[過去ログ] ギャルゲー板SSスレッド Chapter-3 (988レス)
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530(3): 無題・未完結 02/02/18 15:35 AAS
「卒業してからもう5年か……」
郵便受けに入っていた同窓会の案内状を見て俺は誰にでもなく呟いた。
みんなは……光は元気だろうか?
光……「陽ノ下光」は俺の幼なじみでもあり、高校時代、俺に想いを寄せてくれた女性だ。
もし、あの時俺が彼女の気持ちに気がついていたら今頃二人はどうなっていたのだろう…。
今更考えてもしょうがない事だがつい考えてしまう。
なぜなら高校卒業後、彼女が辿った道はあまりにも酷だったからだ……。
‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐
最初の再会は大学の先輩に「筆下ろしに」と無理やりつれていかされた風俗店だった。
想わぬ場所での再会なだけあって俺と光はお互い暫く言葉がでなかった。
「…そ、それでは始めましょうか、お客さん」
最初に言葉を発したのは光。
俺は彼女の口から出た「お客さん」という言葉に動揺と苛立ちを覚えずにはいられなかった。
「お客さんってナンだよ! だいたいなんで光がこんな店で―――!?」
「…キミこそどうしてこんなお店に来たの!? 私が知っているキミはこんな場所に来るような人じゃなかったよっ」
「う……」
思わず言葉に詰まる。
再び沈黙が場を支配した。刻々とすぎる時間。壁に掛けられた時計の秒針の音が妙に大きく聞こえる。
「か、帰るよ…」
カラカラになった喉からやっと出た言葉は逃避を表す言葉だった。
踵を返しドアのノブに手をかける。その時―――。
「まって!」
「!?」
振り返ると光が何かを懇願するような顔で俺を見ていた。その表情は幼なじみの俺でないと何を意味する表情かは分からなかっただろう。
531(3): 無題・未完結 02/02/18 15:35 AAS
「私ね、このお店に入って今日が初日なんだ」
「?」
「経験者って嘘をついて雇ってもらったけど本当はまだしたことなくて……」
「………」
「怖かったんだ…知らない人に抱かれるの。だからさっきまでドキドキして心臓が張り裂けそうだったんだよ。まだ心の準備もできてなくって……。それなのに店長さんが最初のお客さんが来たよーってさ…」
そこまで言うと光は照れ隠しをするように「エヘヘ」と笑った。その目尻にはいつの間にか涙が溜まっていた。
「だから驚いちゃったんだ。最初のお客さんとしてキミが入ってきたときは」
「そ、そうなんだ……」
喉はまだカラカラだ。
「ねえ、抱いてくれないかな? 最初に抱いてくれたのがキミだったら、この先もこのお仕事やっていけそうな気がするんだ」
「………」
暫く(と言ってもものの十秒ほどだが)考える。そして俺が出した結論は、
「………わかった。でもその前に聞かせてくれよ、なんでこんな店で働き出したのかを」
「それが条件?」
「あぁ」
俺がそう答えると光は視線を床に落とし、言葉を紡ぐように話し始めた。
光がこの店で働く事になった経緯を要約するとこうだ。
なんでも大学の先輩の、借金の保証人になったら先輩が雲隠れしてしまい代わりに借金の返済をするはめになり、流されるままここで働く事になったという事らしい。
俺はすすり泣きながらこの話をする光をみて、光の先輩に憤りを感じすにはいられなかった。
「そうだったのか、光。わかった、俺抱くよ。光が元気出るように一生懸命抱くよ」
言い終わってから我ながら可笑しな台詞だと思った。だけど光は、
「ありがとう、キミが抱いてくれるのなら勇気百倍だよっ」
と、できる限りの笑顔で笑ってくれた。その笑顔はかつての面影があり、これから行うSEXという行為に対する緊張を解いてくれた。
そして俺は光を抱いた――――。
532(3): 無題・未完結 02/02/18 15:36 AAS
事件が起きたのはその翌日、俺は新聞を見てその事件を知った。
『風俗店全焼 新人風俗嬢に放火の疑い』
その見出しをみて俺は凍りつきそうになった。
『○月×日午後3時頃、○○町内の風俗店××で火災が発生。死傷者十数名をだす惨事に。火災の原因はまだはっきりしていないが警察は火災後 姿をくらませた新人風俗嬢(18)が事件になんらかの関係があるとみて、その風俗嬢の行方を追っている』
午後3時…俺が事を済ませて店を出た直後だ…。もし姿をくらませた新人風俗嬢が光だとしたら……。
俺はいてもたってもいられず現場へと向かった。
‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐
雨のせいだろうか? 現場は鎮火後だいぶ経っているというのにまだ何かが焦げているような匂いがした。
「あ、あの…」
近場にいる刑事らしき人物にロープ越しに声をかける。
するとその刑事は明らかに面倒くさそうな顔をし、ゆっくりと俺の方に近づいてきた。
「あー、何か用かね?」
「あの、新聞に載っていた消えた風俗嬢って――」
「あぁん? だめだめ、事件に関係ある事は教えられないよ」
「だったらせめて被害者だけでも」
「君、被害者の身内の人? 全くしょうがないなァ…えっと被害者は――」
刑事は面倒くさそうにメモ帖を開き被害者の名前を読みはじめた。
「えっと…稲垣まさし…田代吾郎…三田裕也…高橋佳子…穂刈純一郎…」
「!? ――穂刈!? 刑事さん今、穂刈純一郎って言いましたよね!?」
「んあ、あぁ言ったが…? なんだね君、その被害者と知り合いかい?」
「え、あ、その…」
(死んだ…あの穂刈純一郎が死んだ。それも光の働きだした風俗店で……いったい何が…)
事件のあった場所で知っている名前が二つも出てくるとどうしても無関係とは思えない。
俺は刑事さんに礼を言い、人ごみから離れるとポケットから携帯を取りだしある男に電話をかけた。
「もしもーし匠くんでーす」
「あ、匠か!? おまえ新聞読んだか!?」
「なんだ、誰かと思ったらオマエかよ。新聞? もちろん読んだよ。光ちゃんの働き出した風俗で火事があったって話だろ?」
「光がって……おまえなんで光があそこで働きだしたことを…!?」
「なんでって、光ちゃんにあそこを紹介したの俺だもん。いやーなんだか光ちゃんお金に困ってたみたいでさー」
「………ッ!!」
ふざけた匠の口調に頭の中が怒りで茹りそうになる。
(おまえ…光は泣いてたんだぞ……!)
言いたい言葉をグッと我慢する。携帯を持つ手のみが怒りでぶるぶると震えた。
「なんだよ、別にいーだろ? 光ちゃんとオマエは恋人でもなんでもないんだし」
「………」
「あーわかった、わかった。そう怒るなって。それより光ちゃんの居場所だろ? それなら俺も知ってるよ」
「なに!?」
一瞬頭が真っ白になる。
「光ちゃんならひびきの高校の体育館倉庫にいるよ。嘘だと思ったら言ってみ―――プツ」
俺は匠の言葉を最後まで聞くことなく携帯を切ると、そのまま走り出した。
もちろん目指すはひびきの高校の体育館倉庫。ちらっと腕時計を見ると午前十時を少し過ぎたところだった。
533(3): 無題・未完結 02/02/18 15:43 AAS
校門を抜け校内へと入っていく。
まさかこんな風に再びひびきの高校へやってくるなんて卒業した時は思ってもいなかった。
できるだけ人目を避け、体育館に侵入。閑散とした体育館を走り抜けいざ倉庫へ。
ガチャッ……。
冷たい鉄製のノブを回し倉庫の扉を開く。
真っ暗の倉庫に光が差しこみ倉庫の中が徐々に明るくなっていく。
「――ッ!?」
赤―――。
最初に目に飛びこんできたのは鮮血の赤だった。
その赤は運動マットやバスケットボールにこれでもかというほど自己主張していた。
(な、なんだよ…これ)
「――うっ!」
胃の中の物が逆流し思わず吐き出しそうになる。
(ど、どこか……吐き出してもいい場所は……)
そう思い床に目を移すと……。
「!?」
――――人間。人間が血の水溜りの中を仰向けに倒れている。
その人物は俺のよく知っている奴だった。
「し、死んでいるのか? でもなんでオマエが……!?」
物言わぬ死体……それは少し前に携帯電話で話したばかりの坂城匠だった。
(け、警察に……いや、それよりも光は!?)
匠の最後の言葉を思い出し倉庫の中を見渡す。しかしそこに光の姿は無かった。
ただ床に匠の血で「ごめんなさい」と書かれた紙が一枚落ちていた。
「いったい何処に行ってしまったんだよ、光…」
この後、光は一年間俺の前から姿を消すのだった。
534(5): 02/02/18 15:50 AAS
>>530-534
無題・未完結
ふと時間ができたので書いてみた。
続きは気がむいた時に。あくまで気がむいたらだけど。
535(1): 02/02/19 15:06 AAS
>530-534
重いよ・・・(;´Д`)
続きを書くならさわやかなENDに。
536(2): 02/02/19 23:30 AAS
>>535
うん、かなり鬱だ…
まあ文面から、ハピーエンドに辿り着かせる方法はそれなりにありそうだ。
>530-534氏が書かないのなら……
537: 534 02/02/19 23:33 AAS
>>536
お任せします。煮るなり焼くなりお好きにどうそ。
538: 534 02/02/19 23:35 AAS
どうそ ×
どうぞ ○
でした。つまらないタイプミスだけど気になったので…。
539: 02/02/20 00:25 AAS
頑張れ!
540: 02/02/20 00:28 AAS
回し代わりに書きこみします。
私は寝取られネタが好きなのですがSS系サイトは必ずと言っていいほど
主人公×ヒロインなんですよね。
たまには主人公のライバル×ヒロイン、というネタも読んでみたいです。
541: 02/02/20 00:42 AAS
やっぱり1つでもSSが上がると人が集まるものだね。
で、缶珈琲氏は???
542: 02/02/20 11:32 AAS
定期age
543: 02/02/20 15:14 AAS
茜官能小説
放課後の誰もいない体育館。そこでおれはたたずんでいた。
そこへポニーテールの美少女、そう森下茜がやってきた。
そうだ、おれはここで彼女にキスをされたんだ。今日はその
お返しにと。
「ねえ、何してるの?」彼女はおれに尋ねてきた。
そうおれは気が付いたらば彼女を抱きしめていた。
「うーん、苦しいよう。どうしたの?」不思議そうな顔で
俺をみている。「あ、ゴメン。俺実を言うと。」
「これ以上何も言わないで。」彼女は何かを悟ったようだ。
俺を振り払って逃げようとしていた。俺は彼女の腕をつかみ
そのまま床に転ばせた。「きゃ、い、いたい。」
何を思ったかおれは彼女の上にのり口づけをした。
「うーん、だめ、こんなところじゃ。」
うれしがってもいないようであるが、嫌がってもいないようだ。
そして俺は彼女を体育倉庫の中へ連れていった。
「え、何々?変だよ!もう本気にしちゃうぞ。」
少しあわて気味であったが、いつもの明るさだ。彼女をマットの
上に押し倒し再び口づけをした。今度は舌も入れてみた。
「うーん、だ、だめーー。」なんかいやがってはいないみたいだ。
セーラーのスカーフをゆっくりとはずした。彼女もそれを受け入れたか
抵抗すらしない。もうなすがままだ。
そして制服の上から大きな胸の肉丘をゆっくりと揉み始めた。
結構はりのある胸だ。弾力も申し分ない。
「あ、あん、胸だけでもかんじちゃうぅ。」かわいい声だ。
次はその先を。「あーん、そこだめーーー。」またもかわいらしい声。
セーラー服を脱がした。どうやらいやがってはいないみたいだ。
ブラの中に手を入れ肉丘の先端を指で撫でてみた。
「あーん、もうそこかんじちゃうぅ。」かわいい声だな。
そしてブラのホックに手をかけた。「だ、だめ…恥ずかしい…。」
続く
544: 02/02/20 15:16 AAS
ブラをはずすと俺の目の前には白く比較的大きめな果実が
実っていた。その先には小さく桃色のさくらんぼ。
おれはその果実をなめまわした。「あ、あん、ほ、本気に…。」
しちゃうぞとでも言いたかったのであろうか。茜の声は弱々しかった。
弾力性のある果実を揉みながら時折サクランボを指でなぞった。
「あ、茜、そこ、か、感じる、はあはあはあ。」
そしてそのサクランボに軽く口づけをした。「だ、駄目…。」
とはいうものの嫌がっている様子はない。
そろそろもう下も濡れてきているであろうか。それを確かめるべく
彼女のスカートを捲り上げて白く薄い布の上から一本の縦筋を指で
なぞった。だんだんとその布はあそこから溢れでる蜜によって
くちゅくちゅと音をたてながらその筋がくっきりと見え始めた。
「茜ちゃんって結構Hなんだね。」「も、もう、しらない。」
声は弱々しかったが、俺にはもっとしてほしいと聞こえた。
貝のように閉じていた足も開き始めた。これは彼女のOKサインであろうか。
下着をおろす前に再び口づけをした。
「本当にいいのか?」「う、うん、もう私我慢できない。」
そのリクエストに応え俺は先ほどの薄くて白い布をはぎとった。
すべてを脱がさずに一方だけを足首のところでとめた。下着の下には
毛も薄めであったので濡れた小さな肉界を確認できた。かわいらしい。
あまりのかわいらしさにそこに口づけをした。「い、いや、きたないようぅ。」
「君に汚いものなんてないさ。」すこし苦みのある蜜を堪能した。
実際は苦みであったが俺にはなにやら甘い蜜のように感じられた。
続く
545: 02/02/20 15:19 AAS
おれの唾と茜の蜜で濡れたあそこは綺麗に光っていた。
「君のあそこすごくおいしくてきれいだよ。」
「あーん、はずかしいよぉう。」その声で俺は少し出てしまった
みたいだ。
「本当にいいのか?」「う、うん」弱々しくも茜は応えた。
スカートまではずしてしまうのはなんかかわいそうであったので
捲り上げるだけにしておいた。なんか全裸よりもHである。
おれは燃えさかるジュニアを握り彼女の股間の縦筋にこすりつけた。
ちょっとじらすためだ。「あ、あ、もう、いじわる。」
相当に感じているらしい。「ちょっと痛いかもしれないけど我慢して。」
おれは彼女の片足を持ち上げ、ジュニアを肉貝に挿入した。
中は彼女のぬくもりに包まれていた。しかし奥はかなりきつい。
「い、いたい、あふっ!」やはり初めてらしく少し痛がった。
「痛いならばやめようか?」おれはそう尋ねると「ううん、我慢する。」
なんかその言葉がいとおしさを感じた。俺は腰を動かしさらに奥へ
奥へとジュニアを埋めていった。なかなかのぬくもりである。
「い、痛い、で、でも…。」続けてほしいとでも言いたかったのであろうか?
さらに俺は腰を動かした。「あ、あ、もう、あ、あ、い、いや、だ、だめ
でも痛い、うーん」ジュニアとひだがこすれ合う音。しかし彼女の
肉貝からは蜜に混じって赤い液体が流れ始めていた。破瓜したので
あろうか。もうこれ以上するのはかわいそうになってきたのでジュニアを
抜いてあげた。すると蜜とともに赤い液体も彼女の太股を伝わって
流れてきた。
「ご、ごめんね。なんか満足させられなくって。」彼女は半分なきながら
そう言った。「うん、でもこれ以上やったらば君は壊れるよ。
好きな人を痛めつけるのは好きじゃないから。」
とにかく彼女の出血を止めるためになにか思索をねった。
彼女はスカートのポケットから一本の綿でできた棒をとりだした。
「これをここに入れるのか?」彼女はコクリと頷いた。
俺達は最後に口づけをかわした。暖かいキスであった。
そのあと俺達は放課後、体育倉庫でよりいっそう愛し合うように
なった。彼女のほうも今まで以上に積極的になった。
だが、彼女は普段は今まで通り学園の人気者のままだ。
ダチの木地本も高林もこのことは知らないみたいだ。
(完)
546: 02/02/20 15:52 AAS
次は一文字茜で。
547: 02/02/20 16:36 AAS
ご苦労様。
でも割りこまれない為にもsage書きした方がいいよ。
548: 02/02/20 20:08 AAS
ねえ、ここってときめも系じゃなくてもいいの?
確か森下茜ってトゥルー系じゃ?
なぜならば今めも2系のスレが危ないからです。
549: 02/02/21 00:28 AAS
ギャルゲー系ならなんでもよいかと。
550: ボケコニアン 02/02/21 00:45 AAS
1秒が長かった。
かちん、かちんと
時計の音だけが、白亜の建物に重く反響する。
黒い、背もたれのないソファ。
いつもなら、待合のつかの間のひとときを、この椅子の上でくつろぐのであろうが、
今日はとてもそんなことを考える余裕はなかった。
周りの人間が、心なしか俺を侮蔑の目で見ているような、そんな気がした。
不意に、近くのドアが空いた。
俺の前に、複雑な表情をした少女が立っている。
「で・・・?」
「6週目、だって。私と、あなたの・・・」
俺は、これからどうすればいいんだろう・・・
おろす・・・そんな残酷なことはできない
でも・・・俺には・・・どうやって・・・
主人公は各自の妄想でお楽しみください
みんな、女泣かすなよ・・・
全然SSになってないけど、俺からの警告でした
551: 02/02/21 12:22 AAS
↑
経験者談?
552: 02/02/22 00:09 AAS
まさか孕まされた方がボケコニアンだったりして。
553: 02/02/22 02:56 AAS
孕ませたのがモンドか?
554: 02/02/22 20:54 AAS
536はどーした?
555: 536 02/02/22 23:20 AAS
すんまそん、インフルエンザにやられました。だいぶ楽にはなったが、まだまだです。
もう少々待ってください。って誰も待ってないよな…
556: 02/02/22 23:47 AAS
しっかり養生せえ!
557: 02/02/23 02:30 AAS
554だけど待ってるね。
558: 突然ときメモ2SS 「おとうと」 02/02/23 22:51 AAS
「よう、いっしょに帰ろうぜ。」
突然、ほむら先輩に声をかけられた。
ほむら先輩は、本名を赤井ほむらという。
我がひびきの高校の生徒会長を、入学以来やっているそうだ。
そして、卒業がすぐ来月に迫っている、今でも。
ほむら先輩の事は入学以来知っていたが、お互いに顔見知りになったのはつい最近の事だ。
いつだったか・・・今日みたいな日に、突然声を掛けられた。
「一緒に帰ろう」と。
「ん?何アホ面してんだ?人がせっかく声掛けたんだから、さっさと返事しろよ。」
「あ、ほむら先輩・・・すいません。つい考え事をしていて・・・」
「おら、行くぞ。ついてくるのは後輩の義務だ。」
「・・・はい。」
ほむら先輩の顔を見ると、なぜか断れない。
明るくて、天真爛漫な笑顔だからだろうか・・・?
でも、何かそうではない気も・・・
でも、でも、見た目は・・・
「ニャハハハハ。」
初めて声を掛けられた日も、今日も、同じ笑顔が、こう言う。
「茜んとこで、ちょっくらメシ喰ってこうぜ。いいだろ?」
「はい。」
なぜか、断れない。
そういえば、あの日は・・・
(・・・はい、赤井先輩。)って返事をして・・・
返って来た返事が・・・
(何か気にくわねえ!「赤井」って言うな!「ほむら」だ!いいな!!)
(は、はい・・・)
で、そのまま、首根っこを抱えこまれたんだけど・・・
(茜んとこで、ちょっくらメシ喰ってこうぜ。いいだろ?)
首根っこを抱える腕とは少し違う場所から、柔らかい感触が・・・
「よし、行くぞ。」
「・・・はい。」
559: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その2いっちゃいます〜 02/02/24 16:39 AAS
「ん・・・?」
ほむら先輩が不意に足を止めた。
ほむら先輩の視線の先には、高校生ぐらいの女の人が、ひとり立っている。
「ありゃあ・・・佐倉か・・・?」
視線の先の人も、こちらに気付いたみたいだ。
「よう、佐倉じゃねえか。」
「赤井さん、お久しぶり。」
「おう、久しぶりだな。元気か?」
「うん。元気だよ。」
「佐倉さん」はにっこりと笑った。
僕達三人は、一緒に歩くことになった。歩きながら、簡単な自己紹介をする。
「佐倉先輩、よろしくお願いします。」
「うん、よろしくね。」
話を聞いてて解ったのだが、佐倉先輩はほむら先輩の同級生で、二年の時にひびきの高校から転校した人だそうだ。
「んでもよう、何でまた突然こっちに来たんだ?」
「うん、それなんだけど・・・」
佐倉さんは、少しうつむいたが、すぐに顔を上げた。
「久しぶりに、八重さんに会ってみようと思って。・・・卒業、近いしね。」
「そうか。そういえばお前ら、前から仲良かったもんなあ。」
「えへへ。駅前で待ち合わせしよう、って約束してるんだよ。」
ん・・・?駅前・・・?
「おい、じゃあ、方向逆だぜ?」ほむら先輩が言った。
これから僕達は、一文字先輩がアルバイトしている食堂へ行こうとしている。駅は逆方向だ。
それに、電車でひびきのへ来た(とさっき言っていた)佐倉先輩は、別に駅で待っていれば良かったんじゃ・・・?
そういえば、さっき佐倉先輩と会った場所は、学校からそう離れていなかった。
佐倉先輩は、もしかして学校に寄っていたのだろうか?待ち合わせの用事とは別に・・・
「え、駅は向こうだっけ。私ったら・・・
じゃあ、私はこの辺で。」
「おう。またな。」
佐倉先輩は、駅の方向へ向かった。
「佐倉先輩、ではまた。」そう言って、しばらく後姿を見送る。
「・・・あいつ、学校にでも未練あんのかなあ・・・」
ほむら先輩の声で、ふと横を見る。
ほむら先輩の視線は、青空の向こうへ向いている気がした。
560: 02/02/25 20:18 AAS
SSは一気に書き上げてから分けてUPした方がいいよ。
561: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その3(1)分けてみました〜 02/02/25 23:16 AAS
そういえば、最近はほむら先輩と帰る事が多い。
突然声を掛けられて、振り回されっ放しだけど、
そういえばどうして先輩は僕の事を知ったのだろうか?
別に迷惑とは思っていないんだけど・・・いや、迷惑だと思う時も時々・・・
「ん、どうかしかたか?」
「い、いえ、別に・・・」
「お前、時々冴えねえ面する時があるよなあ・・・」
「そ、そうですか?」
「何かあったら遠慮なく言えよ。」
その時、足元のさらに下から、声が聞こえた。
「・・・はにゃ〜・・・」
ふと足元を見ると、マンホールのふたが開いていた。声はその中から聞こえてくる。
「・・・ちっ、寿か・・・」
「・・・あの寿先輩ですか?」寿先輩が災難に遭うのは、全学年の間で有名だ。
現場に居合わせるのは初めてだけど・・・
「・・・先輩、助けに行ってきます。」
「おう。待ってるからな。」
幸いにも、寿先輩の救出はあっさりと終わった。
「はあ〜、助かった〜・・・ありがとねー。」
「いえ、先輩こそ無事で何よりです。」
「・・・あーっ!そういえば、美幸急いでるんだった〜。ありがとね。バイバ〜イ。」
そう言って、寿先輩は去っていった。
562: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その3(2)短期集中のつもり〜 02/02/25 23:18 AAS
「さてと・・・今日のメシは止めておくか。」
「・・・ほむら先輩、どうしたんですか?食べに行かないだなんて・・・」
「バカ。その格好で食堂へ行ける訳ねえだろ。」
そういえば、さっき寿先輩を助けにマンホールを降りたせいだろう。
何となく全身がドブ臭いのが自分でも解った。
「・・・すいません。」
「別にお前が悪い訳じゃねえけどな・・・
お前って、結構後先考えねえとこあるよな。」
「そうですか・・・」と言おうとした瞬間、ほむら先輩の話は続いた。
「去年の文化祭の時さ、お前釘打ちやってただろ。結構高いとこ。」
「は、はい・・・」そういえばそうだった。
去年の文化祭は、突然クラス毎に出し物をする事になり、帰宅部の僕も手伝いをする事になった。
で、背の届かない場所の釘打ちを、クラスの奴らとやったんだった・・・
そう、肩車をさせて、僕が上に乗って・・・
「見回りであれ見てて、ホントに馬鹿で無茶なのがいると思ったよ。」
「・・・心配をかけてすいません。」
「・・・いや、面白かった。」
ほむら先輩の口元には、楽しそうに笑みが浮かんでいたが、その目は、とても真剣な表情に見えた。
「普段冴えねえ顔してるのに、馬鹿で無茶・・・似てるよ。お前は。」
「・・・えっ?」
「よし、明日は絶対メシ食いに行こうぜ。今日はここまで。じゃな。」
ほむら先輩は走り去って行った。・・・僕って、誰かに似てるのだろうか・・・?
563: 02/02/25 23:33 AAS
忙しい中、時間をぬって書いているようですね。
ご苦労様。
564: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その4実は行き当たりばったり〜 02/02/26 00:47 AAS
家へ帰る途中、突然声を掛けられた。
「おい。」
見ると、坂城先輩だ。
女子にもてるし、いろいろ情報を知っている坂城先輩は、僕達の間でも有名人だ。
「お前、確か一年だよな。人を探してるんだけど、ちょっといい?」
「は、はい。」
「・・・赤井さんの事、いろいろ教えてやるからさ。」
坂城先輩の言葉を聞いて、なぜか顔が赤くなるのが自分でも解った。
「あ、あの・・・」
「あ〜、悪かった悪かった。ごめんごめん。おれ急いでるからさ、時間取られたくないんだ。」
「は、はい・・・」
「たぶん、知ってるよね。うちの学年の寿美幸さん。」
「はい。・・・ついさっき会いましたが・・・」
「どこで?」
「向こうの方角です。」さっき寿先輩を助けた場所の方角を指差す。
「いつごろ?」
「え〜と、確か、20分ぐらい前です。」
「・・・あの、先輩、よろしければ手伝いましょうか?」
「あ、ああ、サンキュー。
でもいきなり頼むのも悪いし、気持ちだけもらっとくよ。」
「あ〜っ、さっきゃん、いたいたー!」
寿先輩の声だ。印象に残る声だなあ・・・
「美幸ちゃん、どこ行ってたの?」
「うん、ごめんねー・・・付き合い始めてそうそう・・・」
・・・そ、それってもしかして・・・
坂城先輩は特定の彼女を作らないって、噂に聞いたことあるけど・・・
実はスゴイ特ダネを聞いてしまったのだろうか?僕・・・
「あっ、へへへ・・・その〜、さっきはどうも〜・・・」
寿先輩は僕に気付いて照れ笑いをした。
「その・・・この事は、まだ誰にも言わないでくれるかな?」坂城先輩が言う。
「は、はい。」
「手間取らせたね。じゃあね〜。」
二人は去っていった。
「・・・噂が広まる前に、あいつに報告しないとな・・・」
「そうだねー、さっきゃん・・・
あっ、そうそう、あっち行かなーいー?」
「うん、いいよ。」
・・・どっかーん!
交通事故?
先輩たちのいた方角を振り返る。
「はにゃ〜・・・これも美幸が選んだ道〜・・・」寿先輩が、よろよろと歩いていた。
565: 02/02/26 11:31 AAS
新鮮な視点だ。ガムバレ
566: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その5(1)応援感謝です〜 02/02/27 01:45 AAS
翌日。
(ほむら先輩、着きましたね。)
(おう、メシだメシだ。
・・・おーい茜ー、邪魔するぜー。)
(・・・返事がないですね。)
(変だな・・・よーし・・・
・・・・・・
ねえ、どうしたの?)
(あ、あの、ほむら先輩、口調変わってないですか?)
(ねえ・・・ちょっと・・・聞いてる・・・?)
(先輩、ちょっと熱でも・・・?)
「・・・知・り・ま・せ・ん!」
ばごおっ!鉄拳が飛んだ。「あうっ!!先輩、すいません!!」
どっ。
周囲に爆笑が起きた。
も、もしかして僕、授業中に寝てた・・・?
「ふ〜ん・・・『先輩』の授業の方が楽しいんだ・・・」
・・・今は国語の授業中だった・・・麻生先生、超機嫌悪そう・・・
昼休み。
僕はクラス中の人気者になってしまった・・・
「馬鹿だな〜、お前。」
冷やかしと質問攻めで、お昼を買いに行けない・・・
「だ、だいたいさあ、お前ら、何がそんなにおかしいんだ?」
「お前の寝言。」な、何ィ〜?
「・・・『僕の寝言』って、僕が一体何を言ったんだよ〜?」
こ、こいつら、勝手な事を・・・
「『返事がないですね』。」ん・・・?ま、まさか・・・
「『あ、あの、ほむら先輩、口調変わってないですか?』。」はうあ〜!!
「『先輩、ちょっと熱でも・・・?』。」かはああああっ!!
・・・が〜ん・・・
「・・・やっぱり『ほむら先輩』に惚れてんの?」
「・・・くすくす・・・」
「毎日一緒に帰ってるしなあ。」
ほんとにこれじゃ、お昼を買いに行けないそ・・・
・・・よし、じゃあここはひとつ・・・
「俺にもメシ食わせろよ!」がつんと言ってみた。
「・・・赤井先輩そっくり。」
「ほんとほんと。」
「へえ〜・・・」
「お前、『朱に交われば(以下略)
・・・逆効果だった・・・
567: 突突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その5(2)↑の暴走すいません〜 02/02/27 01:52 AAS
「あ、いたいた。」
僕の周囲の人垣をずけずけと分け入ってくる人影があった。
「よう。屋上でお昼にしない?お前の分も買ってあるからさ。焼きソバパンで不満はないだろ?」
人影は、坂城先輩だった。
僕達一年生が有名人の坂城先輩を止める事ができるはずもなく、僕は晴れて解放された。
屋上。
「昨日は、世話になっちゃったね。」
「先輩・・・」
「でさあ、詳しく聞かせてよ。」
「・・・何を、ですか?」
「今日の華澄先生とのやり取り。
華澄先生が我を忘れて怒ったのって、誰も見たことないからさあ、是非とも語って欲しいなあ〜。」
「・・・お断りします。」
「あ、おい、そんなに恐い顔しなくても・・・」
「・・・誰が恐い顔してるんですか?」
「・・・解った解った。・・・ゴメンゴメン。」
坂城先輩は追求を止めた。でも・・・
「僕、今そんなに恐い顔してましたか?」
「・・・う〜ん。気に障ったみたいだね。・・・でも・・・」
「で、でも・・・?」
「実は、伝言を頼まれてる。それが、もっと言いづらい用事なんだよね・・・」
「な、何でしょう・・・?」
「・・・これから言うのは、いいか、今日聞いた赤井さんからの伝言だ。」
坂城先輩の目が、少し真剣になったのが解った。
「・・・はい。」
「・・・『いろいろ考えたんだけど、一緒に帰るのはしばらく止めよう。』・・・だって。」
「・・・そ、そうですか・・・」
「たぶん、お前と華澄先生との一件の前に言った言葉だと思うから、お前が何かしたせいじゃないと思う。
でも、すぐに言わなかったおれも悪かった・・・かもね。」
「・・・」
何故か、冬空へ放り出された気がした。・・・そういえば、まだ2月の冬空にお昼を食べてるんだった・・・
「陽気はすっかり春なんだけどね〜・・・」と言っていた坂城先輩は、感覚が麻痺してるに違いない。たぶん・・・
568(1): 02/02/28 00:03 AAS
やっぱり最後まで書いてからあげた方がいいと思うけどなー。
569: 「おとうと」を書いてます 02/02/28 00:48 AAS
>>568
すいません。でも、3/1までにやれる事はやっておきたくて・・・
「3/1過ぎて書く気力はあるだろうか?なさそうだからこの緊張した時期に書〜く」
と気合いを入れてました。
また、読者様の意見で方向性を決めるというのもいいかと思ったり・・・
でもこのスレって、過去ログを一瞥(この間少しだけ拝見しました)するに、一括掲載が基本ですね。すいません。
他に「載せたい」という方のためにも、だらだら載せない方がいいことに気付きました。
しかし、しかし今日は載せさせてください。すいません。
この次に載せる時は、最後まで書き終え、一括でいきたいと思います。
570: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その6 気力継続祈願〜 02/02/28 00:55 AAS
放課後、僕はほむら先輩の姿を探した。
(よし、明日は絶対メシ食いに行こうぜ。)
・・・今日は、その予定のはず・・・
(ふ〜ん・・・『先輩』の授業の方が楽しいんだ・・・)
麻生先生の言葉を思い出して、思わず首を横に振った。
そういえば、僕はもうあの一件以来、みんなの笑い者なのかも知れない・・・
「先輩、生徒会室にいるかな・・・」
突然気が変わったのか、それとも何か起きたのか、どういう事情があったんだろう?
校舎の階段を降りていると、下の階の左手からふと会話が聞こえた。
「・・・そんな・・・華澄さんにそう言われても、私・・・」
「あっ、光ちゃん!」
麻生先生だ・・・何か尋常じゃない雰囲気だけど、通り道だしなあ・・・
恐る恐る麻生先生の視界に入る。
やはり重大な事があったのか、先生の反応はない。
軽く会釈をして、脇を通り抜けた。・・・これで失礼をした事にはならないだろう。急ごう。
「・・・待って。」
「は、はい!」
(華澄先生が我を忘れて怒ったのって、誰も見たことないからさあ)坂城先輩の言葉が頭をよぎる。
やっぱり、まだ怒ってたかあ・・・
「・・・あの、午前中は感情的になってごめんなさい・・・」
先生が口を開いた。・・・でも・・・
さっき何があったのかは解らないが、先生の目は呆然としたままだ。
先生は、きっと無理をして言っている。・・・先生って、大変な仕事なんだなあ・・・
「は、はい・・・僕の方こそすいませんでした・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」しばし沈黙が続く。
「・・・ふふふ。よろしい。」
先生の目は、もうさっきの感じではなかった。大人の人って、気持ちの切り替えが早いんだなあ・・・
「・・・実はね、少し、うらやましかったの。」
「えっ?」
「・・・寝言でも、好き放題言ってるのが。だから、つい本気でムキになっちゃった。
でもそういう風に何でも言えるのって、きっと今のうちだけよ。」
「先生・・・」
「やっぱり、華澄さんだって言えないじゃないですか。」
さっきの声の人だ(「光さん」っていうのかな?)。友達に付き添われて立っている。
場の雰囲気は、またさっきの尋常じゃない雰囲気になっていた。
「光さん」の友達は、恐い目つきで僕を睨んでいる。
571: 野猿萌え 02/03/03 00:59 AAS
Promise...
バシッ!!
渾身の力を込めて打ち込んだ俺のアタックが敵チームのコート内に突き刺さる!
その瞬間、長かった勝負はついた。
「ピピーッ!!3−2でひびきの高校の優勝!!」
(や、やった・・・!ついにインターハイ優勝だ!!)
俺はとうとう三年間続けてきたバレー部でインターハイ出場、そして優勝まで勝ち取る事ができたのだ。
だがそれは、俺だけの力じゃない。
応援してくれた仲間や顧問の先生、そして何よりも・・・。
今、応援席の一番前で感激の涙を流している八重花桜梨さんのおかげだと思う。
彼女と俺は、今日の決勝戦を前にある約束をしていた。
「今日でいよいよ決勝だよね。私の分まで頑張って・・・!」
「ああ、分かってるよ。必ず優勝して見せるから、しっかり見ててよ。」
「うん・・・・。あ、そうだ。もし・・・あなたが優勝したら何でも一つあなたの言うことを聞いてあげる。」
「えっ!?ま、マジで・・・?」
「勿論、余り高い物が欲しいとかは無理だけど・・・。私に出来る事なら何でも・・・いいよ。」
・・・と、こんな感じで俺は自分や学校、仲間のため以外に優勝を狙う大きな理由があったのだ。
表彰式が終わって、俺はチームの仲間たちとその日は優勝を分かち合う大騒ぎをした。
花桜梨さんもこの日だけは大騒ぎに積極的に参加していた。
男子も女子もインターハイ優勝という栄光に心から狂喜乱舞して、その日は遅くまで盛り上がった。
翌日・・・。
花桜梨さんからの電話で、俺は目を覚ました。
用件は、二人きりで改めてお祝いがしたいので家まで来て欲しいとの事だった。
俺は目を覚ますために軽くシャワーを浴びてから家を出た。
・
・
・
「ごめんね、わざわざ呼び出したりして。」
「いや、折角花桜梨さんが祝ってくれるんだし。」
花桜梨さんの部屋でほろ苦いコーヒーを飲みながら、インターハイの事や今までの練習の事を思い返してみる。
思えば、よくここまで頑張って続けられたものだ。
三年目は花桜梨さんがいたおかげで、それほど辛くはなかったような気がするが・・・。
俺たちはしばらく取りとめもない話をしていたが、やがて話題も尽きた頃・・・、
急に花桜梨さんが俺の顔を見つめてこんな事を言い出した。
572: 野猿萌え 02/03/03 01:04 AAS
「あの・・・、決勝戦前にした約束覚えてる?」
「うん?・・・ああ、覚えているよ。優勝したら、何でも言うことを聞いてくれるってやつだったっけ?」
「う、うん・・・。そう・・・。それで・・・、どんなお願いか聞いておこうと思って・・・。」
顔を真っ赤にして話す花桜梨さんが何だか可愛く思えてならない。
彼女は一・二年生の時にはこんな表情を見せたことは無かった。
勿論、今だってクラス全員の男子にはこんな顔をしない。
俺だけに見せてくれる花桜梨さんの様々な表情。まるで俺が独り占めしているみたいだ。
「そうだなぁ・・・、一応あるにはあるんだけど・・・。」
「うん、言ってみて。」
「いや・・、やっぱりこれだけはまずいから言えないよ・・・。絶対、花桜梨さん怒るに決まってるから・・・。」
「どうして?私なら大丈夫だから言ってみて。だって、約束は約束だし・・・あなたの言う事なら怒ったりしないよ。」
「それなら・・・。・・・・・・花桜梨さん!!」
「きゃあっ!」
俺は花桜梨さんの優しい言葉に触発されて、今まで妄想の中だけに抑えてきたことをついに実行に移した。
過去に何度もその美しいであろう肢体を想像しては、幾度と無く自慰に耽ったものだ。
俺だって男なんだから、どうしても溜まるモノは溜まってしまう。
花桜梨さんを絨毯の上に押し倒すと、両手を使って彼女の手を抑える。
彼女は驚いてはいるが、まるで抵抗をしない。
突然の俺の行動に、まだ思考がついて行っていないみたいだ。
幸い、花桜梨さんのご両親は滅多に家に帰る事がないらしく、今だって二人きり・・・。
こんな千載一遇のチャンスを逃す訳には行かない!
「花桜梨さん!俺は・・・俺の願いは君自身なんだ!君が欲しい!」
「ちょ、ちょっと待って・・・!落ち着いて・・・!」
「俺は落ち着いているよ!だって、約束しただろ?何でも言うことを聞くって。」
「で、でも・・・こんな事をするなんて・・・あっ!」
俺は右手で花桜梨さんの両手を重ねて押えると、
左手で彼女の着ている白いシャツと黒いタンクトップを一気にめくり上げた。
黒いタンクトップの下から現れたのは、対比するかのような純白のブラジャーだった。
花桜梨さんらしい落ち着いた感じのものだ。
それから、やっと我に返ってじたばたと抵抗する花桜梨さんの意表を突いて強引に唇を奪った。
「んっ・・・!」
唇が重なった瞬間、花桜梨さんが身体を固くしたのが押え付けている両手の感触から分かり、
それがますます俺を興奮させた。
唇の隙間から口内に舌を差し込んで花桜梨さんの舌に絡める。
初めて味わう彼女とのキスはとろけるくらいに甘く感じられた。
最初は手足を動かそうとしていた花桜梨さんも、俺に唇を奪われると抵抗を止めて大人しくなった。
・・・・いける!今なら・・・いける!
573(2): 続き 02/03/03 01:10 AAS
「花桜梨さんが大好きだよ!だから・・・君の全てが今すぐ欲しい!」
「はぁ・・・んっ!ま、待って・・!お願い・・!それだけは許して!」
「何でもいいって約束しただろ?それに・・俺だって真剣なんだよ!」
俺は構わずに花桜梨さんの半ズボンを太腿の辺りまで脱がすと、下着の上から秘部を弄った。
まだそれほど湿ってはいないが、今の俺にはそれを考える余裕など無い。
下着も脱がせようと、一気に左手を下にずり下げた。
「やっ・・!だめっ!だめえっ!!卒業式まで・・・卒業式まで取っておきたいの・・・!お願い・・・!」
「!!」
『卒業式まで』と言う言葉に、流石の俺も行動を止めてしまう。
それに花桜梨さんはその綺麗な瞳からぽろぽろと涙を流しながら、必死になって俺に哀願しているではないか。
彼女の涙を見た瞬間、俺の中で膨らんでいた何かが一気に萎んでいくのを感じた。
俺は黙って彼女の手を離すと、身体を静かに退かせた。
・・・・駄目だ、花桜梨さんを泣かせてまではやろうと思えない・・・。
「・・・ごめん、花桜梨さん・・・。俺、頭に血が昇ってどうかしてたよ・・・。」
「・・・分かってくれたんだね・・。ありがとう・・・。」
「えっと・・・俺、今日は帰るよ・・・。本当にごめん・・・。」
俺は欲望の赴くままに暴走しかけた事への後悔と、
あと一歩を踏み込めなかった事への無念さを感じながら花桜梨さんに背を向けた。
・・・きっと、花桜梨さんから見た俺の背中はみじめなものなんだろうな・・・。
だが、俺がドアのノブに手をかけた直後に驚くべき事が起きた!
「待って・・・!私・・・全部が全部、駄目って言った訳じゃないよ・・・。」
「えっ?」
「・・・えっと・・・約束はした訳だから・・・。えっち以外だったら・・・その・・・してあげても・・・いいかなって・・・。」
俺は花桜梨さんが何を言っているのかすぐには分からなかった。
思わず彼女の目をじっと見つめてしまう。
すると、俺の視線から逃れるように花桜梨さんは明後日の方向を向いて頬を赤らめた。
・・・・まてよ、エッチ以外って事は・・・!?
「私だってあなたを悦ばせてあげたいし・・・。けど・・・、私・・そう言う事、よく分からないから・・・。」
「じゃ、じゃあ・・・。」
「うん・・・。」
上目遣いで俺を見ながらこくりと頷く。その仕草がまた可愛くて仕方が無い。
危うく再び暴走しかけてしまい、俺は改めて自制心を高めた。
574: 続き 02/03/03 01:16 AAS
・
・
・
俺は花桜梨さんのベッドの上に腰掛けて、その前にしゃがみ込んだ彼女から手淫を受けていた。
バレーをしているとは思えないくらい白く細い指を絡ませて上下にしごき立てる。一回しごかれるたびに、震えるくらいの快感が俺を襲う。
・・・・自分でするよりも全然気持ちいいな・・・。そう言えば、何日ぶりだろう・・・。
「どう・・・?気持ちいい・・・?」
「ああ、上手だよ・・・。試合の疲れが全部抜けていくみたいだ・・・。」
「うふふ・・・。じゃあ、あなたの疲れが全部取れるように、私も頑張るね・・・。」
しゅこ・・しゅこ・・しゅこ・・しゅこ・・・。
花桜梨さんの手の動きが一層早くなった。それに合わせて俺を襲う快感の波もどんどん激しくなってくる。次第にそれは限界を越えて・・・。
・・・だっ、駄目だ!出る・・・!!
「か、花桜梨さん!!」
びゅっ!びゅっ!びゅくっ!びゅくっ!!
「きゃっ!」
我慢の限界に達した俺のペニスは溜まりに溜まっていたモノを遠慮無く花桜梨さんの顔面にぶちまけてしまった。
花桜梨さんの整った美しい顔が俺の精液で白く彩られていく。
桜色の柔らかな髪、切れ長のまつげや形の良い鼻、そして可憐なピンク色の唇の周りにもべっとりと付着してしまっている。
しかし、花桜梨さんは嫌がる素振りも見せないで、口の周りに付いた精液をぺろりと舐めとって見せた。
「あ・・・、花桜梨さん・・・。」
「あは・・・苦いんだね・・・、男の人のって・・・。・・・少しは疲れも取れた?」
「おかげでかなり楽になったよ。けど・・・まだまだ完全にってワケじゃないかな。」
「だったら・・・今度はどうしたらいい・・・?」
そう言って射精直後のペニスをしこしこと優しくしごきながら、花桜梨さんは俺の顔を見上げた。
・・・・よし、次は・・・!
俺が次に花桜梨さんに頼んだことは・・・一度してもらいたかったパイズリってやつだった。
それに、前から彼女の大きな胸を拝んでみたかったのも理由の一つだ。
さっきは服まで脱がしておいて、その先には進めなかったし・・・。
「こ、これでいいの・・・?」
「そ、そうそう・・・。あとは自分で胸を寄せて動かしてくれればいいんだ。」
575: 続き 02/03/03 01:17 AAS
花桜梨さんは形のいい87cmのバストを使って、俺のペニスを挟み込んでくれた。
予想通り、弾力、質感、肌(?)触り・・・文句無しだ。
ブラジャーを外してもほとんど形を崩すことが無かったそれは、花桜梨さんの大きな魅力の一つだと思う。
水泳の時間では、地味なスクール水着と花桜梨さんのナイスバディとのアンバランスさが男心を刺激して、
男子全員の目が釘付けだ。
ふにゅ・・ふにゅ・・・ずにゅ・・・ずにゅにゅ・・・。
・・・・うおおぉぉっ!めちゃくちゃ柔らかくて気持ちいい〜!!
想像以上の快感に、俺は目をぎゅっと閉じて花桜梨さんのパイズリを受け続けた。
俺のペニスをふわふわと包み込んでいる彼女の乳房の感触はさることながら、
一生懸命な花桜梨さんの表情がたまらない。
「花桜梨さん、最高に気持ちいいよ・・・。まるで天国にいるみたいだ・・・。」
「・・・ほんと?恥かしいけど・・・あなたが悦んでくれて嬉しいな・・・。」
「く、口も使ってくれると嬉しいんだけど・・・。」
「口で・・・?」
・・・流石にこれは無理かな・・・?
などと思いながら花桜梨さんの様子を窺っていたのだが、
胸の間からはみ出た俺の亀頭をじっと見つめていたかと思うと・・・。
「・・・んっ、あむっ・・・。」
「!!」
あむっと亀頭を咥え込んで舌を使い始めた。竿の部分を柔らかい乳房で挟まれ・・・亀頭を舌で舐め回され・・・。
パイズリもすごかったのだが、それ以上の快感が俺を責め立ててくる。
まるでストローの様にちゅうちゅうと亀頭を吸い込んで、尿道も舌先でつんつんと刺激する。
かと思えば、唇を締めてきたり・・・。
本当に花桜梨さんが処女なのかと思いたくもなるくらい、彼女のテクニックは上手だった。
『気持ちいい』としか表現できない事が情け無いが、実際にそれ以外の感想など思い浮かばない。
576: これでラストです 02/03/03 01:20 AAS
ちゅっ・・・ちゅぱ、ちゅぱっ・・・ちゅる・・・ちゅるるっ・・・!
「か・・花桜梨さん・・・、上手すぎるよ・・・。」
「ふふ・・・、あなはがよほほんへふえふはら・・・。」
ペニスを口に咥えて奉仕の手を休めないままで彼女が何やら喋った。
多分、『あなたが喜んでくれるから・・・。』と、言ったのかもしれない。
・・・運動も勉強もバッチリで性格もいい。更に容姿端麗の上にこんなエッチなテクニックまで上手いなんて・・・。
花桜梨さんのパーフェクトぶりに舌を巻きつつ、俺はこみ上げる射精の衝動を何とか我慢していた。
むにゅ・・むにゅっ・・・ちゅっ、ちゅううぅぅっ・・・!
「んふぅ・・ふぅ・・・んむっ・・・。」
「うあ・・・!か、花桜梨さん・・・もうそろそろ・・・!」
パイズリとフェラの同時責めに童貞の俺が耐えられるはずがない。
いくら堪えようとしても、もう爆発せんばかりに高まっている衝動を抑えることなど出来なかった。
俺は思わず花桜梨さんの頭を掴んで、自分の股間に押え付けた・・・その直後。
「花桜梨さん!出すよ!!」
「・・・んむっ!」
どぷっ、どぷっ!どぴゅっ!どぷぷっ!
俺は激しい快感の中で花桜梨さんの口内に二回目の射精をしていた。
一度目よりも明らかに快感の波が長く続いている。
花桜梨さんは苦しそうな顔をしたものの、俺のペニスでしっかりと口を塞がれているために口内に放たれるモノを吐き出すことができない。
何とか口を離そうとしているが、頭も俺が抑えているのでそれも無理だ。
やがて、花桜梨さんは観念したように俺のペニスを吸い込み始めた。
「・・・・んん・・んんっ・・・!」
(ごく・・・ごくん・・・・。)
しばらくの間、むせ返りそうになるのを我慢して俺の射精を受け止めていたが、
それが終わった直後に花桜梨さんの白い喉が二・三回鳴った。
全部、飲み干し終えたのを確認してから俺はやっと花桜梨さんの口からペニスを抜き去った。
・
・
・
最後はちょっと強引になってしまったが、彼女もそれほど怒っていないみたいだったし・・・・。
けど、やっぱりいきなりの口内射精に不満はあるみたいだ。
「はぁ・・はぁ・・・、びっくりした・・・。いきなり口の中に出すなんてひどいよ・・・。」
「ごめん、ごめん。あまりにも花桜梨さんのパイズリとフェラが気持ち良かったから、つい・・・。」
「・・・。・・・約束だもんね・・・。いいよ、許してあげる・・・。」
俺が謝ると、花桜梨さんはすぐににっこりと微笑んで許してくれた。
・・・・良かった、あんまり怒っていなかったみたいだ・・・。花桜梨さんって、やっぱり優しいなぁ・・・。
その後、花桜梨さんは精液がこびり付いた自分の顔を洗ってから、風呂場で唾液と精液にまみれた俺のペニスをも優しく洗ってくれた。
こうして、俺と花桜梨さんとの間に交わされた約束は無事に果たされて・・・はいない。
卒業式の日に、約束は完全に果たされるのだから・・・。
【完】
577: 571 02/03/03 01:24 AAS
何か連載中の所に割り込む形になってしまい、すいませんでした。
某スレでのリクエスト作品『Promise』です。
一気に掲載したせいか、かなり長くなってしまいましたが・・・。
それでは、失礼致します。
578: 02/03/03 01:32 AAS
ご苦労様でした。
ねぎらいの言葉代わりに回すの手伝います。
579: 02/03/03 01:33 AAS
見たところついさっきウプったみたいですね。
後でじっくり読ませてもらいます。
580: 02/03/03 01:34 AAS
久しぶりのエロネタ…ドキドキワクワク。
581(1): 02/03/03 01:34 AAS
ついでにムラムラ…
582(1): 02/03/03 01:35 AAS
それにしても最近は密かに地下進行してたんですね。ここ。
SSは読まれてナンボだから上げればいいのに…。
なんて言ってみるテスト。
583: 02/03/03 01:37 AAS
そういえば缶珈琲氏をはじめとした常連作家達はどこへ行ったのだろう。
あの空の向こうだろうか。
584: 02/03/03 01:38 AAS
卒業を迎えた今メモ2SSが減らないか心配だったりもします。
大丈夫だよね、ね、ね?
585: 02/03/03 01:40 AAS
回しとはいえやっぱり連続カキコは心苦しいなァ。
もう少し回しにもネタ要素を含ませなければ…。
つーか連続カキコ規制くらったよ。
586: 02/03/03 01:41 AAS
ラス回しです。
587: 02/03/03 01:46 AAS
>>171-176
『Promise』
メモ2ネタ (八重さん・エロ)
作者は>>177氏(野猿萌え氏?)
結構下がっていたのでageます。
あと、私は作者ではありません(かってな事をしてスマソ)。
それじゃ、俺もよむとします。
588: 作者 02/03/03 02:03 AAS
587さん、回して下さった方々へ・・・。
お手数をかけましてすいません。
初投稿で、要領がイマイチよく分からなかったものでして・・・。
589: 02/03/03 23:25 AAS
2chスレ:gal
の557-558でコピペマスターさんが一生懸命SSを書いてくださったから
だれか評価してあげてください。
自分はこれでこのスレが一気にしらけました。
590: 02/03/04 00:55 AAS
みんな頑張っているなァ。
591: 02/03/04 23:43 AAS
感想が作家を育てる。
592(2): 缶珈琲 02/03/05 00:29 AAS
いまさらどの面下げて戻って来れたものやら…。
いや、本気でスランプなの。ネタがないわけではないんだけど…。
どうにも書き出す気力が沸いてこない…。
あ、美帆真帆の誕生日も過ぎちゃったなぁ。真帆のちょっと切ないストーリーとか
(とーぜんエロ抜き。そういう作風ですから)読みたい人います?
593: 02/03/05 00:58 AAS
>>592
もちろん読みたい!
594: ボケコニアン 02/03/05 01:12 AAS
>>592
俺はバレンタイン用に暖めといたネタがあったのに
忙しくてうぷできん
気にしない
595(1): 02/03/05 10:30 AAS
字数制限ができたって本当?
596: 02/03/05 10:55 AAS
>>595
字数制限は前からあるよ。いままで4096だったのが2048に変更された。
597: 02/03/05 12:16 AAS
2002年3月6日(水曜日)
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2-1:いろいろ・・・。
今現在、もう一作投稿しようと執筆中のモノがありますが・・・。
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604: 02/03/07 09:11 AAS
>603
うぷして。
605: ◆GroOvBoY 02/03/07 11:58 AAS
ここでは書いてませんが、通りすがりがてら。
Q1:ぐるぅびん(@切身だったりトリップだけだったり。つか本当のHNを忘れられてる節有)
Q2:2ch用コテハン。他所では別ハン&別PNで。
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606: 鴉 02/03/07 19:17 AAS
オイラもやってこ。
A1:鴉
A2:そうです。
2-1:無い。
ネタや単発の書き込みは大抵名無しでやってます。
たまに間違ってHNで書いているのを見かけても、
見なかった事にしてくれると嬉しいです。
607: 02/03/07 22:08 AAS
SS書きさんへのひゃくのしつもん テンプレイト
外部リンク[txt]:hx.jpn.org
608: ボケコニアン 02/03/08 00:27 AAS
外部リンク[htm]:members.tripod.co.jp
609: 02/03/08 00:51 AAS
どうせなら補完サイトも作って。
610: 沖縄の一夜 02/03/08 19:51 AAS
花桜梨さんと知り合ってから一年半くらいが過ぎた頃…季節は秋の初めくらい。
俺は学校の修学旅行で、ここ沖縄に来ていた。
沖縄についた翌日、まずはクラス行動で首里城に行って長い階段を歩き続けた。
そう言えば、寿さんが階段から転げ落ちたのに思ったより痛くなかったとか何とか言ってたな・・・。
俺も試しに転げ落ちてみようかな…って、待て待て!俺は寿さんみたいに不幸には慣れているワケじゃない。
この石階段を転げ落ちていく自分の姿を想像しただけで背筋が寒くなる。
・
・
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611: 沖縄の一夜 02/03/08 19:52 AAS
三日目が終わってから、俺はくたくたになってホテルへと戻って来た。
修学旅行は特に問題も無く過ぎて行き、いよいよ明日は個人行動が出来るのだが・・・。
誰を誘うかで、男子はそれぞれ思い思いの相手の所に誘いに出かけたり計画を立てたりしている。
(・・・純はあの性格だから、女の子を誘う事は出来るワケ無いだろうな・・・。)
匠は既にターゲットを決めているらしく、明日の予定をせかせかと立てている者たちを余裕たっぷりで眺めている。
そう言う俺だって相手を決めていない訳じゃない。
同じ学年の女子の中でも、恐らく五本の指に入るくらい背が高い八重花桜梨という女の子。
クラスは違うが一年生の時に学校の屋上で知り合ってからというもの、何とか親しくなろうと頑張ってきた。
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・
・
・
その後、風呂に入ろうと思い、着替えなどを持って地下の大浴場へ向かう途中・・・。
ドンッ!
「うわっ!」
「きゃっ!」
俺は曲がり角で誰かにぶつかり、そのまま廊下に尻餅をついてしまった。
ぶつかった相手も短い悲鳴をあげて、俺と同じように廊下に倒れたようだ。
612: 沖縄の一夜 02/03/08 19:53 AAS
「いてて・・・!って、花桜梨さん・・・?」
「あ・・・、**君・・・。」
「ご、ごめん!大丈夫だった?」
よくよく見ると、俺の目の前にいる相手は花桜梨さんだった。
黒いタンクトップの上に白いシャツといったかなりラフな服装をしている。
ひょっとしたら、もう入浴を済ませて部屋に戻る途中なのかもしれない。
(・・・う〜ん、抜群のボディーラインが露わになっていて何とも・・・。)
・・・だ、駄目だ!変なことを考えている場合じゃない!ここで花桜梨さんに会ったのも何かの縁だ。
思い切って、明日の自由行動の相手をしてもらえるように誘ってみよう。
「あ・・えっと、明日の自由行動だけど・・・。」
「・・・!そ、その事なんだけど・・・。私・・特に一緒に行く人いないから・・・その・・・。」
「!?」
「だから・・・い、一緒に・・・見学してくれないかな・・・。」
思いも寄らなかった花桜梨さんからの誘いに俺は驚きを覚えつつ、二つ返事で了承していた。
613: 野猿萌え ◆zKQna1OU 02/03/08 19:55 AAS
一応、ここまで書けている所です。
とりあえず、回しておきます。
614: 回します 02/03/08 19:56 AAS
回しその2
615: 回転 02/03/08 20:06 AAS
回しその3です。
616: 鴉 02/03/08 20:45 AAS
手伝うよん。
617: 02/03/08 20:45 AAS
うう…鬱…
618: 02/03/08 20:46 AAS
あと3つ……。
619(2): 02/03/08 21:11 AAS
野猿萌えよ、悲惨な終わり方をするのははカンベンな。
表でも
620: 619 02/03/08 21:12 AAS
書き間違えた、鬱だ・・・。
621: 02/03/08 21:28 AAS
ご苦労様です。
622(1): 野猿萌え ◆zKQna1OU 02/03/08 22:15 AAS
>>619
ここでは悲惨な終わり方にはならないと思います。
ただ、SSのEDは全てが幸福とは限りません。
それを踏まえた上でお読み下さいませ。それで納得がいかない場合は、
私としても責任が取れませんので・・・。
623(1): 赤井ほむら 02/03/08 22:24 AAS
>>622
あたしを主人公にしてくれねぇか?
624(1): 622 ◆zKQna1OU 02/03/09 01:16 AAS
>>623
(´∀`;)
625: 爆裂山和美 02/03/09 02:02 AAS
>624
ワシもメインキャストにしてくれないかの〜?
……いや、言ってみただけじゃ……
626(1): 続きです 02/03/09 02:23 AAS
・
・
・
「う〜ん、あの花桜梨さんから誘われるなんてなぁ・・・。」
入浴を済ませてから、俺は部屋に戻ってベッドに寝転びながら呟いていた。
今までに花桜梨さんから誘われた事は無かった。彼女の控えめな性格を考えれば無理もないが・・・。
「おい、難しい顔してどうしたんだよ?」
「うん?・・ああ、ちょっとな・・・。」
「修学旅行中だってのに悩みか?お前も相変わらずだなあ。」
俺の独り言を聞いていたのか、同じ部屋の匠が声をかけてきた。
こいつは悩みなどとはまるで無縁のような男だと思うが、過去に俺の相談を何度も聞いてくれた。
普段はしたたかでいろいろとムカつくところがある奴だが、意外と良いトコロもあるようだ。
先ほどの出来事を話そうかとも思ったが、結局やめておいた。
匠に話しても、こればっかりはどうなる訳でもないし別に話すような事でもないだろうから・・・。
とりあえず、その日は明日の事を考えてさっさと寝る事にして目を閉じた。
・
・
・
翌朝、ロビーに降りると既に多くの生徒たちが集まっていた。
・・・みんな今日の自由行動の相手がいるのかな・・・。
辺りをきょろきょろと見回してみたが、まだ花桜梨さんは来ていないみたいだった。
しばらく待つか・・・。
近くにあったソファーに腰を下ろして他の連中の様子を眺めてみる。
匠は匠で色んな女の子に囲まれているし、純は・・・・おや、意外にもちゃんと相手を見つけているぞ。
俺は純に影ながらエールを送ると、再び視線を別の所に向けた。
・・・と、廊下の奥からこっちへ歩いてくる人影が見えてくる。
627(1): 続きです 02/03/09 02:25 AAS
「おはよう。遅れちゃってごめんなさい・・・。」
「あっ、おはよう。それじゃあ、行こうか。」
「あの・・・遅れた訳を訊かないの?」
ちょっと意外そうな花桜梨さんの声に振り返りつつ、俺は笑ってこう返事をした。
「いや、女の子っていろいろと出かけるのに手間がかかるって聞いたから。それに、時間はたくさんあるんだし。」
「そ、そう・・・、ありがとう・・・。」
俺自身はそれほど深い意味で言った訳ではなかったのだが、花桜梨さんは考え込むような表情をしながらお礼を言ってきた。
今までに見た事のない表情だったので、思わずまじまじと花桜梨さんの顔を見つめてしまう。
・・・そ、そんなに考え込むような事を言ったかな・・・?
「・・・どうしたの?行きましょう。」
「あ、うん・・・。」
俺の考えとは裏腹に、花桜梨さんはすぐにいつもの調子に戻ると先を歩き始めた。
(・・・ま、いいか・・・。)
・
・
・
ホテルから少し歩いてマリーナに行くと、桟橋にヨットが停めてあった。
花桜梨さんは海風にセミロングの髪をなびかせながら、気持ち良さそうに目を閉じてこう言った。
「沖縄って何だか自然の気配が強い気がする・・・。」
「花桜梨さんって、自然とかそういうのを感じやすいんだね。」
「そんな事ないよ・・・。ただ、蒼くて澄んだ海を見ているとそんな風に思えてくるんだ・・・。」
「・・・・・。」
俺は黙って海の向こう、地平線を眺めてみた。まるで、このままどこまでも続いているように見える。
・・・と、不意に何かが俺の隣に来た事が空気が僅かに揺れて分かった。
ふと隣を見ると、花桜梨さんも俺と同じように海の向こうを穏やかな・・・そして澄んだ瞳で見つめていた。
(・・・・何だかこうやって見ると自然を感じている花桜梨さんって、すごく不思議な魅力があるよな・・・。)
ぼーっと花桜梨さんの横顔を見ていると、俺の視線に気付いたのか彼女も俺の方に顔を向けてきた。
628(1): 続きです 02/03/09 02:27 AAS
「・・・ねえ、あなたはどうして私と一緒に居てくれるの?」
「え?それは・・・。」
前にも同じ事を訊かれた事があったはずだ。それは一年生の頃・・・。
スキーで足を挫いた花桜梨さんを背負って下まで降りて行く途中だったと思う。
もう少しでロッジだという所で、急にそう訊いてきたのだ。俺はその時になんて答えたのだろうか・・・。
えーと、確か・・・。
・
・
・
(理由は俺にもよく分かんないよ。ただ、花桜梨さんと仲良くなりたいだけ・・・かな。)
(・・・私と仲良く・・・?・・・それだけなの?それだけで今までいろいろと声をかけてくれたり、今もこうやって下まで運んでくれているの?))
(そうだよ。・・・花桜梨さんだって、もしも目の前で人が転んで動けなくなったら助けようとしない?)
(・・・・・。)
花桜梨さんは返事をしなかった。・・・返事に困ってる?いや、俺の言葉が意外に思えたらしい。
(・・・私は・・・。)
(・・・うん?)
(・・・ううん、何でも無い・・・。)
その後、軽い捻挫だと診断された花桜梨さんは大事を取ってその日のデートを早く切り上げて帰ることになった。
その翌日に、思わぬ事を言われてマジで焦ったんだけどな・・・。
・
・
・
「・・・・**君?」
「・・・!あ、いや・・・。」
「・・・・。」
「何て言うのかな・・・。前にも言ったと思うけど、深い意味なんか無いよ。
花桜梨さんと友達になりたいからって言うか・・・俺がそうしたいからなのかもしれないし。」
「・・・そうなんだ・・・。」
それ以上は花桜梨さんは何も訊いてくる事はなかった。
けど、俺と彼女の間には緊張感もぎこちなさもなく、自然で穏やかな雰囲気に包まれていたと思う。
しばらく海を眺めてからのち、花桜梨さんはその場からゆっくりと歩き出して俺に視線で合図を送った。
俺はそれに従って歩き出しながら、風に揺れる彼女のセミロングの髪をぼんやりと眺めていた。
629: 626-628 02/03/09 02:30 AAS
まだしばらく続きます。
二年目の花桜梨さんって、書くのがなかなか難しいです・・・。
お見苦しい点が多々あるかもしれませんが、ご勘弁下さいませ・・・。
630: 02/03/09 04:39 AAS
たまにはageておこう
631: 02/03/09 04:52 AA×
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632: 02/03/09 05:06 AA×
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633: 02/03/09 12:54 AAS
ガンバレ!
634(1): 02/03/10 00:48 AAS
帰宅すると、首輪だけをつけた愛奴が「続きを…、お願いします」と、恥じらいながら縄を両手で差し出す。
ボクは縄を受け取り、生々しい縛り痕の残る愛奴の身体をぎゅっと抱き締め「可愛い事言うじゃないか(…ありがとう)。ずっと待っていたんだな…。お前は一生オレのモノだな?」と耳元で囁く。
「はい。生涯離れません。いつもお側に…」
嬉しそうに耳と頬を赤らめ、続きを求める。
そして、彼女の愛情を一生懸命受け止めようとするボクがいる。
求めあう、愛しあう二人がいる。
635: 「おとうと」を書いています。 02/03/10 16:59 AAS
以前「次に載せる時には全部書いてから」と言った者です。
「全部書くか・・・じゃあ続きは來世紀ぐらいに・・・」とボケをかましていた今日この頃、
・・・すっかり甘えた日々でした。
「いかん、これではいか〜ん!」ということで、一区切りついたら載せてみます。
・・・で、さっそくですが一区切りつきました。
という事で、いってもよろしいでしょうか?
野猿萌え殿、割り込む形になりますが、どうかご容赦を。
636: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その7(1)誓いを破って再開〜 02/03/10 17:00 AAS
「あなた、ちょっとこっちへ来なさい。」
「光さん」の友達が、僕に話し掛けた。
「光さん」と麻生先生は、深刻そうな表情で向き合っている。
「光ちゃん・・・」
「ゴ、ゴメンなさい・・・」
二人とも、悲しそうな、何か深刻そうな表情だ。
「ほら、あなた、邪魔よ。」
「光さん」の友達に、腕を引かれた。
腕を引かれた方向は、僕が行きたかった生徒会室とは逆の方向だった。
「あ、あの・・・」
「・・・そういえば、自己紹介ぐらいしておくべきかしらね。
私は水無月琴子。三年生よ。」
「あ、僕は・・・」
「あなたはいいわ。知ってるから。
生徒会長の付き人さん、あなた、結構校内じゃ有名よ。」
「そうなんですか・・・」
・・・毎日ほむら先輩に引き回されてたら、そりゃ有名になるか・・・
「あの、先輩・・・」
「何よ。」
「僕の行きたい方向は、向こうだったんですけど・・・」
一応、自分の意志を主張してみた。
「駄目よ。」
「・・・そうですか。」
「あなたも見たでしょ?あの二人は今、非常に重要な用件があるの。」
「・・・そうですか。」どんな用件なのかは、さっぱり解らないけど・・・
でも、やっぱり言っておこう。自分が無意味にあの場にいた訳ではない事を・・・
「その、生徒会室へ行こうとして、たまたま・・・」
どんな反応が返ってくるか、何となく想像がつくのが嫌だったけど・・・
「あら、付き人さん、殊勝な心がけね。」
冷やかしとも皮肉とも取れる返事が返って来た。やっぱり・・・
「でも、駄目よ。やっぱり。またの機会にして頂戴。」
「そうですか・・・」
「・・・大体、あの雰囲気に割って入ろうだなんて、あなたいい神経してるわね。
事情が解らないとしても、普通それぐらいの分別はあるでしょ?」
水無月先輩の表情が険しくなった。・・・もしかして、僕、説教されてる?
637: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その7(2展開無理あり?〜 02/03/10 17:01 AAS
「とにかく、あなたと赤井さんがどういう関係かは知らないけど、
向こうへ行っては駄目。」
「は、はい・・・」
「全く、あなたみたいな無神経なのを見てると、本当に腹が立つ・・・あっ・・・」
水無月先輩の言葉が止まった。
「ごめんなさい・・・言い過ぎたわ・・・」
水無月さんはそう言って微笑んだが、目は悲しそうだ。
・・・自分の言った事を後悔しているのだろうか?
「・・・先輩・・・」
水無月先輩は、怖いところもあるけど、とても眼が澄んでいる人だ。
その時、そう思った。
そして、沈黙が訪れた。・・・僕、どうすればいいんだろう・・・
「・・・・・・」水無月先輩も、言葉が見つからないのかな・・・?
「・・・あの・・・」
「!」不意に聞こえた声に、水無月先輩が視線を向ける。僕も思わず視線を向けた。
誰だろう・・・?
視線の先には、長身の、どこか不思議な雰囲気の女の人が立っていた。
「・・・八重さん・・・」水無月先輩の知り合いのようだ。
でも、八重さん・・・?どこかで聞いた名前だ・・・思い出せないけど・・・
「あの・・・もし良かったら、一緒に帰らない?」
八重先輩(って言うのかな?)は僕に向かって、突然そう言った。
「水無月さん、私、この子に用があるから・・・」
「・・・」
「・・・立ち聞きするつもりはなかったんだけど、私も『殊勝な心がけ』って思ったから。」
「あら、あなたが他人に助け舟だなんて・・・あなた、本当に変わったわね。」
「そ、そう、かな・・・その・・・つ、つい・・・」
八重先輩は、話題を変えた。
「でも、さっき赤井さんが帰るのが見えたし・・・」
八重先輩のこの言葉で、僕は水無月先輩から解放(・・・って言ったら失礼かな?)された。
肩の荷が降りた表情をした水無月先輩を後に、八重先輩と僕は一緒に昇降口へ向かった。
「・・・本当は、とても優しい人なんだけど・・・」
八重先輩は、そう言って少し苦笑いをした。・・・水無月先輩の事を言ってるのかな?
「他人にああいう態度を取る時って、大抵は『友達』のため。」
638: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その8(1)八重メインは偶然です〜 02/03/10 17:05 AAS
「・・・あなたの話は、赤井さんからよく聞いてるよ。」
八重先輩と校舎を出て、一緒に歩く。
「・・・私、八重花桜梨。一応三年。」
「三年生なんですか。」・・・この人も、ほむら先輩と同じ学年か・・・
「うん、・・・一応。」
八重先輩は、何故か学年を強調しているように思えた。・・・すごく几帳面な人なのかなあ・・・
「そうですね。もうすぐ卒業でも、三年生は三年生ですね。」
「・・・」
あ、あれ?八重先輩、どうかしたのかな・・・?
「・・・そっか、そういう見方もあるんだよね。」
八重先輩は、少し嬉しそうな表情をした。・・・僕、何か特別な事言ったっけ?
・・・もうすぐ校門だけど・・・
・・・それにしても、みんなこっちを見ている。
僕が有名人らしい(という事がだんだん解ってきた・・・)せいもあるかも知れないが、
きっと、八重先輩が目立つからに違いない。
背が高いから?
不思議な雰囲気だから?
・・・それとも、綺麗だから・・・?
・・・ほむら先輩と帰る時も、みんなの注目を受けていたが、ノリと勢いで何とかなっていた気がした。
でも、今日はそんな物は微塵もない。・・・みんなが見てると、き、緊張するなあ・・・
八重先輩の方を見ると、緊張している様子は全くない。・・・不思議な人だ・・・
「・・・赤井さんのこと、どう思ってる?」
八重先輩が口を開いた。
「そ、その・・・」
「・・・好き?」
「えっ!?・・・その・・・何と言うか・・・」
「一緒にいると楽しい?」
「は、はい・・・楽しくない、と言ったら、嘘になります・・・」
「やっぱり、私が思った通り。」
八重先輩は、そう言って少し嬉しそうな表情をした。
639: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その8(2)八重分量多すぎ?〜 02/03/10 17:06 AAS
初対面の僕でも解る。八重先輩は、あまり笑わない人だ。
その先輩が少し笑っている表情は、心から嬉しいと思っているように見えた。
そういえば今日は、コートを着て来なかった。天気予報によれば、昨日より2度暖かいらしいからだ。
「・・・私も、割と一緒に帰ったりする人がいるんだけど、」八重先輩が話し始めた。
「みんな私達を見てるみたいで、変に冷やかされたりして・・・」
「・・・付き合ってる、って偏見が広まる事もあったりして・・・」
「いつの間にか、他の誰かが私のライバルって事にされて、勝手に応援されたりして・・・」
「・・・でも、何でも『付き合ってる』とか『付き合ってない』とかで見るのって、少し変だと思う。」
初対面の僕でも解る。八重先輩は、あまり自分の話をしたがらない人だ。
その先輩が、色々僕に話し掛けている。
「・・・『恋』とか、『付き合う』とかは、まだ関係のない夢の話。
そういうのとは別に、一緒にいたい、友達でいたい・・・そう思う時って、あるよね。
あなたは、赤井さんをそういう風に思ってるのかな、って、ずっと想像してた。
昨日も、教室の窓から見てた・・・」
「そ、そうだったんですか・・・け、結構注目浴びてたんですね・・・僕とほむら先輩・・・」
「うん。私も、あんな風に一緒に帰ってみたい。」
えっ・・・?別に、その人とまた一緒に帰ればいいんじゃ・・・?
「明日にでも、その人と一緒に帰ってみたらどうですか?」
「・・・ううん・・・私なんかじゃ、駄目。私には、もう駄目・・・」
八重先輩の表情は穏やかなままだったけど、そんな表情からは想像もつかない言葉だった。
640: 突然ときメモ2SS 「おとうと」〜その8(3)や、やりすぎ?〜 02/03/10 17:07 AAS
「・・・その人の事を、とても好きな女の子がいるの。」
「八重先輩・・・」
「今はまだ付き合ってないけど、卒業式の日に、告白するんじゃないかと思う。たぶん・・・」
・・・先輩・・・
「で、でも・・・」そんな風に諦めるのって・・・
「・・・?」
「まだ諦めちゃ駄目だと思います!」
「・・・どうして?」
「だって、八重先輩は・・・その、初対面の僕が言うのも何ですが・・・とても、綺麗だと思いますし・・・」
「あ、ありがとう・・・」
「とにかく、まだ大丈夫だと思います!絶対、大丈夫だと・・・」
「・・・・・・」
八重先輩の足が止まった。・・・あっ!
目を閉じた先輩の目から、涙が・・・!ど、どうしよう・・・
「大丈夫。・・・これは嬉し涙だから・・・でもこれは、あなたにとっては、とても失礼な感情・・・」
「え、一体、ど、どういう・・・」
「・・・今日、赤井さん、とても悩んでた・・・
私は、もう駄目だけど、あなた達は、まだ大丈夫。・・・行って・・・
もし赤井さんがいなくても、一文字さんも赤井さんの事、心配してたから・・・」
・・・気が付くと、最近毎日のように通る道に来ていた。
(よし、メシ食いに行くぞ!)
ほむら先輩と通った、一文字先輩がアルバイトしている食堂は、この通りをまっすぐ行けばいい。
「・・・私は、この辺で・・・今日は、ありがとう。」
八重先輩は涙を収めると、暖かい表情を残して去っていった。
初対面の僕でも解る。八重先輩は、滅多な事では泣いたりしない人だ。
足早な後姿に会釈し、僕は食堂へ向かった。
641(1): 635とか636〜640 02/03/10 17:10 AAS
またひとまとまり出来たら載せてみて・・・よろしいでせうか?
失礼しました〜。
誓いを破っての掲載すいません。つまらなかったらすいません。
このまま力尽きたらすいません。・・・という事で。
642: 02/03/10 20:19 AAS
SS職人の基本
@中途半端なまま載せない
A他の職人がうpしてる途中に割り込まない
(読んでる人が混乱する)
643: 缶珈琲 02/03/10 23:12 AAS
結局真帆の話書けなかったぁ! 旅に出ます探さないでください。
…ラストシーンだけはちゃんと決まってるのに、そこまでの展開が
さっぱりまとまらない歯がゆさよ…。とほほ。
と言うわけで>641さん、私の分までがんばってください…がくっ。
644: 02/03/10 23:25 AAS
SSは書き出しが一番難しいよね。
645: ◆2chHiF3k 02/03/11 02:41 AAS
えーと・・・Kanonではダメでしょうか・・・
とりあえず書いてはみたんですが。
646: 02/03/11 09:20 AAS
葉鍵板のSSスレはよくも悪くも敷居が高いからねぇ。
取りあえずこっちにあげてもいいんじゃない?
647: 02/03/11 09:21 AAS
しまった。
回ってないのにあげてもーた。
648: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
649: ◆2chHiF3k 02/03/12 00:23 AAS
645です。
葉鍵板はあまり好きではない(住人が、というわけではない)んで
どうしようかと思ってたんですが。
とりあえずこっちにあげさせていただきます。佐祐理さんシナリオ
分岐後の補完として作ったものの一部です。
650: その1 ◆2chHiF3k 02/03/12 00:25 AAS
〜 一月二十八日 〜
放課後、祐一は佐祐理とともに商店街に来ていた。
舞には内緒で、誕生日のプレゼントを探すためだった。
「…じゃ、俺はこっちを。佐祐理さんは、あっちの方を見てきてくれ」
「はい、分かりました」
待ち合わせの場所と時間だけを指定して、別れる。
「まずは…しらみ潰しに探すしかないか…」
誰に言うでもなく言って、祐一は歩き始めた。
「祐一くん…」
懐かしい声に、足が止まった。
「よお…」
丁度、殆どの店をチェックし終わった頃だった。
夕焼けの中に、少女は一人、立っていた。
「久しぶりだな、……あゆあゆ」
「…あゆあゆじゃ、ないもん……」
困ったような笑みを浮かべながら、少女は祐一の方へと歩み寄って来た。
「祐一くん…話したいこと、話さなくちゃいけないこと、…いっぱいいっぱいあるよ……」
「偶然だな。俺もそうだ…」
「でもボク、もう時間が無いんだよ…」
「…偶然だな。…俺も……」
そう言ったきり、二人とも黙り込んでしまう。
「本当は、まずいんだけどな…」
祐一は、時計に目をやった。
「少しだけ、時間がある。その辺、歩くか」
「……うん…」
言って、ゆっくりと歩き始める。
少女も、並んでついてきた。
町並みが、いつもよりも美しく思えた。
時間が、いつもよりもゆっくり流れているように、感じた。
651: 02/03/12 00:25 AAS
ここにあげて葉鍵板にアドレス貼ればいいじゃん
652: 02/03/12 00:26 AAS
最悪のタイミングで割りこんじゃった。スマソ
653: その2 ◆2chHiF3k 02/03/12 00:27 AAS
「祐一くん……何かを、探してるんでしょ」
「おっ…分かるか。ちょっと、つまらない用事でな」
「…うそつき」
少女が微笑む。
「ボクには分かってるんだよ。…祐一くん、とっても大切なものを探してるんでしょ」
「…そうだな…」
祐一も、静かに微笑んだ。
「祐一くん、今、欲しいものって、ある?」
「おいおい…何か、変な質問じゃないか?俺が今、探し物をしてるのは知ってるんだろ?なら、
その探し物が、俺が今『欲しいもの』に決まってるんじゃないのか?」
精一杯の理屈をこねてみる。
「ふふっ…ボクには何でも分かってるんだよ。…祐一くんのことならね」
「なら、聞かなくてもいいだろ」
「こういうのは、わざわざ聞くっていうのがいいんだよ」
「何がいいんだか…」
二人で、笑った。
夕日は、まだ沈まずにいてくれた。
待っていてくれた。
どれほどの時間、一緒にいただろうか。
「祐一くん…そろそろだよ……」
少女が切り出した。
「そうか…」
気がつくと、二人は駅前まで来ていた。
「じゃ、……これで、お別れだね……」
「……そう、か……」
言葉が出なかった。
「祐一くん…ボクね、本当はもっともっと、言わなくちゃいけないんだ…
ありがとうも、ごめんなさいも」
「あゆ……」
654: その3 ◆2chHiF3k 02/03/12 00:28 AAS
謝るのは、俺のほうだよ。
礼を言うのも。
そんな思いさえも、言葉にならなかった。
「だけど、もう……本当に、時間が無いんだよ。……だから………」
少女は、コートのポケットから小さな人形を取り出した。
「…最後にひとつ、お願いをしたいんだ…」
祐一は、はっきりと思い出していた。
少女の、探し物。
それは願いを叶えてくれる、小さな天使。
だが、残された願いは、あと一つだけ。
たった一つだけだった。
「…あゆ……」
祐一は思わず、少女を抱きしめた。
「祐一くん……見てるよ、みんなが…」
「関係ない」
少女は真っ赤になって、ちらちらと辺りを見まわした。少しだけ、困っているようだった。
「恥ずかしいよ…祐一くん…」
「関係ない」
「……でも、……」
少女は、静かに眼を閉じた。
「ボク、嬉しいよ…」
「…それは、関係ある」
少女の温もりが、息遣いが、鼓動が、直に伝わってくる。
失いたくなかった。
祐一は、少女を抱きしめた腕に、しっかりと力を込めた。
背中のリュックが、少しだけ邪魔だった。
655: その4 ◆2chHiF3k 02/03/12 00:29 AAS
「それじゃ、ボクの…」
耳元で、少女が小さく囁く。
「ボクの、最後のお願い…本当に、最後のお願いだよ」
「俺に、叶えてやれることか……?」
「うん……」
雑踏も、風の音も、聞こえない。
ただ、少女の声だけが、真っ白な世界に響いていた。
「ボクのこと…月宮あゆって女の子がいたってことを、どうか忘れないでください……」
「あゆ……」
少しだけ手を緩めて、少女の顔を見る。
「最後の…本当に、最後の最後のお願いなんだぞ……そんなので、本当にいいのか…?」
「うん……ボク、ずっと悩んだんだけどね…」
限りなく、澄んだ眼をしていた。
「ボク、きっと…祐一くんっていう男の子がいたってこと、絶対に絶対に忘れないよ。
だから、……祐一くんも、ボクっていう女の子がいたってことを、絶対に絶対に、忘れないで
いて欲しい……こんなお願い、やっぱりダメかな……?」
「……それぐらいなら、お安い御用だ。忘れないさ…絶対に」
言って、もう一度、少女を強く抱きしめる。
「…祐一くん……ありがとう……」
少女の瞳から、涙が一粒、こぼれ落ちた。
「約束、だよ……」
「……それじゃ、本当に……」
「ああ……」
そっと腕をほどき、少女の顔を見る。
「ばいばい、祐一くん。元気でねっ」
最後は、いつも通りの笑顔だった。
「ああ……あゆも、元気でな…」
「うんっ」
言って、いつものように小走りに駆け出した。
夕闇迫る街並みを駆けぬけて行く少女の背中を、祐一はずっと見つめていた。
ずっと。
656: そのさいご ◆2chHiF3k 02/03/12 00:30 AAS
「祐一さーん、見つかりましたか?」
約束の時間ぴったりに、佐祐理が帰ってきた。
「うーん、いまひとつかな。佐祐理さんの方は、どうだった?」
「ええ、良さそうなのがありましたよ。一緒に見に行きましょう。あれ…?」
佐祐理は、祐一の持っている紙袋を覗き込んだ。
「たい焼き、……ですか?」
「ん……ああ、これか。久しぶりに、ちょっと食べたくなって」
「はえー…それにしても、すいぶんたくさん買ったんですね」
確かに、一人で消費するには多すぎる量だった。
「佐祐理さん、ひとつ食わないか」
「いいんですか?いただいても」
「いいっていいって。こういう物は、ひとりで食うよりみんなで食ったほうが美味いんだし」
そう言って、湯気を上げているたい焼きを手渡した。
「そうですか…?それでは、いただきますね」
祐一も、たい焼きを口に運んだ。
「…たい焼きは、焼きたてが一番、か……」
佐祐理に聞こえないよう、小さく小さく呟いた。
いつもと変わらない、味だった。
それでも、少しだけ物足りないような気がした。
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