[過去ログ] 恭介「人魚姫の物語」 (434レス)
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192: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 01:46:19.52 ID:HdI5LhHm0(1/6)調 AAS
さやか「彼ったらあたしの事が心配で見滝原の制服借りてまで忍び込んできたんだから」
さやか「ねー?氷室くん?」
氷室「えっ・・・その・・・あの・・・」
さやか(小声)「お願い!彼氏のフリして!あたし、なんか最近男子に言い寄られるてさ・・・困ってるんだよね」
氷室「・・・」
氷室「そっそうだ!僕とさやかは付き合ってるんだぞー(棒読み)」
中沢たち「・・・」
氷室「さ・・・さあ行こうさやか、今日も君の家にお邪魔して良いかなー」
さやか「も、もちろんよ!」
中沢「あ・・・あれが美樹の彼氏!?」
男子生徒「・・・きょ、「今日も」家にって・・・」
男子生徒「う・・・うらやましい!」
杏子「待たせちまったなさやか、さー帰ろうぜー」
杏子「・・・!!」
杏子「氷室・・・いや上条!あいつ・・・さやかにひっついて何やってんだ!?」
さやか「ごめんね。変なこと頼んで」
氷室「いや、別に構わないよ」
氷室「それでね美樹さん・・・さっきの話の続きだけど・・・」
さやか「いやー、ほんと助かったわ。今までのあんたへの罵倒は取り消すよ。氷室「君」」
氷室「えっと・・・」
さやか「よく見ると氷室君かっこいいし・・・後は変態なところ直せばの話だけど・・・本当に付き合っちゃう?」
氷室「え!?」
さやか「だって・・・中沢に言ったのはその場しのぎだけど・・・
あんな事(股間に顔をうずめる)されちゃったし・・・」
193: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 02:15:08.31 ID:HdI5LhHm0(2/6)調 AAS
氷室「えっと・・・あの・・・その」あたふた
さやか「ぷっ、何あせってんの?冗談だよ。冗談」
氷室「え」
さやか「本当は彼氏っつーより、愚痴を聞く相手になって欲しいかなって」
氷室「・・・?話が見えてこないのだけれども・・・」
さやか「いやほら・・・あたし達魔法少女は・・・同じ立場の仲間や友達がいたとしても・・・
どこまでいっても同性じゃん?」
さやか「氷室君みたいな同じ立場の異性相手だからこそ話せる話もあるし・・・」
さやか「氷室君さえよければ・・・あたしと友達になってくれないかなーって・・・」
氷室「・・・」
氷室「うん。僕も同じことを考えていた・・・暁美さんに勝つためにも・・・
美樹さん達ともっと親密にならなくちゃいけないって」
氷室「こちらこそよろしくお願いするよ美樹さん。僕と友達になってくれないかな?」
さやか「うんいいよ。それと・・・また氷室君に彼氏のフリをしてもらう事があるかも知れないけど・・・」
氷室「僕は構わないよ」
さやか「ホント?やったっ」
さやか「早速だけど、いきつけのバーガー屋によっていかない?氷室君もあたしに話があるんだよね?」
杏子「ちょっとまて、さやか、氷室・・・あんた等一体何を・・・」
さやか「へ?杏子?」
杏子「おい氷室(上条)・・・正気か!?あんた本気でさやかと付き合うつもりか!?」
氷室「え、いや・・・そういう意味じゃなくて・・・」
さやか「何言ってるのよ杏子。あくまでフリだって!彼氏のふり!」
杏子「それでも色々問題あるんだ!こいつは・・・こいつは!!」
さやか「なんで氷室君が彼氏のフリすることが問題あるのよ・・・まさか!?やっぱり
杏子と氷室君・・・付き合って・・・」
杏子「そうじゃねーよ!ただ・・・ただ・・・」
氷室(テレパシー)「大丈夫だよ佐倉さん、佐倉さんの恐れているようなことは起こさないつもりだ」
杏子「・・・!」
194: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 02:39:04.21 ID:HdI5LhHm0(3/6)調 AAS
氷室(テレパシー)「もしもさやかが氷室を好きになるような事があってもちゃんと断るさ。
上条恭介としての素顔では仁美さんと付き合っている訳だし・・・」
氷室「さやかの記憶を取り戻して間接的に鹿目さんの力を取り戻すためには・・・僕も氷室として
さやかと仲良くならなければならないし・・・本当にそれだけなんだ」
氷室「それに・・・中沢だったからまだ良かったけど・・・さやかに変な男が這いよる危険性も考えたら・・・
彼氏のフリっていうポジションはさやかを守るために必要じゃないかなって・・・」
杏子「・・・」
杏子(テレパシー)「わかった・・・好きにしろよ」
杏子「だけど・・・そこまでさやかの事が大切なら・・・やっぱり教えといた方が良いだろうな」
氷室「・・・?何の話だい?」
杏子「さやかの記憶を取り戻して・・・円環の理の機能を元に戻す事・・・それ自体が・・・
さやかを消滅させる可能性を秘めているって事をな・・・」
氷室「え・・・!?」
杏子「どういう意味かはあんたで考えろよ・・・あたしはさやかが消えるのには反対だ・・・だけど・・・」
杏子「円環の理を取り戻すこと・・・それをさやかが正しい事だと思えば、
さやかは自分が消えてしまうとしてもやり遂げようとするから・・・」
〜ここから素の会話〜
杏子「わかったよ。もう何にもいわね。さやか、そいつの性根はぱんつ大好きな変態だからあまり気を許すなよ」
杏子「先に帰ってる。あまり遅くなるんじゃねーぞ」
さやか「わかってるよ。ありがとうね、杏子」
さやか「それじゃあ氷室君、早速店へ出かけよう!」ぐいっ
氷室「わっ!ちょ・・・さや・・・美樹さん!?」
〜いつもの店〜
氷室「強引だなさやか・・・そんなに愚痴りたい事があったのかな・・・」
さやか「お待たせ」
氷室「ずいぶんたくさん買ってきたね美樹さん・・・成長期かな?」
さやか「そうなのよー!最近胸ばっかりに栄養が・・・じゃなくて!氷室君の分だよ!」
氷室「え、奢り!?(む・・・胸ばっかりだって!?)」ドキドキ
195: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 02:57:51.58 ID:HdI5LhHm0(4/6)調 AAS
さやか「そ、あたしの奢り。絶対に長い話になるから・・・これくらいはしてあげないとって・・・」
氷室「い、いや・・・それは受け取れないよ、女の子に奢らせるだなんて・・・」
氷室「金額を言ってくれ美樹さん、ちゃんと払わせてもら・・・」
ドンッ(紙コップ)
さやか「黙りなさいよ・・・」
氷室「え・・・」
さやか「とりあえず飲もうよ」
氷室「いや・・・その・・・」
さやか「ひっどい男がいるのよ・・・・」
氷室「はい?」
さやか「あたしがずっと・・・男子の誰かに愚痴りたかった事ってのはそれだったのよ・・・」
さやか「杏子やまどかもあたしの愚痴を聞いてくれるけど・・・やっぱり同性としてそいつの
行動をどう思うか氷室くんみたいな人に聞きたくて・・・」
氷室「えっと・・・」
氷室「美樹さんは・・・過去にその男に騙されたとかそんな話なのかい?」
さやか「・・・騙されたってわけじゃないけど・・・その・・・なんというか・・・」
さやか「別に見返りが欲しかったわけじゃないけど・・・あれだけ世話焼いてやったのに・・・
ちっともあたしの事気付いてくれないようなどうしようも無い男で・・・」
氷室「・・・!?」
氷室「美樹さんは・・・その男の人の事が好きだったのかい?」
さやか「・・・」
さやか「まぁ・・・端的に言えば・・・///」
氷室「・・・」
氷室「フラれたの?」
さやか「うるさい」
氷室(全然知らなかった・・・さやかに・・・好きな人がいたのか・・・)
氷室(それにしても・・・どこの誰だ!?さやかみたいな良い子をふるだなんて・・・ひどい奴もいたもんだな・・・)
196: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 03:18:59.30 ID:HdI5LhHm0(5/6)調 AAS
氷室(僕は知っている・・・さやかの良いところを・・・入院中何度もさやかの励ましに助けられたんだ)
氷室(それに・・・幼馴染っていう身内補正抜きで客観的に見てもさやかは可愛い。現に中沢たちに言い寄られている)
氷室(最近は身体的な成長も・・・)
氷室(だ、駄目だ!さやかをそんな目で見ては・・・仁美さんに申し訳ない!)
氷室(ずっと僕達は親友だったんだ・・・こんな事考えてるってバレたら幻滅されちゃうじゃないか!)
さやか「あたしが魔法少女になったのも、そいつが関係あるんだよね」
氷室「・・・」
氷室「まさか・・・契約時の願い事を・・・その彼のために!?」
さやか「う・・・うん」
氷室(さやか・・・!!なんて事だ!)
氷室(自分の一生を捧げるに等しい魔法少女の契約を・・・そんな他人のためなんかに・・・)
氷室(そこまでしたのに・・・さやかの気持ちに応えてやれないだなんてどこの誰だ!
見つけたら殴ってやるのに!)
氷室「なんてお願いしたか・・・聞いて良いかな?」
さやか「えっと・・・」
さやか「そういえば・・・氷室君もバイオリン弾きだったよね・・・」
氷室「氷室君「も」・・・?」
さやか「氷室君は・・・もしも事故でバイオリンを弾けなくなったとしたら・・・どうする?」
氷室「・・・うーん」
氷室「僕にとってバイオリンは全てと言っても過言じゃないし・・・もしそうなったとしたら・・・」
氷室「たとえ悪魔に魂を売ってでも治したいって思うんじゃないかな?
それこそ、魔法少女の契約を結んだとしても・・・」
氷室「ハッ!」
氷室「美樹さん・・・まさか君は・・・」
さやか「そうだよね・・・やっぱり治したいって思うよね・・・」
197: ◆Q9mKomrfWbxO [saga] 2014/07/09(水) 03:33:22.68 ID:HdI5LhHm0(6/6)調 AAS
聞きたくなかった
さやかがすでに魔法少女になっている・・・その事実を見たときから・・・
本当は頭の中にその「可能性」は想定していたような気がする
にもかかわらず・・・その可能性を否定し続けていたのは・・・
「そんな悲劇はあってはならない」と心のどこかでそれを押し殺していたからかもしれない・・・
いやだ
嘘だといってくれ・・・それが叶わないのなら・・・
さやか・・・それ以上何も言わないで・・・
さやか「恭介の腕・・・治したのはね・・・」
逃げられない
それを今聞いたところで・・・僕にしてやれることは・・・
さやか「あたし・・・なんだ」
僕の心が「氷室」と「恭介」の二つに引き裂かれていくのをハッキリ感じた。
続く
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