[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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454: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/28(土)10:18 ID:lIBTn0in0(10/13) AAS
 私とサドウスキー大尉は前線の穴を抜け、目前に広がる敵拠点を捉えていた。高低差のある複雑な地形にかなりの数のトーチカや各種設備など、ティターンズがこれまでこの地を重要視してきたことが垣間見える。
 とはいえMSで接近するのはそれ程難しくなかった。殺気や覇気といったものが感じられない、ある種不穏な空気があるだけだ。
「抵抗が弱過ぎる気がする…」
 基地へ迫りながらサドウスキー大尉に疑問を投げた。いくら敵も連戦で疲弊しているとはいえ、近づくのが簡単過ぎる。
『…ジャブローのことでも思い出したか?流石にここで核みたいな大量破壊兵器を使うメリットは小さいと思うぞ』
「確かにな。だが、容易く上陸を許すからには何かある筈だ」
『それを確かめるのも俺達の仕事さ。何かあるとしても俺達が未然に防げれば本隊に影響を出さずに済む』
「…大尉の言うとおりだ。とにかく今は中尉達のお迎えの準備だな」
『そういうことだぜ』
455: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/28(土)10:19 ID:lIBTn0in0(11/13) AAS
 流石に敵もそのまま上陸させる気は無い様で、防衛するMS達が視認出来た。ガンタンク2が複数、それに樹林の陰に潜むスナイパータイプのハイザック…。
 この分だといくらか掃除が必要そうだ。
「確認出来たか?」
『ああ。炙り出す!』
 リックディアスのキャノンが樹林に放たれた。転がるようにハイザックが出てくる。それを支援する様にガンタンクからの集中砲火が始まる。
『旧式共が張り切ってんなあ!』
 砲弾の雨をかいくぐりながら撃ち返すサドウスキー大尉。しかしまだこちらの射程距離とはいえず、若干精度に欠く。
 私も両肩のシールドで砲撃をいなしながらも、まだ攻めあぐねていた。
「近接格闘仕様だとこういう時辛いな」
『それでも距離を詰めちまうんだろう?』
省4
456: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/28(土)10:20 ID:lIBTn0in0(12/13) AAS
『一番乗りか!羨ましいな!』
 そう言いながら、私の背後に回った別のガンタンクをサーベルで切り払った大尉のリックディアスも搭乗したSFSごと着地する。
『あんたはSFSを捨て過ぎだ。帰りの事も考えろよ全く』
 呆れ気味に大尉が笑った。
「帰りは朱雀が拾ってくれるさ」
『そうならなきゃいけねぇのはごもっともで』
 先程炙りだされたハイザックがビームサーベルでリックディアスに振りかぶってきた。大尉は振り向きざまに敵の肘目掛けてアッパーを決める。
 関節から火花を散らしながら思わずサーベルを手放すハイザック。そのコックピットへ、リックディアスは追撃の正拳突きを繰り出した。
 強い衝撃でパイロットが失神でもしたのか、倒れた敵機はそのまま動かなくなった。
457: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/28(土)10:21 ID:lIBTn0in0(13/13) AAS
『…敵が来るぞ』
 大尉の言うとおり、レーダーには複数の熱源反応。加えて、上空から確認したトーチカも可能な限り破壊しなければならない。
「中尉達はまだ来ないな」
『ぼちぼち来るさ。あんまり離れ過ぎると少佐に怒られるからな』
 ちらほらと上陸する部隊が現れ始めたが、まだ上空でも敵の抵抗は続いていた。朱雀がメガ粒子砲を放つのがここからでも見える。
『…尉!…が…!…』
 不意に通信が入った。距離が開いている上にミノフスキー濃度も濃くなってきたせいか確実な傍受が出来ないが、アトリエ中尉らしき声だった。
「どうした。何があった」
『…駄目だな、俺も聴き取れない』
 サドウスキー大尉も受信出来ていない様だ。
省2
458
(2): 2019/09/28(土)14:38 ID:UyZB4/LJ0(1) AAS
>>445
ジオン出身のキャラクターやジオン残党を登場させるのであれば
ジオンの機体を敵国である地球連邦で運用されていたのを目の当りにしたら
やはりそれなりの反動行動や台詞があって当然よね

そのあたりを疎かにしなかったから0083は評価されている
459: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/28(土)16:17 ID:BO3mEoVO0(1) AAS
>>458
確かに0083は特にジオン寄りの描写も多いのでその辺は気を遣ってる印象です

ワーウィック大尉の立ち位置はなかなか難しいんですよね、あくまでもエゥーゴ所属でありながらジオンでの体験ベースになってる部分もあって…ロベルトやアポリーとかと同じ感じです
彼らの場合後付込み込みでジオン出身って感じですが、ワーウィック大尉の場合は初めから設定が固まってるのでもう少し活かしたいですね!
460
(2): 2019/09/28(土)21:38 ID:MgoQRU9S0(1) AAS
>>445 , >>458
ジオンのトレードマークたるザクには皆思い入れがあるでしょうけど
水泳部なんて殆どオデッサ以降まで地球に残ってた連中しか見てないでしょうし
なんかこんなのも輸送したかな?くらいの曖昧な認識でも変ではないと思います
461
(1): 2019/09/29(日)08:55 ID:3mGpCw8a0(1) AAS
>>460
しかしザクマリナーもいたという
まあハイザックとか鹵獲ザクとか運用目的がジオン残党への恫喝とか挑発とか言われてるからな
アクトザクというのもあったな
462: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)17:07 ID:b3n4q81Y0(1/7) AAS
>>460
>>461
特別な反応がなくても特に不自然とまでは思いませんが、反応があった方が物語に深みは増しますね!
細かな部分まで拾っていきたいと思っているので、そういった描写は注視して然るべきかもです
わかった上でスルーするのも選択肢ですけど、今回は見落としてた感ありますw
463: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:02 ID:b3n4q81Y0(2/7) AAS
 敵の注意を引きながら初搭乗の可変機を扱うのは容易ではない。それでもシェクター少尉はうまく順応しながら機体を操っていた。
 メタス改は背負った大火力のハイメガキャノンを主軸に、両腕のビームガンやサーベルなどの充実した兵装で戦えるTMSである。
 アトリエ中尉のガンダムにも十分追従出来る機動力があり、これまでのGディフェンサーの様に支援へ徹することは勿論、更に幅広い連携が取れるようになっている。
「大尉達は無事に取り付けましたかね?」
『多分な。俺らもそろそろ合流したいところだが…』
 敵に追わせつつ、突出した機体から順に徹底して叩く。アトリエ中尉は手堅く確実に敵の数を減らしていた。ガンダム本体とインコムの連携、そこに少尉の援護も加わっている。
 敵はなかなか追いつけないでいたが、それでも2人は絶えず敵の砲撃に晒されていた。まだ数機のジム2が追いすがってくる。
464: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:03 ID:b3n4q81Y0(3/7) AAS
『しつっこいんだよ!落ちろ!』
 痺れを切らした中尉が突如反転、敵の真ん中を駆け抜けた。ガンダムは虚を突かれた敵の正面から急接近し、1機を袈裟に斬り上げていく。
 迎撃しようとする別機を少尉が横から牽制する。乱戦になりかけたところで上手く切り抜けた中尉は、離脱間際にインコムでまた1機背後からコックピットを撃ち抜いた。見ていて胸がすく程の手並みだ。
「やっぱ上手いな中尉…。でもさあ…お前らそんなに好きかよ!ガンダムが!」
 尚も追う敵にメタスで距離を詰める。振り向かれるよりも早くMS形態へと可変すると、敵の腹を突く形でサーベルを差し込んだ。
 そのまま横へ切り払うと、MS形態のままキャノンを展開して放つ。1機は直撃し大破、残る1機も射線に接触して半身が溶解した。
『やるじゃねえか!やっぱお前を支援機に乗せとくのは勿体なかったな』
 そういいながら中破した敵をライフルで的確に撃ち抜いてとどめを刺すアトリエ中尉。どうにか敵の動きが沈静化してきていた。
465: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:04 ID:b3n4q81Y0(4/7) AAS
『ぐ…!!』
 不意にアトリエ中尉が唸る。ほぼ同時に少尉も軽い目眩がした。以前にも感じたことのある不快感だった。
「中尉…!」
『お前もわかるみたいだな…。メアリーとガンダムMk-?の影響かもしれねぇが、今回のは…』
「まさか」
 少尉が言い終わるよりも早く、基地の方向から機影が見えた。黒く巨大なそれには、もはや言うまでもない因縁があった。
「…サイコガンダム…!」
『追ってこないと思ったら、今度はお出迎えかよ…』
466: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:04 ID:b3n4q81Y0(5/7) AAS
 ワン中尉からの情報共有で概要は把握していたが、いざ再び面前に現れると首を冷や汗が伝った。
「…エドワード。お前が帰ってくるわけじゃないのはわかってる…!」
 少尉は小さく呟いた。初めてサイコガンダムと接触した時、親友であり戦友だったエドワード・イーエスの命を奪われた。その事は今の今までずっと少尉に重くのしかかっていた。
『…あの時は済まなかった』
 静かに中尉が言った。
「中尉は何も悪くありませんよ。でも、やっぱりあの機体だけは」
『あいつを落とさなきゃお前の肩の重荷は下りないってか?』
「巡り合わせなんです。ここにやつが現れたのも」
『そうかもしれねぇな。…行くか』
 サイコガンダムはモビルフォートレス形態のまま前進を続けていた。このままだと朱雀と接触する。横槍を入れるような形で、2人はサイコガンダムへと迫った。
467: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:05 ID:b3n4q81Y0(6/7) AAS
『サドウスキー大尉!サイコガンダムが現れた!先にそっちを叩く!…くそ、繋がらねぇ!ミノフスキー粒子のせいか?』
 サドウスキー大尉達はもう上陸したのだろう。通信が困難になっていた。
「こりゃママに怒られますね」
『人間、怒られながら1人前になるんだぜ?…まあ、このまま基地目指すって訳にもいかねえさ』
 サイコガンダムは朱雀側でも確認出来た様で、主砲による迎撃が始まっていた。Iフィールドを展開している様だが、流石に直撃は避けたいのか、上手く躱している。
『残念ながら俺達の兵装はまたまたビーム主体だ。お前ならどうする?』
「僕なら…」
 通信中に突如、少尉達に気付いた敵機が攻撃してきた。少尉は敵の砲撃を躱すと、バズーカを構えるジム2の腕を切り落とした。
 中尉がすかさず武装を拾い上げ、うろたえる敵機をそのまま回し蹴りで蹴落とした。更にその僚機もインコムでカメラを潰すと、今度は少尉が武装をもぎ取る様にしてこれも海面へ叩きつけた。
468: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/30(月)18:06 ID:b3n4q81Y0(7/7) AAS
「…こうするのが正解でしょうね。僕は不用意に斬りかかったりしたくない」
 奪ったバズーカを中尉へ手渡す。ビームライフルを腰へ装着し、2丁のハイパーバズーカを担いだガンダムはまたサイコガンダムの方を向き直した。
『うん、一理あるな』
「左様で」
『「ふふ」』
 2人は同じ様に鼻で少し笑った。

52話 言うまでもない
469: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/02(水)18:15 ID:78CJ4RI60(1/15) AAS
「くそ、駄目だな」
 朱雀の迎撃を躱しながら依然止まる気配をみせないサイコガンダムに、バッカス少佐が舌打ちしている。その傍らに立つワン中尉は、立案補佐としてブリッジにいた。
「ワン中尉。あの機体、確かに無人なんだな?」
 バッカス少佐は椅子から身を乗り出してサイコガンダムを注視している。
「はい。強化人間が外部から操作する形を取っていた筈です」
「今回はメアリー目当てなのか、ティターンズに駆り出されたのか…あるいはその両方か」
「この艦が狙われてるのは確かですね」
 最新とは言えないが、ワン中尉がこれまでに知り得た情報は共有していた。
 このサイコガンダムはニューホンコンに現れたものとは仕様が違う。
 本来コックピットを搭載する頭部には大型のサイコミュを搭載しており、予め登録された者の脳波を外部から受信する機能が強化されている。
省1
470: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/02(水)18:16 ID:78CJ4RI60(2/15) AAS
『待ってろ!今から強襲を掛ける!』
 アトリエ中尉のガンダムだった。シェクター少尉のメタス改も随伴している。
「中尉か!…待て、大尉達はどうした?」
 バッカス少佐が彼らの単独行動に気付いた。
『もう上陸してますよ』
「全く…!個人プレーはやめろとあれほど」
『あんなの見えたら朱雀を放っておけないでしょうが!お説教は帰ってから聞きますよ!』
 そういって通信は切れた。少佐が呆れた様に溜息をつく。
「…ワン中尉、すまんがあの二人は帰ってきたら修正だ」
「何で私にそれを言うんです」
省1
471: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/02(水)18:16 ID:78CJ4RI60(3/15) AAS
 サイコガンダムの背後をとった中尉達が攻撃を始める。メタス改のハイメガキャノンが直撃するも、Iフィールドに阻まれた。
 しかしそれで注意が逸れたのか、方向転換したサイコガンダムは彼らの方へ砲撃を始めた。正面の拡散メガ粒子砲から雨の様にビームが降り注ぎ、取り付こうとする中尉達を阻んでいる。
 ガンダムもバズーカで応戦する。機体上部に数発命中するも、装甲を抜くまでは至らない。アトリエ中尉から通信が入る。
『ワン中尉は居るか!?』
「いるわよ」
 オペレーターと代わり、椅子に座るとモニター越しの中尉を確認した。
『あの機体のIフィールド発生装置は何処だ?』
「流石にそこまではわからないわね…」
『適当に撃ってても落とせねえぞこいつは…うおっ』
 サイコガンダムの砲撃を躱しながら反撃するだけでも骨が折れる様だ。このままでは埒が明かない。
省4
472: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/02(水)18:17 ID:78CJ4RI60(4/15) AAS
 ガンダムは1枚の補助翼を集中して攻撃している。側面を取るのは容易ではなく、メタス改が上手く敵を誘導しつつ狙う。徐々にだが、敵の飛行が不安定になってきている様だ。
「よし、こちらからも引き続き主砲で援護しろ。Iフィールド装備とはいえ直撃すれば無事では済まん」
 バッカス少佐が砲撃指示を出す。今の朱雀なら通常のMS隊くらい容易く落とせる火力がある。アトリエ中尉達が敵の足を止めてさえくれれば一矢報いることが出来るはずだ。
「ワン中尉!居住区から呼び出しが来ていますが…」
 オペレーターの1人が知らせてくれた。恐らくメアリーだろう。サイコガンダムの襲来を考えると、何かあってもおかしくない。
「行ってこい。ここは大丈夫だ」
 バッカス少佐が親指で後ろを指しながら言った。
「ありがとうございます。何かあればすぐに伝えます」
「頼むよ」
 現場に伝えられることは伝えた。踵を返すと、ワン中尉は居住区へ走った。
473: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/02(水)18:17 ID:78CJ4RI60(5/15) AAS
「メアリー!」
 居住区の通路でうずくまるメアリーを発見した。手で頭を抑えながら、息も少し荒い。ワン中尉は側に行って肩を抱いた。
「お医者さん呼ぼうか」
「大丈夫よ。黒いのが来てるってわかって、それでちょっと頭が痛いだけ」
「でも…」
 遮るように立ち上がったメアリーは、心配するワン中尉の手を引いて歩き始めた。
「どこ行くの?」
「メイって、ロボット乗れる?」
「MSの操縦は最低限なら出来るけど…ってまさか格納庫行く気?ああ、だめだめ…」
 ワン中尉は足を止めメアリーを引き留めた。しかしメアリーは尚もワン中尉の手を強く引っ張る。
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