【現代古典派経済学】塩沢由典【複雑系経済学】 (314レス)
1-

212
(2): 2019/03/27(水)23:59 ID:LFEkYv2q(1) AAS
だーかーらー
トロピカル幾何はもうすでにメカニズムデザインで応用されてるんだってば
もちろんこっちの方が圧倒的に有名
213: 2019/03/28(木)09:07 ID:d+MTb5bJ(1) AAS
結局経済分析にはなんの役にも立たないのか
214: 2019/03/28(木)16:29 ID:so11G5dS(1) AAS
>>202 >>212

ご自分で発見されたわけではないでしょ。そう自慢されることでもないかも。
215
(1): 2019/03/28(木)17:03 ID:9a/i9mY5(1) AAS
誰も自慢してない
216: 2019/03/29(金)00:33 ID:k9i8huoZ(1/2) AAS
そんなに居丈高に否定されなくても。虎の威を借りる狐だぐらいは分かって
います。
217: 2019/03/29(金)01:52 ID:BMYsn1d8(1/2) AAS
虎って塩沢が!?草
218: 2019/03/29(金)02:03 ID:k9i8huoZ(2/2) AAS
>>215 のことです。というと、>>202 >>212 かも。

「虎の威」の虎とは、メカニズムデザインであり、その背後にあると
思っている主流派経済学でしょう。それくらい分からないと。

狐は、自分で取れないブドウは酸っぱいと思いたいのです。
219: 2019/03/29(金)02:11 ID:BMYsn1d8(2/2) AAS
本気で意図が分からないみたいで草
220: 元院生 2019/04/10(水)16:12 ID:BrPoo+Ci(1/8) AAS
元院生

>>65 だが、大部御不沙汰してしまった。2月末に、もうそろそろ教務事項も終りだし、
すこし余裕が出来ると思っていたが、あに計らんや。3月もなんだかだと忙しく、
もう4月10日になってしまった。このままだと、授業は始まるし、閑になどなりそうもない。
蓬田守弘の『垂直的国際分業の理論』(2006)は図書館から借出してあるから、もう一度
ざっと眺めてみただけの解説を書いておく。

この本は、院生時代に垂直的分業の貿易論に関する知識を手っ取りばやく仕入れて
おこうと読んだもので、もう10年以上になる。読んだ当時は、この本はまだ新しく、最新
のにおいがしたが、読み直してみると、結構あらが目立つ。もともとあった欠陥に違い
ないが、当時はそれを見抜くだけの力が俺になかったということだろう。
221
(1): 元院生 2019/04/10(水)16:14 ID:BrPoo+Ci(2/8) AAS
蓬田守弘『垂直的国際分業の理論』は、本文80数ページの小さな本。全5章からなるが、
導入の第1章と経済的厚生を論じた第4章、第5章を除くと、垂直的分業の理論としては、
第2章「垂直的分業の背景」、第3章「垂直的産業内貿易」が中核である。ところが、後で
説明するが、第2章と第3章とは、統一的な理論ではなく、相互に排他的な仮定をおいて
議論されている。簡単にいえば、第2章と第3章とは繋がりがないというか、矛盾している。

蓬田はこの本の元になった研究でRochesterのRonald Jonesのもとで博士号をもらってい
るから、当時としては「最先端」の研究だったのだろうが、今からおもうと、ある特殊な状況
を研究したに過ぎない。
222: 元院生 2019/04/10(水)16:16 ID:BrPoo+Ci(3/8) AAS
第2章は、簡単に言えば Jones and Kierzkowski (1990, 2001)の解説である(最後に少しだけ
政策含意らしきものに触れてはいる)。ほとんど同じ時期に、Jonesには Globalization and
the Theory of Input Trade (2000)が出ていて、『垂直的国際分業の理論』の本とほぼ同時に
読んだ。技術的には、Jones and Kierzkowski (1990, 2001) とほぼ同じだが、Jones (2000)の
方は、表題にGlobalizationが付いているだけ、グローバル経済化の全体像を掴みたいとい
う意欲にあふれている感じで、一生懸命読んだ。もっ正確にいうと、Jones (2000)の技術面
を簡単に知るために蓬田(2006)を読んだということだったような気がする。

これらは、フラグメンテーションと呼ばれる事態の理論的説明である。フラグメンテーション
とは、一時期、一つの工場に統括されていた工程が、二つに分かれて、その一部が主とし
て途上国に移転する現象をいう。Jones and Kierzkowski (1990)や蓬田(2006)は、フラグメン
省9
223
(3): 元院生 2019/04/10(水)16:17 ID:BrPoo+Ci(4/8) AAS
上の説明に間違いはないが、これが垂直的貿易やましてグローバル化を推進している
過程かというと、実証家としての俺には、ちょっと単純化しすぎていませんかと思いたく
なる。

蓬田は、工程間分業を生産ブロック1と2とに分けるが、その基本的前提は、

(1) 生産プロック1 では  c1 < c*1

(2) 生産ブロック2 では  c2 > c*2

だという(蓬田 2006, pp.8-9)。
省9
224
(1): 元院生 2019/04/10(水)16:19 ID:BrPoo+Ci(5/8) AAS
第3章は、Davis (1998) Heckscher-Ohlin-Ricardo approach. Journal of International
Economics. 39: 201-226 に基づく垂直的分業の理論的分析である。これは基本は2国
2要素、3財のHOSモデルだが、第3財は、第1財の投入に使われる中間財であり、
その生産効率が自国と外国では異なり、蓬田の想定では自国が外国より生産性が
高い(A>1)という想定のモデルである。

これで一応は、自国のみで中間財を生産し、それを自国と外国の双方で第1財の
生産に用いられるという状況を作り出すことができる。ただし、一般の場合の分析
は難しいので、図3.1にあるような要素価格均等化集合の中でのみ分析している。
これは標準的なHOS理論でも有名な「要素価格均等化定理」のなりたつ領域という
ことだが、定理の表題が示す通り、その中では要素価格(すなわち労働の価格=賃
省3
225: 元院生 2019/04/10(水)16:22 ID:BrPoo+Ci(6/8) AAS
産業内貿易は、Krugmanが説明して有名だが、これは(差別化された)同一製品を生産する
複数企業が存在して収穫逓増のある場合に起こるというのだが、各企業の生産関数は同
一と想定されている。つまり、基本的には先進国同士(あるいは途上国同士)の間の産業内・
水平貿易の理論である。蓬田が分析しようというのは、産業内・水平貿易だが、もしこの貿
易がほとんど同じ水準の先進国同士のものだとすると、>>223 に書いた(1)と(2)が同時に成立
するような事態は、珍しくないかも知れないが、少なくともかなり偶然的なもので、それが垂
直的貿易を強力に拡大するようなものとはとても思えない。
226: 元院生 2019/04/10(水)16:25 ID:BrPoo+Ci(7/8) AAS
>>224 に 

>>223 で、第2章と第3章とは、統一的な理論ではなく」 

と書いたが、>>221 の間違いだった。訂正しておく。
227: 元院生 2019/04/10(水)16:28 ID:BrPoo+Ci(8/8) AAS
世界の貿易を見渡してみれば分かるように、垂直的貿易(あるいはフラグメンテーション)は、
先進国と途上国(たとえば、米国と中国)の間で行なわれている。この基本的な要因は、米
国と中国とでその賃金率に大きな格差があることだが、蓬田の説明(例えば第1章)には、
「垂直的国際分業への関心が高まった背景にはもう一つの要因がある。それは、先進諸
国とりわけアメリカ国内での賃金格差の拡大である」(pp.2-3)とあるが、2国間の賃金格差
の問題には一言も触れられていない。

この点を問い詰められれば、蓬田は、それは資本・労働の賦存比率に依存して決まると
答えるだろう。理由は示されていないが、蓬田も

「衣類や靴の産業では、アメリカ国内でデザインされた製品が労働の豊富な途上国で
生産され、完成品は再びアメリカをはじめ他の先進国に輸出されている」(p.3)
省6
228: 元院生 2019/04/11(木)10:00 ID:Lnm5cwTB(1/4) AAS
連投制限に引っかかってしまい、投稿を完成できなかった。以下は、昨日の続き。
229: 元院生 2019/04/11(木)10:09 ID:Lnm5cwTB(2/4) AAS
これは追加的な感想だが、第2章は、簡単にいえば、リカード理論でかつ収穫逓増の場合
である。これは、新古典派の完全競争理論の枠から外れている。この点にも、蓬田は一切
注意していない。貿易理論家は、リカード理論とHOS理論、あるいはその後の「新貿易理論」
「新々貿易理論」を、そのときそのときの都合で使い分けるということを平気でやっているが、
それら諸理論の間に理論的統一のないことに全く無頓着である。

多様な観点と考えているのだろうが、それが統一的な理論のないことの裏面であることを
わきまえるべきだろう。実証では、多様な観点は必要だし、望ましいともいえるが、それで
論文の全体の統一が崩れては、やはり失敗と言わざるを得ない。
230: 元院生 2019/04/11(木)10:16 ID:Lnm5cwTB(3/4) AAS
最後に、塩沢(2018)「リカード国際価値論の現代的意義と可能性」『国際経済』69巻、pp.41-61
と日本国際経済学会のリカード原理200周年を記念した共通論題セッションへの報告論文 塩
沢(2017) (こちらの方が大分詳しい) の主張と、蓬田(2006)とを比べておこう。塩沢(2017, 2018)
には、蓬田(2006)時代には、まだあまり注目されていなかった「新々貿易理論」への批判も入っ
ている。蓬田(2006)にそうした言及がないのは当然だが、問題は、蓬田(2006)や Jones and
Kierzkowski (1990, 2001) あるいは Davis (1998) を含む新古典派の貿易理論が現代のグロ-
バル化する経済の十分な説明理論足りえているかどうか、ということだ。

塩沢は、新古典派貿易理論の4つの世代(教科書的リカード理論、HOS理論、新貿易理論、
新々貿易理論)やJones and Kierzkowski (1990, 2001)がその説明となっていないと指摘し
ている。これの点は、指摘が基本的に正しいと言わざるを得ない。
省8
231
(1): 元院生 2019/04/11(木)10:18 ID:Lnm5cwTB(4/4) AAS
塩沢理論のもう一つの特徴は、各国の賃金率(実質賃金率)がモデル内部で決まってくると
いう点だ。HOS理論が要素価格均等化集合に焦点を当てているとの正反対だが、世界経
済において先進国・途上国の間に大きな経済格差・賃金格差があることは常識以前の話
だ。

日本国際経済学会のリカード原理200周年記念の共通論題セッションには俺もいて、塩沢
たちの講演も聞いたが、すぐには理解できなかったが、よく考えてみれば、塩沢の主張の
方がずっとまともだ。俺は、実証分析が基本だから、理論の優劣はどうでも良いが、今のと
ころ主流派貿易論は完全に出し抜かれたと思う。問題は、塩沢の国際価値論が、普通の
貿易理論と違って、線形代数や凸集合といったちょっと変った数学を勉強しなおさなけれ
ばならない点だろう。なかなか時間が取れないが、正則な国際価値の定義に必要なグラ
省2
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