[過去ログ] スレタイ 箱入り無数目を語る部屋4 (1002レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
289: 2022/10/30(日)13:14 ID:TZXdh3Ku(9/18) AAS
>>287
>3)「扱ったら勝てないのは自明です」と言ったら、それ”詰み”でしょw
はい、中卒の詰みです
時枝戦略は箱の中身を確率変数として扱っていないから
290
(3): 2022/10/30(日)13:21 ID:6rtRwLi2(1/33) AAS
出題がランダムの場合の時枝記事を

「ランダム時枝ゲーム」

と呼ぶことにし、もともとの時枝記事とは区別する
(もともとの時枝記事では、出題は固定である)。

ランダム時枝ゲームを記述する確率空間を、以下で定義する。
291
(6): 2022/10/30(日)13:22 ID:6rtRwLi2(2/33) AAS
まず、閉区間[0,1]上のルベーグ可測集合全体の族を F_1 と置き、A∈F_1 に対して
μ(A)=(Aのルベーグ測度)と定義すると、([0,1],F_1,μ) は確率空間になる。この確率空間は、
「閉区間 [0,1] からランダムに実数を選ぶ(一様分布)」という操作を表現した確率空間である。
次に、この確率空間 ([0,1],F_1,μ) の可算無限直積 確率空間を ([0,1]^N, F_N, μ_N) と書く。
この確率空間は、

「実数列 x=(x_1,x_2,x_3,…)∈[0,1]^N をランダムに選ぶ(各項ごとに[0,1]上の一様分布が実現されている)」

という操作を実現した確率空間である。この確率空間と同等な設定としては、

(☆) [0,1] の一様分布に従う iid 確率変数列 {X_i}_{i≧1}

が挙げられる。この(☆)と([0,1]^N, F_N, μ_N)は同等な設定であるから、本質的には どちらを用いても構わない。
ただし、([0,1]^N, F_N, μ_N) だと確率空間が明記されていて便利なので、以下では ([0,1]^N, F_N, μ_N) を使う。
292
(6): 2022/10/30(日)13:23 ID:6rtRwLi2(3/33) AAS
ランダム時枝ゲーム(出題がランダムの場合の時枝記事)は、以下のようなゲームである。

・ 回答者は、[0,1]^N の 〜 に関する完全代表系 T_0 を予め1つ用意しておく。
  よって、決定番号の写像 d:[0,1]^N → N が定義できる。

・ 出題者は s∈[0,1]^N を一様分布(>>291)に従ってランダムに選び、可算無限個の箱に詰める。

・ 回答者は 1,2,…,100 からランダムに番号 i を選び、番号 i に対する時枝戦術を実行する。

このゲームを記述できる確率空間を、以下で定義する。
293
(12): 2022/10/30(日)13:24 ID:6rtRwLi2(4/33) AAS
I={1,2,…,100} と置き、(I, G, η) という確率空間を考える。
ただし、G=pow(I), η({i})=1/100 (1≦i≦100) と定義する。
この確率空間は、{1,2,…,100} の中から一様分布に従って
ランダムに1つ番号を選ぶという操作を記述する確率空間である。

次に、>>291の確率空間([0,1]^N, F_N, μ_N)と上記の確率空間(I, G, η)の
直積として得られる確率空間を (Ω,F,P) と置く。よって、

Ω=[0,1]^N×I, F=( { A×B|A∈F_N, B∈G } で生成される最小のσ集合体), P=(μ_N とηの直積測度)

である。(Ω,F,P) を完備化した確率空間を、記号の乱用により再び (Ω,F,P) と書くことにする。
294
(8): 2022/10/30(日)13:25 ID:6rtRwLi2(5/33) AAS
さて、ランダム時枝ゲームにおける出題者と回答者の行動は、次の2つが全てである。

・ 出題者はランダムに s∈[0,1]^N を選ぶ。
・ 回答者はランダムに i∈I (={1,2,…,100}) を選ぶ。

そして、(s,i) の組が決まれば、回答者の勝ち負けは((s,i)ごとに)一意的に決まる。

従って、(s,i) の組でランダム時枝ゲームが記述できる。

すなわち、>>293の確率空間 (Ω,F,P) こそが、ランダム時枝ゲームを記述する確率空間である。
295: 2022/10/30(日)13:26 ID:6rtRwLi2(6/33) AAS
一般に、集合 X と V⊂X に対して、1_V:X → {0,1} を 1_V(x):= 1 (x∈V), 0 (x∈X−V)
と定義する。この 1_V を、V の指示関数と呼ぶ。

次に、集合 X,Y と W⊂X×Y 及び x∈X に対して、W_x:={ y∈Y|(x,y)∈W } と定義する。
この W_x を、x における W の断面と呼ぶ。同様にして、y∈Y に対して W_y={x∈X|(x,y)∈W } と定義する。

1_W(x,y)=1_{W_x}(y)=1_{W_y}(x) (x∈X, y∈Y)

が成り立つことに注意せよ。
296
(2): 2022/10/30(日)13:28 ID:6rtRwLi2(7/33) AAS
さて、s∈[0,1]^N を標準的な方法で100列に分解したとき、k列目を s^{k}∈[0,1]^N と書くことにする。
このとき、「ランダム時枝ゲームで回答者が勝利する」という事象を A と置けば、

A = { (s,i)∈Ω|d(s^{i})≦max{d(s^{j})|1≦j≦100, j≠i } }

と表せる。P(A)≧ 99/100 が成り立つことを示したいが、残念ながら A は非可測なので、P(A) は定義できない。

すなわち、ランダム時枝ゲームでは、「ランダム時枝ゲームで回答者が勝利する」という事象は非可測であり、
その確率は定義できない。
297
(5): 2022/10/30(日)13:30 ID:6rtRwLi2(8/33) AAS
一方で、任意の s∈[0,1]^N に対して、A の s における断面 A_s は
確率空間 (I, G, η) において可測である。実際、

A_s = { i∈I|(s,i)∈A } = { i∈I|d(s^{i})≦max{d(s^{j})|1≦j≦100, j≠i } } 

であり、自明に A_s ∈ pow(I)=G なので、確かに A_s は(I, G, η)において可測である。
特に、その確率 η(A_s) が定義できる。1≦i≦100 の中で d(s^{i})≦max{d(s^{j})|1≦j≦100, j≠i } を
満たさない i は高々1つなので、η(A_s) ≧ 99/100 である。よって、次が示せたことになる。

(☆) ∀s∈[0,1]^N s.t. η(A_s) ≧ 99/100.

もともとの時枝記事が示しているのは、この(☆)である。すなわち、
省2
298: 2022/10/30(日)13:33 ID:6rtRwLi2(9/33) AAS
では、再び P(A) に戻ろう。

A は非可測なので P(A) は定義できないのだったが、話はそこで終わりではない。
なぜなら、測度 P から生成される標準的な外測度 P^* に対して、P^*(A) なら普通に定義できるからだ。
では、この P^*(A) の値はどうなっているのか?

実は、P^*(A) ≧ 99/100 が成り立つ。以下でこのことを示す。

まずは、「測度から生成される外測度」に関する予備知識が必要である。
299: 2022/10/30(日)13:38 ID:6rtRwLi2(10/33) AAS
今回は確率空間しか使わないので、有限測度空間だけを対象にする。
一般に、有限測度空間 (X,F,ν) が与えられたとき、任意の A⊂X に対して

ν^*(A) = inf{ ν(B)|A⊂B∈F }

と定義すると、ν^*:pow(X) → [0,+∞) は外測度になることが確かめられる。
この ν^* を、測度νから生成される外測度と言う。
A∈F のときは ν^*(A)=ν(A) が成り立つことに注意せよ。
また、任意の A⊂X に対して 0≦ν^*(A)≦ν(X) (<+∞) が成り立つ。

さて、ν^* からカラテオドリの方法によって得られる完備測度空間を (X, M, ν^*) と置く。
一方で、(X,F,ν) の完備化を (X, F_1, ν_1) と書くことにする。
よって、2つの完備測度空間 (X, F_1, ν_1), (X, M, ν^*) が得られたことになるが、
省3
300
(4): 2022/10/30(日)13:41 ID:6rtRwLi2(11/33) AAS
以下の2つの定理はよく知られた定理であるが、ここでは念のため、証明を与える。

定理1:(X,F,ν)は有限測度空間で、ν^* はνから生成される外測度とする。
このとき、任意の A⊂X に対して、ある B∈F が存在して、A⊂B かつ ν^*(A)=ν(B) が成り立つ。

定理2:(X,F,ν)は有限測度空間で、ν^* はνから生成される外測度とする。
A_n⊂X (n≧1) は広義単調増加とする。A=∪[n=1〜∞] A_n と置けば、A_n ↑ A (n→∞) が
成り立つわけだが、実は lim[n→∞] ν^*(A_n)=ν^*(A) が成り立つ。
つまり、ν^* は(必ずしも可測とは限らない)一般の単調増加集合列に対する上への連続性を満たす。
(測度から生成されているとは限らない一般の外測度では、必ずしもこれは成り立たない。)
301: 2022/10/30(日)13:48 ID:6rtRwLi2(12/33) AAS
定理1の証明:ν^*(A)の定義から、任意のn≧1に対してあるB_n∈Fが存在して、
A⊂B_n かつ ν^*(A)≦ν(B_n)≦ν^*(A)+1/n が成り立つ。
B=∩[n=1〜∞] B_n と置けば、A⊂B∈F であるから、ν^*(A)≦ν^*(B)=ν(B)である。
また、B⊂B_n (∀n≧1) により、ν(B)≦ν(B_n)≦ν^*(A)+1/n (∀n≧1) である。
n→∞ として、ν(B)≦ν^*(A) である。よって、ν^*(A)=ν(B) となった。
302
(1): 2022/10/30(日)13:56 ID:6rtRwLi2(13/33) AAS
定理2の証明:定理1により、各nごとに、A_n⊂B_n∈F, ν^*(A_n)=ν(B_n) を満たす B_n が取れる。
C_n=∩[m=n〜∞] B_m と置くと、C_n∈F であり、C_n は広義単調増加であり、C_n⊂B_n である。
また、C_n=∩[m=n〜∞] B_m ⊃ ∩[m=n〜∞] A_m = A_n すなわち A_n⊂C_n である。
よって、A_n⊂C_n⊂B_n となったので、ν^*(A_n)≦ν^*(C_n)≦ν^*(B_n) である。
C_n∈F により、ν^*(C_n)=ν(C_n) である。また、B_n∈F により、ν^*(B_n)=ν(B_n) であり、
そしてν^*(A_n)=ν(B_n) なのだった。よって、ν^*(A_n)≦ν(C_n)≦ν^*(A_n) となったので、
ν^*(A_n)=ν(C_n) である。次に、C=∪[n=1〜∞] C_n ∈F と置けば、
C_n ↑ C (n→∞) なので、測度νの上への連続性から lim[n→∞]ν(C_n)=ν(C) である。
ν^*(A_n)=ν(C_n) だったから、lim[n→∞]ν^*(A_n)=ν(C) である。
次に、A_n⊂A によりν^*(A_n)≦ν^*(A) なので、n→∞として、
省5
303
(1): 2022/10/30(日)14:02 ID:6rtRwLi2(14/33) AAS
準備はここまでにして、本題に戻る。
P から生成される外測度 P^* に対して、P^*(A) ≧ 99/100 が成り立つことを示す。

まず、>>300の定理1により、あるB∈Fが存在して、A⊂B かつ P^*(A)=P(B) が成り立つ。
次に、s∈[0,1]^N を任意に取る。A, B の s における断面 A_s, B_s について、
A⊂B により A_s ⊂ B_s が成り立つ。さらに、自明に A_s, B_s ∈ pow(I)=G である。
よって、A_s, B_s は確率空間 (I, G, η) において可測であり、その確率 η(A_s), η(B_s) が定義できる。
A_s ⊂ B_s だったから、η(A_s)≦η(B_n) である。さらに、η(A_s)≧99/100 なのだった。
よって、η(B_n)≧99/100 である。以上により、

(★) ∀s∈[0,1]^N s.t. η(B_s) ≧ 99/100

が言えたことになる。
304
(1): 2022/10/30(日)14:05 ID:6rtRwLi2(15/33) AAS
B∈F だったから、1_B((s,i)) に対してフビニの定理が使えて、P(B) ≧ 99/100 を得る。
具体的には、次のようになる。

P(B)=∫_Ω 1_B(ω) dP = ∫_{ [0,1]^N×I } 1_B((s,i)) d(μ_N×η)

= ∫_{ [0,1]^N } ∫_I 1_B((s,i)) dη dμ_N

= ∫_{ [0,1]^N } ∫_I 1_{B_s}(i) dη dμ_N

= ∫_{ [0,1]^N }η(B_s) dμ_N
省2
305
(1): 2022/10/30(日)14:09 ID:6rtRwLi2(16/33) AAS
こうして P^*(A) ≧ 99/100 が示せたわけだが、次は決定番号 d について考える。

まず、(d∈N) = [0,1]^N なので、(d∈N) は可測であり、確率 P(d∈N) が定義できて、
しかも P(d∈N)=1 が成り立つ。次に、(d≦m) は m≧1 に関して単調増加であり、
(d≦m) ↑ [0,1]^N (m→∞) が成り立つ。よって、測度 P の上への連続性から、

lim[m→∞] P(d≦m) = 1

が成り立つことが期待される。しかし、(d≦m) は非可測なので、P(d≦m) は定義できない。
しかし、P から生成される外測度 P^* について、P^*(d≦m) なら普通に定義できる。実は、

lim[m→∞] P^*(d≦m) = 1
省3
306
(1): 2022/10/30(日)14:12 ID:6rtRwLi2(17/33) AAS
今の段階で分かったこと。

・ ランダム時枝ゲーム(>>292)を記述する確率空間は(Ω,F,P)である(>>293-294)。

・ ランダム時枝ゲームで回答者が勝つという事象を A と置くとき、A は非可測なので、P(A) は定義できない。

・ しかし、P から生成される標準的な外測度 P^* に対して、P^*(A) なら定義できて、P^*(A) ≧ 99/100 である。

・ また、s∈[0,1]^N を取るごとに、A の s における断面 A_s は確率空間(I,G,η)において可測で、
  しかも η(A_s)≧99/100 が成り立つ。すなわち、(☆)「 ∀s∈[0,1]^N s.t. η(A_s) ≧ 99/100 」
  が成り立つ。時枝記事が示しているのは、この(☆)である。そして、この(☆)は正しい。
省3
307: 2022/10/30(日)14:16 ID:6rtRwLi2(18/33) AAS
>>306から分かること。

・ スレ主は、決定番号 d に関して非正則分布が使われていると主張しているが、
  ランダム時枝ゲームを記述する確率空間は(Ω,F,P)であり、非正則分布はどこにも登場しない。
  よって、スレ主は間違っている。スレ主が勝手に非正則分布を導入していただけである。

・ スレ主は「回答者の勝率は通常の確率論で導かれる確率にしかならない」と言っている。
  今回は閉区間 [0,1] 内の実数を推測するゲームなのだから、スレ主は結局、
 「ランダム時枝ゲームでの回答者の勝率はゼロだ」と言っていることになる。
  しかし、これは間違っている。まず、回答者の勝率がゼロなら、A はゼロ集合ということになる。
  しかし、A がゼロ集合なら、(Ω,F,P)の完備性により、A∈F すなわち A は可測となって矛盾する。
  よって、スレ主は間違っている。しかも、外測度 P^* に関しては P^*(A) ≧ 99/100 が成り立っている。
省5
308
(1): 2022/10/30(日)14:20 ID:6rtRwLi2(19/33) AAS
まとめ:

・ ランダム時枝ゲーム(>>292)を記述する確率空間は(Ω,F,P) (>>293-294)であり、非正則分布は登場しない。

・ 使用される確率空間の正体が (Ω,F,P) であると判明してしまった以上、
  非正則分布を用いたスレ主の論法は全て吹き飛ぶ。(Ω,F,P)とは何の関係もない非正則分布を
  スレ主が勝手に導入していただけであり、スレ主が勝手に自爆していただけである。

・ P^*(A) ≧ 99/100 が成り立っている以上、「回答者の勝率はゼロ」に類する主張は原理的に絶対に証明できない。

・ lim[m→∞] P^*(d≦m) = 1 が成り立っている以上、"lim[m→∞] (d≦m が成り立つ確率) = 0"
  に類する主張は原理的に絶対に証明できない。
省5
1-
あと 694 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.019s