農業総合スレ (2688レス)
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1605(2): とはずがたり 2015/02/06(金)15:05 AAS
大型の魚は高くて買えない
(2)買負けで大型の魚が買えなくなった
大型の魚は価格が高いので買付がしにくくなってしまったということは、あまり気づかれていない事実でしょう。「買負け」という言葉を聞いたことがあると思います。魚離れともいわれている日本を除いて、世界中で魚の需要は増大しています。
特に大型の魚は見た目が良く人気があります。例えば銀ダラ。この魚の切り身が10年前、20年前に比べて、小さい魚からのものになっていることに気付いている方は少ないでしょう。これは銀ダラが小型化しているためではありません。銀ダラの規格は、一尾当たり7ポンド以上、5〜7ポンド、4〜5ポンド、3〜4ポンド、2〜3ポンド他とあり、大型と小型では2倍近くも価格差があります。(1ポンドは約0.4536kg。)
かつては、日本は大型の7ポンド以上の魚も買っていたのですが、今では大型のサイズのものには高くて手が出なくなっています。大きいサイズのものは米国、香港などの市場が強く、価格が高い市場に流れているのです。日本には価格が安めで小型のものが輸入されています。
もっと典型的な魚がメロ(銀ムツとも呼ばれていました)かも知れません。この魚は、もともと日本市場で価値が見い出された魚でしたが、米国・中国・香港などの市場で人気を博し、また一時は乱獲で資源が減少したこともあり供給が減少、価格も上昇しています。今では胴体の身の部分は高すぎて買えません。国際価格はキロ3,000円に対して国内で販売できる市場価格はキロ2,000円程度で買負け。海外のスーパーには並んでいても、日本では価格が受け入れられずに、姿を消してきています。
この美味しい魚を何とか輸入しようとして買付しているのは、他の世界市場では今のところはあまり人気が無い、価格が安い「カマ」の部分位です。
この他にも大きなサイズは価格が高いためその下のサイズを買って輸入するケースが増えています。これらの場合は決して魚が小さくなったのではなく、単に見た目が良い大きな魚は高くて、日本が買えなくなっているだけなのです。一方で、写真のノドクロ(アカムツ)もそうですが、日本では乱獲により魚自体が小型化してしまっているケースが多く、大きな違いがあります。
1枚のホッケを半分に、100gの切り身を70gに…
(3)単価の上昇で、価格を抑えるために小さくした
これも買負けに関連するのですが、水産物の価格が高くなっているので、1切(1枚など)価格を受け入れやすくするために、小さくして売られるようになっているのです。開きにして1枚であったホッケを、半分にして2枚にすれば、1枚の価格は半分になります。切り身の大きさを100gから70gにすれば買付価格が3割上昇しても、1切当たりの価格は同じになります。
しかしながら、これらは見た目でわかるので、消費者にボリュームが少なく感じられてしまいます。ただ、中・長期的には輸入水産物の価格は需要の増加により上昇する見通しですので、価格面で消費者に受け入れられるためには、1枚(切)当たり価格を抑えるために小さくしていかざるを得ない場合もあり、大きさを求めるのはますます難しくなっていきます。
厳格に資源管理された米国のホッケ
日本のホッケの水揚げは減少が続いています。資源回復のため2012年から3カ年削減するという計画が出されていますが、その効果のほどは分かりません。この種の何割削減という取り決めの効果には、大いに疑問を抱きます。その理由は漁船ごと、もしくは漁業者ごとに明確に漁獲量を個別割当制度(IQ・ITQ・IVQ)として決めていないことにあるのです。
1606(2): とはずがたり 2015/02/06(金)15:05 AAS
>>1604-1606
漁獲量を減らすべきだと分かっても、自分の獲り分は減らしたくないと漁業者が考えるのは普通だと思います。その結果、小型の価値が低い魚でも何でも獲ってしまう「早獲り競争」が発生してしまうのです。漁業先進国はとっくに卒業しているこの競争に、勝者はいません。
同じ太平洋で獲れる米国のホッケの例を見てみましょう。2013年に一時資源量の低下で漁獲枠を前年の5.1万トンから2.6万トン、約5割削減されたホッケの資源が回復しています。米国のホッケの漁獲枠は日本のように自主管理に基づく規制ではありません。国(NPFMC・北太平洋漁業管理委員会)により科学的根拠に基づく厳格な漁獲枠が設定されます。手遅れになる前に、きちんとした制度のもとで管理されるので、資源量が減少しても再び回復するのです。
2015年の米国のホッケは漁獲枠が前年の3.2万トンから5.5万トンと約7割増加。本来は10.6万トンと、もっと獲っても科学的に大丈夫と言われていますが、漁場となるベーリング海・アラスカ湾では漁獲総量を全部で200万トンまでと規制しています。また2014年の漁獲量は、3.1万トンと漁獲枠に対して96%の実績でした。これまで何度も繰り返していますが、日本のように漁獲できる以上の漁獲枠を設定してしまう骨抜きシステムではないのです。
資源量が多く安定しているスケトウダラを始め、全ての魚種で科学者のアドバイス通りに漁獲すると200万トンをオーバーするので、各魚種の漁獲枠を、バランスを取りながら減らす作業を行っています。実際には、科学的にも、物理的にも、もっと漁獲できるのに漁獲量を抑制しているのです。今の日本では考えられない資源管理方法ではないでしょうか。
水揚げ高は数量×単価です。供給が少ないと、その分単価は上昇するので、必ずしも水揚げ金額のためにもっと獲っておいた方がよかったとはなりません。むしろ資源の持続性(サステイナビリティー)を考えて、控えめに漁をした方が将来的には良い結果をもたらします。
大きくなってきた甘えび 新潟県の挑戦
日本では魚が小さくなる話ばかりしてきましたが、そうではない貴重なケースを紹介します。(第5回)でもご紹介しましたが、新潟県で行われている甘エビ(ホッコク赤エビ・南蛮エビ)です。2011年に本格的な個別割当制度(IQ)が導入され、国内外の漁業に精通している小松正之氏(アジア成長研究所)を委員長とし、学識経験者、流通代表、実需者代表、漁業者代表、行政者でIQ検討会が構成されています。4年が経過し、徐々に具体的な結果が出てきています。
資源面でも経済面でも重要な変化として、甘えびが徐々に大きくなっています。甘エビの寿命は10年程度で、成長するのに時間がかかります。エビカゴのカゴの目を大きくし、価格が安い小さいエビを獲らず大きくなってから獲る工夫による効果が出てきています。
甘エビも大きさにより価格が大きく異なります。漁獲に占める小型エビの比率が減り、大型エビが増えれば、単価の上昇により水揚げ金額が上昇してきます。個別割当制度でなければ、小型のエビを獲らないなどという選択肢はなかったわけですが、漁船ごとに漁獲量が厳格に決まれば、単価の安い小型のエビを避ける方が賢明です。
個別割当制度に対して漁業者は当初反対するのが普通です。「漁獲量が制限されるなど、とんでもない」と。しかし、その導入とともに資源も経済も安定・向上し、結果がでてくるので、漁業者の方から「なぜもっと早くからこの制度にしなかったのか?」ということになっていきます。新潟でも同様の意見が強まってくることでしょう。必要なのは、正しい情報の提供です。手遅れになってしまっては遅いのです。
ノルウェーを始めとする漁業先進国では、漁獲数量が厳格に決まっており、かつ物理的に漁獲できる数量よりも、漁獲枠の方が少ないので、価値が低い水産物の漁獲を極力避けようとします。結果として水揚げされる水産物は、そのシーズンの中で大型のものが水揚げされることになり、水揚げ高も上昇することになるのです。新潟での資源管理は、日本における個別割当制度(IQ)のモデルケースになることが期待されています。
しかし残念なことに、日本では漁業者から不満が出にくくするために、実際の漁獲量よりも大きいTACが設定されるケースが多く(第14回)、結果として効果に期待が持てません。繰り返しになりますが、このやり方では資源面でも経済面でも意味がありません。新潟の甘エビや、前述の米国のホッケの資源管理の例等が参考になり、日本のホッケも米国同様に資源が回復し、再び大きなホッケが出てくる仕組みづくりを、すでに成功している漁業先進国から学び続けることが、水産日本の復活、地方創生につながっていくのです。
1636: とはずがたり 2015/03/02(月)19:10 AAS
>>1411-1414 >>1421-1422 >>1480 >>1501-1509>>1510>>1604-1606
漁民どもは弱者・被害者ぶって資源枯渇する迄獲りきらないと学習しない様だからなぁ┐('~`;)┌
今日の夕刊の朝日新聞によるとイカナゴが有名になったのは阪神大震災がきっかけ。九州・玄界灘は07年にイカナゴが激減,08年から禁漁にしているが現在でも未だ戻っていないとのこと。伊勢湾では1980年前後に続いた不漁を機に92年から愛知・三重両県の漁業者と行政で稚魚の管理を開始,稚魚の推定残存数が20億匹近くになった段階で一斉に漁を終えるが,両県の漁獲量は2011年以降1万数千トンで安定しているとのこと。
兵庫県が仲介役になり播磨灘側と大阪湾側の漁協が基準を作る為の話し合いを始めた所とのこと。
2014/2/14 20:45
イカナゴのシンコ漁 今年は「不漁」の見通し
外部リンク:www.kobe-np.co.jp
兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター(明石市)は14日、今春のイカナゴシンコ(稚魚)漁の漁況予報を発表した。大阪湾の漁獲量が「平年を下回り、昨年並み」、播磨灘は「昨年、平年とも下回る」としている。
昨年の漁獲量は、大阪湾が平年の2割程度と大幅に少なく、播磨灘は平年並みで、今年は不漁傾向が強まる。
昨年12月、播磨灘沖の鹿ノ瀬水域で親魚を調査した。生息数が昨年や平年を下回っており、漁獲量の目安となる総産卵量を、平年の0・23倍、昨年の0・44倍と推定した。
1月下旬には稚魚を調査。1月上旬の水温が平年より低かったこともあり、平均体長は播磨灘(10・4ミリ)、大阪湾(8・7ミリ)ともに昨年を下回った。
漁の解禁日は、漁業者らが近く実施する試験操業の結果を基に決める。例年は2月末から3月上旬ごろ。
(西井由比子)
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