[過去ログ] 長靴半ズボンその4 (1002レス)
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577: 2020/03/12(木)17:55 ID:coHxtCK0q(27/30) AAS
途中、近所の人から、「おやおや、けんかしたのかい?でも、すぐ仲直りしたんだね。」と声をかけられた。
「いいえ、体育で。」
「体育は何をなったんだ?」
「肉弾です。」
「おお、子供のころよくなったな。君たちは勇気あるね。でも、気を付けるんだよ。」
「はい。」
「長靴に半ズボン、よく似合っているよ。男の子って感じでたくましくていいね。」
578: 2020/03/12(木)17:57 ID:coHxtCK0q(28/30) AAS
N子という女の子に2対1の張り手合戦をして、次々に張り手を決められて鼻血を出した、
ということは言う気になれなかった。
その人がそこまで詳しく聞いてくれないのでほっとした。

そ人とはきっと、
「僕と、僕が肩を組んでいる男の子が、体育の肉弾で張り手などの対決をして、どちらが勝ったかはわからないが二人とも鼻血を出した。」
と思っているのだ、
とH田君もH本君も思った。
579: 2020/03/12(木)17:58 ID:coHxtCK0q(29/30) AAS
それからH田君もH本君も体育では極めて熱心に取り組むようになった。
肉弾は終わって、持久走、駅伝、サッカーと続いた。
二人の男の子は頑張ったけれど、どれでもN子に勝てなくて、小学校を卒業した。

N子たちがの学校の卒業式も、C子の時と同じく、水たまりが残っていた。
長靴を履いてくる子は少なかったが、少なくとも
N子は長靴スカート、
T中君、S木君、K川君、H田君、H本君は長靴半ズボンだった。
580: 2020/03/12(木)18:00 ID:coHxtCK0q(30/30) AAS
571では、H本君はN子ちゃんの張り手で「口の中を切った。」としましたが、
「紙縒り」をH田君とそろって使わせるために、「鼻血を出した。」に変更します。

復元の機会を生かせず、申し訳ありませんでした。
581: 2020/03/13(金)16:35 ID:PtSGJH6r1(1/10) AAS
N也の父親は、大手メーカーの技術者である。
小3の3学期が終わるとN也は父親の転勤に伴って、X県Y市の社宅からY県Z市の社宅に引っ越した。

Y県Z市はX県Y市と同じく内陸性の気候で、積雪も少しある。
Y市の小学校は一年中半ズボンと決まっていたが、Z市の小学校では決まっていなかった。
それでも、クラスの数人は一年中半ズボンだった。
N也も一年中半ズボンで過ごすことにした。

ぬかるみの道が多く、雨の日や雪の日は長靴をはく子が多かった。
N也もそんな日には長靴半ズボン少年となった。
582: 2020/03/13(金)16:37 ID:PtSGJH6r1(2/10) AAS
N也は引き続き白のハイソックスをはいた。
長靴半ズボンにハイソックスの少年はそれほど少数派でもなかった。
そんなY県Z市の習慣にN也は満足だった。
583: 2020/03/13(金)16:44 ID:PtSGJH6r1(3/10) AAS
小4春の遠足。
前日は雨だった。晴天案はフィールドアスレチックの公園、雨天案は水族館だった。
朝も雨が続いた。N也は、黒の半ズボン、白のハイソックス、黒の長靴で登校した。
出発直前、雨が上がった。晴天案でフィールドアスレチックの公園に行くことになった。

長靴半ズボンの男の子、長靴スカートの女の子は結構多かった。
584: 2020/03/13(金)16:51 ID:PtSGJH6r1(4/10) AAS
X県Y市での小3の遠足では、フィールドアスレチックのある公園に行った。
そこのフィールドアスレチックは簡単でだれでもが100%成功した。
その後の芝生の丘での競争で、長靴半ズボンのN也は長靴スカートのN子に負けたのだ。

この公園のフィールドアスレチックははるかに手ごわそうだった。
どれだけ成功したかによって1級から5級まで判定されるようになっていた。
基準は学年によって異なっていた。
585: 2020/03/13(金)17:02 ID:PtSGJH6r1(5/10) AAS
黒の半ズボンに白のハイソックスに黒の長靴のN也は、紺のスカートに白のハイソックスにピンクの長靴の女の子の次に出発することになった。
その女の子はN子よりはほっそりとしていた。身長と体重はN也とほとんど同じだったが、体育で分かったことだが、その女の子のほうが少し足が速かった。

最初のいくつかの遊具では、N也も難なく成功させていた。失敗する子もいたが、少数だった。

N也は絶対にその女の子に負けたくなかった。
足の速さについてもN子のほうがずっと早かった。N子のほうがずっと強いはずだ。
586: 2020/03/13(金)17:13 ID:PtSGJH6r1(6/10) AAS
砂場の中に鉄棒があり、その鉄棒に飛びついて向こう岸に跳ぶという遊具だった。

女の子は鉄棒に飛びつき、2〜3回反動をつけて向こう岸に見事に渡った。
揺れるたびにスカートが舞い、白いパンティも見えた。
紺のスカート、白のパンティ、生脚、白のハイソックス、ピンクの長靴、すべて美しかった。

N也の番になった。
鉄棒まで跳べない子もいたが、N也は跳び付けた。
でも、その女の子のような勢いはなかった。反動をつけて向こう岸を目指したが、ぶら下がるだけしかできなかった。
N也は砂場に下りた。
砂場は低くなっていて、N也は下りた時、しりもちをついて、M字となってブリチラになった。
そうなる子は何人かいた。
587: 2020/03/13(金)17:22 ID:PtSGJH6r1(7/10) AAS
その後、女の子はもちろんN也も失敗することはなかった。

ロープ登りの遊具だった。
不安定な分、棒登りよりも難しい。

女の子は難なくできて、上のデッキを進んでいった。
N也は下からその女の子のパンティを見た。鉄棒の時とは角度が違った。その角度からも美しかった。

まったく登れない子もいたが、N也は途中までは登ることができた。
でも、ロープは揺れに揺れて力尽きたので、N也は下りることにした。
N也は階段で女の子が歩いて行ったデッキに上った。
588: 2020/03/13(金)17:35 ID:PtSGJH6r1(8/10) AAS
その後も、女の子はもちろんN也も失敗することはなかった。
女の子に続いてN也もゴールした。

シートが配られ、成功の度合いを採点することとなった。
N也は、鉄棒とロープ登りが0点ではなかったが満点ではなかった。
女の子はすべて満点だった。

女の子は1級、N也は1点差での3級だった。
3級が最も多く、2級、1級、4級、5級の順に多かったが、N也は悔しかった。
N也はKKNを意識した。
589: 2020/03/13(金)17:45 ID:PtSGJH6r1(9/10) AAS
フィールドアスレチックはハードであるため、午後は使用が禁止された。
午後はゴーカートなどだった。
N也はゴーカートに乗っていても、帰りのバスの中でもKKNを意識し続けた。

解散した。
N也はまっすぐ家に帰る気になれず、裏山の中に入った。
木の根が複雑に絡んだ難所を果敢に乗り越えた。
「ここではこんなにできるのに。」

誰もいないことを確認すると、N也は泣いてしまった。
590: 2020/03/13(金)17:56 ID:PtSGJH6r1(10/10) AAS
次の雨の日、あの時の裏山で長靴が破れたことにN也は気づいた。
サイズも小さくなってきた。
N也は長靴を新しく買ってもらうことにした。

同じメーカーの同じ銘柄の長靴にしてもらった。
X県Y市にいたとき、N子の姉のC子の友達のA樹やB斗がはいていたのと同じものだ。
N也はその長靴のメーカーも銘柄も知らなかったが、見ただけで当てたのだ。

ややサイズの大きいものにした。足が余る分はオドイーターを敷いた。
その長靴は通常の学童長靴より長かったし、サイズも大きかったので、N也は引き続き、長い長靴をはくことができた。

N也は半ズボンにハイソックスにその長靴をはいて、もっと強くなりたいと思った。
591: 2020/03/14(土)12:42 ID:FNicTpb9g(1/14) AAS
小4の9月の日曜日、前日の台風が過ぎ、晴れ渡った。
土曜日(当時は週休2日ではなかった)は多くの子どもたちが、長靴半ズボンや長靴スカートだった。
台風はそれほど大きくはなく、土曜日も休校にならなかった。

強烈な日差しが照り付けたので、ぬかるんだ道も乾きだした。ところどころに水たまりが残った。
開発の進みつつある造成地は子どもたちの恰好の遊び場だった。
自転車に乗った、長靴半ズボン少年や長靴スカート少女が集まってきた。
N也も、白を基調とした半袖Tシャツに黒の半ズボンに白のハイソックスに黒の長靴を履いてやってきた。
592: 2020/03/14(土)12:47 ID:FNicTpb9g(2/14) AAS
道めいた所もあり、一周することもできた。
でこぼこ道で、上り下りもあり、オートバイのレース場のようにも感じた。
子どもたちは、オートレーサーになったような気持ちで楽しんだ。

N也もそこはお気に入りの遊び場で何度も遊んだことがある。
その日は雨上がりとしては乾いていたとはいえ、やはりぬかるみや水たまりがあり、いつもよりコースは難しかった。
難しくなったこと、それは子どもたちにとってもN也にとっても楽しみなことだった。
593
(1): 2020/03/14(土)12:55 ID:FNicTpb9g(3/14) AAS
長靴半ズボンで自転車を乗り回すことが、N也は大好きだった。
自転車をこぐたびに、長靴の縁が太ももの裏に当たる、たまらない気持ちだった。
ただ、そんなことが堂々とできるのは、よほどの大雨の後くらいだった。
でもその日は堂々とできる。多くの子どもたちが長靴半ズボンである。長靴半ズボンの女の子もいた。

N也はマイペースでコース(正式なコースでもないが)を回りだした。
小3や小2の子どもたちを追い越していった。
いつもより難しくはなっていたが、それがかえってわくわくした。
何周目からはN也のペースも上がっていった。
594: 2020/03/14(土)13:03 ID:FNicTpb9g(4/14) AAS
この周回からは全力で行こうと思い、全力を出した。
後ろに気配を感じた。自転車の音もした。
後ろを少し振り返ると、小3の女の子が漕いでいた。ピンクの半袖Tシャツにライトブルーのデニ半に白のハイソックスにピンクの長靴だった。

女の子はN也を抜かした。
上り坂になり、どんどん離されていった。N也は追いつけなかった。
女の子のピンクの長靴には泥が跳ねていた。白のハイソックスにも少し泥がついていた。
595: 2020/03/14(土)13:11 ID:FNicTpb9g(5/14) AAS
下り坂になると女の子は全くスピードを落とさず一気に下り、次の上り坂も一気に上り切り、姿を消した。
N也はスピードを落とさざるを得なかった。スピードを落とさずに下りきる自信はなかった。
上り坂は女の子と違って、やっとのことで上ることができた。

N也は息も上がりばててしまったので、出発点で自転車を降りて休憩した。
すると、女の子が猛スピードでやってきた。まったく止まらずに、コースを回り続けた。
休憩しながらN也は女の子の姿を何度も見た。
女の子が何週連続してやっているかは最初から数えているわけではなかったが、数えた限り、あのスピードでは自分には体力がなくてできない回数だということは確かだった。
596: 2020/03/14(土)13:19 ID:FNicTpb9g(6/14) AAS
女の子が自転車から降りてきた。
先に降りていた女の子2人と立ち話をしていた。
3人のうち1人は長靴スカート、もう1人はその女の子と同じ長靴半ズボンだった2
3人の女の子は自転車に乗って、連れ立って帰っていった。
自転車をこぐたびに長靴の縁が太ももの裏に当たっていた。
それを見て、N也はたまらなくなった。

N也も帰ることにした。
自転車をこぐたびに長靴に縁が太ももの裏に当たった。
たまらなかった。
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