[過去ログ] 【艦これ】提督「…さて、と」 (1002レス)
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233: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)22:59 ID:LRlxPc6c0(1/12) AAS
翌日、午前0500


コンコン
不知火「不知火です。」

提督「入れ。」

ガチャ、バタン
不知火「失礼します。任務完了の報告に上がりました。」

提督「ご苦労。…不知火、いつも苦労を掛けるな。…昨日は、すまなかった。」

不知火「…いえ、不知火こそ、必要以上に取り乱してしまいました。申し訳ありません。」

提督「…不甲斐ないのは私だ。…二回目だな。艦娘を泣かせてしまったのは。」

不知火「…不知火は、大丈夫ですよ。アレは…あなたを想って…泣いてしまった…だけです。」

提督「…」

不知火「それに、あの日誓いましたから。私は何があってもあなたについて行くと。だから、大丈夫です。」

提督「…ありがとう。今は、その言葉に甘えさせて貰おう。」

不知火「…はい、司令官。」

234: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:00 ID:LRlxPc6c0(2/12) AAS
北の提督率いる、第3艦隊が駐屯する
北の前線基地にて


執務室


加賀「…そう。休暇もダメと言うのね。」

北提「ちょ、落ち着いて!!」

加賀「…」ギリギリギリギリ

北提「待って!加賀さん待って!矢はヤバいって!」

加賀「…」ピュン

北提「ああああああ!!」ドスッ

加賀「やりました。」

235: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:01 ID:LRlxPc6c0(3/12) AAS
ガチャ
瑞鶴「大きな音がしたけど、どうかしたのー…北提?!お尻に矢が刺さってる?!…加賀さん、北提に何をしたんですか!」

加賀「なにって。粗相よ?」

瑞鶴「そんな当然かのように言われても…北提、大丈夫?」

北提「…あ…瑞鶴…今日もかわいいね…」

瑞鶴「大丈夫そうね。…何でこんな事するんですか、加賀さん!」

加賀「…」

瑞鶴「…だんまり…?」イラッ

236: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:03 ID:LRlxPc6c0(4/12) AAS
北提「…待って、瑞鶴…加賀さんは左遷、されたいんだと。僕が休暇も断ったから実力行使に出たらしい。」

瑞鶴「…ちょっと意味がよく…何で左遷されたいんですかね」

北提「…あの左遷の島に、元上司が居るんだと」

瑞鶴「…え?左遷させた上司…もしかして、あの人ですか。最近少し話題になってた。」

加賀「…」

北提「…ねぇ、加賀さん。そこは、自らを貶めてまで、行かなくてはならない場所なのかい?」

加賀「そうよ。」

北提「はっきりと言おう。僕は君が粗相をしても、君を左遷するつもりはない。…今回のようなわざと嫌われようだなんて、悲しい真似は二度としないでくれ。」

加賀「…」

北提「今、僕たちは最も戦果を挙げている艦隊の一つだ。そして、加賀さん。君はその中心の一人なんだよ。」

加賀「…そう。」

北提「…君が、あの大反抗作戦で深く傷つき、1年以上を掛けて修復された後、僕の所に来てくれた時の事は忘れない。」

加賀「…嫌々配属されただけよ。」

北提「それでも、僕は君を大事に思っている。」

加賀「…」
237: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:07 ID:LRlxPc6c0(5/12) AAS
北提「加賀さん。僕はここの艦隊を家族だと思ってるんだ。…君は軍務に復帰して以来、少し足腰が悪いだろう。あまり遠くにやりたくないんだ。休暇もまた然りだ。…わかってほしい。」

加賀「…」

北提「今回の件は不問とするし、下がっていいよ。」

加賀「…せめて休暇を…!」

北提「加賀さん。」

加賀「…ッ!…失礼します。」
ガチャ、バン!

瑞鶴「…北提、あんな人さっさと左遷したら良いのに。」

北提「そう言うな…何回、僕らがあの人に助けられたと思ってるんだ。君だってそうだろう。」

瑞鶴「あたしは別に!…そんな事ないし…」

北提「…素直じゃないなあ。」

瑞鶴「どっちがよ!」

北提「どっちもだよ。」

238: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:08 ID:LRlxPc6c0(6/12) AAS
加賀の部屋


加賀「…休暇も断られるとは…電話をしなければ。」

ジーコジーコジーコ…

ガチャ
不知火『もしもし。』

加賀「…不知火?私です。」

不知火『…あら、加賀さん。最近はよく連絡を下さいますね。』

加賀「…休暇の許可が降りなかったの。残念だけれど、そちらへは行けないわ。」

不知火『ええー…加賀さん許可取ってたんじゃ無かったんですか…』

加賀「強引にすれば行けると踏んだのだけれど。ダメでした。」

不知火『慢心ですよそれ。…わかりました、伝えておきましょう。』

加賀「ありがとう。助かるわ。」

不知火『しかし加賀さん、何で自分で言わないんですか…』

加賀「提督、プライベートな電話って持ってないんじゃないかしら。あの人も面倒臭がりだから…」

不知火『あー…』

加賀「執務室の電話に電話をして、仕事に支障が出ては困るわ。」

不知火『…まぁ、それもそうですね。』
239: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:09 ID:LRlxPc6c0(7/12) AAS
加賀「それよりも、不知火。あの人に変な虫は着いてないでしょうね。」

不知火『えっ…』

加賀「…教えて頂戴。」

不知火『…その、黒提督のとこにいた榛名さんが居て…』

加賀「大体把握しました。どうせあの人の事だから、甘やかしているのでしょう?」

不知火『まぁ…そんな感じですね…』

加賀「呆れた、と言いたいところだけど…あの人、大丈夫?」

不知火『身体面は問題無いかと。精神的にも、本土に居た時よりは安定してると思いますよ。…私は泣かされましたが。』

加賀「…そう。とりあえず、良かったわ。…でも、私という女を差し置いて、現地妻を作った提督には制裁が必要ね。」

不知火『早めに来てくださいよ。…取られちゃうかもしれませんよ。』

加賀「あら、不知火。貴女も言うようになったわね。…誰に取られるのかしら?」

不知火『…さぁ?』

加賀「…まぁ、良いわ。また連絡します。提督によろしく伝えて頂戴。では。」

不知火『はい。ではまた。』
ガチャ

240: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:10 ID:LRlxPc6c0(8/12) AAS
龍驤「んでんで?今の誰なん?恋のライバル?」

加賀「…あら?龍驤。ドアは閉めてあったのだけれど…隙間から入ってきたのかしら。流石フルフラットね。」

龍驤「あんま言うてたら削ぎ落とすで自分。…鍵あいとったわ。」

加賀「そう。」

龍驤「…自分、北提のケツに矢を刺したんやって?瑞鶴が随分とお冠やったで。」

加賀「…」

龍驤「そんなおもろい事やってんのに、何でウチと日向をそこに呼ばんのや!えらい間抜けな絵やったらしいやん。」

加賀「…真面目な話だったから。」

龍驤「アホ抜かせや。自分の上司の尻に矢を刺しといて、何が真面目やねん。」

加賀「…」

龍驤「…何や元気ないなぁ自分。…せや、日向のとこに飲みに行こや!」

加賀「…そうね、行きましょう。」

241: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:13 ID:LRlxPc6c0(9/12) AAS
日向の部屋にて、酒盛り


日向「あっはっは!北提の尻に矢か!それは良くやったな、加賀。」

龍驤「あの北提に『ああああああ!!』言わせるなんてホンマ鬼畜やなー。」

加賀「自業自得よ。私を手放そうとしないから…」くいっ

日向「まぁ、そう言うなよ加賀。君が就役当初から、その提督に会いたいと言っていたのは知ってるさ。でも、私達も君を頼りにしてるんだ。」

加賀「…あなた達はもう充分強いわ。最初とは見違えるほどに成長して。」

日向「君に皆鍛えられたからな…。まぁなんだ、信頼してると言いたいのさ。…恥ずかしいから言わせないでくれ。」

龍驤「素直な日向やん。珍し。」

日向「…」スッ

龍驤「やめて!殴ったらアカーン!」

ワイワイガヤガヤ

龍驤「でもなー好きな人に会えへんのは辛いなー。」

加賀「…チッ…知ったような事を…」

龍驤「え、今ウチなんで舌打ちされたんや…」

日向「北提じゃダメなのか?…私が言うのも何だが、アレは悪くない男だと思うぞ。」

加賀「滅多なことは言うもんじゃないわ。…彼に惚れてるのはあなたの方でしょう。」

242: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:14 ID:LRlxPc6c0(10/12) AAS
日向「…やめてくれ、そんな大層な思いじゃない。」

加賀「後悔しないうちにヤる事はヤるべきです。」

龍驤「ちょ、完全に出来上がってるやんけこの人…いつもよりタチ悪い…」

日向「いや…私は…」

加賀「最近は瑞鶴がずっと提督のそばに居るけれど。それでいいのですか?」

日向「…」

龍驤「ちょ、やめーや!北提はウチらの事もちゃんと見てくれてるって!」

加賀「駆逐艦の貴女にはわからないかもしれないけど、これは重要な事よ。」

龍驤「誰が駆逐艦やねんシバき倒すぞ!」

日向「それは…嫌…かもしれない…が、既に割り切ったことだ。」

龍驤「日向…」

日向「最近始まったことじゃない。私は奴の最初の艦だ。長い時間を共に過ごせば…まぁ、そうなるな。」

加賀「いっそ好意をぶつけたらどうかしら。そうすれば、彼もそれを感じ取ってくれるでしょう。」

243: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:15 ID:LRlxPc6c0(11/12) AAS
日向「好意を…ぶつける…か。それはきっと、彼の迷惑になるだろうな。彼はきっと迷い、戸惑う。…だからこの気持ちには、私は蓋をする。彼の伴侶は…彼自身が決める事だ。それが私なら、嬉しい。それだけだ。違うとしても、私はそれを祝福するだろう、な。」

加賀「…そう。見上げた覚悟ね。私が男ならこんないい女放っておかないのだけれど。」

日向「…よしてくれ。」グイッ

龍驤「しっかし、尻に矢が刺さってる男のどこがええねん…」

加賀「…好みは人それぞれよ。」

日向「とにかく!北提と同じように、私達も君を家族のように思ってるんだ。…私は寂しがりでな。あんまりそういうのは御免だぞ。」

加賀「…そう。」

龍驤「逆に、そんなええ男なんか?その、左遷なんちゃらの提督は。」

加賀「…どうかしら。」

龍驤「なんやそれ…」

加賀「恥ずかしいから、言いません。」

龍驤「うわぁ…こう言うのなんて言うか知っとる?日向…」

日向「…知らん。」グイッ

244: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/10(火)23:21 ID:LRlxPc6c0(12/12) AAS
今日はここまで

艦の辿った運命を知るだけで心に来るものがありますね。このssにはほぼ関係ありませんが…
艦娘には幸せになってほしいですな
嫁艦をしっかり可愛がってあげねば
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