[過去ログ] 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】 (1002レス)
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822: (東京都) 2019/12/14(土)17:25 ID:E/Z2Kuyi0(5/9) AAS
スナック眞緒物語#8(その9)
2時間ほどして、調べ終えた慶応ボーイが愛萌に話しかける。
「公開アカウントから電話をかけたら殆どはつながらず、架空アカウントが多いみたいっスね。
架空であるというのを反論の余地がなく証明するのは難しいっスね」
823: (東京都) 2019/12/14(土)17:26 ID:E/Z2Kuyi0(6/9) AAS
「いわゆる悪魔の証明ですね。ああ、私、どうしたらいいんだろう?」
「実在のアカウントも二人ほど見つかったッス。ただ・・・」
「『ただ』何なんですか?」
824: (東京都) 2019/12/14(土)17:27 ID:E/Z2Kuyi0(7/9) AAS
「二人ともブラジルのサンパウロ在住ッスね。ラウラという女性とミゲウという男性なんっスけど。
フォローしていないという証言は電話からはとれるかもしれません」
「う〜ん、証拠としてはちょっと弱いなあ。そのお二人の住所は分かりますか?」
825: (東京都) 2019/12/14(土)17:28 ID:E/Z2Kuyi0(8/9) AAS
「はい、語学が達者な知り合いがすでに調べてくれているッス。でも、まさか・・・」
「ええ、行ってきますとも。ブラジルだろうが、どこだろうが」
「金も時間もかかるし、知らない土地にいきなり行くというのは危険っスよ」
826: (東京都) 2019/12/14(土)17:28 ID:E/Z2Kuyi0(9/9) AAS
「あんな人から『姪っ子』と呼ばれる以上の危険はありません」
愛萌はその翌日にブラジル行きのLCCを手配し、その翌々日には機内にいるという次第である。(続く)
827: (東京都) 2019/12/16(月)23:25 ID:VT4iZt6p0(1/8) AAS
スナック眞緒物語#8(その10)
あわただしく事を進めたので、判明している二人とも愛萌自身はまだ連絡を取っていない。
ポルトガル語は全く話せないし、英語もそれほど自信ない。
その尋常ではない愛萌の落ち着きのなさは傍目から見ても分かる。
828: (東京都) 2019/12/16(月)23:26 ID:VT4iZt6p0(2/8) AAS
席の隣の先ほどの外国人女性が話しかけてきた。
「何か心配ごとがおありですか?」
予期せぬ呼びかけに愛萌は応答する。
「ブラジルの方ですか?日本語お上手ですね」
829: (東京都) 2019/12/16(月)23:26 ID:VT4iZt6p0(3/8) AAS
「ええ、留学した後に働いているので、もう10年以上は日本に居住しています」
「あのう、ブラジルの公用語はポルトガル語だというのは知っていますが、サンパウロなんかでは英語も通じると聞いていたのですが」
830: (東京都) 2019/12/16(月)23:26 ID:VT4iZt6p0(4/8) AAS
「ある程度の教養のある人なら、ポルトガル語も英語も話せますね。
あなたみたいに育ちのよさそうなお嬢さんが会う相手ならたぶん英語は話せますよ」
慶応ボーイが下調べしてくれた場所が目的地だということを愛萌は告げた。(続く)
831: (東京都) 2019/12/16(月)23:29 ID:VT4iZt6p0(5/8) AAS
スナック眞緒物語#8(その11)
「え!?そこって治安が最悪な貧民窟ですよ。
日本人というだけで狙われやすいのに、あなたみたいに若くて綺麗な女性が一人で立ち入ったら危険ですよ」
「ああ、どうしよう」と嘆いた後に、愛萌はその女性に経緯を説明した。
832: (東京都) 2019/12/16(月)23:29 ID:VT4iZt6p0(6/8) AAS
「日本人の方々から本当に親切にされ助けられてきました。
そのお返しをしたいと思っていました。よかったら、お手伝いします」
信じていいものかどうかと一瞬ためらったが、その女性の人となりを判断して愛萌は覚悟を決めた。
833: (東京都) 2019/12/16(月)23:30 ID:VT4iZt6p0(7/8) AAS
「あの、コミッションはおいくらくらいになりますか?」
「恩返しのためにお手伝いしたいと申し上げたんですよ。お金をいただいたら。そうならないじゃないですか」とその女性は微笑む。
「ありがとうございます」
「私の名前はソフィアと言います」
834: (東京都) 2019/12/16(月)23:30 ID:VT4iZt6p0(8/8) AAS
「ギリシャ語ではたしか『知性』という意味でしたね」
「語源はそうですね。ただし、Sophiaからpを抜かしてSofiaとすることがブラジルでは多いんですよ。私の名前もそちらのほうです」
「私は宮田愛萌と言います。よろしくお願いします」(続く)
835: (東京都) 2019/12/17(火)20:59 ID:fkIvgF6Y0(1/6) AAS
スナック眞緒物語#8(その12)
現地に着くと、立ち並んでいるボロ家を見て愛萌は不安になった。
出合う現地の人間は不信の眼を自分に向けているかのように思えた。
そういう人たちにソフィアが尋ねて、ラウラの家を探しあてた。
836: (東京都) 2019/12/17(火)21:00 ID:fkIvgF6Y0(2/6) AAS
ちょうど帰宅した女性がいて、それがラウラだった。
ソフィアから話しかけられて。ラウラは二人を中に通した。
窓ガラスは一部の部屋にしかなく、ラウラの部屋は昼間なのに暗かった。
837: (東京都) 2019/12/17(火)21:02 ID:fkIvgF6Y0(3/6) AAS
愛萌から聞いていた情報に基づいてソフィアは尋ね、その通訳で愛萌は状況が呑み込めた。
ラウラは夜間学校に通う16歳で、母親が1本30円足らずのアイスをつくって生計を立てていて、そのアイスの宣伝でインスタのアカウントをつくったそうだ。
838: (東京都) 2019/12/17(火)21:03 ID:fkIvgF6Y0(4/6) AAS
「なんとか貧困から抜け出そうとする思いからだったよ」とラウラの口調を真似てソフィアが通訳する。
イケオヤの名前を告げてフォローしたかどうかを愛萌は尋ねる。
839: (東京都) 2019/12/17(火)21:04 ID:fkIvgF6Y0(5/6) AAS
「何が起きているのか、正直、分かりません。そんな人のアカウントの覚えはないわ」
日本での水増しインフルエンサーの実態を愛萌は説明する。
840: (東京都) 2019/12/17(火)21:04 ID:fkIvgF6Y0(6/6) AAS
「間違っているわ、そんなこと」
「同じ日本人として恥ずかしいです」と愛萌は謝罪して、ラウラとは別れた。(続く)
841: (東京都) 2019/12/19(木)21:31 ID:pIoIOgN10(1/10) AAS
スナック眞緒物語#8(その13)
次に愛萌たちは海沿いの街に移動し、ミゲウが働く理容店に辿り着いた。
理容師ということで華奢な男を愛萌は予想していたが、豈図らんやがっちりした大男で、とても怖そうだ。
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