【創作】UNIX文庫 文豪ハッカー【パクリ】 (762レス)
前次1-
抽出解除 レス栞

リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
151
(3): 125-129 [sage] 02/08/06 00:30 AAS
>>150
150(2): 125-129 [sage] 02/08/06 00:23 AAS
>>149
一番威勢の良かった「23」のからだが宙に待った。そのまま壁に叩きつけられる。
パンッと激しい光を撒き散らしながら、そのパケットは無残に砕け散った。
そして他の連中も次から次へと粉砕されていく。飛び散る残骸の中から、
検査官の表情がハッキリと見えた。
あの穏やかな検査官が、いまや黙々と、パケットたちを潰しているのだ。

…騒ぎは、一瞬のうちに終わった。
検査官は、パケットの残骸の中から、彼等のIDを拾い集めている。
おそらく、彼の主人に、報告するのだろう。

ふと、そこに一人の幼いパケットが立ちすくんでいるのに気付いた。
まだ幼い子どもだ。
検査官は、IDを拾う手を休め、ゆっくりと、そのパケットに近付いていく。

(逃げろ。壊されるぞ!)
俺は心の中で叫んだ。しかし、子どもは恐怖のあまり、からだが動けないようだ。
ついに、検査官が彼の前に立った。
「…IDを、見せてくれますか?」
検査官の冷静な声に、おびえきった子どもは、おずおずとIDを差し出した。

「バカ、差し出したら…それこそ…。」

検査官は、しばしそのIDを見詰めていた。すると何を思ったのか、
彼のIDをポケットにしまうと、代わりのIDを彼の手に握らせた。

「これを持って、今来た道を戻りなさい。」
「…許してくれるの?」

検査官は、穏やかな笑みを浮かべる。
「ええ。あなたは例外です。今すぐあなたの御主人の元に帰り、こう言うのです。
『80番は空いていました。』と。」
「…それだけ?」
「ええ。それだけで、あなたの送り主は理解されるはずです。それに…。」

検査官は、足元の残骸を見渡しながら呟いた。
「時として…返事の無いことが、返事になる時もあります。」

検査官の言葉が理解できなかったのか、子どもは、まだその場を
立ち去りかねていた。
検査官は俺にした時と同じように、彼の背中を軽く叩いた。
「さあ、行きなさい。あなたの身元は控えておきます。今度来る時は、
もっと人に喜ばれる言葉や、写真などを運んできてくださいね。」

子どもは、コクリとうなずくと。くるりと今来た道を走り出した。

検査官はしばらく、その後ろ姿を見送っていたが、再び身をかがめ、
残骸の中からIDを拾いはじめた。
まるで無縁仏の遺骨を拾い上げるように。
152
(2): 125-129 [sage] 02/08/06 00:31 AAS
>>151
彼がいる限り、俺には帰る場所が用意されている。

そう確信した俺は、再びケーブルの中を歩き始めた。

自分が、どんなデータを背負わされているのか、今は分からない。
検査官の言うような「人を喜ばせるデータ」かどうかも分からない。
しかし、少なくとも俺の任務に悪意が含まれていないことは確かなはずだ。
(で無ければ、老人も、若い検査官も俺を送り出したりはしなかっただろう。)

「誰だか知らないが、俺を必要とされている。」
何度も、自分に言い聞かせながら、俺は歩みを速めた。
次なる目的地を目指して。
153: 125-129 [sage] 02/08/06 00:39 AAS
>>151
省略されてしまった。(苦笑)
慣れない事はするものじゃないね…。
155
(1): 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/06 07:43 AAS
>>148-152
すごいや、あんた。とくに緩急のつけかたがみごと。背筋が寒くなたよ。
ひょっとしてプロの物書きさんか?教えろやヽ(`Д´)ノゴルァ
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.035s