【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】 (325レス)
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313: キャトラ 2019/02/06(水)21:59 ID:gLUPfAOs(1) AAS
>「自惚れるな、神託の勇者。そして聖女よ。
 貴様らは憎きあの女の力を借りて私との差を埋めただけ。勝負はまだ始まってすらいない」
>「"力を奪う呪われし鎖よ"、"光をも呑む暗黒よ"、"爆ぜる鎧が我が身を食らう"、"命綱を断たれし遭難者"……!」
>「な、なんだ!?魔法の詠唱を混ぜて読むだなんて……!!?」

なんとアスタロトは妨害魔法の多重詠唱をいう離れ業を繰り出してきた。
流石は魔族、人間とは格が違うということだろう。
光の矢が目に見えてショボくなり、挙動が遅くなるのが自分でも分かる。

「これ、ヤバイんじゃね!?」

>「そうはさせるか!悪魔のように細心に、天使のように大胆にだーっ!!」

シリルの魔法によって状態異常が解除される。
属性違いとはいえ元々魔法使いだけあって、キャトラとは桁違いに強力な光魔法を使えるようだ。

>「勝負はこれからだアスタロト!僕達は君を倒し、シャンバラを守る!」
>「愚かな事を言う……!良いだろう、ならば望み通り直接攻撃を以って潰してやる……!
 "罪人を焼く業火よ"、"滲みだす混濁の波濤よ"、"地よ平伏せ魔轟の雷霆"、"腐海に沈みし汚泥が濯ぐ"」

状態異常が解除されることを悟ったアスタロトは、今度は分かりやすく大規模攻撃魔法の多重詠唱をはじめた。
あれ程の攻撃魔法を防ぎきれるほどの防御魔法は誰も使えまい。
今度こそ終わりかと思われたその時だった。
突如としてロートレックの幻影が現れ、聖女の前に跪く。

『力及ばず申し訳ありません、聖女様――私の鏡の魔力を貴女に託します。
どうか勇者達をお守りください』

「どういうことだ!?」

戸惑っているオレ達と対照的に、聖女は全てを悟ったようだった。
ロートレックの幻影から聖女に凄まじい魔力が流れ込んでいく。

「ああ、それこそが境界剣の本当の最期の奥義なのですね……。
ロートレック、あなたの犠牲は決して無駄にはしません。
必ず勇者を守り抜き勝利しましょう!」

「馬鹿め! いくら鏡の力を得たとて光の無いところでは全くの無力なのだぞ!」

アスタロトが嘲け笑うのを尻目に、聖女は朗々と呪文を唱えた。

「ミラージュ・リフレクション!」

怒涛の攻撃魔法の波がオレ達に届く寸前、味方全体全方位を覆う巨大な魔力の防壁が展開される。
なんと、それにぶつかった攻撃魔法が全て反射して詠唱者たるアスタロトに向かっていくではないか!

「なっ!?」

「侮りましたね。聖女たる私が光の力を持たぬとでも思ったのですか?」

元々光の魔力を持つ聖女が鏡の魔力を得た、それすなわち最強ということらしい。

「今です! 一気に畳み掛けましょう!」

アスタロトは自らが放った怒涛の攻撃魔法にまみれている。千載一遇のチャンスだ!
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