【創作】UNIX文庫 文豪ハッカー【パクリ】 (762レス)
1-

166: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 00:35 AAS
元々地上に標準はない。皆がそれを使えば、それが標準になるのだ。
167: 147 [sage] 02/08/09 01:07 AAS
>>163
163(2): 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/08 09:06 AAS
>>162
オレもわかった。この部分はまさにパケットにうってつけの素材で感心した。
そんじゃ、これはどうよ?

-
パケットは、もう一度ファイルシステムを見にいきました。
そして、こういいました。
「あんたたちは美しいけど、ただそこにいるだけなんだね。
あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。そりゃ、ぼくのデータも、
なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、あんたたちとおんなじ
データだと思うかもしれない。だけど、この16バイトのデータが、ぼくには、
あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。だって、ぼくが運んできた
データなんだからね。フラグメントから守ってやったんだからね。
CAT5も通ったし、光ファイバーも通ったし、時には、どうしたのだろうと、
チェックサムも確認してやったデータなんだからね。
ぼくのものになったデータなんだからね」

ん〜なんか良く思い出せないが読んだような読まないような…(w
168: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 02:35 AAS
Etherealがピピピピピと音を立てた。
最も難しいルーティングループが始まる証拠だった。
パケットたちは画面を見つめた。
暗黒のルーティングループの中で、パケットは手さぐりで進む道を選んでいく。選ん
だルータにだけいくつかの赤い点が受かび上がってきた。
一見ランダムに見えるその赤い照明も、パケットたちにとっては正確な配列だった。
ルーティングテーブルに熱中した者は、この暗黒ルーティングループに最も多くの時
間を費したからだ。それは苛立ちと懐かしさを呼び起こす。
コリジョンの数がさらに増えた。
フラグメント化された弟のパケットは経路情報の帯に映し出されるルーティングテー
ブルに十分の注意を払いながら、パケットを走らせた。ルーティングテーブルと赤い
配列から情報を読み取り、正しい場所でブロードキャストを自爆させないと、次第に
強さを増していくコリジョンには対抗できない。
この暗黒ルーティングループでこそTTLが必要なのだ。普通のパケットであれば、こ
こに来る前にいくつかのTTLを使ってしまう。と言うより使わざるを得ない。そして
暗黒ルーティングループの中に入り込む頃には、TTLが与えてくれた効力を使いきっ
てしまうものだった。
フラグメントの弟のパケットが息を詰めるのが、パケットには分かった。
自爆する場所に来たのだ。
フラグメントの弟のパケットは特定の赤い光の近くにパケットを近づけると、飛んで
くるコリジョンをやり過ごしてTTLに1を持たせた。
赤い点の上にそのTTLのなくなったパケットを置くと、その小さな足はルータに吸い
込まれ二度と動けなくなる。フラグメントの弟のパケットは残りの全パケットを下
に避難させた。
「ボム」
という音とともにパケットが死んだ。
169: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 02:35 AAS
「ルーティングループはクライマックスなんだぞ」
「バカ」
「死んじゃうんだぞ」
「死なねえよ。パケットそう簡単に死なねえよ」
「死んじゃうんだってば」
「バカ」
「こいつはしぶといよ。死なねえよ」
「お前だって死んじゃうぞ」
「バカ」
「ルーティングテーブルがなきゃダメなんだ」
「なーにが?」
「ルーティングループの解き方」
「あんなのデマだよ」

「バカ」
「パケット大丈夫かな?」
「No route to host も 0 packets received も Unknown host も」
「Non-existent host/domain も error fetching interface information も」
「なんだよ!」
「ぜんぶルーティングループだったじゃないか」
「うるせえっ!!」
「ばか」
「ルーティングループを解かなきゃ」
「バーカ」
「バカ」
「死んでもいいのか」
「ルーティングテーブルがなきゃ困るんだよ」
「Metricがなきゃ」
「バカ」
「バカ」
「Metricがなきゃ怖くて怖くて」
パケットが泣き出して、言い合いは一瞬中断になった。
170: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 02:36 AAS
ネットワークに出てくるパケットは、たった十五オクテットほどのヘッダに自分の生
きてきたすべての時間とそれに対する思いを余すところなく封じ込めている。
そうでなければ“ジバク”などあり得ない。パケットはそう思った。
何度も何度もフィールド値を打ち込み直し、さらにまた別の情報をつけ足していく。
以前、あれほど頻繁に鳴ったEtherealが、ひたすら無言でパケットの背中を見ていた。
HUBから物音が聞こえなくなってから、随分とたった気がした。
オプションフィールドにはすでに百十八ビットのデータが打ちこまれていた。時計を
見ると、午前二時だ。パケットは厚手の赤いコートをはおって、そっとNICを出た。ゲー
トウェイを開けると、ひんやりした空気がフリーアクセスフロアから吹き上げてく
る。パケットはルータの前に、用意してきたTTLのかけらを置いた。案の定、管理人
が配列を乱していたのだ。
パケットは昨夜のようにあわててlocalhostに戻ることをせず、静かに駅前の商店街
に向かった。店の前に置かれたルータの徴しが、ことごとく取り去られているのを
知っていたからだ。
月明かりの街をパケットは歩いた。区画整理され碁盤の目のようになったネットワー
クを歩いていると、パケットとしての自覚が体中にみなぎってくるのがわかる。
すっと角を曲がると、向こうからもパケットが歩いてきた。ひるまずにパケットは
歩いた。
すると、さらに向こうからも小さなパケットが現れた。そして、あちらにもこちら
にも。
夜の闇はパケットで満ちていた。
彼らはみな思い思いの格好で冷たい風から身を守り、乱れたルーティングを直し、見
逃していた中継ノードを見つけては、ポケットからTTLを取り出し、丁寧に道の脇に
置いて回った。
なるべくEtherealに気付かれないもの。それぞれのパケットは彼らなりに苦心してい
た。もちろんTTLが一番よかったのだが、街中に置くTTLは限りがあった。
細かく折ったFragment Offset。
なめかけたHeader Checksum。
小さな小さなPadding。
時にはOptionまでが配列にならっていた。
しかもパケットたちはまるで細胞同士のように、無言でお互いの役割を確認し合い、
短かい距離の間には決して同じものを置かなかった。パケットが商店街まで近づき、
八度目の自分の役割を果たしていると、後ろで話し声がした。
振り返ると、そこには黄色い毛布ですっぽりと体を包んだ小さなパケットの二人組が
いた。その異様さにたじろいで、パケットはつんのめるように走りだした。
すると後ろで、張りつめた弦が切れるような叫び声がした。
「パケットは弱虫か!?」
フラグメントの兄のパケットだった。
振り返るパケットを、フラグメント化されたパケットはじっと見つめた。確かにそれ
は双子だが、どこかが違う。双子にしてみれば、パケットの方こそが違っていた。双
子は静かに向きを変え、来たルータをひき返し始めた。パケットは、双子との距離を
縮めることも広げることもせず黙ってついていった。

フラグメントパケットは魔法使いのような格好でネットワークをさまよい、知り合い
を見つけてはヘッダを開き、お互いの状況を確かめ合っていたのだ。
ルーティングプロトコルは今までとは比較にならない程のルーティングループにパケッ
トたちを閉じ込めていた。
彼らは、その難しさに打ちのめされていた。
171: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 02:36 AAS
「ドウシタライイトオモイマスカ」
ペイロードには正確にその十四文字が映し出されていた.
対向からの反応は遅かったが,パケットはあわてなかった.パケットに触れているルー
タが,対向とつながる存在を伝えている.
そして対向の最初のデータが震えるように伝わってきた.
「ア」
さらに二つ目イ,そしてピ.
「イピ」
対向からの情報は十四個の記号から成っていた.
「アイピーアドレスヲシンジマス」
IPアドレスを信じます.
それでいい,とパケットは思った.
パケットは静かに目を閉じた.そしてペイロードひとつひとつに,ヘッダフィールド
から何ミリか飛び出した神経をつないだ.
重くしびれるような瞬間が続いた後,パケットは自分自身を送り始めた.
パケットはlocalhostを,対向を,そしてまたその間にあるルータすべてを信じた.今,
このルータでつながっている何かは僕を忘れない.きっと忘れない.忘れないで,対向
パケット.
そう祈ると,パケットはゆっくりと目を開け,自分自身のヘッダフィールドをしっか
りと刻み込んだ.
「45 00 00 01 d5 00 …」
その下には,同じように対向のヘッダフィールドが横たわっていた.
「45 00 00 01 1b 28 …」
ルータがつないだラインすべてに,ありったけの僕の情報が残りますように.もう一
度,パケットは祈った.いつかこのヘッダフィールドを開く者がいれば,僕の力をす
べて与えます.だから,忘れないで,パケットを.
172: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 02:37 AAS
その夜、多くのパケットたちがヘッダフィールドを封じ込めた。
すべてをあきらめ、パケットロスを恐れてlocalhostに閉じこもり続けることを決めた。
ジバクを試みた。
NATの外に出る戦いを続けた。
そしてまた、たくさんのパケットたちがすべてを忘れ、元のように遊び始めた。
その夜、ルーティングプロトコルの王は彼ら一つ一つの前に本当の姿を現した。彼らはみな、確かに王の姿を見たのだ。
勇敢に戦った者の名前を、王は決して忘れることがない。
いつか必ず、ルーティングプロトコルの王は彼ら一つ一つを召しかかえにくる。
173: 168-172 [sage] 02/08/09 02:39 AAS
手元に『マスタリングTCP/IP インターネットワーク編』しかなくて、
しかも眺めたくらいしか読んでないので
まちがいがたくさんかも……
174: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/09 15:43 AAS
ぶんごぶんご〜

期待あげ!
175: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/09 22:55 AAS
お、ノーライフキング続いてるんだ。
176: 147 [sage] 02/08/10 00:04 AAS
かなり置換できるので書きやすいかもね(w
177: 名無しさんお腹いっぱい。 [] 02/08/10 13:47 AAS
夏の読書感想文の宿題をここみてやるなよ>>ちうぼうしょくん
178
(1): 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/10 14:01 AAS
読書感想文なら 鳥類パケットの遅延について で決まり
179: 名無しさんお腹いっぱい。 [sage] 02/08/10 14:17 AAS
いや、ハッカージャパンVol9とかで書きそうぢゃな(w
180: 名無しさんお腹いっぱい。 [sage] 02/08/10 14:18 AAS
でも、ぜったい2ch公式ガイドで書く奴がいそうだな〜
181: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 02/08/10 23:45 AAS
>>178
オコジョはー?
182: 名無しさんお腹いっぱい。 [sage] 02/08/11 11:46 AAS
ああ、この暑い中、白いオコジョを見られたら最高だな〜
暑い〜鯖部屋の寒いのもいやだけど・・・

「オコジョパケットのコリジョンについて」
183
(1): ろてぃれる [sage] 02/08/11 14:44 AAS
 世界中からの注目を集めている、1匹のカメさんがいます。
 カメさんの職業は、探検家です。
 彼は今日も、第六大陸(通称:IPv6)のホウボウを見て回り、作りかけの地図に、その様子を事細かに書き込んでいるのでした。

「ウサギとカメ」の話にあるとおり、彼の歩みは決して早い方ではなかったけれど。
「ウサギとカメ」の話にあるとおり、彼は確実にやり遂げるタイプの男でした。
 世界最後の秘境、第六大陸という前人未踏の領域を、彼はほとんど独力で切り開いていきました。

 ウサギのぼくも実は、駆け出しながら、カメさんと同じ探検家です。
 同じ生業をもつものとして、ぼくは彼を尊敬していました。
 そしてある日突然、「ぼくも第六大陸に行ってみたい……」と思い立っちゃったんです。

 探検家の仲間や親や友達は、「あそこは危険すぎる。素人にはお勧めできない」と行って引き留めようとしましたが、ぼくの中のウサギのDNAが「それくらい朝飯前だ! カメなんかに負けてたまるものか!」とわめくので、すっかりその気になってしまい……。
 必死に働いて資金を貯め、いざ、出発!
 ――そして、その日から地獄の日々が始まったのです。
184
(1): ろてぃれる [sage] 02/08/11 14:45 AAS
>>183
 その地獄は、最初に思っていた以上に長く続き、カメさんに対する尊敬の念とか、ちょっとした八つ当たりの気持ちとかがでてきていたのですが、それでもくじけずに気合いで乗り切り、やがて、カメさんに追いつく日が来ました。
 ぼくが初めてそのカメさんの話を聞いたときは、沈着冷静で寡黙な、ちょっと怖いヒトを想像してしまいましたが、実際に会ってみると全く正反対の、気のいいおじさんでした。
 初めて第六大陸に足を踏み入れたときに、嬉しくて踊り出したという話も残っており、結構お茶目なところもあるようです。

 ぼくの中で一方的にふくらんでいた“敵意”も消えてしまいました。
 カメさんともすっかり友達になり、一安心したぼく。
 でもここで、困ったことが起きました。

「これから先、どっちへ進めばいいのか、判らない……」
 ぼくの目標はカメさんに追いつくこと。
 その後のことは、何も考えていなかったのです。

 ぼくが途方に暮れていると。
 カメさんが言いました。
「そんなの、オレにも判らないよ」と――。

 そうだったんです。
 ここは前人未踏の地、進むべき方向は自分たちで決めなければならないのです。
 その一言で、ぼくは、うまい具合に吹っ切れることが出来たんです。
185: ろてぃれる [sage] 02/08/11 14:46 AAS
>>184
 以来ぼくは、カメさんやその後友達になったMSRクンとか、いろんな仲間と互いに情報交換をしながら、この広大な第六大陸で相変わらずの探検生活を送っています。
 カメさんは、定期的に第六大陸から戻ってきては発表会を行い、そこでは毎回、作りかけの地図の最新版を配ります。
 カメさんが始めた発表会は、最初の頃はほとんどお客さんがいなくて寂しかったのですが、今では世界中から彼の業績は(それなりに)認められており、そこそこ盛況です。

 ぼくもそれに倣い、ぼく独自の調査を元に作った地図を作って配ることにしました。
 いろいろなヒトから感謝されたり、鋭い指摘を受けてビビッたり、意外なところからヒントをもらって舞い上がったりと、充実した日々を送っています。
 ぼくたちの地図は各国の学者や探検家などの手にあまねく広がり、貴重な資料として大切に扱われます。

 ぼくたちの目標は、第六大陸で普通の人が楽しく暮らせるようになるまで、そのお膳立てをすること。
 既知の大陸は、人口が多くなりすぎてパンク寸前。
 実は、意外に危機的状況です。

 今は何もない第六大陸だけど。
 森を切り開いて道を造ったり、街を造ったりして、楽園に一番近い国を造る。
 もちろん、豊かな自然を必要以上に壊すことのないよう、それだけは気をつけなきゃいけないけど――。

「まぁ、これからもよろしくやろうぜ」と、ちょっぴり照れた風に言うカメさん。
「そうだな。基本的にはその路線で」と、たまにヘンなことを言うMSRクン。
 他にもいっぱいいっぱい、仲間はいるけど、それでもこの第六大陸は広すぎます。どうしよう……。

「そんな、焦って気持ちばかりが空回りしたところで、しょうがないだろ。出来ることを順番にやればいいんだ」
 カメさんはぼくの頭をポンポンと叩いて、相変わらず冷静なことを言います。
 ぼくがカメさんに、本当の意味で追いつくのは、まだまだ先かな? なんて、漠然と思いました。

――おわり
186: 名無しさんお腹いっぱい。 [sage] 02/08/11 17:35 AAS
IPv6の事がよくわかりました
187: 名無しさんお腹いっぱい。 [] 02/08/12 10:42 AAS
読書感想文あげ!
188: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/12 23:27 AAS
潜水艦ネタっぽいやつきぼん。
189
(2): 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/13 01:09 AAS
やっぱりつまらん。この創作力のなさ。
190: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 02/08/13 01:11 AAS
>>189
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