[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー] (611レス)
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497: 2018/03/16(金)01:23 ID:kzFTvI8/(1/3) AAS
サン・ドミニク号が霧の中から姿を現すとき、サヤ・イ・マンタのインディアンのノゾキアナからこちらを窺っているリマの密通女の邪眼と似ている、と描写される
このサヤ・イ・マンタというのは目だけ出した真っ黒いベール
向こうからは見えるが、こちらからは眼しか見えない
船に乗り込んだデラノ船長は黒人が物も言わず眼だけぎらぎら見つめているさまを黒い頭巾の修道士の一団かと見まがう

バボというのは肉体的にも奴隷の中で矮小で、スペイン語を話せるだけ
奴隷の中にいる王族アチュファルに鎖を巻き付けて奴隷のふりをさせる
巨漢で元セネガル王への隠微な見せしめはセネガルでも奴隷だったバボ以外には理由が見出せない
奴隷たちもまた、神=バボの意図を知ることができず、「黒い修道士たちのように」従う
バボの頭は絞首刑になった後も晒されるわけだけれど、「狡知の巣箱」というその頭は「僧院」をにらみ続け、その僧院にセレノは三か月後に埋葬される

バボはセネガル人なのだけれど、なぜ「インディアンの覗き穴」とされているのか?
省2
498: 2018/03/16(金)12:56 ID:kzFTvI8/(2/3) AAS
白鯨を書いた直後のメルヴィルのホーソーンへの手紙
考えうる限り最も邪悪な小説を書くことができました
しかし終わりではありません
クジラよりも大きな怪物、クラーケンがいるのです

そして書かれた「ピエール」
静謐な海面から突然巨大な触手が屹立し、大海原の弧船を深海へ引きずり込む

その暗い触手が主人公を破滅させる様は白人に絡みついて覆いかさばる、黒い髪、サヤ・イ・マンタになぞらえられる
主人公の父が先住民族を強姦して生まれ、主人公を死に至らしめる異母姉イサベルは黒くて暗い髪の「眼だけが光る」密通女となり、大天使ルシファーたる完全無欠のいいなづけルーシーから主人公を寝取る

この女性はバボそのものなのだ
悪魔ではなく、悪夢であり、原罪であり、居座るバートルビーそのもの
499: 2018/03/16(金)13:08 ID:kzFTvI8/(3/3) AAS
イサベルとは悪王エイハブの妻
孤児イシュマエルを破滅させ、タシュテゴや「アメリカ」を皆殺しにして自死するエイハブ
ただ一人理想的な白人ピエール(石=ペテロ)を砕き、光を陰らせるイサベル
石に覆いかぶさる黒い髪が絡みつくvine(蔦)と表現される

黒さ(dark)は犯罪を覆い隠し、父の犯した罪の隠ぺいを破壊してたどり着く息子と同根であり、息子を破壊しながら愛し、その死に縋りつく
バートルビーの失職は「政府がOfficeを閉鎖したから」であり、その時期に閉鎖されたOfficeはインディアン管理局のみ
インディアンとの果たされなかった契約(Dead Letter)をひたすら筆写し続けていたバートルビーは、ほかの仕事に就くことを拒み続け、別の場所に移動させられることを拒む
「私はそうしたくはないのです」
語られない過去に何を、してきて、裏切られたのか
バボーイサベルーバートルビー
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