魔道学者・トリックスター part60 (1000レス)
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(1): アラド名無しさん 2014/06/16(月) 22:44:45 ID:M20TwCXA0(2/2) AAS
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815 アラド名無しさん[sage] 2014/06/11(水) 20:49:16 ID:FnSA8KAk0

今日もひっそりとキャラスロで眠っていた。

以前は毎日ダンジョンを巡り、
その日の狩場が無くなれば怪しげな塔にまで登って
ひたすら技を磨いてきたのに、
とあるスキルを身に付けて以来、
セリアの声すら聞かない日の方が多くなってしまった。

あのスキルを覚えてから私の人生は一変した。
お気に入りだったアバターは後輩のクリエに奪われ、
暗いキャラスロで孤独に耐えるだけの毎日になってしまった。

そんな闇が、突然歪みだす時がある。
それはなんの前触れもなく発生し、
その歪みに体が吸い込まれた瞬間
私は戦場の最前線に放り込まれる。

見るからに凶悪なモンスターたち。
瞬間に悟る超えられない力の差。
勝てるはずもない戦いの中で
せめてもの悪あがきといえば・・・拘束スキル。

私は覚えたてのそのスキルを咄嗟に発動した。
ほんのわずかな延命にしかならなくても、
大切に育ててもらったこの命を、
意味のないものにだけはしたくなかった。

なかば自棄になって放ったスキルは敵の動きを止めた。
達成感を感じたのも束の間、
拘束が解けた瞬間に訪れる終焉に覚悟を決めようとした瞬間

数発の銃声とともに、私の命を摘み取ろうとしていた怪物は姿を消した。
ほんの数回の衝撃とともに、怪物は表情を変える間もなく絶命した。
いったい何が起こったのか。

ふと見渡すと、少し離れた所にうずくまる人影がある。
私はあの人を知っている。
同じキャラスロの一番左上にいた人。
一番キャラスロにいない人。
私がいつも背中を見送っていひた人。

嬉しさに声が詰まり、やっとの思いでお礼の言葉が出かけた時、
私はまた闇の中にいた。
戦場だった視界はただの黒に変わり、
光も音もない世界に取り残されていた。
永らえた命のお礼も、その伝える先を見失ったまま、
晴れない胸の内をさまようだけだった。

私は魔道学者だったもの。
あのスキルを覚えた日から、
その肩書は記憶の外に捨てた。

私は支援兵。
ただ一人、フローレカライダーと共に生きる。
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