柔肌とたわわな乳房を惜しげもなく曝け出した美少女だった。 長い髪を乱して肌のそこかしこに赤い愛撫の痕を残した彼女は、向こう側からはただの鏡面にしか見えないであろうこちら側を、単なる敵意だけではない奇妙な熱の籠った視線で睨み続けている。 先の大規模戦闘の戦場からマコトが回収した、真空の宇宙空間で淡い光の層をまといながら、傷一つない裸身で漂っていた少女だった。マコトは自身の経験とあの戦闘の経緯から、その正体を容易に想像することが出来ていた。 彼女は敵兵だ。それも悪名高きジオン残党組織、『大ジオン仏道』の。 マコトは回収した彼女を密かにトラキア艦内へ収容、ウェンディと自分だけが知る、MS格納庫内に隠された秘密の小部屋に拘束した。 そして彼女が目を覚まして以来、ウェンディと二人がかりで尋問、そして凌辱――あるいは保護と介護を続けてきたのだ。 疲れを隠しきれない表情で、マコトはその少女をじっと見つめた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/20
21: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:20:17.00 ID:WxyynVNG 「おのれ、仏敵ッ……ビームで私を焼いておきながら、生きてこの場に捕らえて辱めるとは。この妖術、やはりお前の仕業だったか。……妖怪変化め……ッ!!」 「可愛らしい声だ。そそるな」 これ見よがしに地球連邦軍の軍服姿を見せつけながら、マコトは不敵な表情のまま、拘束された銀髪白肌の爆乳美少女へゆっくりと歩み寄った。 背後から抱き着いたウェンディが思うがままに豊かな乳房を握りしめると、手指の隙間から雪のような白さと桜色の暈がはみ出て溢れる。 「いやらしい雌だ。これでジオン残党は無理だろう」 マコトは邪悪に笑いながら、少女が晒す太腿の内側を、膝上から指先でつうとなぞり上げた。少女はその刺激だけで少女は苦痛と快楽のはざまに落ちて、身をよじりながら大げさなほどに震えてのける。 「くっ、くうっ……!」 「戦闘に敗れて乗機を撃墜され、鬼畜生と罵ってきた敵兵の眼前に吊るされ。捕らわれの身となった裸身を晒されながら、この女の部分はこれほど淫らに湿らせている。 ふふ、そうか。武名名高い大ジオン仏道の女は、連邦の男に敗れて捕らえられながら犯されるのを、それほど心待ちにしていたのか」 「…………!」 太腿の半ばを越えて登りあがったマコトの指先に触れる液体は、少女の汗だけではない。そのさらに上――股間の秘裂から薄く粘ついた透明な液体が溢れ、滴り伝わっているのだ。 「何を考えているのか分かるぞ。お前を墜とした男。戦場でお前より強いことを示した男に、犯されたいのだろう。 かつて敵として憎み、今までさんざ屠ってきた連邦の男に犯され、その強い男から蹂躙されるような獣の種付けを受けて、その子を孕ませられたい。 魂の芯ではそう強く願っているから、お前の卑しい『女』は荒々しい『男』の訪れをこれほど強く待ち望んでいるのだろう?」 「そ、それは……!!」 傲岸不遜な態度を崩さない、連邦の女軍人。 先の戦闘で彼女のゲルググをビームライフルで貫いて火球へ変えたのは彼女でないにしても、自ら放った必殺の狙撃を、人智を超えた何か異常な力で無力化してのけた、 あのビーム・スプレーガン使いのジム?を操っていた『妖怪変化』本人であることは、もはや疑いようもなかった。 その妖怪変化へ反論しようとして、少女はそこで口ごもった。自身の肉体が置かれた現状は、まさにこの女に言われるとおりだったからだ。 体が熱い。 男が、欲しい。もう誰でもいい。 もうとにかく誰でもいいから、このビームと核の炎で全身を洗うように焼かれて濡れそぼった肉穴を、猛り狂った雄の怒張で一度に貫いて、飢えた雌穴を埋めてほしい。 魂消るような雌獣の絶叫を上げながら喘ぎ狂い、膣奥を何度も叩きながら激しく抜挿された末、濃厚な熱く子種汁を子宮目掛けて注ぎ込んでほしい――。 たとえその合体と受精によって、自らの肉体が取り返しのつかない変質を迎えてしまうとしても。 今までの人生で一度も感じたことのなかったその異様な欲望が、衝動が、男たちにそうされる自分の鮮明なイメージとそれに対する羨望までをも伴って、己の内側を埋め尽くしているのだ。 あまりに異様な意識を自認しながら、それでも少女はキッと目の前の仇敵たちを睨んで吠えた。 「こ、この異様な熱は……そうか。おのれ、連邦の淫獣どもめっ。この私に、淫欲の麻薬を盛ったのだな!?」 青く澄んだ瞳から涙の粒を零しながら、頬の上気しきった美少女が悲痛に呻いた。 大ジオン仏道の教義に身も心も捧げたまま、彼女の美貌を求める男たちを一人として顧みることなく過ごしてきた彼女にとって、この異常な現状はそれ以外にはまったく説明のしようがないものだった。 女の性欲を異常に昂進させる媚薬――もはや人間を壊す麻薬の域まで達したそれらを、彼女らは自分に対して使用したのだ。そうに違いない。 連邦に属する者すべての魂は、人に非ざる畜生道へと堕ちる。連邦兵、ましてその中でも鬼畜外道を極めたこの妖怪変化ならば間違いなく、それぐらいのことは平気でやる。彼女はそう信じていた。 言うまでもなく、捕虜への薬物投与は南極条約で禁止されている。 というか実際のところマコトとウェンディは彼女に対して、何の薬物投与も行っていない。拘束して移動させる以外、ほとんど触れてすらいなかった。 彼女の内面を焼き尽くしている異常なまでの発情は、すべて完全に自発的なものだった。 だが、マコトは曖昧な――何も知らない者の目からは不気味にも見えるであろう傲慢な笑みを浮かべたまま、少女から浴びせられる強烈な非難と冤罪を否定も肯定もすることなく、ただ不敵に冷たく言ってのけた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/21
22: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:21:43.67 ID:WxyynVNG 「ふふ、いい目だ。……だが、残念だったな。お前のモビルスーツに股ぐらからビームを挿入し、一気に核の炎に燃え上がらせて墜としたのは、男ではない。女だ」 「何を……?」 「そして我々誇り高き地球連邦軍に、ジオン残党の雌豚ふぜいを慰めてやるためだけにくれてやれるような、安い男など存在しない。思い上がるな。つまり、……分かるか? お前の女陰がどれほど雄欲しげに雌汁を垂らそうとも、その虚ろな洞穴は今後永遠に満たされることは無い。膣奥を突かれる快楽に咽び泣くこともなく、子種汁を注がれることもなく――ただ虚しく乾いたままで、そこに在り続けるのだ」 「…………!!」 もし万一自分が戦いに敗れても成仏を果たすことなく、敵の手に落ちた場合の結果を想像したことはあった。 女に飢えた連邦畜生道の兵たる男どもが殺到し、自分は裸身に剥かれて容赦なく代わり代わりに輪姦され、戦場で猛った敵の男どもの欲望のはけ口となって終わることのない凌辱の中で、襤褸切れのように使い捨てられるのだろうと。 今の自分は、そのおぞましい結末さえもを望んでしまっていた――だが目の前の連邦軍人の女は、その予想図をあっさりと否定してのけたのだ。 部屋は小さく、完全に閉ざされている。自分の背中で乳房を揉む女と、目の前の女の二人以外に人の気配はない。自分を犯そうと欲望に燃えて待ち構える下卑た男たちの気配は、どこにも感じられないのだった。 「そ、……そん、な……っ……」 もはや自分が敵の男たちに犯されることなど無いのだと察するや、魂の渇望が言葉となって小さくかすれながら、少女の可憐な唇から零れ落ちた。がくりと肩が落ちる。 意識から本能へと現状の理解が進んだ少女の瞳から、今までと異なる理由で――屈辱ではなく絶望の涙が新たに溢れだしていた。 その間も搗きたての餅のように柔らかな乳房を捏ねまわし、肩越しにその絶景を覗き込みながらたぷたぷと弄ぶウェンディは、その表情にだらしのない満面の笑みを浮かべていた。 今は俯いている少女が少し横を向けば、まったく緊張感のない緩んだ表情が見えてしまいかねない。膳立てが台無しだ。マコトがギッと睨みつけるとウェンディは小さく舌を出し、その表情を邪悪な凌辱者のそれに戻した。 気を取り直して、マコトが歩き出す。ウェンディと少女への前後を入れ替えながら、彼女への言葉を続けた。 「お前ごときの相手など、わざわざ男たちの手を煩わせるまでもない。女だけで十分だ。ふふ、どれ……。確かになかなかどうして、いい乳をしているじゃないか?」 「うっ!?」 マコトはぎゅうっ、と爪を立てながら乱暴に少女の右乳房を握りしめ、あらぬ形状へと変形させる。同時に正面へ回ったウェンディが左乳房を右手で下から持ち上げながら、その可憐な桜色の山頂部へと吸い付く。 さらに左の手指を濡れた秘裂へと侵入させた。くちゅくちゅと淫靡な水音を立てて、ウェンディの人差し指と中指が揃って少女を内側から広げていく。 「いっ、いやあっ!!」 熱のこもった悲鳴を上げて、少女は拘束されたまま身をよじった。長く伸びた銀髪が揺れ、少女の肩甲骨が背後に立つマコトの乳房に当たって弾ませる。 「お、女同士で、など……っ! おのれ、妖怪変化めっ。犯るなら一思いに、男どもを連れてきて犯れぇっ!!」 「馬鹿め。そんな安い挑発には乗らんよ。お前ごとき戦争犯罪人に、本艦の将来有望な男子諸君を恵んでやることは決してない。 盛りの付いたジオンの雌犬ごとき、女だけで相手してやると言っているのだ。 楽しませてもらうぞ――観念しておとなしく股を開くんだな」 「お、おやめなさいぃ……ッ!!」 少女は頑是ない幼児のようにいやいやをしながら首を振り、抵抗にならない抵抗を試みる。その理性は儚く、もはや風前の灯のようにも見える。 ――だが、足りない。 拘束した美少女の肉体を二人がかりで思うがままに貪るという異様な環境の中で、マコトは奇妙な冷静さをもって判断していた。 だからマコトは言いながら軍服を、ウェンディはナース服を脱ぎ捨てていった。 マコトはさらに髪留めを解いて下着までもを脱ぎ捨てると、少女のそれよりはいくぶん小さくとも、形の良い見事な巨乳が二つぶるりと震えて揺れた。 虜囚の身となった銀髪の美少女にも劣らぬ美貌を惜しげも無しに曝け出しながら、二人の雌は上気しきった汗ばむ白肌へと自らの肌を合わせていく。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/22
23: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:22:37.93 ID:WxyynVNG 「んッ……ンンッ、ンンウウゥッ!!」 乳房に見合った大きさの乳輪を左右から潰して搾り出すように揉みながら、マコトは自らの乳首を少女の勃起しきった乳首に合わせて突いた。 今まで巧妙に直接攻撃を避け続けてきた、乳房でもっとも敏感な部分をここで攻められて、少女はそれだけでびくんと背中を跳ねさせる。 マコトはそこで少女の後頭部を押さえ、一気に唇を奪った。そして文字通り有無を言わさぬまま歯の隙間から舌を流し入れ、少女の舌を捕らえて搦める。 くちゅくちゅと唾液が混ざり合い、唇から飛び散った。その間もマコトは少女の乳房を揉みしだき、ウェンディは屈んで彼女の秘裂に舌を入れていた。 さらにウェンディの右手が回り込んで少女の尻穴を攻めると、狂暴な愛撫の連鎖が少女の思惟を貫いた。 「――ッ!!」 呼吸が止まるほどの長い接吻のあと、ようやくマコトは唇を離した。互いの舌から二人の唾液が糸を引いて伸びる。この間にもウェンディの愛撫は場所を変えながら続いている。少女の瞳は虚ろで、初めて経験する未知の快楽に深く溺れて喘いでいた。 とどめとばかりに、ウェンディの巧みな舌技が少女の陰核、その中心部を責め上げる。これがダメ押しの一撃だった。 「あッ、ああっ……、ああ、ああああああ〜〜〜ッ!!」 おとがいを反らして喘ぎ、絶頂したように少女が叫んだ。股間からひときわ大きく潮が吹き、肩から力が抜けて体が崩れる。 ――やったか? 本当に絶頂へと達したならば、発動した『力』の残滓も霧散する。そうなるはずだ。 今だ、とマコトが冷たく目配せすると、ウェンディは隠し持った小さな刃物を少女の指先に当てた。少量の血液検査に用いられる医療器具だ。 虚ろな瞳で喘ぐ彼女からの死角に隠れて気取られぬよう、ウェンディがすっとその刃を走らせる。 だが鋭利な刃は少女の柔肌を切り裂くことなく、傷ひとつ付けられずに弾かれていた。 ビームの直撃や至近核爆発の暴威から女体を完全に守り抜いてのけた『力』の残滓は、まったく失われていなかった。 男と女のセックスであれば、ただ膣内射精を一度受けさえすれば、それだけで雲散霧消していたはずなのに。 不完全燃焼、か。 ギリッ、とマコトはきつく歯噛みする。とろんと蕩けた瞳で、もっと、と無言でせがむように次の愛撫を求めてくる捕虜の少女に向き直る。 己の内面を貫く暗い義務感を、捕虜の美少女に欲情して弄ぶ変態女軍人の仮面を被りなおしながら、マコトは次の愛撫を再開した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/23
24: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:24:47.33 ID:WxyynVNG 「これだけやっても無理なのか。やはり、……女だけで鎮静化させるのは無理なのか。最終的には、男を使うしかないというのか……」 「ま、あたしは困んないけどね! いつでも発情マックスの爆乳かわい子ちゃんを愛しモードの犯りホーダイ、空気のようにレズセックスするエアーエッチの新世界、 ロック開けたら5秒でレイプな貝合わせ常時接続の最高にイイモビルスーツ整備環境でこいつぁユビマンキタッスね……まだまだヤリ足りないしぜんぜん飽きない。天国では?」 「私はもう疲れたから言っているんだ」 マコトは心底疲れ切った表情で頭を振った。 憔悴したマコトと裏腹に、ウェンディの血色は良い。肌艶はいつにも増して輝いて動きは軽く、しぐさと表情にも余裕がある。 MS整備班長として表で業務に当たっている直の時間以外は、ほぼ不眠不休でこの少女を何度も何時間もかけて繰り返し犯し続けていたはずなのだが、今なおこの状態を維持できてしまっている。 この旧友にして悪友はやはり人間ではないのかもしれない、と今更ながらにマコトはそう思う。 「まあ、それなら最後の手段だね。そのへんの若いの誰か適当に捕まえて、ちんぽブチ込ませちゃえば? ゴム付けさせるか、それだけじゃダメで最悪中出しまでさせることになっても、気絶したあとですぐに避妊処置すればなんとかなるでしょ。 たぶん。それこそガチのゲイでもなけりゃ、あの娘が相手だったら大体誰でもおっ勃つだろうし――」 「それだけはダメだ」 大前提を崩そうとするウェンディの提案を、マコトは即座に却下する。 「ここで男を使えば彼女を確実に『安全化』することは出来るかもしれないが、男を巻き込めば、その彼に事情を知られることになる。私とウェンディ以外に、秘密を知る人間はこれ以上絶対に増やさない」 「ま、そうだよねぇ。……これ以上、あたしらの事情に巻き込めないか……」 「クライネ伍長の事例がある。男と合体させなくても、どこかに突破口があるはずなんだ。まずは態勢を立て直して、続ける。それでも、このまま無力化できないなら……構わない。むしろ、このままデータを集め続けるんだ」 静かに呟きながら、マコトはウェンディを睨んだ。 「彼女には、実験台になってもらう。彼女からデータを取っていけば、この謎めいた『力』の正体について、何か新しいことが分かるかもしれない。地球圏は――そして新サイド4は、これから荒れる。 エゥーゴの新型機に乗っていたあのMS隊長も、『力』の存在を知ったうえで彼女を拾いに来ていた気配があった。気のせいとは思えない。 おそらくほぼ確実に、私たち以外にも『力』について知ったうえで、利用しようとしている連中がいる」 「となると――」 「一年戦争で異能を示したアムロ・レイたち『ニュータイプ』が、連邦中央へ公に存在を知られてどうなったか。雨後の筍のように林立したニュータイプ研究所とやらで、何が行われたか……。 私は、……私たちは、ああなってやるつもりはない。これ以上、誰にも知らせない」 悪いことにあの少女はすでに、自分が不死の『力』を発揮したことを強固に認識してしまっている。 曖昧さに付け込んで誤魔化すことが出来たアイネのときとは違うのだ。今さら捕虜として表に出すことは出来ない。 上級部隊に引き渡して情報部が尋問することになれば、『力』の存在をすぐに広く知られてしまうことになるだろう。 マコトにとってそれは、絶対に避けなければならない最悪の破滅を意味していた。 マコトは部屋の一点を見ながら淡々と、しかし言葉に強い意志を込めながら続ける。 「私は私たちの平穏な未来を守る。だからあのエゥーゴ部隊は、どんな手を使ってでも確実に潰す。そのためには私たち自身も『力』について知る必要がある。 私たちは『力』の秘密を暴いて手元に隠すが、その存在を知って利用しようとする者たちは、敵だ。このまま闇に葬らせてもらう」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/24
25: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:24:57.94 ID:WxyynVNG 明確な殺意を込めたマコトの言葉に、ウェンディは目を眇めた。マコトはそんな彼女に視線を移し、そして目を伏せた。 「すまないと思っている。発表の見込みがあるわけでもない、こんな研究もどきに付き合わせて」 「別にいいさあ。かわいい女の子を犯りまくれるっていう、役得がみっちりだからね。あたしは堪能させてもらうだけだよ。マコトの守りたいものは、あたしが守りたいものでもあるし。――で? これからどうすんの」 「……家に連れていく。まだ使える部屋があったはずだ」 「ん? つまり、サブリナん家に入れるってこと?」 「ああ。とりあえず薬で眠らせて荷物に隠し、誰にも知らせずにここから連れ出す。ここに置いておけないなら、それしかない」 「やれやれ、やっぱりそうなるよねえ。ま、やってみますよっと」 ぱっと手元に麻酔薬を取り出し、ちょうどいいサイズの空のトランクケースを引き出しながら、ウェンディはにいっと笑った。マコトも苦笑する。 「よし。それでは、大ジオン仏道雌豚の出荷といくか」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/25
26: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:26:33.04 ID:WxyynVNG 「これで良し、と……」 同室のマコトが帰ってこないまま、アイネ・クライネ伍長は早々に荷物の整理を終えていた。何しろ彼女は乗機を撃墜されての宇宙漂流から、文字通り「体一つ」でこの艦に拾われた。 ここに来てから受け取った物資以外には、私物も官給品も本当に皆無だったのだから、荷造りが早いのは道理だった。 機体が大破した戦闘後、しばらくはトラキアに滞在していた同期の親友シエル・カディス伍長も、入港後は早々に母艦であるサラミス改級駆逐艦『アルマーズ』へ戻っていた。 せわしなく通路を行き交うMS隊の要員たちの多くは、既に上陸に備えて私服へ着替え終えていた。聞けばウェンディらほんの一部の要員のみが改修作業要員との調整のために残るものの、他はほとんど下艦させられるらしい。 だがそんな中でもアイネたちパイロット要員は、いつも通りのパイロットスーツのままだ。彼女らの愛機、RGM−79R『ジム?』を改修工事に入る艦から出して、指定されたP−04の基地MS格納庫まで移動させなければならないからだった。 「私の手荷物は、コクピットに持ち込むだけで足りちゃうなあ……」 大ジオン仏道の襲撃で撃沈された、初めて配属されたサラミス改級巡洋艦「アバリス」のことを思い出す。初の航宙展開に胸を躍らせながら荷造りしたカバンと私物は、もうどこにも存在しない。 彼女にろくでもない「歓迎」を仕掛けてのけた乗員やMS隊の先輩方もろとも、新サイド4外縁軌道で宇宙の塵になってしまった。つい数日前のことなのに、もう遠い昔のようにすら思えてしまう。 MS隊長のマコトはしばらく休暇を取らされるらしく、他の要員も多くは休暇の消化を命じられているようだ。部隊配属間もないアイネはトラキアから降りた先で整備期間中も何かしらの勤務を継続することになるはずだが、その内容はまだまったく分かっていない。 「遅いなあ、ハヤカワ准尉……」 移動開始までやることもなく、マコトが帰ってくる気配もなく、アイネは部屋から出てすぐそこにあるMS格納庫を覗いた。この区画が拡張・合理化されて、MSベッドが6基に増えるらしい。今ある風景も見納めだろう。 ぼんやり愛機を眺めていると、MS格納庫内へ貨物車型のエレカがゆっくりと乗り入れてきたのに気付いた。荷台の側面にアイネには読めない日本語文字で、「みけり屋」と表記されたロゴが入っている。 工事関連資材か何かの搬入かな、と思うアイネに向かってエレカは近づいてきた。停車するや降りてきた女性運転手に、アイネは目を丸くした。 「あれ、サブリナ少尉?」 「よっ」 アイネへ気安く話しかけてきたトラック・ドライバーは、サブリナ・ミケリヤ少尉だった。 前回の戦闘後から妙に忙しそうになり、なぜか非番時に姿を見かけることも少なくなったマコトに代わって、サブリナはアイネの面倒をよく見てくれるようになっていた。 だが作戦行動中に合流したゲンナー・ウェズリー少尉のRGM−79GSR「ジム・ゲシュレイ」とサブリナのRGC−80SR「ジム?キャノン」は、もともとP−04基地所属のため、 入港直前にトラキアから発艦して本来の拠点へ戻っていたはずだった。 「帰られたのでは……?」 「帰ったからまた出直して来たんじゃない。聞いたよ。トラキアは格納庫周りの大改装で、MS隊はみんな艦から下ろされちゃうんだってね。アイネ、トラキアから降りたらどこへ行くの? 下宿はもう取った?」 「えっ?」 連邦宇宙軍の軍人のうち、いつも決まった拠点や基地で勤務している者はともかく、複数の拠点間を往来する艦艇の勤務者は展開先の港にも下宿を持っている場合が多い。 トラキアはもともとP−04を母港としていたから、古参乗員の大半はそちらに下宿というか自宅を持っているようだ。 だが当然アイネにそんなものはないし、聞けばMS隊先任のイベル・ガルノフ軍曹、ロブ・サントス伍長やシュン・カーペンター伍長らにしても、P−04に下宿は持っていないらしかった。 「それが、迷っていまして……アバリスが沈んだ時に現金から何から全部なくしちゃいましたから、いま一文無しなんです。 だからホテル暮らしみたいなことも出来そうにないですし……基地の宿舎を借りる手続きが間に合わないなら、トラキアの中で工事しない区画になんとか泊めてもらえないかなあ、と思ってるんですが」 「よーし。それならアイネ、ウチに来なよっ」 爽やかな笑みとともに、サブリナはウインクしてのけた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/26
27: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:27:20.50 ID:WxyynVNG 「ここ来るとき、P−04の小惑星本体の周りにプラント群が見えたでしょ? アレの一つにウチがあるの。ってか、ここの住民は大体そういう住み方してるんだけどね。この辺もともと、ルウム戦役でジオンが潰しきれなかったプラントの生き残りを集めて作った町だし」 「えっ。いいんですか?」 「もちろん。重力もあるし、農業プラントだから空気もいい。産地直送の新鮮な食い物も山ほどある! メシの旨さは保証したげる」 「え、ええ……で、でも……」 明るいノリで迫るサブリナに対し、アイネは申し訳なさが先立って話へうまく乗れずにいる。途中でサブリナは何かに気づいて勢いを緩めた。 「あ、そうだ……。ウチはマコトとシェアしてるから、アイネがウチに来たらマコトとも毎日顔を合わせることになるな。ごめん、アイネ。自分は仕事中なのに、休暇中の上官の顔を朝から毎日見るのが嫌なんだったら――」 「ぜひ入居させてください。よろしくお願いいたします」 「え? そ、そう?」 ガシッ、とサブリナの手を力強く取りながらアイネは即決し、鼻息荒く入居を申し込んだ。ぐっと拳を握りこむ。 これで毎日、ハヤカワ准尉の顔が見られる……。 煮え切らなかった態度から瞬時にいきなり切り替えてきたアイネに、サブリナは目を瞬かせながらも、すぐに頷いてのけた。身を翻し、格納庫内で思い思いに待機していた他のパイロットたちにも声を掛ける。 「オッケー、まずアイネちゃん確定! そんじゃあ、そこのシュン、ついでにロブとガルノフも! あんたらも下宿ないんでしょ? まとめてウチ来ない?」 「えっ、……俺らもいいんすか?」 「大丈夫! ウチ広いから、いけるいける。まあ、お前らはアイネちゃんの部屋から離すけどな!!」 一瞬固まりかけたアイネを素早くフォローしつつ、サブリナはどーんと来い、と大きく胸を張って見せる。 「じゃ、じゃあ、お願いします」 「う、うっす……オナシャス……」 「マジかー……」 「任せとけい!」 「が、ガルノフ軍曹と、カーペンター伍長とも一緒に暮らすのか……」 アイネにとって不可抗力だったとはいえ、危うく男女の関係を持ちそうになってしまった二人である。 前者だけでなく後者に対しても、先ほど出会ったルウム農協所属という予備役兵の、不穏な美少女パイロット二人組の言葉で搔き立てられた警戒心が沸き起こる。 あの二人の船団もP−04へ帰港した。おそらく、また会うことになるのだろう。 MS隊でもマコト以外のパイロットは比較的新参が多い一方で、整備兵らは古参がほとんどらしかった。話の流れにも、特に関心を示していない。 そんな空気の中だったから、整備兵たちの中でなぜか一人だけ凍り付いていたマリエル・エイムズ軍曹の存在は特に目立って、アイネの目に付いたのだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/27
28: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:27:53.55 ID:WxyynVNG 「あ、あの――エイムズ軍曹」 「……ひゃっ!? な、なにっ!?」 アイネが近づいて後ろから声を掛けると、なぜか水でも掛けられた猫のような動きで飛び退かれてしまった。 「良かったらエイムズ軍曹もご一緒に、サブリナ少尉のご自宅に下宿しませんか? エイムズ軍曹も下宿、ないんですよね?」 「……え? えっ……?」 普段の勤務中に見せていた鋭敏さが嘘のように、マリエルは不自然なほど魯鈍な反応を返してきた。遠慮しているのかな、とアイネは思う。 「あれ? マリエル、あんたは下宿持ってなかったっけ? 展開中に解約したの? まあいいや。まだ部屋あるから、あんたも来なよ」 「行きましょう、エイムズ軍曹!」 周りに知己の女性が増えるのは心強い。アイネから文字通りに背中を押されても、マリエルはまだ「ああ……」とか「うう……」とかよく分からないことを言っていたが、やがて機械仕掛けのような動きで顔を上げた。 「わ、分かりました……少尉、私も、お世話になります……」 「よーし。じゃあお前ら、トラックの荷台に荷物を載せな! ウチに荷物を下ろしたら、パイロットどもは移動先の格納庫まで迎えに行ってやるよ。マリエルは助手席な!」 「さっきから何なんだ、この騒ぎは……。サブリナ、ずいぶん大きな車で来たな?」 ようやくMS隊長が整備班長と、大型のスーツケースをふたつ引きながら顔を出してきた。怪訝そうな顔でサブリナのトラック・エレカを見ている。 「あー、マコト? いろいろ話が急だったから、ここに下宿持ってない子たちの行き先が無いだろうと思ってさ。あんたんとこのパイロット全員と、ついでにマリエルもうちで預かることにしたから、ヨロ!」 「…………」 アイネが聞いた限りでは、サブリナの自宅とはすなわちマコトの自宅でもあるはずなのだが、サブリナはどうやら完全に事後承諾で進めるつもりだったらしい。 マコトは少し顔に手を当てて考え込むしぐさを見せ、隣のウェンディと一瞬視線を交わしたものの、やがて諦めたように頭を振った。 「確かに、そうか……そうだな。やれやれ……これはどうやら、展開中と変わり映えしない休暇になりそうだ」 自嘲するように言い捨てると、ふっと微笑んで、マコトは部下たちに向き直った。 「すまなかったな、気を回してやれなくて」 「? は、はあ……」 マコトが見せた予想外の素直さに、ガルノフが毒気を抜かれたように答える。 マコトは表情を引き締め、全員に告げた。 「各人、サブリナの私有車へ私物の積載を終えたら搭乗せよ。各機所定の武装を携行のうえ、トラキア整備工事間の暫定拠点となる第113整備場まで移動する。移動後に自分とガルノフ軍曹は休暇に入る。休暇間の編隊指揮はサントス伍長が執れ――かかれ!」 マコトの号令で、MS隊が動き出す。スーツケース類を持ち上げ、大荷物を次々とトラックの荷台へ積載、固定していった。ジム?のコクピットに潜り込んで機体と全天周モニターを起動しながら、アイネは新生活への期待に胸を膨らませていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/28
29: フェニックステイル第33話投下終了 [sage] 2021/05/16(日) 18:28:29.14 ID:WxyynVNG 今回は以上です。 次の濡れ場は次々回になるかと思います。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/29
30: フェニックステイル第34話投下準備 [sage] 2021/05/23(日) 18:51:54.91 ID:FZPzClP7 投下します。 今回は直接的なエロ場面はないです。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/30
31: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:53:22.22 ID:FZPzClP7 サラミス改級巡洋艦『トラキア』の改修整備間にそのMS隊にとっての仮の宿となる第113整備場は、P−04の中核になっている小惑星本体ではなく、その周囲に多数が連結された生産プラント群の一つにあった。 「すごい。生産プラントが、こんなにたくさん……。コロニー何基分なんだろう?」 P−04中心から伸びる軌条へ沿うように、RGM−79R『ジム?』の4機編隊が宙域をゆっくりと飛んでいく。コロニー生まれでコロニー育ちの生粋のスペースノイドにとってもこの光景はさすがに壮観で、アイネ・クライネ伍長は思わず嘆息した。 P−04の中心とプラントの間、そして各プラントの間を繋いで結ぶ軌条には、いくつもの列車やコンテナが忙しなく行き交っているのが見える。あの中のどれかに、サブリナとその貨物車もいるのだろうか。 生産プラントとは通常、1基のスペースコロニーに対してその周囲に数十基が付属するものだ。コロニーから隔離された環境内において効率的な特化型の農工業を営むことで、住環境であるコロニー本体の内部では生産困難な各種の物資を提供する役割を担う。 プラント個々の外観は半径300メートル、全長600メートル程度の巨大な円柱状だ。回転軸から垂直に見ればほぼ正方形、水平から見ればリング状の採光窓を設けたほぼ真円となる。 この巨体が固定された中心軸を除いてコロニー同様に自転することで、円筒内に外向きの疑似重力を発生させている。回転し続けるその質量は戦闘艦などの比ではない。 これに比べればMSなどは豆粒にも満たないし、仮にトラキアのようなサラミス改級巡洋艦をプラントの横に置いたところで、縦に少し潰したドラム缶の横へ細い水筒でも置いたようにしか見えないだろう。 それでも半径で3キロメートル以上、全長に至っては30キロメートルをゆうに超えて文字通り桁違いの巨大さを誇るコロニーの威容とは、さすがに比べるべくもない。プラントひとつの体積は、コロニー・シリンダーの600分の1にも満たないのだ。 これほど小さいにもかかわらず、プラントがコロニーに対して不可欠な生産拠点としての大きな働きを示せる理由――そのひとつはコロニーと異なり、多層構造化によって床面積を稼げることだ。 スペースコロニーは通常、内部に階層構造を持たない。外壁部分が整備用などに多層化されて『地下空間』を構成する場合こそ多いものの、居住空間となる『地上』から空を見上げれば、そのまま円筒内部の反対側である『対岸』までを見通すことが出来る。 鳥類の領域でもあるこの広大な空間は大量の空気を貯め込むことで、コロニーという閉鎖空間における人工自然環境の冗長性を確保するとともに、長く人類のゆりかごであった地球上に近い景観を保つために重要な役割を果たす。 その一方でコロニーの有効床面積はその質量と容積に対して、著しく小さなものとなってしまっていた。 一方で居住用ではなく、農業用、工業用など各種の用途に特化したプラントは、多層化によって全く異なる内部構造を形成することが可能である。 バームクーヘンのように無数の円を重ねた階層構造に分割することで、プラントはその床面積を非常に大きく広げられる。これは農業用途においてはそのまま、収量に直結する作付面積の飛躍的な増大を意味する。コロニー内に緑地はあれども農地は少ない。 それでもコロニーがそこに住む数千万人の胃袋を自給自足していくことが出来るのは、プラント群によってもたらされる驚異的な高密度の農業生産力があればこそであった。 P−04はそうしたプラント群を、破壊された旧サイド5のコロニーから寄せ集めていたのだった。 第113整備場はそんなプラント群のひとつ、その回転せず静止した中心軸の一端に位置している。誘導灯に従いながら、4機のジム?は開いたゲート内のエアロックへと、滑り込むように進入していった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/31
32: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:55:59.31 ID:FZPzClP7 外部ゲートが閉まり、エアロックを挟んで移動すると、トラキアのMS格納庫の3倍はありそうな空間に出た。10基ほどのMSベッドが並んでいる。 そこへ駐機されている機体にRGM−79GSR『ジム・ゲシュレイ』――ジム・コマンド宇宙戦仕様の独自改修型の姿を認めて、アイネは思わずうげっ、と呟いた。 ゲンナー・ウェズリー少尉機にはシュン・カーペンター伍長との模擬戦訓練へ無茶苦茶な割り込まれ方をされたり、ルウム農協所属の予備役の美少女たちからはわけのわからない因縁を付けられたりしてきた アイネは正直、この機種に対してろくな印象を持っていなかった。 ジム・ゲシュレイは常備役部隊より予備役部隊で使われている局地戦機と聞いたから、ここも本来は予備役部隊の拠点なのだろうか。 その奥にはRB−79『ボール』もまとまった数が駐機している。こちらは戦闘用ではなく作業用らしいが、そのわりに頭部には一年戦争さながらの低反動砲が座っていた。 P−04はジオン残党ルスラン・フリートが活動し、連邦軍の侵入をまったく許さないという絶対防空圏『聖域』に近い。 自衛用なのだろうか、とアイネは思う。 アイネがトラキアへ回収された直後に発生した救援作戦で接触した、貨物船『リバティ115』とその護衛に付いていた民間警備会社のボール部隊を思い出す。 アシュリー・スコット予備上等兵、あのとにかく元気でちょっとおバカな少女は、P−04への到着後も元気にしているだろうか。 整備場内をノーマルスーツの誘導に従って進み、武装と携行コンテナを下ろして固定、最後にMSベッドへ機体を寝かせると、融合炉を落としてコクピットハッチを開く。 そのときにはもう整備場側の人員がわっと出てきていて、アイネが床まで下りる頃には、すでにMS隊長マコト・ハヤカワ准尉がぐるりと取り囲まれていた。 集まってきたのはこの整備所の整備士や管制員らしい服装の他にも、スーツ姿が合わせて十人以上。熱狂的に歓迎されているらしかった。 「マコトさん!? 本当に帰ってこられたんですね!」 「トラキアとアルマーズが入港したって聞いたとき、ひょっとしたらって思ってたんですが――こんなに早くお会いできるとは思いませんでしたよ!」 「恥ずかしながら帰って参りました」 神妙に敬礼してのけるマコトに、再び人波が興奮で揺れる。 その人員のほとんどがルウム農協の所属らしい。かつてトラキア隊はルウム戦役で壊滅したプラント群を一年戦争中から救援し、のちのP−04の復興に尽力したという。 ルウム農協の人々がトラキア隊の古参兵であるマコトへ向ける真っすぐな賞賛と敬意を自分ごとのように面映ゆく感じて、アイネは一人誇らしげに鼻をひくつかせた。 「推進剤の備蓄はたんまりです。予備部品も、ジム系ならどうとでも都合できます――兵站はお任せを。ここでお好きなだけ飛ばしてください」 「ありがとう。こちらの整備要員が来るから、整備作業はやらせてもらう。それと言いにくいが、私は今日からしばらく休暇なんだ。不在間の指揮は、こっちのロブ・サントス伍長に任せることになっている」 「そうでしたか! 留守はお任せを」 「いや、しかし――マコトさんとトラキアが帰ってきてくれたなら百人力ですよ」 その喧騒の中で群衆の一人が声を落とし、マコトの耳元で囁いた。 「――この半年、ここでの中央派への不満は鬱積する一方です。いったん火が付けば止まりません。トラキアとアルマーズが帰り、マカッサルは壊滅状態となれば、戦力均衡も変わります――『一声』あれば、我々はいつでも動けます」 「そうですか。我々はこの半年で宙域を外から見てきましたが、敵が強いのです。今は一致団結して、残党軍の脅威に備えるときですよ。皆さん、ゆめゆめそれをお忘れなきよう」 その一瞬だけ落ちた不穏な空気を、マコトは即座に打ち払う。空気が奇妙に沈み込んだが、それもすぐに世間話に切り替わって押し流されていった。話題が尽きることはなく、明るい大声での談笑が続いた。 マコトが部下たちに到着後の行動を指示するより早く取り囲まれてしまったため、マコトと他3人は人垣で完全に分断されてしまった。 マコトもこの出迎え集団を無下には出来ないらしく、部下たちへ向けて一瞬だけ視線を向けて顎をしゃくると、彼らを引き連れたまま整備場の出口らしき方向へと歩き始めた。 付いて来い、ということらしい。このまま外へ出るしかなさそうだった。イベル・ガルノフ軍曹はサブリナの貨物車の荷台に放り込まれていてここにはいない。3人の先任者であるロブはふっとため息をつくとシュンとアイネを従え、3人ばらばらに集団の背後を歩きはじめた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/32
33: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:56:55.60 ID:FZPzClP7 「プラント中心軸内のMS基地か……元々は小型艇の発着場か何かだったのを改修したのかな」 アイネは物珍しげに周囲の空間を観察しながら歩いていく。 だが、そのマコトを取り巻く人員の中に見覚えのあるパイロットスーツ姿を二人見つけたとき、アイネの顔面からさっと血の気が引いた。シュンの表情も強張っていた。 「よっ、シュン。おひさ」 そして黒髪のポニーテールを揺らす、凛とした顔立ちの美少女――トモエと名乗ったルウム農協所属の予備役兵が、パイロットスーツ姿でシュンの真正面を塞いでいた。近い。 光線の加減によるものなのか心無し、笑顔にどこか凄みが宿っているように見える。 「ずっと会いたかったんだよ。こないだトラキアがP−04を出る前、最後に3人で会おうって約束してたの、覚えてるだろ? 私ら、ずっと待ってたんだぜ……?」 「と、トモエさん……っ……あ、あのときは……っ」 シュンは声にならない声を上げながら、後ずさって逃げようとした。逃げようとしたが、背後から誰かに組み付かれて止められていた。シュンの背中に重く大きく柔らかな、女の丸い肉の感触がふたつ潰れている。 「り、リタさん……!?」 「ふふ、シュン……トラキアを下りた先の格納庫まで一緒だなんて、運命みたいな『偶然』だね。これからいっぱい、一緒に『訓練』しようね……」 切なげな甘い吐息を交えて耳元で囁きながら、褐色の肌の美少女――リタ・ブラゼル伍長がパイロットスーツ越しにその豊かな乳房を圧しつけながら、シュンへと絡みつくように寄り添っていた。 シュンは必死に彼女を引き剝がしながら逃げようとしたが、その動きを読んでいたようなトモエに正面を塞がれる。完全な挟撃だった。 「ふッ」 「かは!!」 そして一瞬でシュンの懐へ入り込んだトモエが予備動作もなく、その鳩尾に拳をめり込ませていた。寸勁。声も出せずにシュンは崩れ、その左右へリタとトモエが入って支える。他人事のようにトモエが言った。 「あれ? どうしたんだよシュン、気分でも悪くなったのか?」 「まぁ大変! 私たちが介抱してあげなきゃ。すぐそこの部屋で横になろうね」 すべては一瞬の出来事だった。マコトに群がる群衆たちを壁に使って隠れながら、二人の少女はシュンの拘束を完了する。 「それじゃあ、私たちはここでお先に。あとはお任せ」 「きゅーけー、はいりまーす」 既に一行は格納庫を出て、ターミナル前の広場に入っていた。アリバイ作りの申し訳程度に静かに宣言するや、リタとトモエはそのまま彼を近くのロッカールームへそそくさと連れ去っていく。 いや――連れ去って行こうとして、誰かに行く手を塞がれた。 「あ、あなたたち……っ!」 「おやぁ? 誰かと思えば、新入りさんじゃないの」 すっとシュンから離れたトモエが向き合う。間合いを割って勢いよく踏み込んだアイネは、至近距離でトモエと睨み合った。 互いに手は出していないが互いに一歩も引かずに踏み込んだため、結果として互いの胴体で最も前方へ突出した部分――乳房がパイロットスーツ越しに接触してぶつかり合い、4つの柔らかな乳肉がぐにゃりと潰れた。 トモエもパイロットスーツの胸元に浮き出た見事に立体的な巨乳の輪郭線を誇らしげに見せつけていたが、アイネはその優に倍以上はある暴力的なまでの質量を武器に押し込んでいく。 アイネの爆乳はトモエの巨乳を完全に食ってしまいそうな勢いで圧倒していた。その勢いに、トモエは思わず半歩下がる。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/33
34: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:57:43.39 ID:FZPzClP7 「なっ、このっ……」 その目に一瞬浮かべた驚きと苛立ちを素早く消し去ると、再び口元に余裕を浮かべてアイネを見返してきた。大きく胸を張って肉のバンパー越しに押し合いながら、アイネはきつくトモエを睨みつける。 「いい加減にしてください。あなたたち、カーペンター伍長にそういうの嫌がられているの、分からないんですか」 「ええっ、嫌がられてる?? そんな……嫌じゃないよね、シュン?」 シュンを捕らえたリタは間近で彼に問いかけながら、身体を寄せて脚まで絡める。女体の肉感と艶やかな声色に反応させられた股間の膨らみを、直接触れない程度の微妙な距離で指先になぞられると、シュンは苦しげな呻きを漏らして仰け反った。アイネの眉間に皺が寄る。 「おいおい、何やってんだよ……」 ようやく事態に気づいたロブは呆れ半分、3人の巨乳・爆乳美少女たちに争奪される境遇への羨み半分で事態を傍観していた。これから何か積極的な介入が出来るようには見えず、実際、リタとトモエにもほぼ無視されている。 もしアイネがここで引けば、二人はこのままシュンを小部屋に連れ込んで『介抱』を始めてしまうだろう。 アイネは軽く切れながら、トモエの肩越しにリタを睨んだ。 「彼は私たちの部隊の仲間なんです。具合が悪くなったのなら、私が連れていきます。関係ない他部隊の人は、下がってもらえませんか」 この期に及んでとぼけて見せるリタへ鋭い視線を刺して牽制する。だが乳房でぶつかり合うトモエは、下から煽るような調子で挑発してきた。 「部隊は関係なくても、個人的には関係大アリなんだよなあ」 「何……?」 「私たち、こいつの女なんだよ。面倒見てやる義理があるんだ」 「そんな話、聞いてません。デタラメ言わないでください」 「ふーん。……アンタさぁ、処女でしょ?」 「んなっ!?」 かっと顔を赤くしたアイネに、トモエはすべて見透かしたような余裕の笑みを浮かべた。 「やっぱりねぇ。せっかくイイもの持ってても、ただの宝の持ち腐れ。いつおっ死ぬかも分からないこの戦場で、ヤらせてもくれない女が女気取りなんて、あり得ないでしょ」 「そ、そうだけど……そうかもしれないけど、違うもん」 「何が違うっての。おてて繋いだことぐらいありまーす、って?」 「じゃなくて、私と、カーペンター伍長は……っ!」 即物的、享楽的な肉体の繋がりだけで関係を語ろうとするトモエに強い反発を覚えながら、同時に、アイネの脳裏にシュンとの初対面で繰り広げた二人の痴態が蘇った。 得体の知れない劣情。感じたことのなかった快楽。合体への渇望。 それらがすべて遠のき、取り残された自分を襲った、凌辱の恐怖――それらの記憶のフラッシュバックは大洪水じみた威力で、アイネの意識の全てを押し流してしまった。 「うっ、あ、……あうっ……」 「…………? なんだ?」 奇妙なところで赤面したまま奇妙な停止を見せたアイネに、トモエが怪訝な視線を向ける。 そのときターミナルの物陰から怒りに張り詰めた少女の声が、場の全体を圧するように響き渡った。 「ちょっと、まだ話は終わってないでしょ! 待ちなさいよ!」 「だから、お前らと組むのはもう無理だってんだろ……しつこいな」 物陰から歩き出てきたのは、一年戦争当時そのままの旧式パイロットスーツに身を包んだ少女たちと、同じ服装の男たちだった。この整備場に駐機していたボールのパイロットたちか、とアイネは我に返りながら瞬時に推量した。 亜麻色のロングヘアをなびかせたスタイルの良い少女が、勝気そうな表情へさらに強い怒りの意思を込めて、立ち去ろうとする男たちへ掴みかからんばかりにしていた。 だが男たちはその表情の端に後ろめたさは感じさせながらも、つれなく彼女を遠ざけるように手を振り、近づく少女を払いのける。 「『亡霊』は女を狙う。お前らと一緒にいたんじゃ、こっちは商売上がったりなんだよ」 「気持ちは分からんでもないが、悪く思わねえでくれ。俺たちにだって生活があるんだ」 「じゃあ、あたしたちの生活はどうなるのよ!!」 「……知らねえよ。陸に上がるか、このへんの近海で雑用でもやればいいだろ」 「それじゃ稼げないから言ってるのよ! あと少し。あと少しなのに……っ!!」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/34
35: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:58:18.18 ID:FZPzClP7 「フィオ!」 食い下がる少女の後ろからもう一人、やはり旧式パイロットスーツ姿の、ぽっちゃりとした体型の少女が追い付いてきた。 「フィオ、もういいよ。もういいよ、仕方ないよ。これ以上は、やめよう……」 「マルミン――」 マルミンと呼ばれた可愛らしい顔立ちの温厚そうな少女が短いツインテールを揺らしながら、亜麻色の長髪の少女の片手を取って制止した。そのまま前に出ると、男たちの方へ向かって頭を下げる。 「あの、今まで本当に……ありがとうございました」 「……ああ……。さすがにもう行くな、とは言えねえけどよ……。十分気を付けて、安全にやるんだぞ」 「命あっての物種だからな。せっかくあのルウム戦役で死なずに済んだのに、こんなとこでゴミ拾いのために殺されてたらアホみたいだろ」 「っ!!」 男の捨て台詞に、長髪の少女はなお食い下がろうとしたが、豊満な少女にぐっと腕を掴まれてやむなくその場に留まった。去り行く男たちの背中を悔しげに睨みつけながら見送る。 「仕方ないよ、フィオ……。あの人たちにだって、生活があるんだもの。あそこに行けばまたあの『亡霊』に狙われると分かってるのに、来てもらうわけにはいかないよ」 「でも今のままじゃ、頭数が足りない……。あと少しなのに。このままじゃ、せっかくアレにたどり着けても、引っ張って帰ってこられない……」 「落ち着いて、もう少し待とう。そしたらあの『亡霊』だって、いなくなるかもしれないし……」 「いつ? いついなくなるっていうのよ? マルミンだって分かってるでしょ。そんなに待ってたらアレだって、もう二度と見つけられなくなるかもしれないのに……」 そこまで言ったところで、長髪の少女は5人のパイロットたちから見られていたことにようやく気付いた。悲しみと絶望から瞬時に怒りへ切り替えながら、悔し気に吠えたてた。 「は……? 役立たずの軍人どもが何見てんのよ。見せモンじゃないっての!!」 「ご、ごめんなさい……! この子、今ちょっと気が立っちゃってて。気を悪くしないでください……! ほら行こ、フィオ……!」 ふくよかな少女が腕ずくで連れ去るように長髪の少女を引くと、彼女は苛立たしげに舌打ちしながら退場していった。5人はただ呆然とそれを見送る。 トモエが呟いた。 「今の小娘……『境界漁民』だな」 「女を狙う亡霊、って言ってた……ってことは、まさか。また、アレが――?」 好みの美少年を狙って襲おうとしていた浮ついた雰囲気を一気に消し去り、にわかに戦士の空気を纏ったトモエとリタが、互いに視線を交わし合う。 「ご、ごめん……リタさん、もういいよ。もう歩けるから……」 「あっ」 そしてボール乗りの少女たちと男たちの言い争いに皆が気を取られている間に復活したシュンが、ここぞとばかりに力を入れてリタを振りほどいていた。そのまま素早くロブとアイネに合流する。 「もう大丈夫です。ご心配おかけしました」 「お、おう……。じゃあ、隊長に合流すんぞ」 シュンを巡って揉めているうちに、マコトとその取り巻きたちの背中はずいぶん遠くに行ってしまっていた。 ロブの指示で靴裏の電磁石を鳴らしながら小走りに駆けだすと、さすがにもうトモエとリタは追ってこなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/35
36: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 18:59:27.24 ID:FZPzClP7 「よーし。エレベーター降りたらすぐだからな!」 「まさか、同じプラント内だったとは……」 「というかP−04初期の頃に各プラントへMS隊の拠点を作りはじめたときに、あたしらの家も一緒に作ったんだよね。いろいろ余裕ない態勢だったから、職住一致ってやつでね」 トラキア隊の4人はロッカールームで私服に着替えると、サブリナに出迎えられて、エレベーターでプラント内の『底』を目指した。 静止した中心軸内に存在する第113整備場は無重力空間だったが、その外側はプラント本体となる回転体であり、ミケリヤ家はその外壁近くに位置していたのだった。 アイネは道中でシュンを護衛するように周囲に目を光らせていたが、トモエとリタの追撃は無かった。しかしP−04への航路上で接触してから、まさかこれほど早く接触を受けるとは。 偶然とは思えない。ルウム農協の情報網でトラキア隊の行き先を掴んだのだろうか。もはや油断も隙も無い。 「クライネ伍長……さっきは、ありがとう」 「当然のことをしたまでだよ。また変な絡まれ方をするようだったら教えてね。飛んでいくから」 少し前までなら、候補生課程で同室の同期生シエル・カディス伍長に言われていたような台詞を、今度は自分からシュンに言っていることに気づいて、アイネはそのおかしさに思わず微笑んで誤魔化した。 シュンも釣られたように微笑み返しながら、アイネを見つめる。 「その私服、……艦内で準備したんだよね。似合ってるよ」 「えっ。そ、そう……? あ、ありがとう……」 アイネの私服はトラキアでウェンディ・アーデル曹長が用意してくれた、肩と胸元の出るキャミソールにジーパンだった。体型によく合っていて確かに可愛らしいが、胸の谷間まで見えてしまうため若干の躊躇があった。 だがシュンがこうして素直に褒めてくれると、アイネはそれだけで報われたような気分になった。 シュンが出来るだけ自分が気にしている胸を見ないように頑張っているのを、微笑ましい、可愛い、と思えている自分に気づいて、アイネは頬を薄く染めながら俯いた。 サブリナはニコニコしながら見守り、マコトは黙って何も言わず、ロブはよそでやれよお前ら感を隠しもしていないが、アイネとシュンの二人は意に介していなかった。 やがて動き続けていたフロア表示が『居住区』に切り替わり、エレベーターが停止する。 「さーて。我が家に、とうちゃーく!」 「うわっ……」 人員用エレベーターのドアが開くと、アイネはその眩しさに思わず呟いた。 プラントの内部については狭い階層が折り重なって続く、艦艇内のような閉塞した空間をイメージしていたのだが、ここは数階層分をぶち抜いたのか、かなり開放感のある空間が実現されていた。 コロニー内のように開けた『空』はなく、光もほとんどすべて人工のものだった。それでも果樹と思しき木々や草花が生い茂り、小鳥のさえずりが聞こえる中に、風情を感じさせる屋敷が建っている。 あるいは地球上の農村地帯の光景というのは、案外こうしたものなのかもしれなかった。 「サブリナ、荷物は?」 「旦那とガルノフとマリエルに手伝わせて、もう皆の部屋まで運んであるよ。これ、あんたらの部屋の間取りと鍵ね。文句は後から受け付ける」 「私は奥か……」 サブリナが最初に言っていたように、アイネの部屋はサブリナ一家とマコトの区画を挟んだ奥だった。隣にマリエルの部屋がある。男たち3人はその反対側だが、まだ空き部屋があるようだった。 短い間だが、単なる『部屋』ではない『屋敷』に住めると分かって、アイネの気分は静かに上がる。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/36
37: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 19:00:20.22 ID:FZPzClP7 「じゃあまずは、これからしばらくお世話になるご家族にご挨拶しなくちゃですね」 「それがねぇ。亭主はいま用事で、子連れで町に出てるのよ。挨拶は後でいいから、先に部屋と荷物を確かめに行ってくれる?」 「そうなんですか」 「サブリナ。じゃあ、ミコトも――」 「たぶん一緒に出てると思う」 「そうか。じゃあ夕食の時間、1900にまたここへ集まるとしよう。それまではいったん解散だ」 「了解」 マコトが命じると、男2人は自分たちの区画へ向かった。マコトとサブリナは立ち話を始めたので、アイネもやむなく1人で屋敷の中を歩き出す。 久々の1G重力が心地よい。そこかしかの緑と、おそらくレプリカなのだろうが、農村風建築の風情が目に優しかった。心が休まっていくのを感じる。 「…………」 だがアイネは、不意にそれに気づいた。 何者かに見られている。 殺気の類ではない。だが確かに何者かの視線を感じて、アイネはその視線の主に気取られないよう慎重にあたりを見渡した。 木々が植えられ小鳥も囀るプラント区画だ。小動物か何かだろうか。さすがに人間に危害を加えられるような危険生物はいないはずだと信じたいが、豚か牛ぐらいだったらいてもおかしくはない。 犬という可能性もある。まさか野良犬ではあるまいが、放し飼いだったりすると嫌だな、と思う。 緊張しながらアイネは歩を進め、そして前方でがさりと藪が動いた。 犬ほどもある影が姿を現し、そしてアイネは目を丸くして立ち止まった。 「……か、か、かっ……、かわいい……っ!!」 思わず、本心からの声を上げてしまう。 そこに現れたのは黒髪を長く伸ばしたワンピース姿の、あどけない顔立ちのアジア系の幼い少女だった。学齢期に入ったかどうかといったあたりの年齢だろう。つぶらな瞳でじいいいっ、とアイネの方を見ている。 果たして純真無垢という言葉が、これほど似合う美少女がいるだろうか。ワンピースの少女のたたずまいは、まさに天使のそれだった。 それだけではない。彼女は、誰かに似ていた――アイネが慕い憧れる誰かに。 アイネは言葉を失いながら目を輝かせ、謎の美少女にすっかり目と心を奪われてしまっていた。 「…………」 謎の美少女が、すっと一歩を踏みだした。アイネの方に近づいてくる。ここの家の子なのだろうか。アイネは反射的に両手を開き、微笑みかけながら彼女を迎え入れる姿勢を取った。 「こ、こんにちは――」 だがアイネが挨拶しようとした瞬間、少女の瞳には獲物を狙う野獣の眼光が宿っていた。 「……おっぱい」 「きゃっ!?」 少女は呟いた次の瞬間、瞬発力を発揮して一気に体ごと跳躍してアイネの胸へ飛び込む。そしてその可憐な顔面から、アイネの巨大な乳房へとキャミソール越しに突入していた。 ばゆんっ、とアイネの爆乳が弾力で少女の顔面を跳ね返す。だが少女は華麗なバックステップを見せつけて反動を吸収、再びアイネの乳房を狙って顔面を押し付けてくる。 ちょうど彼女の顔面ほどの高さにある、少女の頭ほどもあろうかというたわわな肉塊を、少女は強引に頬ずりしながら乳首を探すように唇を寄せていく。 小さな両手で無心に揉みしだき、さらには指先でその頂を引っ掻くように捕らえに来る。 「きゃううぅっ!! だ、だめぇっ!!」 「おっぱい。おっぱい。おっきい、おっぱい……」 予想もしなかった小さな痴女からの攻撃に、アイネは乱暴に振りほどくことも出来ずにその場で釘づけにされた。あまつさえ少女はキャミソールの上辺に手を掛け、ずり下げて乳房を丸出しにしようとしてくる。 さすがにアイネは抵抗し、少女を傷つけないようにしつつ引き剥がした。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/37
38: フェニックステイル第34話 [sage] 2021/05/23(日) 19:00:41.98 ID:FZPzClP7 絶対的なリーチの差で腕も頭も狙う乳房から引き剥がされ、少女は空中に捕らえられながらじたばたともがく。アイネは半分涙目で睨みつけた。 「い、いきなりこんなことしちゃダメでしょ!!」 「ミルク……」 「はぁ!?」 少女は唇に自らの人差し指を突っ込み、物欲しそうな顔で再び呟いた。 「おねえちゃんのおっぱい、こんなにおっきいのに……ミルク、出ないの?」 「出ません!!」 「がっかり……」 「がっかりしないで!!」 少女は空中で肩を落とした。泣き出しはしないが、静かな悲しみに満ちた表情をしている。美少女の失望感がありありと伝わってきて、アイネはなぜか自分の方が悪事を働いていた気分にさせられてしまっていた。 アイネは同時に、悪夢の記憶を思い出す。初めての実戦で撃墜された後、トラキア隊ではなく敵に回収されて捕虜となり、男に凌辱を受けた悪夢。 処女を奪われて膣内射精を受けた後、アイネの乳房に見合った巨大な乳輪は真っ黒に染まってぶつぶつの腺が浮き出し、そして母乳を勢いよく噴き出してしまっていた。 だが、あんなものはしょせんただの悪夢だ。妊娠出産を経験していない自分の乳房が母乳を出すことなどあり得ない。彼女には悪いが、ミルクの期待に応えることは出来ないのだ。 「……ミコト?」 そのとき背後にマコトの気配を感じて、アイネは少女を持ち上げたまま振り返った。 マコトは目の前の状況にどう対応していいのか分からないような表情のまま、そこに立ち尽くしていた。今マコトが呼んだ「ミコト」というのが、このおっぱい大好き少女の名前なのだろうか。 少女は一瞬だけちらりとマコトの方を見たが、またアイネの乳房の方へ視線を戻してしまった。せっかくの爆乳からミルクが出ないことにがっかりはしても、まだ興味を完全に失ってはいないらしかった。 「ハヤカワ准尉? 彼女は――」 そしてマコトと少女を見比べたとき、アイネの頭の中に電撃じみた何かが走った。 この二人、似ている。 同時にP−04への到着前に、サブリナが言っていた言葉が脳裏に閃く。 『マコトの家も大事な人も、ずっとここなの。そうだよ……アイツ、もう半年ぐらい会えてなかったんだよね』 そうか。なるほど、そういうことか。 合点したアイネは、少女を地面に下ろして解放した。 「この子、ハヤカワ准尉の妹さんだったんですね。ごめんなさい、さっきこの子がいきなりぶつかって来ちゃって――」 「いや。その子は、……ミコトは――」 少女はマコトの方には見向きもせず、再びアイネの胸に突っ込んできた。今度はキャミソールの上から胸の谷間に頭を入れて、両手で左右の乳房を下からたぷたぷたぷ、とリズミカルに揺らして遊びはじめる。 「私の、……娘なんだ」 「なあんだ、そうだったんですかー。ハヤカワ准尉の、娘さんだったんですねー。…………。娘。……えっ。……娘……??」 乳房をたぷたぷ揺らすミコトの手指が、乳首の位置を探るように動きつつむぎゅむぎゅ乳房を揉みにかかってきても、アイネは谷間を満喫する黒髪頭のつむじを見下ろしながら、その場に凍り付いたまま動けなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/38
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