夜から話を始めよう。　全て悲劇は暗闇から現出するものだから。

[過去ﾛｸﾞ] 夜から話を始めよう。　全て悲劇は暗闇から現出するものだから。 (375ﾚｽ)
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254: (大阪府) [sagesaga] 2012/07/29(日) 20:02:36.16 ID:PlO8jsevo(1)調 AA×

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256: (大阪府) [sagesaga] 2012/08/09(木) 12:35:56.40 ID:z2OuMtVGo(1)調 AA×

257: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/03(水) 21:29:24.75 ID:GLHi4s6Po(1)調 AA×

258: (大阪府) [sagesaga] 2012/10/03(水) 22:51:56.86 ID:40MpKcECo(1)調 AA×

259: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/05(金) 22:14:09.18 ID:7SqduHENo(1)調 AA×

260: 以下、名無しにかわりましてＡ雑民がお送りします 2012/10/06(土) 13:47:32.45 ID:MfxjCYLto(1/2)調 AA×

261: 以下、名無しにかわりましてＡ雑民がお送りします 2012/10/06(土) 13:47:50.67 ID:MfxjCYLto(2/2)調 AA×

262: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/31(水) 19:10:06.40 ID:isfz+ZLzo(1/5)調 AA×

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263: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/31(水) 19:10:22.94 ID:isfz+ZLzo(2/5)調 AA×

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264: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/31(水) 19:10:33.93 ID:isfz+ZLzo(3/5)調 AA×

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266: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/10/31(水) 19:14:38.32 ID:isfz+ZLzo(5/5)調 AA×

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267: 以下、名無しにかわりましてＡ雑民がお送りします 2012/11/04(日) 21:46:18.69 ID:qEijgkRgo(1)調 AA×

268: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/11/07(水) 23:52:46.91 ID:wjymhDbKo(1)調 AA×

269: 以下、名無しにかわりましてＡ雑民がお送りします 2012/11/14(水) 13:52:28.58 ID:PmI4NJOKo(1)調 AA×

270: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/12/10(月) 17:40:36.46 ID:tks7mDuto(1/2)調 AA×

271: ◆Yen.Sof/rY.0 2012/12/10(月) 17:41:05.93 ID:tks7mDuto(2/2)調 AA×

272: 以下、名無しにかわりましてＡ雑民がお送りします 2012/12/13(木) 20:27:08.93 ID:9alqFix+o(1)調 AA×

273: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/06(水) 23:41:17.91 ID:oCwOD8DYo(1/5)調 AA×

274: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/06(水) 23:42:02.82 ID:oCwOD8DYo(2/5)調 AA×

275: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/06(水) 23:42:24.64 ID:oCwOD8DYo(3/5)調 AA×

276: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/06(水) 23:42:39.20 ID:oCwOD8DYo(4/5)調 AA×

277: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/06(水) 23:42:52.57 ID:oCwOD8DYo(5/5)調 AA×

278: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:30:56.48 ID:e3OlW7xyo(1/6)調 AA×

279: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:32:43.27 ID:e3OlW7xyo(2/6)調 AA×

280: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:36:13.76 ID:e3OlW7xyo(3/6)調 AA×

281: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:37:03.63 ID:e3OlW7xyo(4/6)調 AA×

282: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:45:45.38 ID:e3OlW7xyo(5/6)調 AA×

283: ◆Yen.Sof/rY.0 2013/03/23(土) 11:56:01.69 ID:e3OlW7xyo(6/6)調 AA×

284: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 11:18:41.75 ID:P993eVxho(1)調 AA×

285: (長屋) 2013/10/17(木) 01:36:07.46 ID:F7r13lO8o(1)調 AA×

286(1): 2014/05/24(土) 14:01:48.99 ID:HOOyZQX1o(1)調 AA×

287(2): (中部地方) 2014/05/24(土) 14:04:25.20 ID:bZOHcixyo(1)調 AAS
む

288: 2014/05/28(水) 18:25:25.04 ID:eIkbN8dHo(1/2)調 AA×
>>26

289: 2014/05/28(水) 18:49:45.61 ID:eIkbN8dHo(2/2)調 AA×

290: 2014/05/28(水) 18:54:41.73 ID:gwkM64Qto(1)調 AA×
>>286-287

291: 2014/05/29(木) 08:19:18.84 ID:/zrR8LO/o(1)調 AA×

292: 2014/05/29(木) 18:45:31.51 ID:hZnjoMxuo(1)調 AA×
>>287

293: 2014/07/18(金) 03:40:08.77 ID:jWekXZF5O携(1/3)調 AA×

294: 2014/07/18(金) 03:40:57.34 ID:jWekXZF5O携(2/3)調 AA×

外部ﾘﾝｸ:i

295: 2014/07/18(金) 03:42:08.77 ID:jWekXZF5O携(3/3)調 AA×
>>-

296: 2014/07/19(土) 05:27:12.45 ID:5e0VMvl1o(1)調 AAS
てすと

297: 2014/07/19(土) 21:07:56.59 ID:FWE93Gyro(1)調 AA×

298: 【毎月1日限定ですよ。。】 2014/07/22(火) 23:10:57.20 ID:Bpi1X42do(1)調 AA×

299: 2014/08/03(日) 16:08:40.99 ID:ywYSrs5Lo(1)調 AA×

300: 2014/09/05(金) 11:46:35.58 ID:SF2xv/W9o(1/7)調 AA×

301: 2014/09/05(金) 11:50:28.41 ID:SF2xv/W9o(2/7)調 AA×

302: 2014/09/05(金) 11:53:44.04 ID:SF2xv/W9o(3/7)調 AA×

303: 2014/09/05(金) 11:57:06.45 ID:SF2xv/W9o(4/7)調 AA×

304: 2014/09/05(金) 12:01:38.06 ID:SF2xv/W9o(5/7)調 AA×

305: 2014/09/05(金) 12:03:54.54 ID:SF2xv/W9o(6/7)調 AA×

306: 2014/09/05(金) 12:04:55.89 ID:SF2xv/W9o(7/7)調 AA×

307: 2014/09/09(火) 15:13:41.21 ID:J1PZ85CPo(1/2)調 AA×

308: 2014/09/09(火) 15:31:17.88 ID:J1PZ85CPo(2/2)調 AA×

309: 2014/10/07(火) 14:02:57.57 ID:Dwr5d+tso(1/2)調 AAS
井坂洋子「三犬記」

　わたしはすりですが、すりであることを恥じてはおりません。とったものは返しません。これ、基本です。
若い時分ですが、夕刊売りの娘からもすったことがありました。大正だったか、昭和になりかわっていたか、そのころ、夕刊は二枚で三銭でした。かわいそう、とも思いませんでした。根城にしていた官庁街に立っているんですから。私だって商売です。
ちょっとは気になりましたから、翌日も立っているのを見て、ほっとしました。でも、客引きのためにりんりんと鈴を振っているその足もとに、耳がしゅんと垂れたみすぼらしい犬がすわっていました。
フーンと思いました。防犯用なのでしょう。
わたしは小銭をだし、夕刊を買い求め、「君の犬なのかい」と声をかけました。
「いいえ、ついてきちゃうんです。食べものなんかあげられないのに」
犬はきょとんと私の顔を見あげていました。
「これで、なにか買っておやり」
わたしは昨夜の金を握らせると、急いで立ち去りました。
そんな行為こそ恥ずかしく思ったのです。
それから数日、娘には会いませんでした。いや娘は街角に立っていたのかもしれません。わたしがよそで商売していたのです。気疲れするばかりで不健康な日が続いていました。
仕事が一段落した頃、むかしの仲間から連絡があり、夕方に会うことになりました。仲間ったってこれのほうじゃありません。彼は会社につとめていました。
ゴーリキーからチェーホフ、アルツィバーセフと夢中になって読み、顔を合わせれば発奮して論じ合わずにはいられなかったあのころは、みんな若かった。三日と置かず会う機会をつくっていながら、夜更けの街を、別れがたくいつまでも歩きまわったものでした。
「いまに見ろ、すばらしい仕事をするから」
空元気のように言いながら、しかしいつとなく別れわかれになって、月と日は矢のように流れてしまいました。
みんな妻を得て、父親にさえなっています。
友人との待ち合わせ場所に向かっていたときにはわたしはすっかり自分の今の顔を忘れていました。ふと、キャン、キャンという犬のものがなしげな鳴き声が聞こえてきました。
例の娘が、あのみすぼらしげな犬を打っているのです。
犬は地にひれ伏すようにして、娘のなすがまま、動こうともしません。娘は、容赦なく手のひらで打つと、わっと泣き叫びながら跪き、犬を抱き寄せました。
数人が黙って見物しています。わたしはいたたまれなくない気持ちになり、友人の待っている店へ走っていきました。
その夜は友人と、映画の「白痴」を観る予定でした。娘と犬の姿が目にちらつきながら、友人と映画館を出るころは、少女のことなどすっかり脳裏から去っていました。
「ね、あのころを思い出すだろ」
向い合ってお茶を飲みながら友人に言われたとき、
「そう、まったくだね」
わたしは深くうなずいて、しみじみと胸へ流れてくるものを感じました。瞬間あやうく涙がにじみさえしたのです。
「ぐずぐずしちゃいられない」
わたしは自分に返すように言いました。そのときです。
友人はちらっとわたしの顔を見て、
「君の悪いうわさを聞いたんだけど」
彼の肉厚な、大きな顔が、急にのしかかってくるようでした。
それからのことはよく覚えていません。わたしは彼と別れて、暗い郊外の道をさまよっていました。娘と、娘に打たれながらじっとしていた犬を思いました。あの犬だけが支えでした。

310: 2014/10/07(火) 14:03:27.34 ID:Dwr5d+tso(2/2)調 AAS
あれは
杉か

黒く盛りあがっている　　あれは人か
小さなしみのような

あれは
眼か

死んだあとまで
さびしさがのこってしまっている

そんな杉が
眼が
大勢で
わたしの生きているひつぎを
とりかこむ

ただの譫妄
でしかない陽の光も
ここでは硬く凝結して
月
になる

結界に至るまで　あと
わずか

霧が裾野から這い上がってきて、やがてすっぽり体中を包み、わたしは両手を地べたに、つきました。四つん這いのまま、わたしの代わりに雨が、俄か雨が林や畑や小道や踏み切りを走っていきました。
感覚の便が一つずつひらかれ、わたしはよろこびを感じました。
打たれた犬のように震えました。

詩集『箱入り豹』から

311: [sagesaga] 2014/10/07(火) 14:11:23.26 ID:1HG9LaZ5O携(1/2)調 AAS
結界→決壊

312: [sagesaga] 2014/10/07(火) 14:36:28.23 ID:1HG9LaZ5O携(2/2)調 AAS
感覚の便→感覚の弁

313: 【毎月1日限定ですよ。。】 2014/10/20(月) 23:10:23.65 ID:RBmtqmaDo(1)調 AA×