[過去ログ] 【艦これ】提督「…さて、と」 (1002レス)
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337: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:40 ID:9TfbCCZ90(1/14) AAS
加賀「標的、喪失。」
日向「…刀を納めても問題なさそうだな」チン
龍驤「日向!大丈夫か?!撃たれてたやんな?!」
日向「何、軽巡如きの砲撃、問題無いさ。それよりも…」
響「五十鈴が…五十鈴が…」
日向「…響…」
338: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:41 ID:9TfbCCZ90(2/14) AAS
瑞鶴「ちょ、加賀さんは大丈夫?」
加賀「鎧袖一触よ、心配要らないわ…と言いたいところだけど。脚をやったわ。少し速度を出し過ぎたかしら。」
龍驤「そういえば、脚が良くないんやったっけ…」
瑞鶴「…なんでそんな無理するのよ!私だって弓も艦爆もあるわ!少しくらい私に任せても…」
加賀「…こういうのは、慣れてる者がやるの。」
瑞鶴「それでも!後ろで見てて、しかも万が一の時は、味方ごと爆撃しろって…歯痒いのよそういうの!」
加賀「私がそう命令したのだから、私が行かないと。僚艦に死ねとは言えないわ。」
瑞鶴「〜〜〜!!!」
龍驤「ちょ、瑞鶴落ち着きーや!なんで怒ってんねん!」
北提『…瑞鶴。それは僕の失態だ。すまない。』
339: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:43 ID:9TfbCCZ90(3/14) AAS
瑞鶴「…ッ!」
加賀「随分とご無沙汰ね、北提。」
北提『すまない、僕が命令できなかったから…ありがとう、日向、加賀さん。…また助けられてしまった…』
加賀「…北提。もっとしっかりなさい。あなた、日向が居なければ響を失っていたかもしれないのよ。」
北提『…返す言葉も、無い…』
加賀「提督として、あらゆる可能性を考慮し、常に最悪を想定なさい。」
北提『そうだ、ね…』
加賀「…驚いて指揮も出来ないなんて、情けない事…」
340: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:43 ID:9TfbCCZ90(4/14) AAS
日向「お、おいおい。そのくらいに…皆も無我夢中だったし…」
響「元はと言えば、私が動けなくなったのが…」
加賀「それでも。響を先頭に据えたのは北提よ。…指揮官がそれでは困ります。」
日向「むう…」
北提『…とりあえず、今は安全に帰投を目指してほしい。後の事は後続が引き継ぐ。』
加賀「…了解。…帰りましょう。」
日向「…加賀、肩を貸そう。脚が悪いんだろう。」
加賀「あら、ありがとう。」
341: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:44 ID:9TfbCCZ90(5/14) AAS
………
……
…
帰路
龍驤「(実質被害0で勝ったっちゅうのに、なんつー重い空気やねん…)」チラッ
龍驤「(皆ずっと無言やな…五十鈴やっけ、深海棲艦。ウチは知らん艦娘やったけど…響と北提は五十鈴の知り合いやったんかもしれんな…響がすごいショックを受けてたし。)」
瑞鶴「…」イライラ
龍驤「(瑞鶴は何故か機嫌がクソ悪いし…なんでやろ…)」
龍驤「…はぁ…」
342: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:45 ID:9TfbCCZ90(6/14) AAS
数時間後、北の基地、港
龍驤「あー!やっと着いたで!」
加賀「…あら、北提のお出迎えね。」
日向「…ああ。」
北提「…皆、よく帰ってきてくれた。任務、ご苦労様。今日はもう休んでほしい。明日の1000に執務室に集合。以上、解散。…響はちょっと残って欲しい。」
一同「了解。」
龍驤「なぁ、加賀さんと日向と瑞鶴、一杯やらん?」
加賀「やりましょうか。」
日向「構わんよ。」
瑞鶴「…私は、いい。」
龍驤「え?瑞鶴?…行ってしもた。」
日向「…まぁ、まずは風呂だな。そのあとゆっくりやろうじゃないか。」
343: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:50 ID:9TfbCCZ90(7/14) AAS
………
……
…
執務室
北提「疲れているところを済まない。早速なんだが…響。あの五十鈴に見覚えがあるか。」
響「…五十鈴は、前の前の同僚だったよ。明るくて、いい人だったけど…でも、大反攻戦で沈んだんだ…」
北提「やはりそうか…僕もあの五十鈴を知っている。本土でね、五十鈴がいた艦隊を指揮する司令官の補佐をしていた時代があった。響の事も見た事はあったよ。」
響「え…じゃあ私と昔同じ部隊に居たってこと?」
北提「まぁ、僕もまだ司令官ではなかったから、艦娘とは殆ど接せなかったんだけどね。唯一、五十鈴はよく話す仲だった。」
響「そうなんだ…知らなかった…」
北提「…あの深海棲艦。やっぱり大反攻戦の時に沈んだ五十鈴、だよね…彼女は、僕が、提督を志す…きっかけとなった艦娘だったよ…艤装も、姿も…当時と、よく似ていた…」
響「北提…」
北提「いや、すまない。確認だけとりたかったんだ…中央本部への報告用に。…変な事を言って済まなかったね。もう行ってくれて構わないよ。」
響「…は、い…失礼、します。」
ガチャ、バタン
北提「…何の因果なんだ…くそ…加賀さんはああ言うけど、冷静でいられる訳が無いさ…無いんだ…!…いや、それでもって事か…」
響「…こんな時、どう声を掛ければ良かったんだろう…」
344: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:50 ID:9TfbCCZ90(8/14) AAS
………
……
…
艦娘寮内
ガン!ガン!ガン!
龍驤「(瑞鶴の部屋から凄い音が…!)」
ガチャ
龍驤「大丈夫か瑞鶴!?」
瑞鶴「くそっくそっくそっくそっ!」ガン!ガン!
龍驤「ちょ、何机殴ってんねん!やめーや!拳痛めるで!」ガシィ
瑞鶴「離し…て!」ブン
龍驤「痛ぁ!…落ち着きーな!勝ったのになんで自分が怒ってんねん!悪い事してへんやろ!」
345: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:51 ID:9TfbCCZ90(9/14) AAS
瑞鶴「あんたは悔しくないの?!私達、後ろで見てろって言われたのよ!万一の際は味方を爆撃しろって!」
龍驤「何言うとんねん!ウチらが後ろにおらんとあかんかったやろ!」
瑞鶴「そんなの…誰でもできるじゃない!」
龍驤「…何を、」
瑞鶴「私は!私は!響が嬲られてても、咄嗟に動けなかった!日向や加賀さんみたいに!情けない悲鳴だけ上げて!…ほんと、私って馬鹿ね…平時に、日向や加賀さんに馬鹿みたいに対抗心燃やして!いざという時役立たずなんだからさぁ!」
龍驤「…瑞鶴…」
瑞鶴「…もう行ってよ…」
龍驤「…ウチは瑞鶴がーー」
瑞鶴「煩い!煩い煩い煩い!もう出てって!」
龍驤「…ごめんな…」
バタン
瑞鶴「ぁ…」
瑞鶴「ごめん…龍驤…」
瑞鶴「もうやだ…私…自分が悪いって…自分が弱いってわかってるのに…」グスッ
346: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:52 ID:9TfbCCZ90(10/14) AAS
瑞鶴の部屋の外
龍驤「…なんや、二人とも盗み聞きかいな…」
加賀「あんな叫んでいて、盗み聞きも何もないわ。」
日向「…」
龍驤「…加賀さんはさ、歴戦の空母やし、きっと深海棲艦化した艦娘とも戦った事あるんやろうからさ。咄嗟に動けるのはわかんねんけど。」チラッ
日向「…なんだ。」
龍驤「いや…日向、よう突っ込めたな、思って。ビビるやん、真っ黒な艦娘歩いてきたら。」
日向「…勝手に身体が動いていた。誰だって、家族が危険に晒されたら、咄嗟に動くだろう。私が一番近かったのだしな。」
龍驤「…ほうか。」
加賀「…さ、早く風呂に行きましょう。」
龍驤「…ほっといてええんかな、瑞鶴。」
加賀「アレはこの程度で折れるタマでは無いでしょう。…後悔を繰り返して、艦娘の意思は強くなる。我々がすべきは、明日からまた平時通りに接してやる事よ。」
龍驤「…そうなんかな。」
日向「…まぁ、なんだ。もう風呂場で酒を飲むか。燗だ燗。部屋から隠し持ってきた。」
加賀「あら。良いわね。」
龍驤「…あーもーそーしよ。もーウチはなんもわからん。」
347: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:54 ID:9TfbCCZ90(11/14) AAS
ドック、風呂場
日向「風呂で飲む日本酒は何故うまい!」
龍驤「かぁ〜!」
加賀「…」くいっ
日向「…しっかし、加賀。今日は北提にやたらと厳しかったな。」
加賀「…甘くして、後々失敗されるよりは良いわ。この先、こんなことなんていくらでもあるんだから。」
龍驤「…そうなんかね。」
加賀「指揮官の仕事は決断する事よ。その結果がどうであれ、決断しなければならない。たとえ全滅する事になったとしてもよ。今回の彼は最悪だった。」
日向「まぁ、それはそうかもしれないが…」
加賀「北提に甘えは許されない。彼は、艦娘を家族と呼んだ。それに対し、日向は覚悟を見せた。彼はそれに応えなければならない。」
日向「…」
348: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:54 ID:9TfbCCZ90(12/14) AAS
加賀「…彼は艦娘に甘い。それはそのまま彼に跳ね返ってくるのよ。」
龍驤「…というと?」くいっ
加賀「艦娘は大事にすればする程、良いパフォーマンスを発揮するかもしれない。家族のように接すれば団結力も上がるでしょう。同時に、喪失した時の反動も大きくなるわ。物質的にも精神的にも。」
日向「まぁ、な。」
加賀「だから、北提は大きな失敗は許されないのよ。…彼にはもっとしっかりして貰わないと。」
龍驤「…失敗できない、か。…最近の加賀は饒舌やね。」
加賀「…少し。」
龍驤「なんやかんやで加賀も北提の事、考えてるんやなぁ。」
日向「…私達も、もっと練度を上げないとな。」
龍驤「…だぁー!もうウチに任せとけや!今回はウチ、全然ええとこ無かったけど!そのうち響も日向も瑞鶴も加賀も深海棲艦も!全員張り倒したるわ!」
加賀「そう。それは楽しみね。」クスッ
日向「はっはっは!私も負けてられんな!今は飲め飲め!」
349: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)17:55 ID:9TfbCCZ90(13/14) AAS
翌1000、執務室
北提「皆、揃ったかい。」
一同「はい!」
北提「えっと、今回の戦闘記録を中央本部に報告した所、僕と僕の艦隊、つまり君達に対して本土への出頭命令が来た。」
一同「?!」
北提「深海棲艦化した艦娘に関してのデータ収集、だそうだ。既に本土からは、代わりの駐留部隊が派遣されている。数日後に到着する予定だそうだ。」
響「出頭、命令…」
北提「ああ、いや。君達がそこまで心配する必要は無い。君達は極めて高く評価されているし、今回の戦闘でもほぼ被害を出さなかった訳だし。艤装の大規模な整備と改修、及び休暇も兼ねてとの事だ。」
日向「休暇…初めてだな…」
龍驤「…艦娘の休暇とかあり得るんか…」
北提「無論、僕の監督下での話だけどね。だからまぁ、気軽に、気軽にね。」
一同「了解。」
351: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/03/15(日)18:02 ID:9TfbCCZ90(14/14) AAS
最後駆け足でしたが、北編とりあえずここまで
書き忘れありそう…
深海棲艦化した艦娘は、艤装、姿そのまま深海棲艦化したと考えて貰えればと
色だけ深海棲艦ぽい感じで
姫や鬼は、考えてますがだいぶ先になりそう
第2章とかの主役かな?
妄想ばかり捗りますね…
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