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635: 04/10/20 12:24:20 ID:vQb3Kj3s(1)調 AAS
A超先生、久弥、詠美じゃない方のちゃん様で。
でもテンパイするどころかむしろクズ手w
636: 04/10/20 12:55:52 ID:zh4UGIIP(1)調 AAS
そうだよ。ビルはサルベージ企業の元締めで
それで沈没船の探索に向かったら閉じ込められて
例の台詞を言うはめになったんだ。よく覚えてたな!!
俺は怪物に襲われて逃げた後に言った
「簡単な事だ、逆に殺してしまえばいいんだ!!」って台詞がバカっぼくて好きw
637: 04/10/20 18:26:07 ID:TWrZ4c7v(1)調 AAS
「うわっ! ……びっくりするじゃないか」
「ブラフを張るにはちょっと大げさすぎるわね」
「ははは、さすがに見え見えだね」
あまりに素で反応したために他の打ち手は全員口三味線だと思ったようだ。
薄笑いで誤魔化したものの、実はマジで驚いていたりする。
具体的にはこうだ↓
配牌
超先生 超先生 超先生 超先生 超先生 超先生 久弥 323ちゃん様
∧_∧
< `ш´> < オレニマカセロ
……流石は超先生、確率の偏りなんて無視してるぞ。
しかしこれはやっかいな事になった。
ここまで揃うと逆に伝説の役満『超一色』を狙いたくなるんだが
ポンが出来ない以上は他のプレイヤーが超先生を捨てるまでに
あと2枚自力で超先生を引かなければならない。はっきり言って無茶だ。
しかしスタッフ揃いの役を狙うにしても所属がバラバラ過ぎる。
久弥か323ちゃん様を引いて早上がりを狙うのが王道だが……
A ところがどっこい、超先生を2枚引き入れたぜ!
B 手出しで超先生を6回連続で捨てれば他のPLを威圧出来るかも
C ここまで偏るのはイカサマ臭いな。見張り達に問いただしてみよう。
D というか話の流れ的に次は芳晴が上がる番だった
638: 04/10/20 18:36:12 ID:Tbh8Gojc(1)調 AAS
Aでいきましょ
639: 04/10/20 20:53:39 ID:l4HVAjjT(1/2)調 AAS
「……………………」
「どうしたんだい?君の番だよ」
「ハッ!そ、そうだったよな。」
思わず意識が飛びかけてしまった。
あの後立て続けにさらに超先生を2枚引いてしまい、
3巡目にして幻の役満超一色をテンパってしまったのだ。
これはなんだい?俺、なんかのギャンブル漫画の主役?
某カードゲーム漫画の二重人格主人公並みの引きの良さだ。
しかも俺はイカサマ牌も使ってないぞ?
超一色は上がれば5000点、
ツモならその時点でこちらの勝ちだし
ロンでも一人を確実に挽回不可能になるくらい潰せる。
ここまできたら狙うしかない!!
「龍よぉぉぉ!お前の運をワシにくれやぁぁぁ!!」
「…誰の物真似だそれは」
「浩之くん、あなたの番ゆ」
ちっ。あっさり流されたか。まあいい、とにかくツモるぜ!!
640: 04/10/20 20:55:28 ID:l4HVAjjT(2/2)調 AAS
この次の書き込みの末尾1ケタの秒数により、
選択が決定します。
1 牌が多いぞ?駄目だ上がり放棄になった
2 いきなりアレイが豪快にずっこけた
3 その時!ビルが叫びだした
4 ゲゲェー!逆に相手に高めをツモられた
5 やった!奇跡的に超先生をツモった!大勝利!!
6 相手に高めを振り込んじまった!俺がハコテンかよ…
7 この声はなんだ?…超先生が直接語りかけてるのか?
8 コリンが妨害工作してきた
9 しまった!勢い余ってチョンボしてしまった
0 相手が超先生を捨てた!ロン!!
4か6か0が出た場合、芳晴かルミラ
どちらが上がったり振り込んだりしたかは次の書き手にお任せします。
641: 04/10/20 20:59:42 ID:xD9R4Ej1(1/2)調 AAS
何が出るかな♪ ↑この辺か?
642(1): 04/10/20 20:59:53 ID:UXT3BSER(1/3)調 AAS
5であることを願う。
643: 04/10/20 21:00:42 ID:UXT3BSER(2/3)調 AAS
ってズッコケかよ…
644: 04/10/20 21:00:43 ID:xD9R4Ej1(2/2)調 AAS
ぜんぜん見当ハズレだな・・・orz
645: 04/10/20 21:01:12 ID:UXT3BSER(3/3)調 AAS
また2→3だ。
646: 04/10/20 21:02:06 ID:yXzbZtPU(1)調 AAS
>>642
惜しい…あんたが先ならビルが
喋るだけでなく叫んだのにw
647: 04/10/21 01:02:25 ID:0Vp3dV7x(1)調 AAS
「わわっ!」
ビターーンッ!
龍二の後ろに立っていたアレイが何故かいきなり豪快にずっこけた。
さすがに雀卓に倒れてくるってことはなかったから勝負には差し障りは無い。
「ちょっと、びっくりするじゃないのよ!」
「大丈夫かい、アレイちゃん?」
近くにいた見張り役のコリンと健太郎がアレイに近付き様子を見る。
「あ、すみません。なんだか、すごい勝負の雰囲気に呑まれちゃいました」
すぐに起き上がって服についた埃を払って笑うアレイ。
どうやら無事だったようだ。
コリンと健太郎が笑みを返して定位置に戻る。
張り詰めるばかりだった一行の空気に穏やかなものが混ざる…ように見えた。
しかし、この穏やかな1シーンの間でさえ、戦いは続いていた。
(今の間に誰かがイカサマをしやがった…!)
今から指摘しても無駄だろうが。
誰だ、誰がイカサマをしたんだ…!?
A.隣のルミラ、やはり侮れない…。
B.隣の龍二、自分のすぐ後ろにみんなの目線が集まっている時に大胆な!
C.目立ってなかった向かい側の芳晴、ここで仕掛けてくるか?
D.実は俺。これで超一色ツモは確実だぜ!
E.転んだアレイ、あれは演技だったのか!?
F.アレイに歩み寄った健太郎、なるほどあんたもこの勝負に色々と賭けてるもんな。
G.アレイに歩み寄ったコリン、よく考えたら龍二の手を全部見れたんじゃあ…?
H.一見動いていないビル、一体何をした!?
648: 04/10/21 01:08:04 ID:Tu3Ipo2g(1)調 AAS
H
649: 04/10/21 01:14:28 ID:XAKvDQ0I(1)調 AAS
超一色テンパイの上に、
この面子の中で唯一
超先生の遺伝子を持つビルが動くか!
これは超展開の予感!!
650: 04/10/21 02:04:09 ID:dYj4bljo(1)調 AAS
この流れなら言える!!
雀鬼キャラ率が高いせいで
ビルがエビルとかイビルに見えちまうぜ!!
651: 04/10/22 10:11:06 ID:bVa35rJm(1/3)調 AAS
「しかしおかしいですね……何か急に押された気がするんですが」
さかんに周囲を気にしているアレイだが、場の全員が照れ隠しだと思っていた。
そこで俺も何かがおかしい事に気がつけばよかったのだが
奇跡の超先生連続3ツモが起きた事にに舞い上がってしまっていた。
そしてはまってしまった……まんまとビルのイカサマに。
「よぉぉぉぉぉっし!ツ……って、なんだこれは!?」
絶叫に近い歓喜の声を挙げながら牌を倒そうとしたとした俺の手の動きが止まる。
突然目の前に光り輝く障壁のようなものが張られ
それに当たって手が微塵も前に進まなくなってしまったのだ!
しかもどこからともなく(よせやい)の声が響き渡る。
「光子から慣性力を奪い、それを放射線状に揃え直すことで
己の望むままに空間に物理的な干渉を及ぼす……
君の学校の後輩にも同じ能力を持つ少女がいるだろう」
壁にもたれていたビルが突然饒舌に語りだした。
一見穏やかなようだが、奇跡の選択スレ登場に彼も彼なりに舞い上がっているらしい。
652: 04/10/22 10:13:15 ID:bVa35rJm(2/3)調 AAS
「……そういえば突然何かが吹き飛ぶ現象は琴音ちゃんの十八番だったな」
「わ、私ってガラスとかボール扱いなんですか?」
「私はこの能力をこのように呼んでいる。
深遠なる超先生の壁、Abyss Teacher Field……ATフィールドと」
「ビル……あんた、何の根拠があってそんな特殊能力を?」
「それでは逆に私から尋ねよう。超展開の伏線に根拠が必要かね?」
「う……」
ぐうの音も出ない。何故なら俺はLeafキャラだから!
……そんな面白くない冗談はともかく。
確かに誰彼の石原麗子に代表されるように、超シナリオの特徴は
『選択肢のあやでないはなくて、本当に伏線を張られていない設定が突然現われる』だ。
「龍二君がりーぽんに存在しない技を使い、それでゲームを止めなかった時点でこの勝負は
“りーぽんにない技を使っても相手を出し抜けば良し”……そういう事にはならないかね?」
「まったくその通りだな。でも……」
それまで行方を見守っていた健太郎が言った。
「超一色だけ阻止する上がり阻止なんて潰しの利かない技、今後役に立つのか?」
「 ど う し た ら い い ん だ 」
そんなこといわれても……
しかし少なくとも今この超一色を上がれないのは非常に痛い。
だが特殊能力合戦ならシナリオ数も多く選択スレの歴史も長い俺に一日の長がある。
それならば……この技をッ!
A TCG公式特殊能力『真剣勝負』で能力底上げ、力ずくで押し破るッ!
B 選択で俺の技と言えば千手観音愛撫しかあるまいッッッ!!(対象指定)
C 技などない。現実とは無常である。
653: 04/10/22 10:15:10 ID:bVa35rJm(3/3)調 AAS
ごめん修正ミス発見
選択肢のあやでないはなくて→選択肢のあやではなくて でお願いします
654: 04/10/22 10:36:17 ID:rL7i8WXZ(1)調 AAS
よし。朝で見事に人が居ねぇ。
Cでおながいします。
655: 04/10/23 15:47:27 ID:nRfsMCAW(1)調 AAS
保ッ守ュァアァアアアァアァア!!
656: 04/10/24 19:23:17 ID:n7g6KUiR(1)調 AAS
いやっほーう! 保守レス最高ーーー!!
657: 04/10/26 01:35:33 ID:5jfVIgJ+(1)調 AAS
この技なら…って、そんな都合のいい技がいきなり出せるわけがねえ!
だって、俺には超先生の遺伝子が流れていないから!
「ぬおおおおおっ!」
俺の手を遮る金色のA・T・フィールドを押し破ってみようとあらん限りの力をこめるがやはり破れない。
(よせやい)(よせやい)(よせやい)
頭の中でリフレインする言葉が俺の気力をどんどん殺いでいく。
くっ、このままでは超一色をあがるのは絶対不可能…。
これさえ、これさえあがれば勝利は確定なのに…。
どうすればいいんだ…
A.そのとき選択スレの寵児・主人公でエージェントの浩之は現状を打破するナイスなアイデアを思いついた。
B.タイミングよく仲間が助けてくれた。(龍二・健太郎・アレイから指定)
C.もはやここまで。俺はツモあがりを放棄して超先生の牌を捨てることに。現実は非情である。
658: 04/10/26 01:36:18 ID:8NaGMsBf(1)調 AAS
A がんばれ
659: 04/10/26 21:01:58 ID:BxlDHF1g(1)調 AAS
「ふっ、ふっふふふふふふふ…………」
「……何がおかしいのかね?」
「ついにこの選択スレ禁断の秘技を使うときが来たか」
「何?」
「これを使うと書き手の選択スレ書き手生命もアブナイという技。
そしてこの技の後ほかの選択スレ作品ではむこう5スレの間は同じネタは使えなくなるという技!!」
「……なんだそれは!? そんなの聞いてないぞ!」
ビルが思いっきりのけぞる。ふふっ、びびってやがる。
「ああ、お前たち選択スレ出演初心者には分からないだろうな。だが、今さっきお前が言った事と同じ意味の言葉を返してやろう。
ネタ選択肢の登場に根拠が必要かね?」
そうだ。俺の最終手段、ネタ選択肢。とっさのところでいいものを考え付けたぜ。
今まで登場回数0だったビルにこいつの恐ろしさは分かるまい。
ネタの一言で七瀬彰はNT能力を有し、相沢祐一はアーカードになり、那須宗一は出番だけに固執し、
エビバーガーは命を持ち、ハクオロは闇の神にされ、リアンは北斗神拳伝承者に、立川郁美は熟女にされたという過去の事実もあるのだ!
「……ぐっ。一体、何をするつもりだ!?」
「っははは! 見て驚きおののけ、必殺……」
A スレ容量の都合!
B 帰ってきた千手観音愛撫改良千手観音ツモ!
C 数レス前の話に戻る!
D コロニー(ry!
660: 04/10/26 21:08:01 ID:BFdlALj6(1)調 AAS
ひさびさにD
661: 葉田信鍵 ◆.T76NLtXTY 04/10/26 21:14:43 ID:iZCXaCmO(1)調 AA×
662: 04/10/26 22:45:02 ID:lx0LUh3q(1)調 AAS
やべぇ。剰りにもやべぇw
663: 04/10/26 22:57:03 ID:ixUCUpWs(1)調 AAS
「今だ必殺のコロニー(ry!って略されてわかんねーよ!」
一体何出そうとしていたんだ!俺!
「って逆だ!略されていて解らない……ならばここでみんなに選ばせればいいんじゃないか!!」
龍二さん……そうだ、ここは選択肢スレ!!
「スレのみんな!俺に力をわけてくれ!こいつを一気に叩き落してやる!!」
「させるか!」
防げるか!ビル!この
Aコロニーレーザーで邪魔な総てをピンポイント狙撃!
Bコロニー牌ゲット!これは混沌だから混じっていたどれでも好きな牌と交換できる牌だ!!
Cコロニー防御システム!あのビルを全力防御せざるを得ない状況に!
Dコロニー落としだ!(人類は浩之の行いに恐怖した)
EコロニーPC全使用でひろゆき(2ちゃん管理人)と同化!2ちゃん系総ての力を見ろ!
Fコロニーおならぷぅ!コロニー一つ分のおならの臭いを今奴だけの鼻に!
664: 04/10/26 23:02:27 ID:4ueoO47c(1)調 AAS
あんま混沌とするのもあれだし。
B
665: 04/10/27 17:50:02 ID:q+fwwoWe(1)調 AAS
A レーザー好き
666: 04/10/29 17:45:30 ID:UHby2hJJ(1)調 AAS
保守しとこうか
667: 04/10/30 01:55:16 ID:kBU9A9CI(1)調 AAS
コロニー牌…
かつて国家間の戦いはその人民への被害を最小にするため、国王とその側近1名が一同に会し、とある遊戯にて行われた。
4人が卓に座し、牌を集めて特定の形を成し、国家の財産を点数にして奪い合う遊戯。
たかが遊戯といえど国家を賭けた戦いなれば、不正も横行した。
その頂点がコロニー牌である。
葉翻雀(りーぽん)と呼ばれた軍師は、自国の確実なる勝利のために殺任意(ころにー)牌を常に袖の中に隠し持ち、自国が劣勢になる際に用いたという。
殺任意牌は、地面に叩きつけると共に大きな爆発を起こし、敵国の国王へとその欠片が襲い掛かり、それで国王を殺してしまえばよし、殺せずともその間に自らの牌を入れ換え超一色や人一色(のちの「りーぽん」)を揃えたのである。
葉翻雀が使えた国は栄えに栄えたが、その勝利のためには手段を選ばぬ恐ろしさゆえに殺任意牌ともども世から消された。
ちなみに、現在りーぽんと呼ばれるゲームの原型がこれであり、その名前が軍師・葉翻雀であることは賢明な読者の推察どおりである。
民明書房 『りーぽんいまむかし』より
かつて葉翻雀が使った殺任意牌…アレほどはヤバクナイが、俺が手にしたコロニー牌はなかなかに凶悪だ。
これを地面に叩きつけると、どうしてもその牌に気がとられてしまうという魔の牌。
普通に超一色をしあげることができないのなら、その一瞬の隙を突いて…仕掛ける!
「おおおっっ!!」
コロニー牌を気合と共に地面に叩きつける。
皆の注意が強制的にそれている、その隙に…
A.龍二さんの牌と俺の牌を全部交換する…これで龍二さんがあがれば勝ちだ!
B.『誰彼スタッフ』を揃える、これでそれなりに点を詰められるはず…。
C.あまりにデカイ手はむしろ怪しまれるか『オールスターズ』を揃えよう。
D.オリジナルの新コンボを作って、一気に点を稼ぐ…!
E.…って、ビルの気がそれているこの隙に超一色がツモれるじゃあないか!
668: 04/10/30 01:56:39 ID:wgFIjeXB(1)調 AAS
E
669: 04/11/01 20:11:49 ID:jcDDJCyD(1)調 AAS
…って、ビルの気がそれているこの隙に超一色がツモれるじゃあないか!
「超先生をコロニー牌で超先生にする、このRRで……超一色成立だ!」
自信満々に宣言する俺の背後で(ニッポンイチノヤクマンデス)と声が響いたような気がした
「まさかそんな手があるとは……これが選択式か……」
敗者となったビルは慌てふためくかと思ったが、意外にも静かに佇んでいた。
「サマで負けるか。俺も休んでるうちに腕が鈍ってたな。
今回はお前さんが味方で本当に助かった、そう思ったぞ」
「これがバイニンの勝負……俺は何も出来なかった」
「気にする事はないわ。私や龍二でも歯が立たなかったんだから」
「そんな対したもんじゃないよ、たまたま選択にちょっと慣れてただけさ」
実際に戦ったもの同士が得られる、不思議な連帯感。
しかし俺、芳晴、龍二、ルミラの4人はこれでプレッシャーから解放されたが
俺達に勝負を託した側はここからがプレッシャーに襲われている場面だ。
「それで、約束の……」
それが承知の勝負とは言え、大仕事を控えたビルから資金を奪う事になる。
その罪悪感からか、歯切れ悪く健太郎が話を切り出す。
しばし黙考した後、ゆっくりと目を開けたビルはこう答えた。
A 「仕方ない、約束の金を渡す事としよう」
B 「……その運が欲しい。次のサルベージに協力してくれないか?」
C 「さあ、心ゆくまで私の艶姿を視姦するがいい」
670: 04/11/01 20:13:10 ID:dRhSvLd9(1)調 AAS
Bでいってみよう!
671: 04/11/02 02:55:40 ID:HP6hV/i+(1/4)調 AAS
「では、いい返事を期待してるよ」
深夜0時。ビル達と別れた俺は健太郎さんとも一旦別れ、
喫茶エコーズにいた。
この喫茶店は芸能人や会社の重役、裏社会の者等が
秘密の会談をする場所として有名らしい。
俺はこの店でリサと待ち合わせをしていたが…
「ハイ、遅かったわね」
「なっ、なんで約束の時間より30分も
早く来たのにあんたがいるんだ!?」
「甘いわね、エージェントたる者
クライアントより1時間は早く来ないとダメよ」
「俺はクライアントじゃねえっつーの」
「で、いい結果は出せたの?」
「その事なんだけどな…」
俺はりーぽんの代打ちを請け負いそれに勝った事、
ビルにサルベージの仕事に誘われた事、
そのビルが今度サルベージする船が
前篁グループ総帥が命を落とした巨大タンカー
「アビス」である事…
「篁グループか…確かにこれは大事ね」
「俺もそう思ってリサに相談する事にしたんだ」
「私の方でも篁グループのについて何度も
調べてみたけど、ガードが固くてgoodな情報はほとんど入らないわね」
「だろうな…」
「ただ前篁総帥が亡くなる直前に、
美術品や財宝の類を輸送したらしいって怪情報はあったわ」
672: 04/11/02 02:57:19 ID:HP6hV/i+(2/4)調 AAS
「おそらくそれがビルの…」
「yes、そのアビスってタンカーでしょうね」
(本当に運びたかったのは美術品だけかしらね…?)
「何か言ったか?」
「uun、何でもないわ。それでミスター健太郎はどうしたの?」
「そう、健太郎さんの事もあるんだ。
健太郎さんはまだタンカーの仕事の裏にある闇を知らない。」
「でもタンカーの中に美術品が沢山あると知ったら?」
「間違いなく飛び付くだろうな。
ただでさえ代打ちの報酬も貰えなかったんだし」
「それに健太郎さんには俺が探偵だという事は
話したが、まだエージェントだって事はバラシしてない」
「不必要に私達の正体を教える意味もないしね」
そこまで話した時、ふいに扉が開いた。
673: 04/11/02 02:58:56 ID:HP6hV/i+(3/4)調 AAS
「しかし互いの利益は一致している、な」
「龍二さん!なんでここが!?」
「俺を誰だと思ってやがる。
一応雀士である前にプロの探偵だぜ?
それに俺もそこにいる女に呼ばれたんだ。
しかし…お前もエージェントだったとはな」
「リサさんに?」
「そうだ。俺も元々はこの女に
エージェントになってみないかと誘われたんだからな」
「龍二さんもエージェントだったんですか?」
「肩書きだけで肝心の仕事依頼は全然来ないがな…」
「ハロー龍二、顔赤いわよ?どうしたの?」
「てめえの方から呼んだ癖に。ルミラ以上に
食えない女だぜ…さっきまで久しぶりにルミラ達と飲んでてな。
メイフィアがあんな酒豪だとは思わなかった」
「それで、何故龍二さんを呼んだんだ?」
「俺もビルの誘いに乗ったからさ。
ビルにタンカーのサルベージを依頼したのは
やはり篁グループらしい」
「OK、やはり思った通りね」
「ビル本人は本当に依頼を受けただけで、
篁の連中とは無関係のようだ」
674: 04/11/02 03:01:32 ID:HP6hV/i+(4/4)調 AAS
「それにさっき龍二が言った通り今度のサルベージの仕事は
お互いの利益が一致しているわ」
「健太郎からあの後聞いたぜ。オークション
に出す骨董品を買う為の資金が必要らしいな」
「私達は篁グループの核心に迫る
情報を入手できるかもしれない」
「健太郎さんはオークションの資金、
上手くいけば骨董品その物を…」
「そして俺は貰い損ねた報酬を
改めてビルから受け取れる」
なるほど、誰も損をしない寸法だ。
「龍二はビルと私で二重契約してるけどね」
「ビルからはサルベージ後の探索、
リサからはタンカー内部の調査を命じられている」
後は健太郎さんを連れていくかどうかだ。
「それで健太郎はどうするんだ?」
「そうね…篁グループが絡んでいる以上、
仕事中に何が起きるか解らないし」
「俺も今度の仕事に素人は連れていかない方がいいと思う」
「お前だってまだ素人に毛が生えたようなもんだぜ」
とはいえタンカーの中に
物凄いお宝があった場合俺達では価値を判断できないかもしれない。
お宝が分かりやすい金銀ダイヤとは限らないんだからな。
むしろ骨董品ならガラクタと見分けが付かない方が自然だろう。
さて…大型タンカー「アビス」捜索に
A 健太郎を連れていく
B 健太郎は留守番
C 港まで同行させてビデオ通信で連絡兼鑑定係にする
675: 04/11/02 03:04:49 ID:Y9nTCc3E(1)調 AAS
A
676: 04/11/02 07:47:48 ID:gDiUMpfT(1/5)調 AAS
結局健太郎も仕事内容を話し、一緒に付いていく事になった。
リサも護衛兼調査で同行するし、まあ大丈夫だろう。
ちなみに健太郎にはリサの事は同じ探偵仲間だと言っておいた。
まだエージェントの事は言う必要はないだろう。
数日後。大型タンカーアビスが沈んだ近辺の港に
約束通りビルは現れた。
「来てくれたか…そちらの女性は?」
「リサよ。浩之や龍二と同じ探偵仲間」
「そちらは一人だけか?仲間はいないのか?」
「本来ならもう少し人数を集める予定だったのだが、
りーぽんの勝負で負けてしまったからね…」
「俺はあの時事務所と雀荘の土地を賭けていた。
あれに負けていたらこっちが無一文になってたんだ」
「まあそのおかげでこれだけ質の良い人材を
雇えたんだ、OKとしとこうぜ?」
「そうだな…量より質だ」
「ジョンやらジャックとか出てきても
俺以上に個性無いし扱いにくいだろうしな」
「龍二くん、何か言ったかね?」
「いや何も。独り言さ」
677: 04/11/02 07:49:52 ID:gDiUMpfT(2/5)調 AAS
早速俺達は潜水船に乗り込み、
海底深く沈むアビスの元へ向かった。
「なんだこれは…」
「unbelievable!!信じられないわ」
アビスは、浮かんでいた。
正確には海底の底に沈む事なく、
かといって浮かび上がる事もなく、
海底の中を潜行していたのだ。
「あの質量のタンカーでは一度でも沈んだら
再浮上はありえない…これは何かあるわね」
俺達は前面部にある沈んだ原因と思われる大穴から
内部に侵入した。だが、中はさらに異常な状況だったのだ。
「空気もあるし、電気も生きてるぞ」
「この船が沈んだのはもう一ヶ月も前なのだろう?」
「補助電源にしたって持つ時間じゃないわね…」
そう。このタンカーの内部は沈没してかなりの時間が経ったにも
関わらず、未だ空気もあれば電源も健在なのだ。
678: 04/11/02 07:51:55 ID:gDiUMpfT(3/5)調 AAS
「そもそも沈没した時のショックや水圧で、
窓ガラスが一枚も割れてないのがありえん」
「それどころか俺達が入ってきた入口以外は
水の一滴も濡れた形跡がありませんよ」
「そういや、このタンカーには食堂はあるのか?」
「この大きさだ、当然あるだろう」
「なら生き残った人がいるかもしれない」
「よし、まずは生き残りをさが…」
その瞬間!背後から爆発音が聞こえた。
「shit!まさか…」
大急ぎで音がした方に戻る。「ひでえ…滅茶苦茶だ」
爆発は俺達が乗ってきた潜水船で起きていた。
リサが調べた所、小型の爆薬のような物で
操縦する計器類だけを破壊してある。
「これでは地上へ戻れないぞ!!」
「潜水服はあるが、この水圧では
水に入った瞬間ペチャンコだろうな」
「but、でもこれで船内に生きた人がいるのが確実になったわね」
「ああ。そして一つしかない脱出経路をわざわざ
奪いもせずに破壊していくという事は…」
「そいつが脱出する方法を知ってるって事か!!」
「yes!浩之も賢くなってきたわね」
679: 04/11/02 07:53:33 ID:gDiUMpfT(4/5)調 AAS
そこまで話した刹那、今度は船全体が揺れだした!
「海の中で地震か?」
「違うっ!これは…タンカー自体が回転している!!」
「家具や置物が無い方へ逃げて!危険よ!」
そしてタンカーはゆっくりと回転し、ちょうど
天井が床になるように180度回転したら止まった。
「まさかタンカーの中でびっくりハウスを楽しめるとはな」
「これだけ船体が激しく揺れても水が入ってこない…
決まりだな、この船はどう考えても普通じゃない」
「とりあえずこれからどう…」
「待て!!」
いきなりビルに口を挟まれた。
「どうしたんだ一体」
「この状況…このシチュエーション…」
「今こそ私が一番輝く時だ」
そして彼…ビル・オークランドは
壁に寄りかかり、腕を組んで横を向き
寂しそうに、しかしどこか誇らしげにこう言った。
680(2): 04/11/02 08:00:26 ID:gDiUMpfT(5/5)調 AA×
681: 04/11/02 08:01:22 ID:B0lVLEkE(1)調 AAS
さてCでいってみよう
682: 04/11/02 08:05:24 ID:Y2RE8wZW(1)調 AAS
ビルはまさにこの瞬間の為に存在していたといっても過言じゃないなw
683: 04/11/05 11:13:34 ID:r1sRVRcV(1/4)調 AAS
「……………………………………」
皆の動きが止まった。
ビルが哀愁漂うのポーズを取ってから1分経過したが皆動かない。
否!動けないのだ。何だかわからんが
あのポーズを取っているビルには近付けないというか、
触ってはいけないというか…
強いて言うなら一世一代の名場面?
彼が彼たる彼らしい見せ場に超先生的威厳がミックスされて…
「だあっ!!何言ってんだ俺は!?」
しまった、思わず声に出しちまった。
だが俺の叫びで他の皆も我に返ったようだ。
「し、しかしビルさんこのままここでじっとしてても
状況は何一つ変わりませんよ?」
「そうだぜ、今は潜水艦を壊した野郎を追うのが先決だ」
「となると犯人はその連絡道を通ってくるしかないな」
「そうなりますね。我々がこの船に上陸して、
まずは反対側にある個室に入った。そしてすぐに爆発です」
684(1): 04/11/05 11:15:09 ID:r1sRVRcV(2/4)調 AA×
685: 04/11/05 11:16:38 ID:r1sRVRcV(3/4)調 AAS
「そんな事出来るのか?」
「爆弾に精通している人物なら可能ね。でも…、
それでも設置できるギリギリの時間かしら」
「しかし、T字路から中央部に行く通路は
完全な一本道です。しかも隠れられる障害物は無い」
俺も最初に個室へ向かう途中、
爆発音がして戻る途中両方とも
T字路を見たが人影は見えなかった。それにあの連絡通路は
ここから個室までの通路より倍以上はあるぜ。
「じゃあ30秒で爆弾仕掛けたとしても…」
「爆発して我々が元の部屋に急いでる時に
T字路で姿を見られているはずだ」
「走れば間に合うかもしれないが足音でバレる…」
「じゃあどうやっても我々に見られずに
爆弾仕掛けるなんて不可能じゃないか!」
「そういやビル、あんたはどう思…」
龍二はそこまで言いかけて硬直した。というか呆れていた。
なんとまだあのポーズのまんま動かずにいたのだ。
ちなみに台詞も喋っていない。
686: 04/11/05 11:17:31 ID:r1sRVRcV(4/4)調 AAS
「おいおっさん!聞こえてんのか?犯人が…」
「………」
俺がビルに詰め寄ろうとした時、
わずかにビルの体が動いた。すると突然、
ビルの寄りかかっていた壁の部分がまるで
忍者屋敷の隠し扉のように回転したのだ。
「これは…隠し部屋か?」
「ビルはまさかこれを最初から見破って…」
「すげえぜおっさん!ただの地味な親父じゃなかったんだな」
「フッ…よせやい」
カッコつけてるが寄りかかってて扉が回転したから
ブッ倒れたまんまのビルであった。
俺達は隠し部屋に入ったが、
部屋の中はさっきの船の反転でめちゃくちゃに散らかっていた。
「ここは書斎だったようだが…」
部屋の奥に鋼鉄でできている扉が見える。
鍵はかかっていないようだ。
どうする?
A この書斎を調べる
B 鋼鉄の扉の奥へ向かう
C 隠れていた爆破犯人の奇襲!
687: 04/11/05 11:18:09 ID:ufJR1RrR(1)調 AAS
B
688: 04/11/05 11:18:22 ID:3dKUrIFi(1/2)調 AAS
じゃ、Cで。
689: 04/11/05 11:19:27 ID:3dKUrIFi(2/2)調 AAS
_| ̄|○<ハヤスギダヨ…
690: 04/11/05 11:57:07 ID:48u20Xcw(1)調 AAS
444 名前を選択して下さい 2004/11/04(Thu) 21:22
この調子だと現行の話も打ち切りの予感がする
691: 04/11/05 13:00:38 ID:Wn57GCP2(1/11)調 AAS
「よーし、早速奥の部屋に向かうぜ!」
「この部屋は調べないのか?」
「犯人がこの奥に逃げたかもしれないんだろ?調べ物は後でもできるぜ」
「ここは浩之に賛成ね」
よし、じゃあすぐに隣の部屋へ・・・
ズダーーーーーーーーーン!!俺は思いっきりすっ転んだ。
倒れていたビルに足が引っかかったのだ。つーかまだ>>680のポーズのまんまかよ!!
「おっさん!いつまで固まってるんだ?早くいこうぜ」
「…私の役目は終わった…」
「はぁ?」
「…私の最大の出番、役目は>>680の時点で達成したのだ…もう悔いは無い…」
おいおい、いくらあんたの存在価値の99%は>>680の台詞に集約されてるからってそりゃないだろ。
692: 04/11/05 13:01:53 ID:Wn57GCP2(2/11)調 AAS
「おっさん!いつまで固まってるんだ?早くいこうぜ」
「…私の役目は終わった…」
「はぁ?」
「…私の最大の出番、役目は>>680の時点で達成したのだ…もう悔いは無い…」
おいおい、いくらあんたの存在価値の99%は>>680の台詞に集約されてるからってそりゃないだろ。
「しっかりしろ!!あんたの個性はその程度か!?」
「ど、どうしたんだ龍二さん?」
「自分の価値を自分で決めてしまってどうする?ましてやこれで出番が終わったなんて」
「しかし私は…」
「あんたがそんなんだから某スレで続き書けなくなったなんて言われてしまうんだ!!」
「個性なんてこれからいくらでも作ればいい!!それが選択スレってもんだろ!?」
「!!」
「俺も個性は薄い方だが…、まだまだ出番も欲しいし活躍もしてみせる!!」
「ま、それも選択次第だけどね」
ズコッ。
「リサ、このタイミングでそんな実も蓋もないこと言わんといて」
とにかく俺と龍二はビルのおっさんの足を持って引きずってでも隣の部屋に移動した。
鋼鉄の扉を開け、隣の部屋で俺達が見た物は…
A 犯人
B 死体
C 蜘蛛の群れ
D 骨董品の山
693: 04/11/05 13:02:02 ID:VW7JA7IO(1)調 AAS
Bだな
694: 04/11/05 13:03:50 ID:Wn57GCP2(3/11)調 AAS
書いた本人だけどおいおい早すぎ!!送信してから10秒たってないじゃん。
695: 04/11/05 13:21:10 ID:Wn57GCP2(4/11)調 AAS
俺達は扉を開け隣の部屋へ入った。電気がついていない。
「この部屋はなんだ?何もなさそうだが・・・」
電気を付ける。
「うわああああああ!!」
「これは・・・」
「死体、だな」
電気を付けた部屋には何もなかった。ただ、奥に扉が一つあるだけで
もう一つある物体は・・・死体だ。俺も映画やドラマ以外で実物の死体を見るのは初めてだ。
「死因はなんだ?」
「その前にこれを見て」
リサが入ってきた後ろの扉を指差した。
696: 04/11/05 13:22:07 ID:Wn57GCP2(5/11)調 AAS
「死因はなんだ?」
「その前にこれを見て」
リサが入ってきた後ろの扉を指差した。
「この扉・・・こちら側にはノブも何もついてないぞ!!」
「この部屋は向こうからは入れても扉を閉められたら開けることができない密室。
この人はたぶんあっちの扉からこの部屋に入って閉じ込められたか、
もしくは隠し扉を見つけてこの部屋に入ったはいいが扉を閉められて・・・」
「餓死したって事か?」
「いや・・・そうとも言いきれないわよ」
リサが死体を調べる。哀れな被害者の名前と死因は・・・
「」好きなキャラの名前を入れてください。但し、死体です。
A 餓死
B 銃殺
C 怪物に屠殺される
D 自殺
E 毒殺
697: 04/11/05 13:22:26 ID:HIirly2U(1)調 AAS
Eで
山田まさき(同棲のキャラ)
698: 04/11/05 13:24:16 ID:Wn57GCP2(6/11)調 AAS
だからなんで書き込んでから20秒足らずで選ばれてるんだよorz
しかも山田まさきって・・・ちょっと待っててね・・・俺がんばる
699: 04/11/05 14:30:06 ID:Wn57GCP2(7/11)調 AAS
死体の衣服を調べたが、紙とペンしか見つからなかった。
「これじゃ名前も判らないな。それにしても・・・こいつも・・・」
「ああ・・・地味だな」
「俺やビルも影が薄いが、こいつも相当なもんだぜ・・・」
死体とはいえ、いきなり会ってここまで言われるなんてこの人もついてないなあ。
まあ俺も前に話が始まっていきなり死んで食われたあげく
鳥葬にされたような記憶があるんで人の事はいえないが。
「これは・・・毒殺ね。死後・・・2週間って所かしら。でも・・・」
「でも、なんだ?」
「死んでそんなに時間が経ってる割には腐敗も少ないし、肌の色も綺麗なのよ。
毒薬のせいなのか、それとも・・・」
「おい!この紙に書置きが残してあるぞ!!遺書じゃないか?」
よし、早速読んでみよう。
700: 04/11/05 14:30:41 ID:Wn57GCP2(8/11)調 AAS
『僕の名は山田まさき。選択スレに初めて出られて気分はゴキゲンさ♪』
・・・なんだこれは。
「まあまあ、続きを読んでみようぜ」
『毎日バイト三昧の僕だけど、今日は1週間で100万円もくれる
すごい割りのいいバイトが見つかったから受けることにしたんだ」
タンカーに乗って薬を飲む臨床実験のバイトだというんで、
僕は当然この誘いに乗った。でもこれが今考えたら間違いだったんだ・・・』
「バイト?実験だと?」
「篁グループは薬の実験もやっていたのか?」
『僕は船に乗るなりいきなり注射を打たれ、この部屋に監禁された。
この部屋には何もない。窓から見える光で昼か夜かは判るけど・・・」
「窓から見える光か・・・という事はこいつが生きてる時はまだこの船は沈んでいないという事か』
「次の書き置きを読んでみて」
701: 04/11/05 14:31:19 ID:Wn57GCP2(9/11)調 AAS
『2日目。寂しい。早く家に帰りたい。まなみの待ってる家で思いっきりラブラブしたい!』
「こいつ、まだ余裕だな」
『3日目。かどうかは判らないけどこの船に乗ってから月が二回沈んだからたぶん3日目なんだろう。
あれから一度も誰も会いに来ないし食事も持ってこない。でも、なぜかお腹が空かないんだ』
「薬の影響か・・・?」
『4日め。僕はこれからどうなるんだろう?毎日バイトして、たまにパちンコやや喫茶店で
暇をつブして、そんな下らない日じょうが今じゃ懐かしく思える。
なんだか体が痒い。一体なんダろう?蚊に刺されたおぼえはないんだけど』
『5日め。体のかyuみが本格的になってき他。痒いかゆいカユイ。
なんで僕がこんな目にあわNaきゃならないんだ?誰でもいい、助ke手』
「おい、なんだか文体がおかしくなってきてないか?」
「やはり薬の副作用が出てきたみたいね。痒みもその一つでしょう」
『6IKAMめ。MOUこの書おききをきゃQUのも辛くなってきた。
まなみ、ごめん。もWu浮気はしないから。智美、佐伯恵とも会ワない。
理恵にもサソ割れたゲと、ぜっタイに会罠い。誓ううう』
「なんでこんな時に浮気の反省をしてるんだ?」
「もう精神も普通じゃないんだろう・・・」
『7のかメDSガギYsHJじょぽDGん視A案ESI愛TんヴTTきdbuあWyまおAァD蚊DねWS』
「・・・ついに壊れたか・・・」
「待って、次の書置きを見て」
『10日?11日目?あの後僕は気絶して2,3日ほど眠っていたみたいだ。
なんだか知らないけど凄く気分が良い。しかも体の痒みも全く無い。』
「いきなり復活したぞ?」
「次の書置きで最後ね。!これは・・・」
702: 04/11/05 14:32:00 ID:Wn57GCP2(10/11)調 AAS
『13日目。扉が開いてなんだか偉い人と軍人みたいな人達が大勢出てきた。
体を全部調べられた。そうしたら君は合格だ、なんて偉い人が言ってくれて
明日には家に帰してくれるらしい。バイト代もそのとき渡すとか。
やったよまなみ!これでようやく君にプレゼントも買ってあげられる。
とにかく明日だ。明日まで待とう。そうすればまなみと・・・』
「これで書置きは全部よ」
「13日か。リサの言った死亡推定時間とも一致しているな」
「でもこれは重要な事よ。書置きに出てきた偉い人というのは
この船で亡くなった前篁グループ総帥かも」
「そうとも言い切れないぜ?偉い人、としか書かれてない。
現篁グループ総帥かもしれないし、他の人物かもしれない」
「この大勢の軍人達、というのも気になるな」
「それについては少し心あたりがあるかもしれないわ・・・」
「とりあえず篁グループがこの船で骨董品隠し以外に何かとてつもなく
ヤバい事をしていたのだけは確かだ。その結果が、この有様だがな」
「これからどうする?」
「そうね・・・」
「なんだか嫌な予感がするぜ・・・」
「どうした浩之?」
「これってよー、俺が遊んだことあるバイオなんとかってゲームにそっくりなんだよな」
「何がだ?」
「この雰囲気だよ、雰囲気。ふいんきじゃなくて雰囲気ね。
このパターンだとおそらく次にとんでもないアクシデントが・・・」
「フーーーーー・・・浩之、ゲームとリアルを一緒にしちゃ駄目よ」
「それもそうだな。ごめん、どうも異常な事ばかり起きすぎて過敏になりすぎた・・・」
703: 04/11/05 14:32:54 ID:Wn57GCP2(11/11)調 AAS
とその時!!!!!
A 『かゆうま』まさきがゾンビになり復活!やっぱりお約束かよ!!
B 突然後ろの鋼鉄の扉が閉まり前の扉にも鍵が掛けられた。閉じ込められたか!?
C 突然壁という壁から毒ガスが!!
D さらに船が回転180度回転!って元に戻っただけか。
E 奥の扉から何か物音が聞こえるぞ。犯人か?
F 突然奥の扉が開き、中から大量の軍人達が
G 何か落ちてきたぞ・・・うわこれは蜘蛛だ!しかもでけえ!!
H 鋼鉄の扉が閉まり、俺達は二手に分断されてしまった(誰と誰に別れたかは次の書き手におまかせ)
704: 04/11/05 14:48:25 ID:zsTmbcLc(1)調 AAS
F
705: 04/11/05 18:24:17 ID:WQNEGB9R(1/3)調 AAS
とその時!奥の扉の向こうから足音が聞こえてきた。
「犯人か?」
「よし、とっ捕まえてやろうぜ!」
「7、8、9…shit!みんな、戻って!」
リサのかけ声で俺達は全員その部屋から出て、
鋼鉄の扉をすぐに閉めた。
「これで連中はこちらには来れないわ」
そうだ、この扉は一方通行で
あっち側にはノブも何も無いんだったな。
「どうして捕まえなかったんだ?こっちは5人もいるんだぞ」
「crazy?素性も目的も解らない相手にいきなり
飛びかかるのは得策ではないわ」
「これはリサさんの言う事が正しいね」
「ましてや爆弾や武器を持ってる確率が限りなく高いし、
それに…人数でもこちらが不利よ」
「何人いたんだ?全員の足音が聞こえたのか?」
「まあね。おそらく10人以上は…」
そこまで話した瞬間、
鋼鉄の扉の向こうからドアが開く音、
そしてドカドカと大勢の人間が部屋に入る音がした。
「どうする?今ならまだ連中に気付かれてないと思うが」
「それは相手次第だな…もし相手が爆破犯人なら、
当然俺達が追いかけてきてるのを読んでるはずだ。
つまり大勢の足音は囮で、実はまだ書斎に…」
「それはないわね」
「これまた簡単に否定するなあ」
706: 04/11/05 18:25:28 ID:WQNEGB9R(2/3)調 AAS
「考えてもみなさいよ。もし書斎にまだ犯人がいるとしたら、
さっき私達全員が死体のある部屋に入った時に
一方通行の扉を閉めてるはずよ」
「大勢の足音の連中とグルであるにしろないにしろ、
俺達を閉じ込めた方が犯人にとって有利だろうしな」
「そういやその大勢の連中は?」
ビルが持ち前の存在感の無さで扉の側に立ち、聞き耳を立てている。
「どうすればいいんだ…」
「おっさん、いつもの台詞言っている場合じゃないだろ」
「違う…声も気配も感じられないんだ…」
「そんな馬鹿な!確かに大勢の足音がしたんだぞ」
「いや、それだけの人数で死体入りの部屋に
侵入して話し声一つしないのも怪しい」
「あの均等に統一された足音のリズムはおそらく軍人ね…
プロの軍人なら気配を殺し手話や暗号で会話する事もありえるわ」
707: 04/11/05 18:28:11 ID:WQNEGB9R(3/3)調 AAS
「ではさっきのまさきさんの書き置きの…」
「yes。その兵隊達がまだこの船に残ってるかもしれない」
「それこそ何が目的なんだ?」
「こうしていても仕方ない、行動に出るべきだ」
「よし…私が覗いてみよう」
そう言ったのはビルだ。
「先ほどの龍二くんの一言は効いたよ…
やはり見せ場は自分で作らないとな」
「確かにビルさんなら気配を悟られる心配は皆無ですしね」
「どういう意味かね?」
「いいからいいから。おっさんなら上手くいくって」
「危険を感じたらすぐに閉めてね」
「わかった…では見てみよう」
ビルは鋼鉄の扉をほんの数ミリだけ開け、
隙間から内部を伺った。
だが、中を覗くなりすぐに閉めてしまった。
「どうした?何があったんだ?」
「どうすれば」
「それはもういい!」
「いや、本当にどうすればいいんだ…
私はあんな光景を見るのは初めてだ」
「だから何があったんだ?」
「驚かないで聞いてくれ…。
確かに軍人が大勢いた、だが…」
A 全員ゾンビと化していたのだよ
B 何かに操られているようだった
C 肌に生気がない。先ほどの薬を打っているのか?
D 幽霊だった…道理で気配を感じないはずだ
E 誰もいないんだ。死体も消えてしまった
F 信じられないかもしれないが…死体を生き返らせていた
708: 04/11/05 18:29:02 ID:cpAWYQ+E(1)調 AAS
Fで混沌と
709: 04/11/05 21:35:03 ID:5cWlx4A9(1/4)調 AAS
「聞いて驚くな、なんと死体が蘇っていたのだ」
「死体!?山田まさきの事か?」
「そうだ、なにやら軍人らしき連中が注射を
死体に打ち込んだ。すると…」
「すると?」
「死体の目が開いて、…私と目が合ってしまった」
「マジかよ!」
「私は恐ろしくなってすぐに扉を閉める他はなかった…」
死体を生き返らせる薬?いよいよオカルトじみてきやがったぜ。
「もう一度覗いてみるか?」
「それは止めた方がいいわ。死体が生き返ったのが事実なら、
その蘇った彼と目が合った時点でこちらに気付かれたかもしれない」
「その死体がどれほど意識が覚醒していたかにもよるが…」
「どちらにせよ軍人の群れにこれ以上関わるのは自殺行為だ」
そうだな。やはりここは戻ってさっきの
T字路から行くのが安全だと俺も思う。
710: 04/11/05 21:37:12 ID:5cWlx4A9(2/4)調 AAS
「じゃあすぐに戻ろう」
「健太郎さん?何をしてるんだ?」
「浩之君…ここにある本は全て生命の研究に関わる物ばかりだ」
そうだ、ここは書斎だったんだ。俺は近くに散らばっている本を
適当に拾ってみたが、進化の歴史、大脳生理学、
魔法に錬金術の本まであったが
共通するのは全て寿命や生命、不死等
命を伸ばす事柄に関する情報を集めた本ばかりだという事だ。
「さっきの死体蘇生…あれも関係しているのか?」
そういえば篁グループ前総帥はこのタンカーで命を落としたと聞いたが…
「まさか!」
「そのまさかも有り得るかもしれないわ」
「この船自体、工業用大型タンカーは仮の姿かもしれない」
「船の形をした研究所…とでも?」
「あくまでも仮説、だよ。でもそれなら
この船が沈没に見せかけて今もこうして稼働している事の説明になる」
「まだ電気の供給源も数々の怪現象の謎も解けていないけどな」
そういや電力や水圧で割れない窓ガラスも謎だが
あの船体自体の大回転。あれが一番の謎だな。
あんなの大迷惑だろうに。動力源の暴走か?
「何か大きな力を手に入れたのはいいけれど、
まだそれを使いこなせていないのかもしれないわ」
711: 04/11/05 21:38:25 ID:5cWlx4A9(3/4)調 AAS
「でも妙だな…。この部屋は書斎だろ?
いくら大切な資料があるとはいえ、わざわざ隠し部屋にするかい?」
「何か隠さなければいけないほど大切な資料があるとか」
「案外そうかもしれないわね。例えばその本とか」
そういってリサが指差した先には
一冊の古ぼけた埃まみれの本があった。
他にも年代物の書物はあるがこれだけ明らかに古い。
「相当のビンテージ物だな…百年、いや二百年は昔のか」
「凄いな…これ一冊だけでもかなりの価値がありそうだ」
「健太郎さん、悪いけど読んでいる時間は無いぜ」
まずはT字路へと向かわなければならないのだ。
とりあえずこの古い本は持っていく事にした。
712: 04/11/05 21:39:59 ID:5cWlx4A9(4/4)調 AAS
部屋を出て、T字路に向かう。
「死体があった部屋と軍人達が歩いてきた足音の
方角から計算すると、この先のタンカー中央部で
連中と鉢合わせする確率は限りなく低いと思うわ」
それでも中央ブロックに変わりはないんだろう?
タンカー内の全てのブロックへの連絡通路に
足を踏み入れる訳だから、見つかる可能性はむしろ限りなく高いような…
「リサ姉さんを信じなさいって。ほら、行くわよ」
俺達はT字路を突き当たり、中央ブロックへと繋がる扉の前に着いた。
やけに扉のノブの位置が高い。そうだ、今この船は
回転してるんだった。今歩いてきた廊下は天井で、
この扉も逆さになっている。
「吹き抜けの天井なんかあったら危ないな」
「ああ、逆になれば大穴だからな」
ドアを開け中央ブロックに入る。そこに広がる風景は…
A 普通の連絡通路
B 無重力空間
C 巨大な吹き抜けになっている通路
D 培養カプセルが置いてある研究ラボ
E ホテルのパーティ会場並みの豪華な大広間
F 謎の動力源が稼働している施設
713: 04/11/05 21:45:48 ID:j2GZCG45(1)調 AAS
秘密の研究所といえば、<<D>>で。
714: 04/11/05 21:46:12 ID:FlUAvCnR(1)調 AAS
よし、Fだ。
715: 04/11/07 00:32:52 ID:LALSnTf2(1/5)調 AAS
扉を開け中央ブロックに侵入すると、
想像外の光景が広がっていた。
散乱している実験用具、飛び散った液体…
「どうやらここは何らかの実験施設だったようだ」
「しかしこの散らかりようはなんだ?」
「当然、さっきのタンカー回転による被害だろうな」
「あれを見て」
目の前には人一人は余裕で入れそうな
大きなカプセル…の残骸が多数あり、
その近くには動物なのか、魚なのか虫なのかも解らない
異形の生物の死体が転がっている。
「なんだこの気持ちわりい死体は!?」
「こっちの死体は手が7本、足が3本ありますよ」
「こいつなんか目玉が口の中にあるぜ…」
「いわゆるキメラ、合成獣の類か…」
「この船で大掛りな研究をしていたのは
これで間違いなくなったわね」
「11、12、13…おい、足りないぞ!」
「どうした?」
「今割れているカプセルと死体の数を数えてたんだが…」
「まさか、数が合わないとか?」
「そのまさかだよ」
「あそこに一匹いるぞ!」
716: 04/11/07 00:34:14 ID:LALSnTf2(2/5)調 AAS
俺は部屋の角で死にかけている虫のような物を見つけた。
「まだピクピクいってるぞこれ…」
「NO!浩之離れて!!」
「え…」
俺がリサの声に反応した時には、
もう虫が目の前に飛びかかっていた。
え?なに?虫?俺?どうして?
なんであんな距離からいきなり目の前?俺死ぬの?
一瞬が物凄くスローに感じられる。
スローな感覚で俺が見た物は、
数メートル先で今まで痙攣してた怪物が突然起き上がり俺に飛びかかってきて、
俺の首に噛みつこうとしてきた。
で、次の瞬間には銃声がして目の前の怪物は吹き飛んだ。
ここで俺は我に返り、みんなの方を振り返ったら
リサと龍二さんが拳銃を構えて立っていたんだ。
「い、一体何が…」
「バカッ!!」
思い切りリサにビンタを貰う。
「あなた自分が今死にかけていたのも解らないの!?」
717: 04/11/07 00:35:40 ID:LALSnTf2(3/5)調 AAS
「迂濶だぜ浩之。今俺とリサが撃たなかったら
間違いなくお前は殺されていた」
「少しでも危険を感じる状況では細心の注意を
払う。エージェントの鉄則よ」
「実験生物が逃げてる、という時点で気持ちを
切り替えなきゃならねえ。ただでさえ軍人がウロウロして
「さっきの行動はエージェントとして失格よ」
「リサさん、龍二さん…ごめん」
「もう二度と危ない真似はしないで。約束して」
リサさん…眼がうるんでる。俺のせいで…
「約束する。もう絶対迂濶な行動は取らない」
「OK。じゃあ先にいきましょ」
「おいおいそんなあっさりでいいのかい?」
「本人が非を認め、自覚し覚悟を決めたのなら
それ以上言う必要はないわ。後は浩之次第よ」
そうだ。俺はエージェントになるんだった。
それなのにまだ見習い気分でいて…
こんなんじゃ到底プロのエージェントになんかなれやしない。
気を引き締めなければ。
「リサさんなんで拳銃を…しかもエージェントって」
そう言ったのは健太郎だった。
「oops…私もプロ失格ね」
718: 04/11/07 00:38:01 ID:LALSnTf2(4/5)調 AAS
リサは仕方なく自分と浩之が探偵ではなくエージェントだという事、
自分が浩之の上司である事を健太郎に話した。
「なるほどそういう訳だったんですか…」
「ごめんな健太郎さん、別に悪気があって隠してた訳じゃないんだ」
「でも龍二、あなたも銃を持っていたなんてね」
「もう使うまいと思っていたが…仕事が仕事なんでな」
「前にも銃を使っていたような口ぶりね」
「正確には使えなかった、だな…
昔の仕事で俺は魔族と勝負し、勝った」
「ひょっとしてこの前のりーぽん勝負の…」
「そう、ルミラだ。俺は彼女の力を封じようと
銀の弾丸を込めた銃で撃とうとしたが…」
「撃てなかったのね」
「俺もあの時はヤキが回ったと思ったぜ。
いつのまにか情にほだされちまったらしい」
「本当に情だけかしら?」
「まあいいさ…今じゃ思い出話さ。
だが…銀の弾丸はまだ俺が持っている。
さっき撃ったのは普通の弾丸だがこれは一発しかない」
「そんなに凄い弾なんですか?」
「ルミラほどの魔力を持つ化物でも
完全に無力化させられるな」
719: 04/11/07 00:39:07 ID:LALSnTf2(5/5)調 AAS
「まさに必殺技か」
「これを撃たせるだけの怪物はいないと信じたいが…」
「他に逃げたキメラがどんな姿形をしているのか
解らない以上、用心だけはしておきたいわね」
警戒しつつ、さらに先に進む浩之達。
幸い兵士にも怪物にも合わずに
実験施設の中心部に付いた。
そこで見た物は…
A 骨董品、美術品を保管している金庫
B おびただしい数の惨殺死体
C 人体実験の為の「材料」を入れておく牢屋
D ミルトのAIを組み込んである巨大エンジン
720: 04/11/07 00:40:34 ID:kR50mk0d(1)調 AAS
D
721: 04/11/07 18:13:32 ID:I788oPSu(1/4)調 AAS
「お久しぶりです。リサ様」
中心部に入るなり突然声が聞こえてきた。
「この声は…ミルト!あなたなの?」
「そうです」
ミルト?リサの知り合いか?名前からすると
外人のようだが…声は聞こえど姿が見えない。
「ミルト、どこにいるの?」
「貴女の側にいます、リサ様」
何言ってるんだ?リサの近くには誰もいない。壁しかないじゃないか。
「まさかミルト…これがあなたなの?」
「お察しの通りでございます」
リサだけが全てを知ったような顔をして驚いている。
「リサさん、一体どういう…」
「紹介するわ。彼女がミルト、私の知り合いよ」
そう言ってやはり壁を見る。
なんなんだ?ふざけているのか?
「おい浩之、この壁…」
「なんだ?…!!」
触れてみて初めてわかった。この壁は振動している。
いや、逆さになっているから気付かなかったが
剥き出しのギアや機械の部品のような箇所も所々に見受けられる。
「じゃあミルトって…」
「ご名答。超高性能AIよ」
つー事はなんだ?目の前の壁がミルトで、しかも話せる上に
リサの知り合い?ますます訳わかんねぇ!!
「彼女は元々車に搭載されていたAIなのよ」
722: 04/11/07 18:16:34 ID:I788oPSu(2/4)調 AAS
「しかし今はこの船の動力兼演算回路、という訳か」
「ミルト、あなたが何故この船の動力源に?」
「少し長くなりますがお話し致します」
ミルトの説明が始まった。
まず、宗一というエージェントが
篁グループの骨董品・美術品輸送に
このタンカーを使用しているのを突き止め、
ミルトと共に単独、独断で潜入した事。
潜入した時期は今から一ヶ月前だ。
宗一…俺も何度も名前を聞いた最強のエージェントか。
彼ほどの男が何故ここに…
「一ヶ月前というと、この船が沈没した時期と一致するぞ!」
「しかし宗一もあなたも篁の連中には顔が
知れわたっているはずよ。」
「そこでマスターは私に変装しろと言いました」
「変装?宗一じゃなくてミルト、車だったあなたが?」
「マスターも思いきった事をします。
まさか私自身をタンカーに取り付けるなんて」
なんと宗一はミルトのAI本体その物を
車体から取り外し、タンカーに忍び込み
この巨大エンジンを見つけて取り付けたのだ。
「スーパータンカーミルトの誕生ってか?」
「ミルト自体は小型のコンピュータ…でもオンボードAIだから
他の機械に取り付けるのは不可能のはずよ」
723: 04/11/07 18:18:45 ID:I788oPSu(3/4)調 AAS
「来栖川重工の長瀬源五郎氏にマスターが
協力を求め、特殊金属性のコネクタを製作してもらえました」
「源五郎!?マルチを作ったおっさんか?」
「あら、知ってるの?」
「ああ、何度か会った事もあるぜ」
「このコネクタは端子部や接続穴に合わせて
形状を変えられるので、どんな機械にも取り付けるのです」
「しかしやる事が大胆だな…敵の船に潜入した上
動力まで乗っ取るとは。かなり危険だぞ」
「それこそが、彼がNASTY BOYと言われる所以よ」
「で、その宗一はその後どうしたんだ?」
「マスターは私をエンジンに装着し、機器管制の支配
及び船内のデータを全て盗むつもりでした」
「データ?これはただのエンジンだろ?
そういう情報や操縦系統は専用の演算室が…」
「このタンカーはエンジンとメインコンピュータが
直結、一体化しています。セキュリティシステムや
防衛機構もコンピュータにより制御されています」
「全て機械任せという事か」
「この大きさのタンカーを全部監視するには、
人員を裂くより機械に任せた方がいいかもな」
「そこに付け入る隙があったって訳だ」
「ですがプロテクトが仕掛けてあり、
すぐに掌握はできませんでした」
「まあ当然よね」
724: 04/11/07 18:20:56 ID:I788oPSu(4/4)調 AAS
さらにミルトの話は続く。
すぐにクラッキングができないと解ると
宗一はここはミルトに任せ、
船内をさらに調査しに行ったらしい。
その途中でさっき俺達が見た培養カプセル、
奇妙な生物を確認しこれを通信機でミルトに報告。時を同じくして
ミルトもプロテクトを一部解除、船内の全ての部屋の位置、名前を確認。
「マスターはすぐに美術品の保管室の場所を調べ、
向かおうとしましたがその途中で予想外の人物と遭遇したのです」
「予想外?誰なんだそいつは」
「篁総帥です」
「このタンカーで死んだと言われるあいつか」
「やっぱりね…」
「マスターは驚きましたが、即座に考えを
切り替え尾行を決意。この時点で通信は
危険と判断し切られました」
「おいおい無謀すぎんぞ!」
「それから数時間、マスターからの連絡もないまま
私はプロテクトの解除に全力を注ぎ続け…
ついに二段階目を解除しました」
二段階目に解除できたのは船内の全ての監視カメラとマイクの制御だ。
「それと同時にマスターから通信が入り、
緊急事態であると告げられたのです」
ミルトの口…ではなく音声端末から発せられた主の危機とは?
A 篁に見つかっちまった。只今逃亡中だ
B 篁の手駒とは違う連中の襲撃を受けている
C 怪物だ!さっきの実験体か?
D 篁が殺された!!犯人を追尾中だ
E このタンカーはもうすぐ沈没するぞ!!
725: 04/11/07 18:26:16 ID:D27rg3fw(1)調 AAS
悩むな…ここはBだ!
726: 04/11/07 21:02:41 ID:5aDLUYj0(1)調 AAS
もう4分くらい悩めよぅ…
727: 04/11/07 21:49:29 ID:428es6bU(1/4)調 AAS
「『篁の手駒とは違う連中の襲撃を受けている』との報告を受けました。 篁もその場に
いましたが、彼にとっても予期せぬ襲撃の模様でした。 その襲撃以後マスターとの交信
は途絶えたままです」
無機質な合成音声ではあるが重苦しい雰囲気が場に流れた。
特にエージェントとして彼の実力を知っているリサや龍二はその言葉に驚きを隠せなかった。
「船内のセキュリティで調べられないの?」
「分りません…その混乱で船内の監視カメラが故障してしまって…ですが、その後の足取りを
追う限り篁、マスター、襲撃者はどうやら油槽部分の一部移動したと思われます。そこには改造が
施されており動力、回線共に船内のコンピューターから独立しており、
恐らくそこにいると思われます」
ミルトの入力端末のモニターにタンカーの概略図が示され、船の油槽部分の先頭から
1/4が赤く記された。
「敵の正体については分らないのか?」
「監視カメラの映像が残っています。 今から表示します」
モニターに映し出された映像それは──
A 黒尽くめの武装集団
B 獣のような耳を持った黒装束の集団
C 黒髪のと、乳のでかいのと、おかっぱのと、小学生みたいな女性が四人
D 長髪、長身の鋭い目をし剣を持った女性とリボンの女性
728: 04/11/07 21:50:51 ID:qzpUu1uZ(1)調 AAS
C
729: 04/11/07 21:51:22 ID:NyyLNhtX(1/2)調 AAS
Aだな、
730: 04/11/07 23:07:01 ID:428es6bU(2/4)調 AAS
監視カメラは篁を中心とした十数人の集団を写していた。宗一は曲がり角に身を隠しながら
篁を尾行していた。すると突然、壁が切り裂かれた。
そこから黒い影が4つ現れ、篁に襲い掛かる。彼は老人とは思えない身のこなしでそれを
かわし、間合いと取る。監視カメラには4人の女性が映し出されていた。
その中の黒髪の女性が篁に向かい、口を開いた。
「…篁。 耕一さんを返してもらいますよ」
「耕一…ほう、もしや柏木の娘か。 奴を捕らえるのには手間取ったぞ。 戦闘ヘリ
三機をスクラップにし、このワシに手傷を負わせたのだからな」
「てめぇ、耕一に何しやがる気だ!」
ショートカットの勝気な少女が篁に怒鳴りかけた。
「無論、柏木の血…鬼の力を頂く為 」
篁は彼女らを小馬鹿にしたように見下し、嘲笑する。当然と言わんばかりの態度だ。
「くっ…ッ!!」
その態度に彼女は画面越しでも見るものを恐怖させる怒りを露にした。
周囲の兵隊もその鬼気に気圧されるが、篁はそれを何処吹く風で受け流していた。
「ふっ…だが生憎ワシはお主の相手をしている暇はない。 任せたぞ」
「はっ!」
篁は数名の兵隊を引き連れ先に進む。残った兵隊は進路を塞ぐ形で彼女らに銃を向ける。
「邪魔立てするなら…梓、楓、初音、行くわよ!」
「「「はい!」」」
彼女らは銃を持った兵隊相手に生身で立ち向かっていった。宗一は巻き添えを避けるため
その場から立ち去っていった。その後、監視カメラの映像は切れてしまった。
戦闘の余波を受けてのものだろう。
731: 04/11/07 23:08:01 ID:428es6bU(3/4)調 AAS
「ジーサス…生身で壁を切り裂く超人なんて…」
「に、人間じゃねえな…」
「反転したまま沈んだタンカーに蘇る死体。 どうやらこのタンカーにはとんでもないものが
眠っているようだな…脱出手段ない以上はその不明区画に行くしかないようだが…」
「兎に角だ。ミルトさん、そこの区画に行くルートを教えてくれ」
「分りました。 マスターを必ず助けてください」
ミルトのモニターにそこへ行くルートが示された。全長380m、幅70m、深さ30mの超巨大タンカー
だ。縦にすればそん所そこらの超高層ビルより巨大だ。とは言え反転してしまったのが原因で
いくつかの扉が動かなくなったり、浸水し閉鎖された区画があるので真っ直ぐ進める訳では無さそうだ。
「ここは機関部だから…結構あるわね。 しかも他の油槽部分も結構手を入れているみたい」
「って言う事は…さっきみたいな化物が…」
「その可能性もあるし、もしかしたら生存者もいるかもしれないわ」
「び、美術品とかはどうするんだ?一応それが目的な訳だし」
「…脱出できるか怪しいのにがめつい奴だな。 リサさん、それらしき区画は?」
「無いわね。やっぱりここの独立している区画かしら」
暫く進むと、改造区画の一部の扉の前にやって来た。
「リサさん、この区画は?」
「えっと…ここは…」
A 食堂
B 研究室
C 研究員寝室
D 倉庫
732: 04/11/07 23:11:24 ID:NyyLNhtX(2/2)調 AAS
B
733: 04/11/07 23:12:30 ID:LelJQRM8(1)調 AAS
A
734: 04/11/07 23:23:33 ID:428es6bU(4/4)調 AAS
「第三研究室…って表示されているわ。 さっきのところが第四研究室みたい」
「ってことは…」
「さっきみたいに化物がいると言う訳か」
「と、言う訳でビルさんお願いします」
「…随分な役割だな。 とは言え『絶対に出番が無い』とまで蔑まれた私の数少ない出番だ」
ビルは扉を数ミリ開け中を覗いた。そこには──
A 割れたカプセル群と異形の生物が1匹
B 人が倒れていた。死体では無さそうだ
C 妙な植物が部屋中にびっしり生えていた
D 敵の兵隊がいた。数は…2人
E スカ。特になし
735: 04/11/07 23:28:14 ID:husRWX8I(1)調 AAS
B
736: 04/11/08 01:11:13 ID:5CVnXmIm(1/2)調 AAS
「人だ!人が倒れているぞ!!」
まさか宗一?すぐに駆け寄るリサ。だが…
「違うわ。でも…彼がこんな所にいるのも不思議ね」
なんと、倒れていたのは山田まさきだった。
よく考えたら宗一が潜入し鬼が暴れていたのは一ヶ月も前の事だ。
そんな長期間沈んだ船の中で生きていられるだろうか?
「さっきのタンカー反転事故から考えると
鬼はまだ生きていると考えた方が無難かもしれんな」
「あんな事できるのはそいつらぐらいだろうしね」
「宗一は生きているわ。彼はこんな事くらいで死ぬ人じゃない」
確かにミルトの口ぶりからも宗一が餓死するとか、
そういう心配の類はしてなかったようだ。
よほど腹持ちがいいか、食糧の確保をしているか…
とにかく今は目の前の彼から何が分かるか、だ。
「一応念の為に銃は構えておいて」
「OK」
龍二が拳銃を突き付け、リサが油断無く近付く。
もし怪物化していてもすぐに対応できるように。
何しろ一度確かに死んでいるんだからな。
ビルの証言だと薬で生き返ったというし。
「じゃあ起こしてみるわよ」
リサが体を揺する。やはり息もしているし体温もある。
737: 04/11/08 01:11:42 ID:5CVnXmIm(2/2)調 AAS
「うーん…」
目覚めたまさきの反応は…
A 普通に起きた
B やはりゾンビ化していた
C 記憶を失っていた
D 耕一の人格が移植されていた
E 篁の人格が移植されていた
738: 04/11/08 01:12:20 ID:uROuAbL0(1)調 AAS
E
739: 04/11/08 04:10:31 ID:43WBvEYm(1/5)調 AAS
「ふむ……どうやら成功のようだな」
山田まさきは、目覚めるなりそう言った。
「随分派手にやってくれたようだな…鬼共め」
「あなた誰?…どうやらもう、MRまさきではないようね」
リサは彼の挙動、目の色を見て即座に判断した。
「ご名答、流石は地獄の雌狐だな…ワシは篁だ」
「なんだと!!」
「みんな、離れて。…どういう事?」
「教えてやろう。ワシは以前この船に降り立った。
ワシの新しい体となるサンプルの確認の為にな」
サンプル?そういえばまさきの書き置きには
13日目に偉い人が来たとか君は合格だと書いてあったが…
「あの薬は人体の遺伝子、免疫機構を変化させる物ね」
「知っているのかね?ではこの男が残したメモを
見たか…その通り、『ワシ』の記憶・人格を受け入れさせる為のな」
「その為に元の人間の人格・記憶は完全に脳から消去されるが」
「人格に記憶の移植だと!?そんな事できる物か!!」
「篁の力を舐めてもらっては困るな、少年。
既にワシ自身の知性・人格・記憶の共有が可能な技術は構成済みだ。
問題は、『器』の適合者が少ない事だな」
740: 04/11/08 04:13:58 ID:43WBvEYm(2/5)調 AAS
「そんな事の為に罪も無い人々を騙し、薬品を打ち
人体実験のモルモットにしたってのか!?」
「これもワシが永遠に存在し続ける為だ。尊い犠牲だな」
「犠牲者に尊いも糞もあるかよ!!」
「…もういいわ。貴方の理想論なんか聞きたくもない」
「まあそう焦るな、もう少し話してやろう。
そして帰路に付く途中、ワシは鬼の襲撃を受けた」
ミルトから聞いた、鬼の連中の事だな。
「流石のワシといえども本気を出した鬼4体が
相手では分が悪く、戦いは長引いた」
鬼4体と長引くって…どういう身体能力の
持ち主だこの篁という野郎は?
「その戦闘の途中で船内ブロックの3分の1が半壊、
前面部に大穴を開けられこの船自体も沈没しかけた」
俺達が潜水船で入ってきたあの穴か。
「そしてワシ自身も致命傷を追い…撤退せざるを得なかった。
鬼共は強化シャッターで区画ごと封鎖して閉じ込めておいたが、今もいるのか?」
「何故貴方が私達にそれを聞くの?」
「この記憶共有にもまだ不都合があってね、
前のワシ自身が体験した記憶しか共有できないのだよ」
「だからワシには一ヶ月前、脱出ヘリに乗り
沈没する船を見ながら息絶えるまでの記憶しかないのだ」
こいつ、いけしゃあしゃあと!
「いいわ、教えてあげる。鬼はまだ健在よ」
「リサさん!」
741: 04/11/08 04:16:22 ID:43WBvEYm(3/5)調 AAS
「いいのよ。ついでに言うなら、沈没事故からもう一月経っているわ。
貴方が死んだ事はニュースになり篁グループは既に新総帥を迎えている。
貴方はもう過去の人に過ぎないのよ」
「新総帥…フフ、奴か。だが奴は所詮道化にすぎん。
ワシが戻ればすぐに失脚するだろう」
おい何か変だぞ。どうしてこの男は
さっきからベラベラと何でも話してくれるんだ?
「君が思っている疑問に答えてやろう」
ちっ、そこまでお見通しって訳かい。
「君達は全員ここで死ぬからだ」
予想通りの答えだな、オイ。
「なら私も何故話したか教えてあげる」
そう言うなり、リサは銃をまさき…だった篁に突きつけ、
「貴方の方がここで死ぬからよ」
容赦無く引き金を引いた。
だが、篁は逃げようともしない。むしろ笑っていやがる…
そしてリサの撃った弾丸は綺麗に篁の心臓に命中し、倒れた。
「やはり一般人の体ではこの程度か…」
「こうなると解っていたからこそ、貴方も逃げなかったのでしょう?」
742: 04/11/08 04:18:02 ID:43WBvEYm(4/5)調 AAS
「フッ…その通りだ。この肉体は最初の適応実験に過ぎない」
「もう他に第二第三の篁がいるのか!?」
「無論だ。既に地上でもワシの記憶を受け入られる適合者がいるはずだ」
「じゃあ何故この船に戻ってきたんだ?」
「今の君達なら解っているだろうが…鬼だよ。
我々が捕獲した『鬼』にワシの記憶・人格を植え付ける為だ」
鬼にだと…?前のじいさんの体でも
超人レベルだったらしいのに、鬼になりでもしたら…
「本来ワシの記憶を受け入れる為の免疫剤を注射すると
一週間以内に体組織と遺伝子が変化し、適合しない奴はここで死ぬ」
まさきの書き置きでも体のかゆみを訴えていたな…
「そして幸運にも適合した奴はその後回復し、
何事もなかったように過ごせるが2週間後、全ての体組織は完全に停止する。
この時点で脳は記憶を失い、体は何も食わず血液を流さずとも
腐敗せずに保てるように組織変化を起こす。
まさにワシの記憶を移植するまでの『器』になるのだよ」
743: 04/11/08 04:19:30 ID:43WBvEYm(5/5)調 AAS
あの時の遺体が腐らずに残っていたのはそういう訳か。
じゃあやはりまさき本人は最後の書き置きを書いた直後に死んだんだな…
「だがあの鬼は2ヶ月前に捕獲してすぐに免疫剤を
投与したのだが最後まで抵抗し続けたよ…」
「ワシの手の者が今頃は『鬼』に記憶を植え付けているはずだ…
君達に止められるかな…?では…命があったらまた会おう………」
長々と語り続けた篁は今度こそ息を引き取った。
「また会おう、か…二度と会ってたまるかよ」
これでまた問題が増えた。篁の部隊より先に
鬼も見つけ出さなければならない。
とはいえ場所も解らなければどうしようもない。
まずはどれを優先すべきか?
A 宗一捜索
B 耕一救出
C 脱出経路
744: 04/11/08 04:23:43 ID:vnz/uiCF(1)調 AAS
C
745: 04/11/08 13:57:09 ID:81w/UcLs(1)調 AAS
いや、やはりまずは脱出経路の確保だ。
このままだと飢え死になるか敵に殺されるのを待つだけ。
いつでも逃げられるという安心感があってこそ
先に進む気力も沸いてくるのだ。
とりあえずミルトの所へ戻ろう。
ミルトの元へ戻ってきた俺達は改めて考える。
何か脱出できる方法はないか?
A 潜水船を修理する
B 敵の上陸船を奪う
C 潜水服を水圧に耐えられるよう強化する
D そこに助けの手を差しのべる者が(人物指定)
746: 04/11/08 13:58:06 ID:F63x3wSe(1)調 AAS
DDDDDDDDDここで宗一!!
747: 04/11/08 14:34:00 ID:f0fici1o(1/5)調 AAS
「その必要はないぜ!!」
唐突に背後からやけに爽やかな声が響いた。
「この声は…まさか噂の」
「NASTYBOY!!」
「お帰りなさいませ、マイマスター」
俺も後ろを振り返る。そこにいたのは
俺と同じくらいの若者だった。
こいつが…最強のエージェントと称される那須宗一?
「みんな、待たせたな!主役は遅れて来るもんだ」
て、てめえ〜現れていきなりその態度はなんだ!
「ふざけんな!!今の物語の主役はこの俺だ!!」
「流石元祖・出番を求めてさすらう男は言う事が違うな…」
「あんたは龍二さんかい?その通り名、懐かしいな」
「俺もこれからもっと出番を貰えるよう精進するさ」
出番を求めていた男と
出番を待ち望んでいた男の会合か…
「でもあんたは十分目立ってるよ。自分語りもしてたし」
「初めての出演にしては破格の待遇よね」
「私はどうかね?」
そこに口を挟んだのはビルだ。
「「「どうすればいいんだ…」」」
「そ、そんな全員で言わなくても…」
748: 04/11/08 14:36:21 ID:f0fici1o(2/5)調 AAS
それはさておき。
「ところで宗一、今の今までどこにいたの?」
「そう、それなんだよ!実は…」
宗一の説明を聞いて俺達は呆れた。
「閉じ込められてたぁ!?」
「いや〜面目ない」
宗一は例の戦闘に巻き込まれて逃げた後、
独立ブロックに先行して進んだ。
そこで宝物庫や耕一の死体?(生死不明)を
見つけたが、詳しく調べる前に強化シャッターが
部屋中のあちこちに降りてきて閉じ込められてしまったらしい。
幸い最後に逃げ込んだ場所が食堂だったので、
何とか食い繋いで一ヶ月間生き延びたようだ。
「大変だったんだぜ?冷蔵庫の中の物は
一週間で無くなるし缶詰はまずいし」
「その口ぶりならまだまだ余裕そうね」
「便所がないから流し台で用を足す情けなさといったら…」
おい。さっきから聞いてたらこいつ本当に最強の
エージェントなのか?会話から風格ってもんが感じられねぇ。
「それで今から1時間前にシャッターがようやく
開いたから、外に出てきたんだ」
1時間前というと、俺達がこの船に来る30分前か…。
「おそらくはビルが見たまさきの死体に注射をしていた奴らだな」
749: 04/11/08 14:39:47 ID:f0fici1o(3/5)調 AAS
そいつらがシャッターを解除したのは間違い無いだろう。
宗一の話によると耕一の死体が独立区画に保管されているらしいから
蘇させる為にそこに向かったと考えるのが自然だ。
「鬼達と篁が暴れたせいでこの船の乗組員は大半が脱出、
兵士達は巻き添えをくいほとんどが死亡した」
「その後船が沈没し一ヶ月間、生存者は宗一だけだったのか」
「『人』じゃない連中なら一緒に生きてるぜ?」
鬼に…実験生物か。
「それで、脱出手段なんだが…」
「その事ならさっきも言ったが必要ないぜ」
宗一は自信ありげにそう断言する。
「わかった!その兵士が乗ってきた潜水艇を奪うんだな?」
「残念ながら違う。実は…」
ここで宗一がシャッターが開いた後
どのような行動を取ったかの話に移る。
まず、封鎖区画から抜け出した宗一は
敵に見つかるのを防ぐ為通気ダクトに入った。
そしてそのままダクトの中を進み、出た先は>>684の個室だったのだ。
「部屋から出た俺は反対側にある部屋に向かった」
「俺達が上陸した部屋じゃねえか」
「ここは鬼の攻撃で唯一外壁に穴が開き
浸水している部屋だからな、
俺は何か手掛りがないか念入りに壁を調べた…」
「ふんふんそれで?」
「すると、隠し扉を見つけたので中に入ったんだ…
そこは書斎だった。奥にももう一つ扉があったな」
750: 04/11/08 14:43:35 ID:f0fici1o(4/5)調 AAS
………おい。ちょっと待て。まさか…
「俺は早速書斎を調べようとした。するとだ!
後ろから大きな音がするので俺は隠し部屋に隠れたんだ。」
まさか、まさか…他のみんなの顔も心なしか引きつっている。
「潜水艇の類が来たと察知した俺は足音が
廊下の方に向かったのを確認してから
素早く部屋を出た。するとやはり潜水船がそこにあったんだ」
「俺はすぐに爆薬を仕掛け、計器類だけを
破壊してすぐに隠れたのさ!足止めの為にな」
「…………………………」
「いや〜その後が大変だったよ!爆破して
書斎の奥の部屋に隠れたらなんか死体あるし、
しかも扉が一方通行で戻れなくなってさあ!」
「お前か…」
「その後あちこち遠回りしてようやくここまでたどり着いたんだ!!」
「お前が犯人か…」
「ん?何でみんな恐い顔してるんだ?」
「おまえが爆破犯かあああああ!!」
〜宗一がタコ殴りにされてます…しばらくお待ちください〜
「まったく…相手の確認ぐらいしなさいよね」
やはりNASTYBOYの通り名は伊達じゃないな…
味方の船を間違えて爆破するなんて無茶苦茶すぎるぜ。
「いてて…とにかく脱出経路はその潜水船を使う」
「でもお前が計器を…」
「わざと計器類しか壊していないのさ。ミルトを使う」
751: 04/11/08 14:44:19 ID:f0fici1o(5/5)調 AAS
そうか!ミルトはどんな機械にも接続できる。
操縦端末に直接繋げれば…
「後は鬼をどうするか、だ」
A 鬼も助けに向かう
B 宝物庫探索を優先する
C またもや船が回転し始めた!
752: 04/11/08 14:45:41 ID:0P53t2H9(1)調 AAS
いつまでも逆さだと疲れるだろうし、Cだ
753: 04/11/08 23:22:01 ID:VoKoIOr+(1/5)調 AAS
「じゃあ早速ミルトを潜水船に取りつけに行こうぜ」
「それはできません」
「なんでだ?今宗一が…」
「焦んなって。ミルトをこのエンジンから
外すのは本当に最後、脱出する時だ」
「この船の気圧・水圧耐性の管理は私が操作しています」
「本来海の上でしか機能できないタンカーが
沈没しても稼働し、浸水もしなければ水圧で
窓も割れないのは全てミルトのおかげなのさ」
ミルトの話だとタンカー外壁部と内壁部の間に
外敵からの攻撃を防ぐ強力なバリアが張ってあったらしい。
鬼の一族の攻撃で壁に大穴が空き、沈没し始めた時に
ミルトが機転を効かせてバリアの出力を外部に放射し、
タンカーの周りの水圧を地表とほぼ同じになるまで弱めたとか。
「この船が海の底に完全に沈まずに海底を漂っているのも、
船体の下側にもバリアを放射させているからさ」
754: 04/11/08 23:23:52 ID:VoKoIOr+(2/5)調 AAS
「バリアごと壁をぶち破る鬼も凄いが、瞬時に
アクシデントに対応したミルトも偉いな」
「えっへん」
「お前がいばるな」
「このようなバリアの使い方は
本来のシステムには組み込まれていませんでした。
ですから今私をエンジンから
外しますと、バリアも消失し水圧も戻ってしまいます」
「そうなったら窓ガラスは全て割れて、数分で
この船は完全に浸水して…今度こそ完全に沈没ね」
「それに、時間はかかりましたがもうすぐ
最終プロテクトの解除が可能になります」
「そうすれば独立ブロックにも干渉できるし、
セキュリティシステムの逆利用も思いのままだぜ」
「そうだな、じゃあミルトを外すのは後に…」
その時だ!恐ろしい轟音を共に部屋が傾き始めた!!
まさかまた船が回転しているのか?
「まずい!前のより勢いがあるぞ」
「向こう側へ走って!!この部屋の広さでは
落ちたら怪我じゃ済まないわよ!!」
755: 04/11/08 23:25:38 ID:VoKoIOr+(3/5)調 AAS
部屋の端から端へと、回転に合わせ全員が猛ダッシュする。
幸いこの部屋はエンジン以外の障害物も置物も何もない。
「上から来るぞぉ!気をつけろぉ!!」
そう叫んだのはビルだ。
「お前がその台詞言うかよ!ってマジに降ってきやがった」
回転の途中で隣の実験室への通路が垂直になり、
割れたガラスやカプセルの破片がこっちに落ちてきたのだ。
何とか全てかわすのに成功する
「やりやがったな」
…龍二さんなんだよその棒読みな台詞は。だったら俺も!
「せっかくだから俺はこのでかい胸を選ぶぜッ!!」
そう叫びリサさんにダーイブ…見事に避けられ壁に頭から衝突。
「おうのう」
頭の中をムササビが飛んでいるぜ…
それと同時に船体の回転も収まった。
「俺ですらまだ触れないってのに
お前なんかが触れるわきゃねーだろ」
「うっせえ宗一!リサさんもノリに合わせた
冗談なのにつれないなあ」
「調子に乗りすぎだ馬鹿者」
「全くだな…空気読め」
ビ、ビルのおっさんに龍二さん…あんた達がそれを言うなよ。
756: 04/11/08 23:27:08 ID:VoKoIOr+(4/5)調 AAS
「しかし凄まじいパワーだったな…こんな事ができるのは」
「ああ。鬼以外にありえん」
「船内の鑑底部から強い衝撃を感知しました。
おそらく複数で船の底の片側を攻撃したと思われます」
生死不明の耕一を探すのも大事だが
先に今暴れている鬼達も止めないとまずいな。
このままじゃ今度こそ船が沈んでしまう。
俺達が入ってきた船の前面部と違い船底じゃあ
たとえ小さい穴でも浸水の危険がある。
「だが今の回転で船体は元に戻った。それだけが幸いだな」
「やはり床は床、天井は天井が一番だね」
「じゃあすぐに独立ブロックに行こうぜ!」
「ここから先は俺達プロのエージェントの仕事だ。
命が惜しいのならここで待っていたほうがいい」
なっ…宗一いきなり何マジになってんだよ!
「一応の警告さ。この先鬼やら兵隊やら実験体やら
色々出てくるのは間違いないだろ?」
「私と宗一だけで行ってもいいけど…どうする?」
757: 04/11/08 23:28:25 ID:ZIvkKotw(1)調 AAS
連投支援
758: 04/11/08 23:28:28 ID:VoKoIOr+(5/5)調 AAS
「リサ、待ちな。俺も行くぜ。まだまだ目立ちたいんでな…
それにこの銀の弾丸が役に立つかもしれん」
まず龍二が名乗りを挙げた。
「怖いけど宝物庫があるのなら、俺も行くよ。美術品を
前にして逃げるくらいなら死んだ方がマシだ」
健太郎も行く事になった。
「どうすれば…いや、迷うのはやめよう。
私もネタではなく実力で出番を勝ち取りたい…付き合うよ」
おいおいビルまでも!!「それで、浩之はどうする?」
なんで俺が最後なんだよ!これじゃ俺が
情けない奴みたいじゃねーか!!
「行くよ!行くに決まってんだろ!!」
「結局全員で向かうのか」
「でもまあ、下手に別れるより私達の側にいた方が安全だしね」
「それではこれから独立ブロックに向かう!」
よーし、これからが本番だぜ!!
視点変更選択
A このまま浩之達の視点続行
B その頃、柏木四姉妹は?
C その頃、蘇った第二の篁は?
D その頃、篁を復活させる為に来た特殊部隊は?
759: 04/11/08 23:29:28 ID:B5s6PWvd(1)調 AAS
よし、Bで新しい展開を!
760: 04/11/10 20:39:20 ID:zCzl3QHh(1)調 AAS
保守
761: 04/11/13 10:40:26 ID:RRxyHzdh(1/2)調 AAS
こんにちは、あなたの隣に楓です…などと明るく言っていられる状況ではないですね。
私たちの家に遊びに来るはずだった耕一さんが消息不明になってから2ヶ月。
千鶴姉さんは鶴来屋グループや柳川叔父さんや長瀬さんたち警察の情報網を使って耕一さんの行方を調べました。
学生の身では何かと自由に動けず、その時は歯痒い思いばかりしたものです。
そして、調査の結果、耕一さんは篁グループの者によって捕らえられた確率が高いことがわかりました。
確証がために警察の介入はできなかったので、私たち4人は篁グループに潜入。
そして、やはり耕一さんは篁グループに捕らえられたこと、そして沈んだタンカーに運ばれたことがデータベースからわかりました。
タンカーに潜入するのはあまりに危険だから、と私と初音は本当は姉さんたちに止められました。
しかし、ただ待っていることなど、私にも、そして初音にもできなかったのです。
決して邪魔にはならないから、と無理を言ってタンカーに乗り込むための潜水艦に乗せてもらいました。
潜水艦の護衛と、耕一さんを引き連れ次第すぐに戻れるように、柳川叔父さんは潜水艦に残して私たち4人は潜入。
耕一さんは見つからっていないものの、耕一さんを拉致した黒幕である、今は亡きはずの篁総帥と遭遇。
人間であるはずなのに異様な戦闘力を持つ彼をなんとか退けたものの、シャッターが下りてきて閉じ込められてしまいました。
梓姉さんの強力な一撃でも破れないシャッターを、一点集中で何度も攻撃していたのですが…
「うう、お姉ちゃんたち、やりすぎだよ…」
3人がかりで攻撃した時に、なんとタンカーが半回転してしまったのです。
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