[過去ログ] マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章 (805レス)
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5: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/12(火)02:17 ID:h9MsaQuTo(5/5) AAS
とりあえず、ここまで
続きは週末を目標に
同じようなスレタイでもつまらないので、少し変えてみました
行き当たりばったりなところも多いので、食い違うかもしれませんが
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)02:39 ID:WyzPm+XL0(1) AAS
新スレ乙
楽しみに待ってる
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)04:28 ID:zR1vMF7SO携(1) AAS
乙ですや
毎回楽しみ
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)09:33 ID:U9IeR0yAO携(1) AAS
新スレ乙です。
久しぶりのマミさん、雨ん中濡れて走ってるだけでも素敵です!
>>外伝などからも
将来的に、おりマギ勢や非公式だけどあすみの参戦も有り得ると!?oh…(遠い目)
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)18:10 ID:wNAJuBymo(1) AAS
スレタイが不吉だ・・・
10(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)19:16 ID:qhBGWaA10(1/2) AAS
破怒や夜射刃も出るかも・・・?でも翼は来ないんですよね・・・。
『知っているかい?恨みってのはいつ買うかわからない。たとえ君が正しい行いをしたとしてもだ。次回!魔弾。復讐の撃鉄は、引き起こされた・・。』
「人の台詞をパクって何をほざいているのかしらこの白色は」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)19:51 ID:L0YG5gNAO携(1) AAS
新スレ乙
蒼哭の魔翌竜までもう後まもなく。牙狼熱も再燃してきたので楽しみにしてます。
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)20:25 ID:fTiJeSxS0(1) AAS
乙
何かマミさんが魔女化orホラー化に向けて進んでる様にしか見えん
「もう何も信じない」ってなっても、それでも今までやってきた「人を守る魔法少女」の誇りを胸に耐えると思ったが
スレタイ見る限りじゃ、それすらも砕け散りそうだな寄りかかれる人も信念も縋るべき物が何もない
仮に>>10の様な復讐の道を走ったらもう二度と「正義の味方」を名乗る資格はなく、今までやってきた事を捨てた事に他ならないワケで…
どうあがいても絶望しか見えない
13(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/12(火)21:14 ID:qhBGWaA10(2/2) AAS
まぁQBのミスリードだ。ネガるのはやめなさいな
さて、巷ではCR魔戒決戦牙王が稼働し、牙狼の盟友である絶狼・打無・破狼・狼怒やかつての宿敵・呀、呀の弟子・夜射刃、絶狼の兄弟子・破怒、謎の新騎士・戯牙たち総勢8人の魔戒騎士が頂点を競い戦っているわけだが・・
魔戒法師の最強決定戦がもし開催されたとしたら誰に声援を送りたいですか?
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)01:07 ID:qwB2HfyAO携(1/2) AAS
>>13
ふむ。
エントリーする選手は邪美、烈花、阿門、我雷、鈴、アカザ、シグト、レオ、シグマ、ミオ、鋼牙ママ、バラゴママ、エルダ、それに魔法少女勢が加わって方術最強を決定すると想定して、一番応援したいと思うのは………
若い頃イジメで苦労したに違いないラテスのおっちゃんに決まってる!
ガンバレおっちゃん、超ガンバレ!!生きてりゃいいことあるって☆
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)07:15 ID:wwEgbHZ/0(1/4) AAS
らwwwwwwてwwwwwwすwwwwww
その発想はなかったわww
しかし、邪美vsシグマを見て思ったことなんだが、法師同士の戦いは騎士同士よりもバリエーションに富み、見ごたえも決して劣らないということがよーくわかるよね
体術、法術、魔界竜の使役、号竜、剣術、魔導具
マギカ勢も加わるんならマミさんvs邪美様を見てみたい。
旗とリボン、体術、方術と銃って感じにファイトスタイルも似てるし。
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)15:05 ID:qwB2HfyAO携(2/2) AAS
(イメージ)マミさやか杏子が3人がかりで全力で烈花にぶつかって、100発に一発当たるかどうか。直後に烈花怒りの100倍返しが飛ぶ。
邪美には永遠にかすりもしない。
さやか「も〜なんなのさ、あの半笑いのお姉さん!?1ミリも勝てる気しないんだけど!なんかズルい…」ゼェゼェ
杏子「あたしの幻術見るたび『ぷっww』て吹き出すのやめてくれよ…」グッタリ
マミ(邪美さん……////)ポワーン
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)17:43 ID:wwEgbHZ/0(2/4) AAS
烈花のスパルタ教育パねえwwあとマミさんかわいい。
まぁ邪烈は最強クラスだから仕方ない。
特に邪美は鋼牙ですら召還してやっと対等クラスのコダマと互角にわたり合ってたからね。
それでもシグトよりは強いと思うよ、マギカ達!頑張れ、君たちの若さの力を素直に発揮するんだ。
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)18:00 ID:mJWjq1l5o(1/3) AAS
鋼牙は刻印の影響もあるんじゃないか?
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)18:23 ID:wwEgbHZ/0(3/4) AAS
志村ー、一期、一期ー。
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)20:49 ID:5cqzFt8Io(1) AAS
まあ一期の鋼牙は成長途中だし、色々脆い面も多かったから。。
しかもコダマと戦った時は、精神状態も最悪に近かったし。
何より鋼牙と邪美は戦い方も全く違うし、一概にどっちが強いか決められんよ。
個人的には、純粋な実力は鋼牙の方が上、立ち回りや戦いの上手さは邪美の方が上なイメージ。一期時点ね。
21(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)21:36 ID:mJWjq1l5o(2/3) AAS
?
2期に関する部分の話題だと思ったんだが
なぜ一期と突っ込まれたんだ?
22(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)21:39 ID:pSaP4KySO携(1) AAS
邪烈のスパルタ教育と聞いて
「形から入る事が大事よ!」とマミさんの提案で邪烈のいつも着てるコスチュームを着た魔法少女ズを想像しちまった
俺は隠我が溜まってるらしい
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)21:47 ID:wwEgbHZ/0(4/4) AAS
コダマと鋼牙が闘ったのは鋼牙が破滅の刻印を刻まれる前のお話だから。
一期で成長し、白夜で最強の魔戒騎士として完成してしまった黄金騎士牙狼・冴島鋼牙。
強くなりすぎてしまったのでRRでは鎧を強奪され、二期では破滅の刻印で弱体化。
強すぎるヒーローもいろいろ大変なのです。
邪美はシグマには遅れをとったけど、このシグマはギャノンの力によるものが多いと思われるから
ギャノン抜きなら邪美にも勝機はあるかも。
≫22
なんというふともも祭り。
24(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/13(水)22:39 ID:mJWjq1l5o(3/3) AAS
普通にコダマとシグマを読み違えていただけだという
恥ずい
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/15(金)15:53 ID:fqVccQWAO携(1) AAS
>>22
キリカやあすみなら全然抵抗無く似合いそうだけどな。
マミ「さあ、鹿目さん暁美さん、貴女達も」シャキーン☆
まどほむ「無理無理無理!(泣)」
あんさや(マミさんエロい!)
シグト(やべえ//)
レオ(凶器だ//)
零(ふともも祭りと聞いてww)
26(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/15(金)17:19 ID:TFcCNTNp0(1) AAS
≫25
烈花「シグト(怒)」
ミオ「・・・・。」
静香「ぎ・ん・が?(ゴゴゴゴ)」
杏子「あ・・・あたしも着るぜ、それ。よく見たらいつもの服と同じようなもんだし。」
邪美「しかし上手く作ってあるね。よく似合ってるよ、マミ。」
鋼牙「カオル・・・お前の仕業か」
カオル「ドヤっ☆」
27(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/15(金)21:35 ID:29hzbONAO携(1) AAS
>>21
コダマと戦ったのは一期。鋼牙が破滅の刻印を刻まれたのは二期だよって事かと。
自分は邪美→鋼牙と戦う間にコダマが成長したんじゃないかと思ってる。三神官が言ってたようにあいつの成長性は凄まじいらしいし。
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/15(金)22:56 ID:m7PSzBIso(1) AAS
>>27
いや、単に俺が>>24だっただけなんだ
場をかき乱してしまってスマン
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)11:50 ID:iO1wz2WAO携(1) AAS
スマン。こっちもちゃんとレスを見てなかった。
30(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)16:15 ID:JaoMvJ7e0(1/3) AAS
KODAMA SHIGUMA
大丈夫だ。最後の母音が同じで三文字だし。見間違えても不思議じゃない。
全然違う話をするがバラゴから分離した呀は序列的にどれくらいの強さだと思う?
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)16:45 ID:bX0yuchAO携(1/2) AAS
>>30
生身の鋼牙でも凌ぎ切り、鎧着装したら一撃だった。
哀しい程の弱体化。
内が空である以上、心滅獣身とも呼べない。鎧が惰性で暴走しているだけ。並みのホラー程度と思われる。もっとも鋼牙が動員されるような「手のつけられないホラー」としては、だが。
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)18:09 ID:eOnnaU3s0(1) AAS
>>30
零(レイ)がいるのにレオ出して、
シグトがいるのにシグマ出したのはさすがにどうなんだろうと思ったことがあるw
関係ない話だけど以前、2chの牙狼ネタバレスレで先行上映鑑賞者が23話の内容をまとめる際、
「ギャノンの股間からシグト」と誤記して、思わずその構図を想像して吹いてしまったw
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)19:16 ID:JaoMvJ7e0(2/3) AAS
≫31
やっぱ
鎧を装着した時は【英霊牙狼】という特殊形態だったことを計算にいれたとしても
生身鋼牙に凌がれたことは擁護できないよね。
クルスは生身鋼牙は圧倒してたし。
ホラー化クルス・カゲミツ・ライゾン・ハンプティ・ザジ・ベビルクラスに一歩及ばずといったところか。
魔戒騎士で言うなら狼怒以下並騎士以上。
ちなみに小説版妖赤の罠にも呀は復活するが、これは翼の弟子で零に憧れて一時的に零の弟子となった魔戒騎士・暁が
術をかけられたバラゴのライターから出現した呀に乗っ取られたもの。
相手が暁である上鎧の装着時間の関係で呀有利だったが、牙狼・絶狼・打無・夜射刃の四騎一閃に敗れ去った。
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)22:03 ID:bX0yuchAO携(2/2) AAS
>>26
杏子にはこれを→エルダの衣装
>>27コダマは邪美を背後から不意打ちした。マトモに戦っても勝てないと判断したわけで、実力はギリギリ邪美>コダマと考えて良いのでは。
鋼牙はコダマに大苦戦したが、あれはカオルを拉致された動揺があったからで、もし冷静に戦っていたら結果はわからない。(動揺する所が未熟だが…)
はっきりしているのは鋼牙はバラゴと3回くらい戦って一度も勝てなかった。
そのバラゴをオヤツにしたメシア。
そのメシアに勝った鋼牙=翼人=カオルの御利益
ゴンザ「よって最強なのはカオル様にございます(笑)」
魔法少女ズ「お〜」「結論でたね」パチパチパチ
鋼牙「…」←肯定を意味する沈黙
シグマ「いやその理屈はおかしい」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)22:23 ID:JaoMvJ7e0(3/3) AAS
≫34
実際そうだから困るww
カオルの演者の肘井美佳さんは実はかなりハイスペックだし
マミ「翼人・・・鷹麟・・・竜陣・・・英霊・・・!何なのこの心を突き動かされるこみ上げてくるものはっ・・・///」
さやか「まずい、マミさんがスイッチオンしちゃったっす!」
カオル「試しに翼人マミちゃんを描いてみよう。(サラサラ(スケッチ開始」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/16(土)22:28 ID:lRE1+/hSO携(1) AAS
打撃と音攻撃しかできないコダマは相手の攻撃を受け流したり跳ね返したり多彩な技を持ってる邪美姐さんと相性悪かったんだろうな
でも一期の時点で純粋な殴り合いでコダマに勝てるのはやっぱりバラゴか心滅獣身牙狼くらいだと思う
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/17(日)20:47 ID:oyeuKVE40(1) AAS
コダマは中の人が世界クラスだからな……動きが半端ないせいで余計強く見える
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/17(日)20:53 ID:bIwYPyDH0(1) AAS
関係ないが豆知識
邪美は酒に弱い
ソースは小説版【古傷】。
39: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2013/02/18(月)02:40 ID:l7KDvAhLo(1) AAS
すみません
明日には必ず
一挙もあり、映画公開まであと一週間を切りましたので、どうにか波に乗りたいところ
40: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/19(火)03:38 ID:RCd/gL2Bo(1/5) AAS
「あたしもここに来たのは少し遅れたんだけどさ……」
さやかは目線を斜め下に落としたまま、最初の言葉を呟いた。
「あたしが来た時、あの人はもういたよ。それで笑って手を振って、あたしを呼んだの」
「あの人っていうのは……命さんのこと?」
こくり、とさやかは緊張した面持ちで頷く。
命の名前が出た瞬間、また彼女が身を硬くするのを、マミは見逃さなかった。
「それでお茶とケーキご馳走になって、それから楽譜をもらった」
さやかは鞄から紙を取り出すと、マミに見せた。
紙の上には音符や記号が踊っている。読み方は知らないが、何の変哲もない楽譜だ。
「これは……?」
「あの人の恋人が作りかけだった、オリジナルのヴァイオリンの曲だって。
その人が事故で弾けなくなって、たぶん……その、亡くなったから私に……」
「もしかして、入院してる美樹さんの幼馴染の男の子に?」
「マミさんも聞いていたんだ。そ、上条恭介って言うんだけど……。
あの人、あたしにこれを渡して、頑張ってる人の背中を押してあげたくなるって言ってた……」
41: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/19(火)03:41 ID:RCd/gL2Bo(2/5) AAS
つい昨日会ったばかりの少女に、命がそんな大事な物を渡した理由。
さやかを気遣って、花を持たせる為。その彼に夢への活力を取り戻させると同時に、恋人に叶えられなかった夢を託したくて。
きっとそうだ。彼女は少々馴れ馴れしくて他人の事情に深入りするきらいがあるが、優しく包容力のある大人の女性だから。
そんなふうに彼女の側から踏み込んで来てくれたからこそ、マミも打ち明けられた。
関係ないのに、何故か自分のことのように誇らしくて、胸に喜びが溢れる。
嗚呼――と、感嘆の息を吐きながら、口元を綻ばせながら、マミは言った。
「そうだったの……」
相槌に含まれた感動の色に気付いたのか、さやかは顔を上げ、マミを見返してきた。
睨むような目つきは非難にも似ている。これは美談なんかじゃない、勘違いしてくれるな。
そう目が教えていた。
「嬉しかった。凄く嬉しかった。きっと、あの人も同じ立場で、
あたしの気持ちをわかって応援してくれたんだって。でも!」
さやかは膝に乗せた拳を固く握り締めた。
「一時間くらい話して、本当に楽しかった。優しくて、話し上手で、会えてよかったって思った。
でも暗くなってきて、伝言は任せて帰ったらって勧められた。
そして帰ろうとしたあたしに、あの人が笑って言ったの……」
身体を小刻みに戦慄かせるさやか。
しかし、今の彼女を支配しているのは恐怖ではない。
憤怒だ。
42: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/19(火)03:43 ID:RCd/gL2Bo(3/5) AAS
「彼も私が背中を押してあげたんだから、って……!」
押し殺してもなお怒りのこもった声で、絞り出すように、さやかは言った。
マミも即座に言わんとするところを察する。しかし問い返すしかできない。
頭に浮かんだ意味を信じたくなかった。
「それってどういう……」
「恭介は雨の夜、交通事故に遭った。恭介は誰かに突き飛ばされた気がするって言ってた。
はっきりとは覚えてないらしいけど」
「待って、美樹さん。それだけじゃ、命さんが犯人とは決められないわ。
何か別の意味で言ったのかも……」
早口に捲し立てたさやかをマミが宥めようとした直後――バン! と、平手がテーブルを叩く。
「そんなはずない! 昨日あたしは交通事故としか言ってない。
なのに雨の夜ってことも、恭介がヴァイオリンを庇って左手を怪我したってことまで言い当てたんだよ!?
そんなの無関係なあの人がどうやってわかるのさ!?」
「それは……」
さやかが腰を浮かせ、前のめりになる。
その剣幕に気圧され、マミは黙るしかなかった。
脳内では様々な可能性が浮かんでは消える。
当事者でなければ身内か警察、病院や保険会社の関係者でもなければ知り得ない情報。
彼女が、そのいずれかである可能性はゼロではない。
或いは、その誰かから聞いたのかもしれない。
しかし、明かした理由も、笑った訳も、何より言葉の意味がまるでわからなかった。
それでも。
43: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/19(火)03:45 ID:RCd/gL2Bo(4/5) AAS
「命さんはそんな酷い人じゃないわ……。
仮にそうだとしても、説明のつかないことが多過ぎるでしょう?」
とにかく命を庇う論理を並べようとして、口から出たのは根拠のない擁護。
それがどれだけ説得力に欠けるか自覚していながら。
「そりゃあ、あたしだって訳わかんないよ。今だって頭ん中ごちゃごちゃで……でもさ」
一旦さやかは口を閉じ、マミを見る。もう非難がましい視線はなかった。
ただ単純に、純粋に、不思議そうにマミに問いかける。
「言い切れるほど、マミさんはあの人を知ってるの?」
「えっ……」
――私は、命さんをどれくらい知っているんだろう……。
…………知らない。
何も、知らない。
美樹さんが知っているようなことでさえ――
「でも、私にはそうは思えない。だって、だって命さんは……命さんは……」
表情が切なく歪んでいくのが自分でも理解できた。
語尾はか細くなり、最後には消えていく。
マミはとにかく何か言おうとして、結局は何も言えなかった。
44: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/19(火)03:46 ID:RCd/gL2Bo(5/5) AAS
目標まではいけませんでしたが、ここまで
続きは蒼哭ノ魔竜公開までには
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/20(水)01:15 ID:xnYR32RSO携(1) AAS
乙
名前を口にするのも嫌なんてかなり嫌ってるなぁ
さやかは返り血も浴びてないのに今のところホラーと接触する機会が多いな
牙狼のヒロインらしい
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/20(水)19:07 ID:lN2KrAKSO携(1) AAS
乙
もう一週間切ったのか
47: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:30 ID:BGorv0Bko(1/9) AAS
「マミさん……」
驚きを含んだ、意外そうな声。
さやかの目は信じられないものを見るようでもあった。
何故、彼女はそんな顔をしているのだろう。すぐに理由には思い至った。
――あぁ……それだけ今の私が酷い顔をしているのね……。
狼狽えて、弱さを晒してしまった。後輩である彼女の前で。
その事実が、落胆が、プライドを砕いていく。
先輩として、しっかりしないといけないのに。
傷付く弱い自分を許容できずに、更に傷付く負のスパイラル。
これまでの自分が上手くイメージできない。
まるで仮面の被り方を忘れてしまったかのよう。
居た堪れなくなり、逃げ出したくなる。
「ごめん……マミさんに当たっても仕方ないよね」
さやかは一言詫び、着席する。
気遣われた。憐れまれた。
それを惨めに感じ、そう思ってしまう自分に腹が立つ。
事実がどうあれ、心の弱さ以外の何物でもないから。
暫し、気まずい無言の時が続いた。互いに切り出す機会を窺っていた。
マミは目を閉じ、紅茶を啜る。
その味と香り、喉から身体に沁み渡る温もりが心地いい。
いつもの自分を思い出させてくれる。
48: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:32 ID:BGorv0Bko(2/9) AAS
マミは戦闘後に紅茶を飲む場合が多い。
余裕を忘れない為。緊張を解し、心を落ち着ける為。精神を戦闘から切り替えるスイッチ。
理由は様々だが、偏にマミにとって紅茶は習慣であり日常の象徴だった。
そして今日も気分を落ち着け、頭の中を整理するのに一役買ってくれた。
「そうね……今、そのことについて言い争っても仕方ないわ。
最後は本人に確かめるしかない。それより、続きを話してくれる?」
マミは唇からカップを離すと、おもむろに口を開いた。
もう面子も何もないに等しいが、彼女の前では毅然としていたかった。
「あ……うん」
どこか釈然としないようだったが、さやかは従って話を再開する。
「どこまで話したっけ……そこへ現れたのが、あの二人組だったの。
一人は二十歳くらいの男の人。もう一人は……あたしたちと同じ年頃の女の子。赤い髪の」
「赤い髪……」
まさか――。
脳裏に浮かんだのは、かつて親しい仲にあった一人の少女。
マミは、固唾を呑んで続く言葉を待った。
「男の方があの人に、ちょっと付き合ってって言ってたけど、ナンパって感じじゃなかったな。
その二人もカップルとか兄妹には見えなかったけど。
あたしは女の方にいきなり引っ張られて、路地裏に連れ込まれた」
「連れ込まれた、ですって……!?」
49: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:33 ID:BGorv0Bko(3/9) AAS
「そいつは魔法少女だった。ソウルジェムから槍を出して、あたしに突きつけて言ったの。
あんたがホラーって化け物だろうって」
カシャン――と、ティーカップが音を立てた。
マミが指からカップを取り落としたのだ。
転がったカップからは残った紅茶が流れ出し、テーブル上に広がる。
にも拘らず、マミは愕然と目を見開いたまま。
「って、マミさん、こぼれてるこぼれてる!」
慌ててお絞りで拭くさやかに詰め寄った。
「それで、その娘は!? 美樹さんはどうしたの!?」
「え……あたしは違うって言ったよ。当たり前じゃん。
マミさんに助けてもらって、自分がまだ契約してない魔法少女候補だって言ったんだ。
そしたらさ、なんか話が違うとか言って、一言謝ったらダーッて走って行っちゃった」
驚くマミと対照的に、さやかは妙に冷静だった。
普通、暗がりに連れ込まれて槍を突きつけられれば、もっと怯えたり嫌そうに語って当然なのだが。
彼女にとって、それは大して恐れるには値しないのだろうか。
命のことは名前を聞いただけで警戒し、口に出すのも忌避しているのに。
「帰ったら、もう誰もいなかった。
それで雨が降ったから、あたしはここでマミさんを待ってたの」
「そう……だったの」
50: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:35 ID:BGorv0Bko(4/9) AAS
佐倉杏子。
間違いない。十中八九、彼女しかいない。
彼女が、この街に戻ってきたこと。さやかに接触したこと。ホラーを探していること。
すべてが驚きだった。
「ねぇ、マミさん。あの魔法少女、マミさんの知り合いなの?」
「ええ、昔のね……。
それでも、一般人を脅したり傷つけたりするような娘じゃなかったのに……」
やはり、あの出来事が彼女を変えてしまったのだろうか。
杏子を信じたい気持ちはある。だが、もしも命やさやかに手を出すなら、その時は――。
マミは私情を殺して、考えられる可能性を口にする。
「その男の人が怪しいわね。二人で結託して、その娘が美樹さんを遠ざけてるうちに、
命さんを連れ去ったのかもしれない。
あの娘が何を企んでるのかわからないけれど、私に任せてちょうだい。心当たりを探ってみるわ」
「でも……」
「大丈夫。どんな事情があっても、怖い思いをさせた分、あなたにはちゃんと謝らせるから」
「違うよ、マミさん……。そりゃあ確かに怖かったけど……おかしいんだ。
顔の真横に槍が刺さったのに――」
またしても、さやかの表情が曇る。全身が強張るのが見て取れる。
段々わかってきた。彼女がこんなふうに怯えるのは、決まってホラーについて話す時だ。
51: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:36 ID:BGorv0Bko(5/9) AAS
「あたしは"あの人"に手を握られただけの方が、ずっとずっと恐ろしかった……!」
「え……?」
「だから変かもしれないけど、あの人から逃がしてくれて逆に感謝してるくらい。
少なくとも、握った手を解いた男の人からは悪い感じはしなかった」
今度はマミが取り残される番だった。
さやかとの温度差についていけない。何を言っているのか、理解はできても共感できずにいた。
「あの人の手、まるで死人……ううん、氷みたいに冷たくて凍えそうだった。
強く掴まれたんじゃない。ただ軽く触られただけなのに、怖くて声も出せなかった。
もしも、あの人にどこか連れて行かれそうになっても、あたし抵抗できなかったと思う。
そうなってたら、きっと今頃あたし生きてない……」
思い出すだけで恐怖が蘇るのか、さやかの身体が震えだす。
両腕で自分を抱き締めて、それでも彼女は止まらない。
勢いのまま吐露する。マミが、最も恐れる想像を。
「一昨日、あのモールの暗闇で会った不良と同じ雰囲気だった……。
あの魔法少女、誰かと間違ったみたいだったし、もしかしてあの人が――」
52: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:37 ID:BGorv0Bko(6/9) AAS
「いい加減にして!」
マミは声を張り上げた。
聞きたくない。考えたくない。あり得ない。
そんな不安が膨らんで、思わず声を荒げていた。
さやか同様、自分の中の恐怖に押し潰されまいと、胸の想いを吐き出したのだ。
「いくら本人がいないからって、言っていいことと悪いことがあるわ……。
他人を証拠もないのに化け物呼ばわりするなんて、本気なら私も怒るわよ……!」
カッとなって止まらなかった。
さやかを睨みつけ、低く震える声で戒める。
いや、抑えていても、それは恫喝と大差なかった。つい昨日も彼女にしてしまったように。
射竦められたさやかは小さく、
「ごめん……」
とだけ呟いて俯いてしまった。
さやかの潤んだ瞳を目にした瞬間、マミはハッと我に返り、激しい自己嫌悪に襲われた。
――私は何をやっているの……!
美樹さんの気持ちを見誤って、それどころか怒鳴って、余計に怯えさせて。
彼女はただ怖かっただけなのに……。
こんなの最低じゃない……――
マミは両手で額を覆い、言葉を失った。
自分で自分が許せなかった。
何か言わなければと思うのだが、胸の内の不安や恐怖を言葉で表せなかった。
53: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:39 ID:BGorv0Bko(7/9) AAS
マミは迷い、
「いえ、私の方こそごめんなさい。つい声を荒げちゃって……。
ともかく、今日はもう遅いから帰った方がいいわ」
結局その程度しか言えなかった。
これ以上、一緒にいてはいけない。もっと彼女を傷つけてしまう。
もっと醜い自分を晒してしまう。
「うん、そうする……」
最悪の空気にさやかも堪えかねたのか、すぐに荷物を手に立ち上がった。
「私のせいで無駄足を踏ませて本当にごめんなさい。
お互い頭を冷やして、また改めて話しましょう?
でも、これだけは約束してほしいの。鹿目さんにも伝えておいて。
私の話を聴くまで、キュゥべえとは絶対に契約しないで。いい?」
二人とも契約には慎重になれと言ってある。
下手に急いで真実を明かすより、今はこれだけ念を押しておけば充分だろう。
「わかった……でも、あたしからもひとつ」
さやかは頷くと、はっきりと言った。
「もう絶対あの人と一緒は嫌だから」
「……ええ、私はもう少し待ってみるわね。気をつけて」
足早に去っていくさやかを、マミは見送るしかなかった。
54: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/23(土)04:44 ID:BGorv0Bko(8/9) AAS
独りになってようやく、瞳に熱いものが込み上げてくる。
「嫌われちゃったかな……」
でも、これでいいのかもしれない。
そう言い聞かせても、涙は止まってくれない。
紅茶を何杯おかわりしても、気分は落ち着かなかった。
それから数分、マミは何をするでもなく、寂しくなった向かいの席を眺めていた。
命を探して街を駆け回るべきだろうか。しかし、どこを探せばいいのかもわからない。
ここで待った方が会える確率はまだ高い。それに、さやかを疑うようで気が進まなかった。
その時だった。
背後に気配と、誰かが着席する音。
頭が一杯で、今の今まで入店に気付かなかった。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」
真後ろから、注文を取りにきたウェイトレスの声。
そして――。
「季節のフルーツパフェと、イチゴのタルトと、クリーミーカスタードプリン。
それからコーヒーゼリーサンデーに、抹茶白玉アイス、ガトーショコラ。
桃のムース、洋梨のミルフィーユ、ブルーベリーパイ、NY風チーズケーキも。
あとは……とりあえず、それだけで」
聞こえてきたのはマミでも胸焼けがするような大量の注文。
それも、以前どこかで耳にした声だった。
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