[過去ログ] マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章 (805レス)
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372: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/06/17(月)00:28 ID:batJAy8lo(5/11) AAS
 しまった、と振り向いた時には手遅れだった。
 暗闇でも輪郭はわかる、黒い何かが角を曲がったところで蠢いている。
引き返すのは不可能。

 まどかは、前に活路を求めるしかなかった。
打つ手がないと認めれば、それは死を受け入れるのと同じだから。

 見上げる先には、5メートルはある高い壁。向こう側は見えない。
 この向こうは、もう敷地外だったろうか。
都合良く通行人は期待できないし、だいいち誰に、どう言って助けを求めればいいのだろう。
普通の人間は使い魔に抗えない。視認すらできないのに。

 壁は特に出っ張りはなく、場所によっては指が掛かるかどうか。
運動力に優れた男子ならいざ知らず、体力の尽きかけた女子に登れる壁ではない。
 侵入者を防いでくれる壁が、今は逃亡を阻む絶望の檻に思えた。
 
――諦めちゃダメだ。考えるんだ……考えなきゃ……。

 その間にも、使い魔はじりじり距離を縮め、それだけで集中を乱される。
 まどかを完全に追い詰めているにもかかわらず、使い魔は一気に襲いかかりはしない。
 なぶっているつもりか。いや、おそらく違う。

 使い魔の姿が、はっきりと見える。
 雲の切れ間から再び顔を覗かせた月のせいだ。淡い月光が辺りを照らし始めている。
 しかし動きを鈍らせる程度で、止めるには至らない。 
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