金融機関観察スレッド (3357レス)
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(1): とはずがたり 2017/07/13(木)16:53 AAS
そこまでわかれば、普段とは違うカード利用であっても問題ないと判断できるわけですが、これを瞬時にできることがアメックスの強みなのです。

加谷 クレジットカードのビジネスは、アメックスをはじめとするグローバルブランドの下にカード発行会社(イシュアー)があり、さらに加盟店契約会社(アクワイアラ)を介して個々の加盟店がある、という構造になっていますね。アメックスは、このうち加盟店を開拓・管理するアクワイアラまでを、全て自社で行っているわけですね。

清原 お客様が利用してからの全てのプロセスを自社でまかなっており、もちろんコールセンターも自社に――しかも本社内に――設けています。この規模のカード会社で、全てを自社で行っているのは世界でも当社だけです。

そのため、お客様に何かトラブルが起こった時に「この件は直接、●●に問い合わせてください」というようなことをする必要がなく、顧客サービス上のメリットがあります。また、ビッグデータを活かしてサービスを提供していくにあたっても、一番いいポジションにいるのが当社なのです。

加谷 利用者にとっても、いろいろな会社がそれぞれ自分の情報を持っているよりも、ひとつの会社にすべてを把握してもらっていたほうが、よりパーソナライズされたサービスを受けられますし、スムーズに与信を通してもらえるなら、そのほうがメリットは大きいですね。

実際のところ、1枚のクレジットカードしか持っていないという人は少なくて、ほとんどの人が複数のカードを使い分けていると思います。その中で、自分の使い方に合わせて、いわばカードの「ポートフォリオ」のようなものを組んでいるんじゃないでしょうか。自分のお金の使い方をきちんと理解している人ほど、それぞれの場面で最適なカードを選ぶことができるのではないかと思います。

清原 私たちも、例えば年間100万円のカード利用をする方なら、その中でより多くをアメックスにしていただけるように、という思いでサービスを提供しています。そして実際、1人当たりの利用金額が他社カードの3倍という統計もあり、多くの方に、持っているカードの中でアメックスをいちばん多く利用していただいているのです。

信用履歴はネガティブなものではない
清原 もうひとつクレジットカードを利用する理由として考えていただきたいのが、信用履歴(クレジットヒストリー)です。普段カードを利用しない人は、住宅ローンや自動車ローンを借りる際に判断基準となる信用履歴がないため、ローン会社としてもなかなか貸し付けの判断が難しい現状があります。

対して欧米では、しっかりとした信用履歴がなければ、住宅ローンを借りられないどころか、自動車のリースもできないし、新しくクレジットカードを作ることもできません。とくに若い人にとって、信用というものはそんなに簡単に手に入れられるものではありません。だから普段から、がんばってカードを使って、がんばって返済することで「信用力」を築いていくのです。

加谷 確かにアメリカ人は、信用履歴をきれいな状態に保つために、ものすごく努力をしますし、日本人がアメリカで家や車を借りたくても信用履歴がないから借りられない、という話はよく聞きます。カード履歴が社会における「信頼の証し」になっているわけですね。

日本では、カード履歴というと「借金の履歴」という捉え方をされることが多く、そのせいでクレジットカード利用にネガティブな感情を抱いている人が多いのかもしれません。でも実は、ちゃんと期日までに返しています、という「返済の履歴」でもあるわけです。
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(1): とはずがたり 2017/07/13(木)16:53 AAS
>>2935-2938

また、利用(返済)履歴がしっかり残ることは、個人のお金の管理という面でも非常に大切です。近頃では携帯電話の料金を支払わないような人もいると聞きますし、信用力を数値化することは、これからの時代により求められるのではないかと考えています。

決済システムの「日本ガラパゴス化」を危惧
加谷 なかなかクレジットカードが主流にならない日本ですが、かたや交通系ICカードなどの電子マネーは一気に拡大し、Apple Pay(アップルペイ)のような新たな決済インフラも登場しました。これらはクレジットカードのライバルとなり得るのでしょうか?

清原 正直なところ、クレジットカードのライバルは現金だけです。したがって、どんな電子マネーであろうと決済インフラであろうと、またデビットカードやプリペイドカードにしても、良きパートナーだと考えています。アップルペイについても、アメックスの日本発行カードでは今年3月から対応を開始しました。

唯一危惧しているのは「ガラパゴス化」です。いま世界中で非接触型ICチップを使った「コンタクトレス決済」(「ピッ」とかざすだけの決済)がクレジットカードにも普及しつつありますが、それに使われている通信システムは、実は日本と日本以外で異なり、2極化が進んでいます。

業界全体で対応策を考えないと、日本中どこでも使えるカードは世界のどこでも使えず、世界中どこでも使えるカードが日本では使えない、という事態が迫っているわけです。

加谷 昨年の訪日外国人数は2400万人を突破しましたが、今後ますます外国人観光客が増えていくなかで、この状況は看過できませんね。

欧米の先進国に限らず、お隣の中国でもキャッシュレス化がものすごい勢いで進行しています。ビジネスだけでなく個人の消費活動においてもグローバル化が進んでいることからも、よりボーダーレスな決済が求められているのではないでしょうか。

清原 アメックスとしては、どちらのシステムにも対応するべく、着々と手を打っているところです。

そもそもクレジットカードというのは、世界中どこでも安全・安心に使えるものであるべきだと考えています。例えば、メキシコで何か困ったことがあった時に緊急対応ができるかどうか。お客様が体験する全領域・全プロセスをカバーできるのがアメックスの強みであり、それを追求することが私たちのDNAなのです。

最初にお話ししたように、クレジットカードの歴史は欧米でスタートしたため、最先端も必ず欧米からやって来ます。それをいち早く日本にお伝えできるのは、私たちアメックスです。ゴールド・カードを日本で最初に発行したのも当社で、1980年のことでした。

ぜひそうした情報に関心を持っていただき、アメックスでなくても構わないので、クレジットカードを利用する機会を少しずつ増やしていただきたいと心から願っています。

清原正治(きよはら・せいじ)
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル 日本社長。住友化学工業(現・住友化学)でキャリアをスタート。GE Moneyファイナンスで代表取締役社長、日産自動車で組織開発本部長やグローバル販売金融担当部長などを歴任。米国および日本を代表するグローバル企業で強いリーダーシップを発揮する。2014年9月から現職

加谷珪一(かや・けいいち)
評論家。金融、経済、ビジネス、ITなど幅広い分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。日経BP社で記者を務め、野村證券グループの投資ファンド運用会社を経て独立、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『AI時代に生き残る企業、淘汰される企業』(宝島社)など著書多数。当サイト連載「経済ニュースの文脈を読む」
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