FFDQバトルロワイアル3rd PART20 (455レス)
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抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん

328: 彼方の存在証明 1/10 2023/02/21(火)15:37 ID:f73jwN581(1/10) AAS
くそったれ、と吐き捨てたくなる気持ちを堪えながら鍵をかける。
乱れた息を整える暇さえも惜しい。
バッツと手分けしながら全ての窓と扉をチェックし、カーテンを閉め、ブラインドを下ろし、外部からの視線と侵入をシャットアウト。
ついでに殺虫剤も撒いておくか――とテーブルの上に視線を移したところで、ようやく俺は室内の様子に気がついた。

「これ……誰かいる、ってか、いた……よな?」

バッツも見咎めたのだろう。
床に残っていたガラスの破片を、部屋の片隅に立てかけられた箒に向かって蹴り飛ばす。
穂先の影に隠れているが、どうやら先客はそれなりに片づけを試みていたらしく、ひとところに纏められた砕片がきらきらと光を反射していた。
こういう几帳面なことをする奴といえば――

「ソロ……じゃねえな。ヘンリーとアーヴァインだ。
省30
329: 彼方の存在証明 2/10 2023/02/21(火)15:39 ID:f73jwN581(2/10) AAS
「なあ、サイファー、何やってんだ?」
「お前の言う通り、とんでもねえ考え違いがあるからな。
 証拠……ってほど大したものじゃねえが、見せたいモノがあるんだよ」

言いがてら、ノートパソコンを開く――ってあのガルバディア野郎、電源ごと落としてるじゃねえか!
スリープにしとけよ! OSの起動に時間かかるだろうが!
くそっ……仕方ねえ。
立ち上がるまでボケっとしてるのもアホらしいし、先に話を進めるとするか。
俺はバッツに向き直りながら、軽く肩を竦める。

「で、俺が不機嫌な理由を聞きたいんだったよな?
 どうせ信じられねえだろうからかいつまんで話すぞ」
省27
330: 彼方の存在証明 3/10 2023/02/21(火)15:40 ID:f73jwN581(3/10) AAS
「い、いや、サイファーのことを疑ってるわけじゃないんだ。
 ただ、さっき見たソロの顔、どうにもあいつらしくなかったからさ」
「そりゃ偽物に手玉取られた仲間に根も葉もないデマをバラまかれてるんだぞ?
 いくらソロだってブチギレるだろうがよ」
「そ、それもそう、か……そうかも……」

度を越えた聖人君子みたいな性格してるとはいえ、ソロだって人間だ。
あんなことをされて平静でいられるワケがねえ。
ピサロが見た胸糞悪い光景を思い返しながら、俺は言葉を重ねる。

「だいたい俺が言ってることだって推測ばっかりなんだ。
 何が起きてどんなことをされたのか、全部知ってるのはソロしかいねぇ。
省31
331: 彼方の存在証明 4/10 2023/02/21(火)15:44 ID:f73jwN581(4/10) AAS
「……はぁ?」

見当たらねえ。
いや、そもそもこの書き込みは……なんだ?

――――――――――――――――――――――――――

  * ※Non-Display!※
  *↑おいバカ止めろ
  *↑↑不謹慎投稿不許可、次同様発言確認次第教員報告実行。
  *調子乗りましたすいません。許してくださいなんでもしますから!
  *↑ん? 今なんでもするって言ったもんよ?
  *人の真似してからかうのは良くない。怒られるのは誰だと思ってるの?
省28
332: 彼方の存在証明 5/10 2023/02/21(火)15:52 ID:f73jwN581(5/10) AAS
それでなくてもガーデンの朝は6時の起床から朝食、清掃、武具点検、点呼とスケジュールが詰まってる。
6時手前に書き込みが途絶えてから、自習時間と暇をはき違えたアホが湧いてくるまでの時間に書き込む奴はまずいない。
だからアーヴァインも俺も気づかなかったんだろう、が……
そもそもそれ以前に、

「どうしてこいつらの書き込みが……?」

ここはアルティミシアが複製した空間、言わばバラムガーデンの模造品であるはずだ。
事実、1階のホールにも俺達以外の人間はいなかったし、食堂に見知らぬ誰かがいたならバッツだって真っ先に教えてきただろう。
なのに、何故、他の生徒が書き込んだとしか思えない文章がガーデンスクウェアに残されているのか。
それもアーヴァインの投稿を認識している状態で。

「なあ。このがーでんすくえあ? とかいうの、お前とアーヴァインしか見れないよな?
省27
334: 彼方の存在証明 6/10 2023/02/21(火)15:56 ID:f73jwN581(6/10) AAS
バッツの能天気な言葉に、俺は首輪を叩きながら眉を潜める。
夢世界でならまだしも、現実世界じゃ盗聴器が生きてるんだぞ? 迂闊なことを口にするんじゃねえよ。
……まあ、あの魔女ならこっちの技術レベルは把握してるはずだから、ギリギリ誤魔化せるとは思うが。

「俺達の技術じゃ、どんなに頑張ったって宇宙空間に辿り着くのが精々だ。
 次元間やら平行世界間やらの移動技術なんて便利なモンは存在しねえし、そもそもここが"どこの次元にあるどこの世界のどこなのか"って根本的な事すらわからねえだろ。
 現在地の説明も座標データもないのにSOSだけ送ったところで、千年かかっても見つけられねえよ」
「そ、そうか……こんなすっごい機械だらけなんだからイケるかもって思ったんだけどな。
 やっぱり何とか俺達だけで頑張るしかない……んだよな」

バッツはがっくりと肩を落とし、再びベンチに座りこんだ。
こいつでもこんなに凹みっぱなしになることがあるんだな――と思いながらも、俺はモニターに視線を戻す。
省35
335: 彼方の存在証明 7/10 2023/02/21(火)15:59 ID:f73jwN581(7/10) AAS
「……やってみる、か」

「ん?」とバッツが背後で声を上げるが、あえて無視して別のページを開く。
『風紀委員会からのお知らせ』。
俺と風神雷神だけが編集権限を持っているページだ。――とは言っても、セルフィほど活用しちゃいなかったが。

「なあなあ、何してるんだ?」

わざと黙殺してたってのに、好奇心旺盛な20歳児が首を突っ込んでくる。
仕方なしに俺はバッツでもわかるよう、画面に文字を打ち込む。

『助けは呼べないだろうが知識を借りることはできるかもしれない。
 ただ、書き込みをしている連中が本物かわからないから、判別できるようにコンタクトを取る。
 盗聴されて対応されたらまずいから適当に話を合わせろ』
省30
336: 彼方の存在証明 8/10 2023/02/21(火)16:04 ID:f73jwN581(8/10) AAS
だいぶ雑だが、こんなもんでいいだろう。
仮にアルティミシアに検閲されたとしても、それなりに妥当な内容に見えるはずだ。
スコールの生死をあからさまに伏せているのだって、俺様が向こう側にいる連中に何の配慮もしねえほうがおかしいだろうがよ。
あとはこれを"下書き"で保存して、ガーデンスクウェアに戻り、書き込みを残す。

――――――――――――――――――――――――――

  *朝から遊んでるんじゃねえよ。
   風神に雷神、新しい知らせを書いておいたから学園長に承認もらってこい。
   あと人の呼び出しを勝手に盗撮するな。消しとくからついてくんなよ。 アルマシー

――――――――――――――――――――――――――

最後にアーヴァインの投稿を一時非表示にしておしまいだ。
省26
337: 彼方の存在証明 9/10 2023/02/21(火)16:06 ID:f73jwN581(9/10) AAS
「サイファー。そろそろ食堂に戻った方が良くないか?
 ここまで襲ってこないってことは、偽アーヴァインも別の場所に向かったのかもしれないしさ。
 それにラムザとセージにも説明しなきゃまずいだろ」
「……そう、だな」

頭を振って、思考を切り替える。
さっきバッツを追って校庭に飛び出した時、確かにボビィの鳴き声を聞いた。
あれだけ声が響くってことは2階のデッキにいたんだろうし、アーヴァインの真似をしているクソジェノバも背に乗っていたはずだ。
俺達の動向は筒抜けだ――そう判断するしかない状況だったからこそ保健室に籠城してみせたってのに、奴らしき存在は姿を現さない。
やっぱりソロだけを狙ってやがるのか?
それともアーヴァインの方にちょっかい出してるのか?
省30
338: 彼方の存在証明 10/10 2023/02/21(火)16:08 ID:f73jwN581(10/10) AAS
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