[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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277: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:46 ID:Rb4GgFVa0(1/8) AAS
お久しぶりです
仕事柄お盆休みは忙しくしてたものであんまり更新出来てませんでしたが、また更新はじめます!!
278: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:47 ID:Rb4GgFVa0(2/8) AAS
『そちらにメイ・ワン中尉が到着している頃かと思うが、情報交換は済んだかね』
「ええ、今しがたひと通り聞いていたところですわ」
『ちょっと急ぎなものでな。そろそろ返してもらえまいか。敵が来ている』
「わかりました。その様にいたしましょう。例の新型も殿方に任せます」
『…殿方?』
「ええ。アトリエ中尉が今説明を受けていますよ」
 おとなしくウェイブスとアイバニーズ少佐のやりとりを聞いていたワン中尉は、急に立ち上がると走って部屋を出ていった。
『誰だそれは。ワン中尉しかそちらへは寄越していない筈だが』
「確かに2人でここに…」
『すぐに2人を確保しろ。命令と違う』
省2
279: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:48 ID:Rb4GgFVa0(3/8) AAS
 格納庫へ到着すると、案の定メカニック達がのびていた。ひとりに声を掛ける。
「あの2人ですか?」
「痛てて…そうですよ…女と顔合わすなりぶん投げられました…」
 流石ティターンズ。白兵戦もお手の物か。
「ガンダムが狙いのはずです。追わないと」
「まだ起動前でしたから多少手こずっている筈です。インターフェースが他とは少し違いますからね。今追いかければまだ…」
 立ち上がろうとするメカニックだったが、腰をやっているようでなかなか立てない。
「私が追いかけます。あなた達は他の部署から応援を呼んで」
 そういうとウェイブスはガンダムの元へ急ぐ。

 ガンダムの元へ辿り着くと、メカニックの言うとおり2人は起動に手こずっている様だった。
省9
280: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:49 ID:Rb4GgFVa0(4/8) AAS
「何故…何故その名前を!?」
「今更隠しても無駄だな。俺はエゥーゴだ。メアリーは俺の仲間が保護してる」
 ウェイブスは驚愕した。ワン中尉は寝返ったか。
「研究材料だのなんだのと勝手なことばかり言いやがって!あんたらが狭いとこに閉じ込めてたせいで、あいつはまだ自分のいる世界のことを何も知らねぇんだ!
 今やっと外に一歩踏み出したばかりだ。メアリーの邪魔は俺がさせねぇ」
 コックピットから出てきたアトリエ中尉がウェイブスを真っ直ぐに見据えた。
「あなたに何がわかるっていうの!?あの子は常人には持ち得ない力が宿っているの!人類の為、あの子自身の為にそれを制御できる様にならなければならないわ!」
 ウェイブスは声を張り上げた。
「そういうのが傲慢だっていうんだよ!あんたらが思っているよりあいつは強い!
 ニュータイプってのがもし本当にいるんならな…オールドタイプの俺達がどうこうしようってのがそもそもおかしいんじゃねぇか!?」
省3
281: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:49 ID:Rb4GgFVa0(5/8) AAS
「…どうやら良いお友達に出会えたようね」
 ウェイブスは8号…いや、メアリーを自由にしてあげたかった。自身の良心の呵責だったのか、子を想う母の気持ちだったのか。
 しかしそれすらウェイブスにはできそうもなかった。娘の身を案じる気持ちと、研究半ばに彼女を手放す躊躇い、そして軍部の意向。
 ウェイブスがメアリーを逃したことがバレれば研究どころではないし、色んな気持ちがないまぜになって結局彼女の奪還作戦にも協力した。またメアリーに会いたかっただけなのかもしれない。
 アトリエ中尉の言葉を聞いて、ウェイブスは本当の自分に気付いた。結局、自分の身勝手にメアリーを付き合わせてきただけだったのだと。本当に身勝手だった。
 ウェイブスよりも、目の前にいる男の方がよっぽどメアリーのことを想っていた。
282: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:50 ID:Rb4GgFVa0(6/8) AAS
「…本当にメアリーのことを守ってくれるのね?」
「当たり前だ!俺が1番懐かれてんだぜ?」
 アトリエ中尉は笑った。案外本当に彼が1番懐かれているのかもしれない。
「わかったわ。そっちへ行きます。急いで起動しないと応援がきます」
 ウェイブスは急いでコックピットへ乗り込む。オーガスタ系でかつNT研究の一環で作られた機体だ。その辺の量産機とは勝手が違った。
 ウェイブスは手慣れた動きで起動シーケンスをクリアしていく。
「流石研究者だな。早いのなんの」
 アトリエ中尉が感心する。これがウェイブスに今できるメアリーへの最大限のプレゼントだった。
 彼がメアリーを守れる様に力を授けるくらいのことしか出来ない。ガンダムのデュアルアイに光が灯る。
「さあ、行きなさい。下手をするとティターンズの部隊も追ってくるわよ」
省8
283: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:51 ID:Rb4GgFVa0(7/8) AAS
「これで良かったのよね、メアリー」
 ウェイブスは次第に遠くなる2人の後ろ姿を見送った。同時に、背後から身体を何かが突き抜けた。
 何かが込み上げ、口の中が鉄の味でいっぱいになる。ウェイブスはその場で崩れ落ちた。
「あんた…自分が何をしたかわかってるのか…?」
 研究員のひとりが震える手で銃を持ち、立ち尽くしていた。薄らいでいく意識の中、ウェイブスはメアリーの顔を思い浮かべていた。
284: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/18(日)20:55 ID:Rb4GgFVa0(8/8) AAS
26話 子を想う母

久々なので、前の話を読み直したりはこちらが便利ですよ!
https://www.pixiv.net/novel/series/1155468
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