[過去ログ] 自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第96章 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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352: 始末記 2016/03/09(水) 00:08:46.08 ID:2fCwS8t+(1/6)調 AAS
では投稿させていただきます
前スレの続きです
まだ、一週間たってないのに・・・流れ早
353: 始末記 2016/03/09(水) 00:11:11.95 ID:2fCwS8t+(2/6)調 AAS
全裸の男達に追われていた川崎一曹は最初こそ動転して逃げ回っていた。
それでも逃げながら一人ずつ倒している間に全員を拳銃で射殺か、ナイフで重傷にしていた。
途中で魔力切らして気を失っていた魔術師マドゥライを引きずって大手門まで戻ってきていた。
大手門でも戦闘があったらしく、自衛官や管理官達が慌ただしく周囲を警戒している。
銃剣で地面を刺したり、棒切れで地面を叩いて何やら探っている。
同時に管理官の一人がインフルエンザ対策のサーモグラフィを台車に乗せて動き回り、周囲を探っている。
「何をしてるんですか?」
「敵が透明化魔法で侵入を試みて来たのでその対処ですよ。
どうやら体温までは消せないようなのでこいつを使ってるんです。」
川崎一曹の問いに受付にいた矢島管理官が答えてくれる。
日本で流行っていた病気もそうだが、大陸での未知の病原菌の対策は急務だった。
防疫の為に持ち込んだサーモグラフィが敵の侵入を阻止するのに役立つとは思ってなかった。
だがこの時点ですでに五名の侵入者がいることには気がついてなかった。
枯れ井戸を包囲するように展開していた自衛隊は、地下水道跡から侵入しようとしていた残党軍を追い詰めていた。
すでに外に討って出てきた三人の男を射殺している。
その後は地下水道跡に籠城して出てこない。
「全員出てくるまで待つんだったな。」
小隊長の杉之尾二等陸尉が困った顔で部隊を待機させている。
地下水道跡は電気、電話、水道、ガスなどのライフラインをまとめて設置している共同溝となっている。
そこで戦闘を行われて、ライフラインが破壊されると困ると収容所側から要請があったのだ。
だが敵対戦力の排除は優先的事項だった。
「まあいい。
来ないならこっちから行くぞ。」
最初に前衛に立ったのは自衛隊隊員ではなく収容所の管理官達だった。
彼等はガス筒発射機を持って、井戸穴に集まった。
、M79グレネードランチャーを参考にして開発されたガス筒発射機は催涙弾を地下水道跡共同溝に向けて発射する。
転移前の銃刀法の関係でガス筒発射機と呼称されているが、もうガス銃でも良いのではないかと議論のマトになっていたりする。
狭い地下水道跡共同溝で催涙ガスは残党軍の兵士達に襲いかかる。
「目があ!!」
「なんだこの煙は!?」
「奥に退け!!」
カプサイシンを主成分とするOCガスを浴びて、皮膚や粘膜にヒリヒリとした痛みが走る。
咳き込んだり涙が止まらなくなる者達が床に倒れこんでいく。
効果時間はおよそ30分。
ガスを見ていち早く半数の兵士はさらに奥に逃げ込んで難を逃れる。
その穴を埋めるように花粉症も防げる00式個人用防護装備防護マスクを装面した自衛隊隊員達が地下水道跡共同溝に侵入する。
倒れて体を掻き毟ったり、目や鼻を抑えて抵抗できずに転げ回っている兵士達を拘束して手錠を掛けていく。
わずかに体を動かして抵抗する者もいる。
だが目も開けてられない状況では何の役にも立たない。
M16の銃床で殴り付けられて無力化されていく。
「おらっ、おとなしくしろ!!」
「抵抗してんじゃねえ!!」
拘束されたそのまま引き摺って、枯れ井戸から外に放り出されていく。
外には催涙ガスの解毒剤の入ったスプレー瓶を持った隊員が待機していて対応にあたっていた。
ガスによる煙で残党軍兵士達は拘束されて連行される仲間の姿が見えていない。
それどころかさらなる催涙弾が撃ち込まれてきて奥に追いやられる。
仲間がいるかもしれないので、残党軍兵士達は発砲を最小限に控えていた。
354: 始末記 2016/03/09(水) 00:13:34.38 ID:2fCwS8t+(3/6)調 AAS
自衛隊側は前衛にバリスティック・シールド(個人携行用防弾盾)を構えた隊員が陣取り、散発的に撃ってくる銃弾を完全に防いでいる。
外壁やパイプも残党軍兵士の小銃弾では致命的な損傷に至っていない。
逆に自衛隊側の弾丸の方が威力があるので使えない。
膠着状態になるかと思われたが、隠し通路の扉が開いて奥まで逃げてきた残党軍兵士達に催涙弾が撃ち込まれる。
「こっちもか!!」
両端から撃ち込まれた催涙ガスで残党軍兵士達は逃げ場を失う。
日本軍が見えないにも関わらずに小銃を撃ちまくる。
だが効果が無いのか悲鳴一つ聞こえない。
隠し通路からはBS-RF ライフル弾用防弾盾が降ろされて壁が作られていた。
キャスター付きの防弾盾の向こうからは管理官や自衛隊隊員の姿を見受けられる。
地球の制式小銃でも防ぐ防弾盾の前には残党軍兵士が使っている帝国軍制式小銃など全く歯が立たない。
包囲は徐々に狭められ残党軍兵士達は拘束されていく。
こうして、地下水道に侵入した隊は全滅していった。
竜別宮町市街地
市街地と捕虜収容所を繋ぐ道路沿いの3件の小屋が建っていた。
捕虜収容所へ向かう日本の援軍を妨害する。
ウォルフ将軍とマイヤーは同じ小屋に入れられて拘束されていた。
同様にマイヤーの姪のマルガレーテやウォルフ将軍の細君リシアが別の小屋に拘束されていた。
だがマルガレーテはリシアの扱いに困っていた。
五十を過ぎたウォルフ将軍の奥方だから、それなりに年配の女性かと思っていたら22才の若奥様だった。
逆に拘束している兵士達も妙齢の女性に気を遣われてデレデレしている。
「人質に気を遣われてどうするのよ。」
「あらあら、明日には解放されるみたいだからそんなに怖い顔をしないの」
マルガレーテは子供扱いされている。
学校でも才女扱いで、サークルでも姫扱いだがここでは完全にオマケ扱いである。
小屋同士は互いに確認しあえる位置にある。
協力者の援助で建てたものもある。
日本の警察が援軍に行こうと小屋沿いの道を通ろうとしたら、人質を盾に引き付ける予定であった。
包囲されるのは望むところ。
道が使いずらくなるのは明白だった。
だから日本側はいきなり小屋の一つを吹き飛ばした。
「はっ?」
その光景を見ていた女達が監禁されている小屋の兵士達は呆気にとられていた。
だがすぐに額に穴が開いて床に体を転がせる。
「敵襲!!」
もう一人の兵士が叫ぶが壁越しに狙撃されて死体と化した。
森の中から狙撃したのは黒ずくめの男達だった。
公安調査庁の実働部隊だ。
今回の残党軍の作戦は事前に大半が公安調査庁によって盗聴されていた。
小屋の中にはすでにCCDカメラが設置されていて、人質と兵士達の位置関係は把握されていた。
よって人質のいない小屋も真っ先に事前に仕掛けられたプラスチック爆弾で吹き飛ばされた。
警察や自衛隊崩れの彼等は容赦がない。
だが人数は多くない。
新京なら1個小隊が編成されているが、ここでは分隊が1個ある程度だ。
第二分隊創設の予算は新浜に支部に持っていかれた。
だからこそ竜別宮支部はここが最前線だという実績が欲しかった。
第一班の狙撃が成功すると、小屋にトヨタ・ハイエースが横付けして、拳銃を構えた公安調査官達六人が小屋に突入する。
本来なら突入は第二班に任せたいところだが人手が足りないのだ。
小屋の中には兵士がもう一人生き残っていたが、手を挙げて投降の意思を示している。
二人が兵士の見張りを、二人が隣の小屋を窓から見張りに入る。
355: 始末記 2016/03/09(水) 00:17:13.89 ID:2fCwS8t+(4/6)調 AAS
松井調査官は別室にいるマルガレーテ達のいる部屋のドアの前に立つ。
「マルガレーテさん、サークルの松井です。
お助けに参りました。」
他の調査官には聞こえないように声を掛ける。
鍵は掛けられてないのか、ドアが開くと二人の女性が喜色を浮かべる。
松井は自分の推しメンであるマルガレーテの救出に携われることを神に感謝していた。
このまま個人的に仲良くなったらどうしようかと頭の中は雑念が渦巻いていた。
「ありがとうございます。
怖かったの〜」
だが松井に抱きついてきたのは人妻のリシアである。
若くて美人なリシアに抱きつかれてだらしない顔をした松井にマルガレーテはちょっと引いていた。
だがすぐに気を取り直して隣の小屋を指差す。
「あっちに伯父様とウォルフ将軍が!!」
だが松井は精一杯のキメ顔で答える。
「大丈夫です。
すぐにあちらも解放されますよ。」
その言葉の通りに隣の小屋で小爆発が起こったかと思うと、銃声が鳴り響いて黒ずくめの男達が出てきた。
実働部隊の第二班だ。
あちらは女性がいなかったので人質がいても強引に突入したようだ。
小屋から出てきたマイヤーとウォルフ将軍の姿を見ると、二人の女性も小屋から飛び出して抱き付いている。
親子ほども年齢差がある将軍とリシアのキスシーンは濃厚で公安調査庁の男達もマイヤーとマルガレーテも困ってしまう。
なんつうか、エロい。
みんなでマイヤーに視線を向けて大人の対応を求める。
「し、将軍。
仲睦まじいところ水を差すようですが、まずは安全なところまで・・・」
「おうそうだな。
では日本軍諸君、我らを安全な場所までよろしく頼むぞ。
我等は可哀想な人質だったのだからな。
食事にはワインもつけてくれよ。
あ、風呂も用意してくれると嬉しいな。」
平沢調査官は大陸の人間は自衛隊も警察や海保、公安もまとめて日本軍と呼ぶのをやめて欲しいなと思っていた。
松井調査官が人質達をトヨタ・ハイエースに乗せて出発する。
その前後を実働部隊のパジェロが挟んで町に向かった。
「平沢さん・・・我々の車は?」
「ひ、人質を送り届けたら迎えに来るようあのバカに連絡しろ・・・」
死体と備え付けた機器の処理の仕事が残っているの間違いない。
本来なら新人に任せる仕事だったのだが。
現場には調査官五名と捕虜が一名その場に取り残された。
「やれやれ俺もあのリューベック城行きか・・・」
捕虜がそう呟くと調査官達は微妙な視線を向けてくる。
その視線を不気味に感じながら己の身の処遇を聞いてみる。
「違うのか?」
「我々はね。
警察でも自衛隊でも無いのだよ。
君が我々にとって価値ある存在であることを祈ってるよ。」
356: 始末記 2016/03/09(水) 00:18:01.18 ID:2fCwS8t+(5/6)調 AAS
竜別宮捕虜収容所
収容所内部に突入した透明化した兵士達だがいきなり途方にくれていた。
城門を越えたのはいいが、リューベック城時代には華やかな庭園や練兵の為の広場は無粋な運動場に代えられていた。
問題はそこではなく、運動場と城門は金網で仕切られていた。
金網の上には有刺鉄線のおまけ付きである。
協力して突破したくても透明化しているので、互いがどこにいるかもわからない。
各々が持っている短剣で金網を切り裂き始める。
斬れないわけではないが、人が一人の通る大きさの穴を開けるには時間が掛かる。
スポットライトが城の内側を照らしているが、透明化しているので見つけることは出来ない。
三名だけがいち早く金網を切り裂き中に侵入する。
不思議と運動場には見張りがいない。
他の二名は透明化解除の時間までに金網を切り裂くことが出来ず捕まることになる。
突破した三名は城の入り口になるドアを開けようとそれぞれ試しているが、それぞれ鍵が掛かっている。
考えてみれば当然だ。
ここは収容所なのだ。
平時であっても普段から鍵が掛けられている。
だが兵士の一人鍵開けの技術をマスターしていた。
日本式の錠前でも開けることが出来る腕前だ。
誰でも出来ることではない。
必要な道具は先程切り取った金網に使われていた金属の線材だ。
他の二人は開いてるドアが無いかと探し回っているうちに透明化の魔法の制限時間が過ぎて全裸で立ち尽くしているところを拘束された。
最後の一人は鍵開けに成功したが、事前連絡の無い鍵開けは自動的に警備システムが発動して、ドアの上部に設置された赤色灯が警報音とともに光ながら回りだす。
咄嗟に城の中に入って絶望する。
「ま、また鍵と檻だと?」
収容所内の一般フロアと管理官達の管理エリアを区切る檻だ。
この奥にはさらに収容エリアを区切る檻と鍵があったりする。
警報に従って管理官や自衛官達が殺到してくる。
こんな落ち着かない状況では鍵開けの作業も捗らない。
そうこうしている間に時間切れだ。
大勢の自衛官や管理官が周囲を警戒している真っ只中に、素っ裸で鍵開けをしている男が文字通り姿を現したのだから。
357(2): 始末記 2016/03/09(水) 00:18:52.69 ID:2fCwS8t+(6/6)調 AAS
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