[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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768: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:45 ID:aXIempxZ0(8/16) AAS
『ちぃ…何も見えねぇ』
 一旦場所を変えようと百式がバーニアを吹かしたその瞬間を彼女は逃さなかった。咄嗟に位置を把握した少尉は、百式の足を掴みそのまま砂塵に引き摺り戻す。
『ぐおっ!』
「そっちこそ…甘かったわね…」
 辺りの視界が開けてきた時、マンドラゴラは叩きつけた百式の両肩を抑え、上から跨っていた。ブリッジからの通信で歓声が聞こえる。勝った。
『やるじゃねぇか…スクワイヤ少尉』
「模擬戦だったからですよ…じゃなきゃやられてた」
『それは違うな』
「え?」
 聞き返したその時、マンドラゴラのコックピットがペイント弾に塗れた。完全に砂埃が落ち着くと、いつの間にか百式が懐にライフルを手にしているのが見えた。
省9
769: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:46 ID:aXIempxZ0(9/16) AAS
 その後帰還した両機はメンテナンスを開始した。機体を降りた少尉はトボトボと格納庫を歩く。
「嬢ちゃん!良かったぜ」
 後ろから乱暴に背を叩いたのはアトリエ大尉だった。
「あそこまでやって駄目なんて…」
「相手が俺じゃなきゃ上手くいったかもな」
 笑うアトリエ大尉にはまだまだ余裕が感じられた。仮に作戦が上手くいったとしても、何かしら対策を打たれていた様に思える。完敗だった。
「執念を感じる戦いぶり…。まるでいつかの俺達の様な。そうだろ?アトリエ大尉」
 そう言ったのは、出迎えたワーウィック大尉だった。傍にはフジ中尉も居る。
「敵の力量を測り、尚且つ機体特性や地形条件も活かした作戦。そして何より、失敗の許されない作戦を咄嗟に実行する胆力…。模擬戦である事を開き直って、使えるものを使った大胆さもありました」
 フジ中尉が眼鏡を掛け直しながら言う。
省8
770: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:47 ID:aXIempxZ0(10/16) AAS
「ちょっと待てよ!別にガンダムにサーベル向けた訳じゃないぜ!?」
「ルールはルールだ。それに、あの状況でサーベルを使わざるを得ない形に追い込んだのは流石と言う他あるまい?他に手が無かったんだろ?」
 ワーウィック大尉がニヤニヤと意地悪く笑っている。
「ちぇ、アウェーでやるもんじゃねぇな」
 アトリエ大尉がやれやれと両手でジェスチャーした。
「それじゃ…」
 恐る恐る少尉は切り出した。
「おう。ガンダムは置いていってやるよ。お前の勝ちでいいぜ…変に粘っても格好がつかねえ」
 腕組みしたアトリエ大尉がフンと鼻を鳴らした。
「やった!」
省6
771: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:47 ID:aXIempxZ0(11/16) AAS
「楽しそうなところ申し訳ないが」
 格納庫の入り口からの声に場が凍りついた。ロングホーン大佐である。
「お前達…何をやっている?」
「その、模擬戦を…」
「見ていたよ。私は各部隊に待機を命じていた筈だが、何やらドンパチ騒ぎを起こす連中が目に入ったものでな」
 アトリエ大尉の声を遮りながらロングホーン大佐が言った。カツカツと靴を鳴らしながら少尉達の前までやってくる。
「アトリエ大尉!歯を食いしばれ」
「へっ…?はっ!」
 言うなりロングホーン大佐はアトリエ大尉を殴り飛ばした。大尉は派手に尻餅をついた。
「これで不問とする。全く…よその部隊にけしかけて模擬戦などと。只でさえ問題が多いのだぞ貴様は」
省7
772: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:48 ID:aXIempxZ0(12/16) AAS
 アレキサンドリアの面々は、ジュピトリスに到着していた。ジュピトリスはパプテマス・シロッコ大佐が木星より伴った超大型艦である。MSの整備のみならず、開発設計までも行える工蔽を備えている。
 艦同士の船体を接続し、司令部へと足を運んだ。
「ウィード少佐以下、只今帰還致しました」
 ウィード少佐を筆頭に、ドレイク大尉とソニック大尉、オーブ中尉やレインメーカー少佐も伴っていた。

「戻ったか」
 紫の髪を束ねた秀麗な面持ちの男、パプテマス・シロッコ大佐が振り返る。傍には若い女性士官を連れている。
「事前の報告の通り、機体を失いました。申し訳ありません」
 ウィード少佐に続き面々は頭を下げた。
「仕方あるまい。データを持ち帰ったならそれで良い…その為の試験だ。それに…」
 彼はウィード少佐の前に立つと、彼女の顎に軽く指を添え顔を上げさせ眼差しを合わせた。
省5
773: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:48 ID:aXIempxZ0(13/16) AAS
「既に機体のハードはあらかた完成しつつある。ソフト面で諸君のデータを活かす事になる予定だ」
「ありがとうございます…!しかし、相変わらず製作がお早いですね」
「時代は常に動いている。手を止めている暇は無いのだよ。新たな機体は再びエース用の機体として組み上げている…パラス・アテネとでも名付けようか」
 そう言いながら彼はモニターに機体のデータを映し出した。シルエットこそニュンペーと酷似しているが、緑主体のカラーリングと様々な武装オプションによりまた違った印象を受けた。
「アテネ…女神ですか。大佐らしい御命名です。量産型はまだ先送りになるのでしょうか?」
「いや、同時進行で開発を続けたい。その為の豊富なオプション群でもあるからな。エース機と量産機で規格を共通化することで、現場の整備性も向上する。アテネの元に集うニュンペー…実に美しい隊列になるだろう」
「早くお目にかかりたいものです」
「君達の働き如何だ。引き続き頼まれてほしい」
 そういってシロッコ大佐はウィード少佐達面々を振り返った。実際に量産へ漕ぎつければエゥーゴなど敵ではない。ジオン残党の駆逐も容易い筈だ。
「「はっ」」
省1
774
(1): ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:49 ID:aXIempxZ0(14/16) AAS
「ドラフラって、ああいう男がいいのね…?意外だわ」
 ドレイク大尉が天井を仰ぎながら言った。一行は補給物資が積み終わるまでアレキサンドリアのブリッジで小休止といったところである。
「別にそういうんじゃ…」
「うっとりしてたじゃない?」
 からかうドレイク大尉。顔が熱くなるのを感じた。
「ああ見えて野生的な強さを持っているのがわかる…俺と同じだな」
「どこがあんたと一緒なのよ。目まで筋肉になったんじゃないの?」
 ソニック大尉とオーブ中尉が一緒に絡んでくる。
「あの若さで先見の明を見抜いているあたり、やはり木星というのは未知の環境なのでしょうなぁ」
 うんうんと頷きながらレインメーカー少佐が感心している。
省7
775: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:50 ID:aXIempxZ0(15/16) AAS
 しばらくしてアレキサンドリアは再びジュピトリスから離れた。パイロット達に機体のチェックをさせている間、ブリッジにはウィード少佐とレインメーカー少佐が残った。
「行き先は再び月ですな。作戦指示があるまでは宙域で待機とのことですが、本隊は何やら企んでおるのでしょう」
 レインメーカー少佐が腕組みしながら艦橋からの景色を眺めている。遠くに映る月は変わらず静かな光をたたえている。
「今度こそ連中を叩く…。それに変わりは無いわ」
「いかにも」
 ジュピトリスでは失った機体の補給も済ませてきた。試験用に用意していた予備パーツから組み上げたニュンペー2号機を始め、ガルバルディ隊も新たな武装を受領した。
「まだ月までは掛かりそうね…。…!!」
 シートにもたれたその時、ウィード少佐はモニターに映った物に気付き身を乗り出した。
「これは…!?」
「…やはり考えるスケールが違いますな、上層部は」
776: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/10(月)23:51 ID:aXIempxZ0(16/16) AAS
 そこには、本来そこにある筈のないコロニーが写っていた。アレキサンドリアからは随分遠い場所にいる様だが、それでもどうにか視認出来る距離だった。
「ただの移送…ではないわね。…まさか」
「落とすんでしょうな、月へ」
 事も無げに言うレインメーカー少佐を見た。彼の表情は変わらない。
「いくらなんでも…それに我々は何も聞いていないわ」
「あくまでもティターンズは特殊部隊から始まった軍隊ですからな。必要以上に情報は漏らさんでしょう」
 飄々としたレインメーカー少佐に、彼女は一抹の不安を覚えた。
「しかし…」
「知ったところでどうなさるんです。ニュンペーで敵を撃つのか、コロニー落としで殲滅するのか…そこにどれだけの違いが?」
「違い過ぎます…」
省7
777: 2020/02/11(火)03:01 ID:GcXeF8+D0(1) AAS

778
(1): 2020/02/14(金)19:26 ID:lJZVDjL30(1) AAS
お疲れ様です!

マンドラゴラ、ブースターポッド飛ばせるんですか!
そして(爆発四散してるにせよ)コロニー外壁を押し退ける推力と剛性、どっちかと言えば『拳』、キャラが立ってるw
百式のバックパックが羽と推進器の二段階で分離させたり、ディアスやZZのバインダーを外して使えるAEらしい設計で
Vガンダムの半分はアナハイムで作ったと言われても、分かる話ですね
(この物語には出てこないでしょうけど、サナリィに部品を切り離して使い捨てにするセンスは感じません)。
実戦と模擬戦を使い分けるアトリエはまだまだですね、スクワイヤもアツくなってて気づかなかったけどw

ウィード少佐はシロッコに惹かれてるんですね、少し意外でした(>>687の段階ではもうちょっと警戒してるかなー、と)。
ソニックが自分に近い波長を感じてるのは、(木星帰りが)何故かヤザンと意気投合したあの感じですかね、これも意外。
ドレイクは距離を取って考える......ミサイル付シールドを上手く使う(>>661参照)といい、実戦的な知性派なんですね。
省5
779: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/15(土)15:19 ID:ESK3Cyhb0(1) AAS
>>778
いつもありがとうございます!

おー!その辺まで考察していただけるとは!頑張って考えた甲斐があります!笑
分離機構はアナハイムガンダムにはあって然るべきだと思うんですよね、劇場版ZのラストでもZのバインダー外してましたし。

何かと毎度ぶん殴られるのはアトリエ大尉の仕事…笑
模擬戦でしか通用しない戦術は、技術が向上した故の彼なりの手加減だったんですが、サーベルに関してはほんとに追い込まれて素が出ちゃった感じですね。フジ中尉の説明もまともに聞いてなかったし…笑
彼も言っていた通り実戦だったらポットも破壊されてその時点で決着は着いてますが、アトリエ大尉の戦い方からそこを割り切って考えたスクワイヤ少尉が勝った感じです。ただ、やっぱ腕は完全にアトリエ>スクワイヤですね!

アレキサンドリア隊はシロッコの元で動いているので何かしら共感している部分があります。
ドレイク大尉はマウアー的なとこもありますね…シロッコみたいなデキる男よりダメ男が好きそう…笑
彼らのこともまだまだ掘り下げたいので、それも追々。
省1
780: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:46 ID:98Jcq17H0(1/14) AAS
お待たせしてます!
最近あまりにも忙しいもので…
多少書き溜めてるのでちょこちょこ出しときます!!
781: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:52 ID:98Jcq17H0(2/14) AAS
「そんじゃま、元気にやれよ」
 頬に湿布を貼ったアトリエ大尉。補給が終わり、再び月を立つとの事だった。しばらく月に滞在する事になるスクワイヤ少尉とワーウィック大尉は、2人で彼を見送っていた。
「ニュータイプって、信じます?」
「あぁ?MSの操縦がうまけりゃそう呼ばれるのさ。お前も、ワーウィック大尉もニュータイプなんじゃないか?」
「また適当な事を言って」
 ワーウィック大尉が呆れる。しかし案外アトリエ大尉の言うことも的外れではない気がした。
「人と深く解り合えるんでしょ?最初のガンダムに乗ってたアムロ・レイが随分前に前テレビで言ってました」
「ああ、あいつか…訳のわからん事を言うから軟禁されてたんだろ。俺を見てみろ、解り合えそうか?」
「うーん確かに」
 首をひねった少尉の頭に、ムッとしたアトリエ大尉が拳骨した。
省16
782: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:52 ID:98Jcq17H0(3/14) AAS
「…戻るか」
「そうですね」
 少尉達もその場を後にする。彼女達の機体も補給が終わり、次の作戦を待つだけだった。とりあえずアイリッシュ級の元へと帰る。
「アトリエ大尉…彼って本当にガンダム貰う気だったんでしょうか」
「どうだか。私が思うに、少尉の事が気になったんだろう」
「私?」
「ああ。ガンダムに思う所はあるだろうからな。どんなパイロットなのか自分で確かめたかったんだと思う。恐らく、お眼鏡にかなったんじゃないか?」
「それなら良いですけど。でも正直、私なんかより彼の方がガンダムに似合う気はしてます」
「あいつは何に乗っても戦果を挙げるさ。それに…」
 言葉を切った大尉が足を止めた。気付いた少尉も振り返る。
省19
783: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:53 ID:98Jcq17H0(4/14) AAS
 スクワイヤ少尉は味気ない部屋へと帰ってきた。サラミスの時より広い自室になったものの、相変わらず置くものがないせいで余計にその広さが味気なさを強調していた。いつもの様に支度を済ませると、ベッドへ寝転がる。
 模擬戦だったとはいえ、アトリエ大尉との戦いは鬼気迫るものがあった。あれこれ余計な事を考える暇もないほど追い立てられたし、彼を倒すこと以外は考えられなかった様に思う。
 少尉は天井を見つめながら思考を巡らせた。死への恐怖も、そして好奇心も変わらずある。しかし、それを傍らに置くことが出来ればいいのではないかと思えてきた。
 無理に克服したり、押さえつけたりしなくてもいい。目の前の事に必死になれる自分をようやく見つけられたのかもしれない。
『…ゲイルちゃん!寝てんのかー?』
 しばらくうつらうつらしていたところに通信が入った。身を起こすと、目を擦りながらモニターを触る。
「む…。どうしました?」
『大変なことになった。すぐブリッジに来い』
 そういって艦長は通信を一方的に切った。何事かわからないまま、バタバタと部屋を出る。

 程なくしてブリッジに到着すると、皆集まっている様だった。一様に表情は硬い。
省14
784: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:54 ID:98Jcq17H0(5/14) AAS
「大尉は…ジオン公国軍に所属されていたのではないですか」
「…ああ。元々私は君達の敵だった」
「…そうですか」
 ワーウィック大尉が静かに応え、中尉もまた静かだった。スクワイヤ少尉は知らなかった事だ。驚きを隠せず、大尉を見つめた。
「大尉もコロニー落としを?」
「…良い機会かもしれないな、少し話そう。私は地球降下作戦から従軍して、そのまま地上で終戦を迎えた。ルウムまでの事はサイド3で伝え聞いていただけだ…。戦後、デラーズ紛争にも加わらないままだったよ」
「私は…宇宙生まれです。ジオンに占領された連邦寄りのコロニーで父を失いました。母が言うには真面目な男だったようで、最期まで職務を全うしたのだと。私と母や兄弟は父の伝で地球にいて難を逃れましたが」
 2人の話に気付き、周りも少しずつ静かになっていた。
「…ジオン公国のやり方は間違っていた。私もそう思っている」
 ワーウィック大尉はフジ中尉を見つめた。しかし、中尉は彼から目を逸らした。
省10
785: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:55 ID:98Jcq17H0(6/14) AAS
「ここにいたのか」
 ワーウィック大尉がフジ中尉に声をかける。格納庫に立つEWACネモの前に彼はいた。
「…申し訳ありません」
「いや、気にするな」
 スクワイヤ少尉は、彼らと一緒にしばらく黙っていた。

「…この機体、本当にに良く出来ています」
 中尉がネモを見上げる。完全に修復作業を終えた機体は、傷が癒えたフジ中尉が再び乗り込むのを待っている。
「私もこの機体と一緒で、情報収集が得意ですから。…大尉のことも色々と拝見しています。そもそも最初に見たエゥーゴの資料に違和感がありましたしね」
 大尉が着任してくる時に見ていたあの資料のことか。少尉は結局見ないままだった。大尉はただじっと話を聴いている。
「いくつかの資料に目を通して、あなたがジオン出身だと気付きました。嘘と正直が混ざった様な経歴でしたが、エゥーゴにそういう人間が居るのはごく自然です。それでも、実際にそれが判ると…私個人には引っ掛かるものがあるのも事実で」
省7
786: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:56 ID:98Jcq17H0(7/14) AAS
「…中尉は私の事も調べたんですか?」
 思わずスクワイヤ少尉は聞いた。
「まあ調べはしたが…少尉は志願兵だろう?後地球出身ってことくらいは」
「よくご存知で」
 そう聞いて内心少しホッとした。それ以上の事は踏み込まれていないらしい。
「中尉の気持ちも勿論わかります。けど…今は喧嘩してる場合じゃないです。ティターンズ、止めに行きましょ」
「ふふ…少尉に諭される日が来るとはな」
 フジ中尉が自嘲気味に笑った。
「そりゃまあ、チームプレーが大事ですから」
 そういって彼女も力なく笑う。いずれ、少尉も自身の事を話さねばならない時が来るだろう。
省27
787: ◆tyrQWQQxgU 2020/02/28(金)15:56 ID:98Jcq17H0(8/14) AAS
 程なくしてアイリッシュ級は出港した。パイロットである少尉達は機体のコックピットで待機している。
『お前達、コロニーは目視できているか?』
 再び艦長からの通信が入る。
「でっかいですね。このコロニー…無人でしょうか」
『みたいだな…恐らくは一年戦争で廃棄されたものの一つだろう。多少弾が当たっても大丈夫だろうが、破片は飛ばすなよ』
 モニターに映るコロニーは核パルスエンジンを除いて光も灯っておらず、見慣れていた姿からすると幾らかおぞましさすら感じる。
『こっからはグレコ軍曹に指示を出させる。俺も忙しいからな…よく聞いとけよ』
 そういうと、艦長と入れ替わりでグレコ軍曹が節目勝ちに現れた。おかっぱの前髪で目元が見えないが、相変わらずもじもじしているのはわかる。
『フジ中尉がパイロットに復帰されましたのでこれからは私が…。先遣隊が軌道を変える為にコロニーへ接近、核パルスエンジンを破壊します。皆さんはその援護をお願いします』
『わかった。因みに敵はどの位出てきている?』
省8
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