[過去ログ] 【艦これ】提督「…さて、と」 (1002レス)
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275: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:00 ID:icBJggVQ0(1/37) AAS
訓練海域にて


日向「っふ!…っふ!」ブン!ブン!

龍驤「刀を振り回して…えろう気合入ってんなぁ。それ、特注品やっけ。」

日向「ああ、龍驤…そうだ。北提が私の為に無理を言って拵えさせたらしい。お陰で、深海棲艦共を何体切り捨てても折れない。ありがたい話だ。」

276: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:02 ID:icBJggVQ0(2/37) AAS
瑞鶴「あ、そうだったんだ。良いなぁ。」

日向「…なんだ。居たのか、瑞鶴。」

瑞鶴「居たのか、とはご挨拶ね。普通に龍驤、あと加賀…と演出よ!」

加賀「…あなたも偉くなったものね。」

瑞鶴「げぇっ加賀!…さん!」

龍驤「瑞鶴、自分弱いのぉ…」

加賀「まぁ、そんなことはどうでもいいのだけれど。さっさと演習を行いましょう。」

瑞鶴「今日も勝ちますからね!」

加賀「…そう。」

瑞鶴「最近、私また強くなったもの!」

龍驤「ほんま強なったもんな…。…?瑞鶴、どうしたんやその髪留め。今朝はつけてなかったやろ。」

277: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:02 ID:icBJggVQ0(3/37) AAS
瑞鶴「ふふ、よく気づいたわね龍驤!さっき北提から新しく頂いたのよ!」

加賀「あら、可愛いわね。」

瑞鶴「ふふふふ…似合ってますか?加賀さん?」

加賀「ドヤ顔はやめてほしいのだけれど。…まぁ、似合ってないことも無いわね。」

瑞鶴「やたっ!」

加賀「…」イラッ

龍驤「ほえー。ウチも前、勾玉とか色々もろたわそういえば。箪笥の中に封印されてるけどな。」

日向「私はこの刀一本あれば十分だな。」

瑞鶴「む!…北提、艦載機か弓くれないかしら…」

龍驤「瑞鶴、自分ワガママやなぁ…」

加賀「…ほら、そろそろ行くわよ。日が暮れたら着艦出来ないわ。」

龍驤「ほなまたね、日向!」

日向「ああ、気をつけてな。」

日向「…」

日向「さて、もうひと頑張りしようか。」

279
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:04 ID:icBJggVQ0(4/37) AAS
数日後、執務室


コンコン
響「響だよ。さっき到着した増援の艦娘たちを連れて来たよ。」

北提「おお!入ってくれ。」

ガチャ、ゾロゾロ
響「うん。…えっと、紹介すると、まずこの軽巡さんがーー」

那珂「初めまして!地方巡業に来ましたっ!艦隊のアイドル、那珂・ちゃん・です☆」

吹雪「あああああ…いきなりぶちかましてくれましたね那珂さん…どうすんですかこの空気…」

妙高「…(頭が痛い…)」

北提「(濃いのが来たなあ…)よ、よろしく頼むよ。」

280
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:05 ID:icBJggVQ0(5/37) AAS
吹雪「ほんとスイマセンスイマセン、こんなポンコツで。あ、私は駆逐艦の吹雪です、よろしくお願いします。」

那珂「ポンコツ?!」

妙高「私は妙高型重巡の妙高です。よろしくお願い致します。」

北提「皆、宜しく頼むね。ここの鎮守府の面子は隣の応接室に揃ってる。そっちへ移動してくれるかな。」

一同「はい。」

ガチャ

那珂「みんな、こんにちはー!那珂ちゃんだよー!」

吹雪「ちょ、那珂さんほんとやめて下さい!」

妙高「…妙高です。よろしくお願い致しますね。」

龍驤「なんか1人ヤバそうな奴、入ってきたで…」

瑞鶴「シッ!聞こえるわよ!」

那珂「会話筒抜けだよー?」

281
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:05 ID:icBJggVQ0(6/37) AAS
北提「…とまぁ、愉快な増援が来てくれた事だし、今晩は下の宴会場で、懇親会でも開こうかな?」

吹雪「よ、よろしくお願いします!」

妙高「…この私が愉快なキャラに…?」

日向「はっはっは。陽気なのは良い事だ。私は日向だ。よろしく頼む。」

加賀「…加賀よ。」

妙高「…!」

吹雪「懇親会、楽しみですね!…妙高さん?」

妙高「あ、いえ、ごめんなさい。楽しみですね!」

那珂「那珂ちゃん、ステージしちゃおかな?」

龍驤「なんやねん自分…」

282
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:06 ID:icBJggVQ0(7/37) AAS
夜、懇親会


北提「遠路遥々よく来てくれた!今宵はパーっと騒いで明日からに備えてくれ!乾杯!」

カンパーイ!ワー!キャー!

加賀「…」スッ

北提「あれ?加賀さん、酒持ってどこか行くの?」

加賀「ちょっと応接室でラッパ飲みしてきます。」

北提「ええ…」

加賀「では。」テコテコ、ガチャ

北提「行っちゃった…大丈夫かな?」

283
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:07 ID:icBJggVQ0(8/37) AAS
那珂「恋の!」

日向「トゥーぅー!」

瑞鶴「フォーぉー!」

龍驤「イレーブぅーン!」

わいのわいの

北提「なんやかんやで仲良くしてるみたいだね。良かった良かった。」

吹雪「那珂さんあっという間に3人を吸収してステージ始めちゃいましたね…ちょっと真似出来ません。」

響「恋の2-4-11か。私も実は聞いたことなかったんだよね。」

北提「CDも出してるのか…マジでアイドルだったんだね…」

吹雪「私も最初は半信半疑でしたよ…」

響「だろうね。私も吃驚ーー」

ズン…!!!

一同「?!」

北提「なんの音だ!敵襲か?!防衛部隊は何を…」

響「いや、上の階、応接室の辺りから聞こえたような…!」

284
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:08 ID:icBJggVQ0(9/37) AAS
日向「見てくる。」

北提「ま、待て日向!僕も行く。」

瑞鶴「私が行くわよ!」

那珂「ここは那珂ちゃんが!」

龍驤「いや、ここはウチが!」

一同「「「どーぞどーぞ」」」

龍驤「なんでやねん!こんな冗談言うてる場合ちゃうやろ!」

北提「とりあえず、様子を見に行こう。龍驤たちはここで待っていてくれ。行こう、日向。」

………
……



北提「こ、これは…」

加賀「…」

日向「応接室のテーブルが真っ二つに…大丈夫か、加賀。」

加賀「煩い。」

日向「…ッ(恐ろしく虫の居所が悪いな…こんな加賀は初めてだ。目が完全に据わっている。)」

北提「(一升瓶が3本も転がってる…短時間に全部一人で飲んだのか…)…一体何があったんだ…」

加賀「…お願いだから一人にして頂戴。」

北提「わ、わかった。とりあえず敵襲でないとわかって良かった。一旦戻ろう、日向。」

日向「…わかった。」
ガチャ、バタン

日向「加賀に一体何が…おや?妙高?」

妙高「あ、北提と日向さん…」

北提「妙高?何かあったのかい。」

妙高「申し訳ありません、私が少し加賀さんと言い争いを…」

北提「加賀さんと?何を…」

妙高「それは…」

285: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:10 ID:icBJggVQ0(10/37) AAS
数分前


加賀「…」グビー

ガチャ
妙高「失礼します。お久しぶりですね、加賀。大反攻戦以来ですか。驚きましたよ、此処に居て。」

加賀「…何か用?」

妙高「わかっていらっしゃるのでは?」

加賀「…来るんじゃないかとは思っていました。だから場所を移したのだけれど。」ハァ

妙高「…少し飲み過ぎですよ?」

加賀「…あなたの知った事では無いわ。」

286: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:11 ID:icBJggVQ0(11/37) AAS
妙高「…あなたの元上司が私の妹、足柄を現在指導していると聞きました。」

加賀「…未だに同型艦で姉妹を意識しているのはあなたくらいよ。」

妙高「何故、あの人が足柄の上司を?」

加賀「…さぁ?」グビー

妙高「あの人の所為で那智が死に、それによって羽黒がおかしくなったのは知っているでしょう…!何とか足柄を彼から離せないのですか!彼は足柄に己の正体を明かしていないと聞きましたよ!」

加賀「…知らないわ。足柄に直接言えば良いのでは?」グビー

妙高「事実を教えて、あの子が更に反抗したら解体されるかもしれないのに、そんな事は出来ません!」

加賀「…」グビー

妙高「…そもそも!主張派が解体された中、何故あの人は提督としてまだ残っているのですか!」

加賀「…」グビー

妙高「あの人は人類の味方かも知れませんが、艦娘の敵なのですよ!」

加賀「…」グビー

妙高「…何か答えなさい、加賀!あなたも艦娘なのでしょう!」

287: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:12 ID:icBJggVQ0(12/37) AAS
加賀「…ひとつ、良いかしら。」ゴトン

妙高「…?」

加賀「あなたは主張派を、あの人を取り違えているわ。保守派の情報工作か何か知りませんけど。あの人は艦娘の敵などでは無かった。」

妙高「何を馬鹿な!彼が艦娘を何人犠牲に…!」

加賀「…ねぇ、妙高。この議論はきっと平行線よ。あなたと私は交わる事は無いでしょう。あなたは彼を憎み、私は彼を愛している。それは、物の見方の問題よ。」

妙高「…」

加賀「だから、私はあなたと非生産的な罵り合いをしても構わないわ。」

妙高「…それは…」

288
(1): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:14 ID:icBJggVQ0(13/37) AAS
加賀「…あなたが…あなたがこの…!私が内に秘めた怒りと苛立ちを!今!!ここで!!曝け出しても構わないと言うのなら!!!」

妙高「…遠慮しておくわ。…ごめんなさい、邪魔したわね。」

加賀「…さっさと失せなさい。」

妙高「そう、させてもらうわ。」
ガチャ、バタン

加賀「…ああああああ!!!どいつもこいつも!!!私の提督を!!!莫迦にしてぇぇぇ!!!」ズン…!!!

………
……



妙高「といった事が…」

北提「…」

日向「なるほど、な。加賀の気持ちはわからんでもない。が…」

妙高「…加賀…私としたことが…焦りから冷静さを欠いてしまい、彼女に八つ当たりのような真似をしてしまいました…」
289: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)02:24 ID:icBJggVQ0(14/37) AAS
ここまで
加賀さん飲み過ぎやでこれ…

御察しの方もいらっしゃるかと思いますが、そろそろ深海棲艦化した艦娘出ます。戦います。グロは書きませんが、深海棲艦化が苦手な方にはごめんなさい。ストーリーと密接に関わってくるので。

なにやら素敵な派閥が出来てますね
293: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:42 ID:icBJggVQ0(15/37) AAS
翌日朝、食堂


加賀「あったま痛い…」

龍驤「おはようさん、加賀。」

加賀「あら、龍驤。おはよう。」

龍驤「昨日えらい暴れてんて?」

加賀「さぁ…記憶にないわね。」

龍驤「応接室の机粉砕したって聞いたけどな。」

加賀「…存じません。」

龍驤「…さいでっか。」

日向「おはよう、加賀、龍驤。」

加賀「日向。おはよう。」

龍驤「おっはー。」

日向「加賀、大丈夫か?」

加賀「あんまり覚えて無いのだけれど…問題無いわ…心配掛けたわね。」

日向「こちらこそ問題無いんだがな。いや、北提は机が無いと嘆いていたが。…そうだ、今日と明日は合同演習だが、いけるか?」

加賀「私は仕事に私情は持ち込まないわ。」

日向「そうか…なら良いんだが。」

加賀「昨日は少し…飲みすぎただけよ。」

日向「まぁ日本酒の一升瓶3本も行けばなぁ…」

294: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:42 ID:icBJggVQ0(16/37) AAS
執務室


北提「皆、揃ったか。今回の作戦は、編成は単純に5名と増援隊の3名で別れて貰う。これは多数の艦娘が一箇所に集中し、深海棲艦に探知されるのを防ぐためだ。知ってると思うが、艦娘は多ければ多いほど感知されやすく、強襲されやすい傾向にある。特に1艦隊に7名以上は危険とされている。」

北提「まず、初動の5名で奇襲をかけて貰う。ここで決着をつけれたら、後続の3名は島の周囲を確保。もし、戦闘が泥沼状態になるなら、後の3名を前進させ、5名のうち2名を下げる事で対処する。簡単に言うとこうなるね。今日明日はその、前進と後退の打ち合わせと訓練をしておきたい。」

一同「はい!」

北提「よし、では早速準備に取り掛かろう。」

295: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:43 ID:icBJggVQ0(17/37) AAS
演習海域


響「ふぁ…暇だね、日向。港で艤装も無しに座ってるだけなんて」

日向「まぁ、既に6名が演習している以上、我々は海に出れないからな。万が一この島に深海棲艦が押し寄せてきたら大変だ。」

響「まぁ、私の役目は対潜と雷撃、日向は前衛って決まってるもんね。」

日向「そうだな。入れ替わりのある空母連中が、一番苦労するんだろう。あとその護衛に吹雪だっけか?」

響「まぁそんな感じらしいけどね。」

北提「や、お二人さん。」

日向「北提。」

北提「僕もここから無線で演習の指揮を取ろうかと思ってね…『チョット離脱遅いよ今の!』…と言うわけさ。」

響「しっかし、艤装の数が7以上だっけ?か何かで指数関数的に襲われる確率が伸びるって凄いよね…」

日向「実際のデータを整理したら6人以下の基地近海の航行で襲われた例は極めて少なかったらしいな。7名以上では頻繁に交戦があったらしいが。」

響「ね。…それを発見し、1艦隊6名以下を体系化したのが、加賀さんの元上司さんだっけ。」

日向「そうだな。加賀が酔った時、自慢げに話していたのを覚えている。」

296: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:46 ID:icBJggVQ0(18/37) AAS
響「まぁ、凄い人だよね。噂で聞く話によると、大変な事もしてたみたいだけど。」

日向「加賀はその話をすると、すぐムキになって否定してたな。…加賀が信用できるだけに、左遷提督について、加賀の語る人物像と軍内の一般認識に大きな齟齬があって…もう、よくわからないな。」

北提「…僕は、加賀さんをどうするべきなんだろうな。」

日向「…どうだかな。それは北提と加賀が決める事だ。」

響「ただ、サヨナラするとしたら…寂しくなるね。」

日向「まぁ、まずは無事に離島攻略を目指そうじゃないか。その話はそれからでも遅くはない。」

北提「…そうだね。」


作戦決行日、夜、工廠


北提「さて、目標の島はここから400キロ東にある。第一艦隊、加賀、瑞鶴、龍驤、日向、響は現時刻より基地を出撃、0400に作戦圏内到着、敵を撃破後帰投。第二艦隊、吹雪、那珂、妙高は2200より出撃、0700に作戦圏内到達後、周囲を哨戒をして命令まで待機とする。」

一同「はっ!」

北提「艤装を装備しているから体力的には問題ないはずだが、精神的には辛いだろう。しかし、本土から離島開拓の先遣隊が既にこちらへ向かっている以上、失敗するわけにはいかない。各員、心してかかってほしい!」

北提「では、第一艦隊は艤装装着後工廠内水路に降りてくれ。」
297: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:49 ID:icBJggVQ0(19/37) AAS
龍驤「いよいよやな…」ガチャ

日向「そうだな。」ガチャ

瑞鶴「余裕よね!」ガチャ

加賀「そうね。」ガチャ

響「とにかく、がんばろう。」ガチャ

加賀「第一艦隊、艤装装着完了。状態確認異常なし。命令待機中です。」

北提「よろしい。出撃を許可する。」

加賀「了解。第一艦隊、加賀、瑞鶴、龍驤、日向、響、出ます。」

………
……



加賀「各艦は間隔を開けて、尚且つ僚艦を見失わないように。迷子は御免よ。観測機をローテーションで飛ばしてるけど、各自で念の為潜水艦に注意。」

瑞鶴「あーあー。北提、全員、聞こえる?」

北提『バッチリだね。』

瑞鶴「無線感度良し!」

龍驤「しっかし夜の海は最高やね!風を切るこの感じ!」

日向「テンション高いな…空母に夜戦は辛いだろうに。」

龍驤「軍艦と艦娘はちゃうからな!敵が来たらワンパンやで!」

日向「はっはっは!それは心強いな。」

瑞鶴「…んで?加賀さん。なんで妙高さんと言い争うことに?」

加賀「…」

瑞鶴「無線入力切ってるわよ。」

加賀「…大反攻戦で、主張派の艦娘が大勢死んだわ。妙高の妹、那智もその一人。そして、指揮官の一人が左遷提督だったというだけよ。」

瑞鶴「…ねぇ、主張派は…なんで…」

加賀「軍事機密だから。あまり詳しい事はお話できないわ。今私が話してる事だって、聞かれたらとても怒られる。」

日向「…」

加賀「…そうね。軍機ついでにひとつだけ、教えてあげるわ。」

瑞鶴「…?」

298: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:50 ID:icBJggVQ0(20/37) AAS
加賀「主張派ってね。略語なのよ。」

響「…加賀さん?」

加賀「…主張派はね。艦娘の主張派、の略。」

龍驤「…は?…え?」

日向「初耳だぞ…」

加賀「そうでしょうね…だって、」

響「加賀さん。いけないよ。」

加賀「…あら。…ごめんなさい、戯言よ。忘れて頂戴。」

299: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)11:52 ID:icBJggVQ0(21/37) AAS
お昼はここまで

そろそろ簡単な戦闘シーン、地の文で突っ込みます
311: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:49 ID:icBJggVQ0(22/37) AAS
日向「…なぁ龍驤」ヒソヒソ

龍驤「なんや。」

日向「加賀、最近おかしいよな…」

龍驤「妙高はん来てから?」

日向「北提を矢でやったあたりからだよ。」

龍驤「まぁ、確かにな…あれはおもろかったけどビックリしたな。」

日向「…妙高さんの件にしたって、加賀さんは怒鳴るような人では無かったし、今回も、機密を漏らすような人では無かった筈だ。」

龍驤「やなぁ…苛々が募って昨日爆発して、今自棄になってるんちゃう?」

加賀「…そこ。集中なさい。」

龍驤「はーい。…怒られたわ。」

日向「…」

312: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:52 ID:icBJggVQ0(23/37) AAS
………
……



瑞鶴「うーん…(艦娘の主張…?…意味がわからないわね…響は何か知ってるのかしら。)」

龍驤「なんや自分、うんうん唸って。航行中やねんから前見いよ。」

響「大丈夫?」

瑞鶴「…ねぇ、響は何か知ってるんでしょ?加賀さんが言ってた事。」ヒソヒソ

響「…いや、知ってるというよりは…」ヒソヒソ

日向「なんだ、聞かせてくれ。」ヒソヒソ

龍驤「せや、なんで加賀さんを止めたん?」ヒソヒソ

響「…私の以前の知り合いに、同じ事を言ってる人が居た。」

瑞鶴「…それで?」

響「…その人は、暫くしたら怖い人たちに連れてかれて、二度と帰ってこなかったんだ。」

龍驤「こっわ…」

響「…私は、皆が好きだよ。北提も、瑞鶴も、日向も、龍驤も、勿論加賀さんも。…怖かったんだ。あの先を聞いてしまったら、皆が離れ離れになるかもしれないって。」

日向「響…」

響「加賀さんの気持ちもわかるよ。…でもね。私は今、ここにいる事の方が、大事かなって…。こういうのって保守的っていうのかな…わかんないな。」

龍驤「…」

313: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:52 ID:icBJggVQ0(24/37) AAS
瑞鶴「…とにかく今は、この話は忘れましょ。目前の敵を叩く事に集中しなくちゃ。その事は帰ってからね!」

龍驤「…せやな!鬱な話は忘れて、気合い入れていこや!ウホオオオワアアア!」

加賀「…随分と胸板の薄いゴリラね…」

龍驤「…キングコングスラムかますで。」

加賀「よろしい、来なさい。」

龍驤「うそやろ…」

………
……


加賀「離島を視認。偵察機が敵影を捉えました。一旦偵察機を回収、感ずかれないように離島に接近しますよ。」

瑞鶴「いよいよね。」

龍驤「やったるで!」

北提『よし、では十分近づいたら再び艦載機を飛ばしてくれ。』

加賀「では、気を引き締めて、取り掛かりましょう。」

314: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:55 ID:icBJggVQ0(25/37) AAS




離島の影。そこに艦娘達は居た。その上空を加賀の偵察機が飛んでいた。

「偵察機より、距離約5000東北東に推定イ級駆逐2、推定リ級重巡1、ヲ級空母1。先制攻撃の準備を。瑞鶴、龍驤。」

「ええで!」

「いつでもいけます!」

加賀は龍驤と瑞鶴からの返事を確認し、北提に指示を仰いだ。

「北提、こちら戦闘準備完了。敵目標を補足、全艦作戦圏内にて待機中。指示を。」

『艤装による攻撃を解禁。交戦を許可する。』

「「「了解。」」」

北提の指示直後、三人とも自分の艦載機を次々と発艦させていく。

「龍驤、瑞鶴、あなたたちは全機発艦させなさい。私は手元に幾つか残しておきます。艦戦による制空権の奪取を優先、敵艦載機不在の今が好機よ。」

加賀の指示に他二人は頷き、全ての艦載機を出し切った。

315: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:56 ID:icBJggVQ0(26/37) AAS
「こちら空母隊、艦載機発艦終わり。」

『よし。響を先頭に、日向はその後を追って。空母三人は艦載機による先制攻撃後、二人に追随して随時援護を行う事。全速前進!速攻!』

「「「了解!」」」

北提はさらに指示を出し、全員がそれに従う。そして、空母達の艦載機が離島の敵影を捉えたと同時に、

「!敵が艦載機に気付きました。対空砲火、来ます!」

敵がが動きを見せた。イ級やリ級による対空放火が行われ、ヲ級が艦載機を展開しようとする。しかし、

「今更遅いわ。」

加賀は薄い笑みを浮かべてそう呟く。ヲ級が艦載機を数機展開した時、最早敵艦隊はこちらの艦載機の攻撃圏内に入っていたのだ。

316: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:58 ID:icBJggVQ0(27/37) AAS
「…攻撃成功です!此方の被害は龍驤の艦戦、艦爆各1、敵の被害は空母、イ級1隻大破、もう1隻のイ級小破、リ級には回避されました!」

瑞鶴が興奮しながら叫ぶ。

(敵の戦力を大幅に削れて一安心、ね。後は日向と響が綺麗に〆てくれたら言う事ないのだけれど。…ただ、敵のリ級…あの爆撃の回避軌道はまさか…)

加賀は、攻撃から補給のため帰還させた艦載機を格納しつつ、心の中である疑念を抱いていた。リ級は対空放火をしつつも、複雑な軌道を取り、被弾していなかったのだ。

「残存しているイ級、及びリ級が此方に高速で接近してきています!接触まで、推定120秒!」

瑞鶴の報告に対し、北提は、

『もう一度艦載機による爆撃を頼めるか。』

と言い、加賀はそれに応じた。

「了解。残りの艦載機、発進します。」

再び加賀の艦載機が空を駆ける。

(さて、駆逐艦と重巡。これで沈んでくれると助かるのだけれど。)

艦爆が攻撃を開始した。しかし、

(駆逐艦を撃破したのは良いのだけれど…重巡の動き…これは…)

自慢の艦載機の爆撃を一発も喰らわない敵の重巡に対し、加賀の疑念は確信に変わった。

317: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)22:59 ID:icBJggVQ0(28/37) AAS
「…北提及び僚艦に進言。敵リ級重巡が我が軍の、爆雷撃回避マニュアルに準拠する航行軌道を描いているわ。…敵性リ級が、かつて沈んだ同胞である可能性があります。」

「!!!」

艦隊の中に緊張が走った。

「え、嘘やろ?流石に…こんなとこにおる?」

龍驤が冷や汗をかきながら加賀に問うが、瑞鶴の報告によってそれは遮られた。

「前方に推定リ級重巡を直接視認!更に接近してきます!…あれは、重巡のシルエットではありません!」

318: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:00 ID:icBJggVQ0(29/37) AAS
上空からは重巡に見えたそれは、同じ地平から見ると全く違う姿をしていた。瑞鶴の若干焦ってうわずった声に、北提が落ち着け、と瑞鶴を宥めながら言う。しかし、その北提の声もどこか震えていた。

『…今まで以上に、慎重に行ってくれ。日向を軸に戦闘を組み立てる。響は魚雷による波状攻撃を基本とし、空母三人は弓と艦載機で、同士討ちにならないよう注意しながら援護だ。そして日向、敵が何であろうとお前は背後に鼠一匹通すな…!』

「任せな、北提…!」

日向は薄く笑い、北提に答えた。

「ここが正念場よ、しっかり!」

瑞鶴も気合いを入れ直し、惚けていた龍驤を揺さぶる。我に帰った龍驤は、どうにかなるやろ!と叫びつつ、己の艦載機を展開していった。

『敵は空爆を避ける為、高速接近から格闘戦を挑んでくる事が考えられる。勢い余って味方ごと爆撃しないように、三人とも!』

「わかっているわ。…そろそろね。響!空から援護します。雷撃を!」

加賀が叫んで、再び艦載機を展開し、瑞鶴と龍驤もそれに続いた。

319: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:01 ID:icBJggVQ0(30/37) AAS
「任せて!」

響は更にスピードを上げ、敵の横に迂回しつつ魚雷を放とうとする。目標が艦載機に翻弄され、その好機に魚雷を水の中に離そうとしたその時。

艦隊に電撃が走った。敵のリ級と思しき存在が、顔を上げたのだ。

「…うそだ。」

それを間近で見た響は完全に停止した。驚きと恐怖に体を支配されて。敵の眼前で。

「響ぃーーー?!」

瑞鶴の悲鳴があがる。響と敵の距離が近すぎて、艦載機による援護は難しい。最早、響を守るものは何も無かった。

「北提!指示を!」

加賀が北提に指示を仰ぐが、

『そん…な…』

北提も戦場の映像を見て、思考がパニックに陥っていた。

320: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:06 ID:icBJggVQ0(31/37) AAS
「チッ…!…日向!急いで響のカバー!私も前に出るわ!…瑞鶴、龍驤。後ろに響を逃がすから、その救援を。そして…最悪の場合、私と日向及び響ごと敵を爆撃なさい。」

叫ぶ加賀に日向は返事も返さず加速して行くが、響にたどり着くのは敵の方が早かった。

「お久しぶり、響ちゃん。」

「いす…ず…そん…な…」

笑顔で響に接近し、話しかけてくる艦は。リ級などでは無く。姿形が五十鈴に酷似していて。そして、どこまでも黒かった。

「響ちゃんも…一緒に逝きましょ?」

その細腕で響の首を締めながら、軽々と体を持ち上げ、五十鈴は笑顔で言う。

「皆も居るのよ…きっと響ちゃんが居ると、もっと楽しいわ。」

その笑顔はどこか歪んでいて。

「あ…が…」

息が出来ずに、声の出ない響の言葉は涙となって頬を伝った。五十鈴はそれでも、笑いながら首を締め続けた。近付く日向には気付かずに。

321: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:07 ID:icBJggVQ0(32/37) AAS
「…響に、触れるなァ!!」

緊褌一番、気合十分の抜刀。日向の抜刀は、驚く五十鈴の両腕を、その主砲ごと切り飛ばした。
そして、日向は崩れ落ちた響を庇うように立つ。

「ああ…ああああああああああああああああ!!あああああ!!私の、私の腕ェェェ!!」

「下がれ、響。こいつは…私の獲物だ。」

「ゲホッ…ありがと、日向…」

狂ったように叫ぶ深海棲艦から、響は退避していった。

「…あああ…そう?貴女は誰?敵なのね?残念…」

両腕を失って尚、漲る敵意と一緒に、五十鈴は腰の砲を日向に向ける。

322: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:09 ID:icBJggVQ0(33/37) AAS
「是非も無し。」

呟く日向は刀を右上段に構え、艤装を操作し、同じく砲を向けた。

(踏み込むべきか…砲撃すべきか…微妙な距離だ。一撃で首を跳ばす事は可能かも知れないが…まず間違いなく撃たれる…いや、砲撃戦をしたとしても撃たれるな…しかし主砲は両手ごと切り飛ばした…副砲を艤装で受けるか。)

日向は一瞬で思考し、

「…決まりだ。」

凄まじい踏み込みで距離を一気に詰めた日向は、砲撃を一切行わずに刀で首を取りに行った。
それに対し、五十鈴は腰の砲を斉射し、更にその勢いで後ろに下がろうとする。
しかし、五十鈴の放った砲弾を日向の艤装はしっかり受け止め、その刃の勢いを止める事は叶わなかった。

「獲った…!」

323: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:11 ID:icBJggVQ0(34/37) AAS
が、日向の刀は五十鈴の首には届かず、胴を袈裟に斬り裂くだけに終わった。

「…〜〜!!」

五十鈴は苦痛に顔を歪めたが、闘志は揺るがず、刀を振り下ろして姿勢が戻りきっていない日向に再び砲を向ける。しかし。

ドスッ

「…え?」

発車直前に五十鈴の体に、鈍い衝撃が走り、バランスを崩した。鋼鉄の矢が、日向の背後から五十鈴の鎖骨に打ち込まれたのだ。

「日向、少し下がって、体制を立て直して。」

その矢を放った加賀が、追撃の矢を弓につがえつつ告げる。

324: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:12 ID:icBJggVQ0(35/37) AAS
「助かった、加賀。」

「詰めが甘いわ、日向。」

体制を立て直した日向は刀を正眼に構えなおし、後ろに下がる。その間に加賀はもう一発矢を放った。
ドスッと言う音とともに矢は五十鈴の太腿を貫き、逃げようとする五十鈴の機動力を奪った。

「あぐっ…痛ったいわね!くそっ!くそっ!人間も!お前らも!全員殺してやーーー」

動けなくなった五十鈴は吠えたが、その叫びは最後まで続かなかった。
加賀が事前に放った艦爆で追撃を行ったからだ。日向も五十鈴から距離を取った今、爆撃を躊躇する理由は無い。
動けない標的に対する爆撃の命中率は高く、全てが終わった後、そこには黒い残骸が浮いているだけだった。

325: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:16 ID:icBJggVQ0(36/37) AAS
今日の分&地の文ここまで

鎮守府へ行こうって番組かな?

誤字ありますね
なんだよ感ずくって…勘付くですね

328: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/14(土)23:26 ID:icBJggVQ0(37/37) AAS
上空から黒い五十鈴見たら、どの深海棲艦に似てるかな?→リ級
って事で、五十鈴が重巡って訳ではありませんよう
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