[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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122: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/23(月)01:25:06.34 ID:wsWWwCFYo(2/7) AAS
 包み込むような大人の女を感じさせる顔は、マミに、信じてもらえたという安心と、
それとは別の安らぎと喜びをもたらした。

「ほっ……そうですか、良かったです」

 マミも釣られて笑う。
 弛緩を隠せない表情は、彼女の中で後者が大半を占めていることを示していた。
 だが自分自身、弛んでいると気付き引き締め直すと、今度はこちらから質問に入る。

「それでは、夕木さんが見たという恐ろしいモノについて、
それと、操られていた時のことで覚えていることがあれば話していただけますか?」

「そうね……ハッキリとは覚えてないんだけど、最初にあのビルに行ってから、
ともかく辛くて、苦しくて……そんな気持ちが膨れ上がって。
今日も引き寄せられるみたいにあそこに行って……ごめんなさい、そこからはほとんど……」

「覚えていないと?」

「ええ、でも屋上の夕陽が不思議とすごく綺麗で……けれど風がとても冷たくて……。
そんなことは覚えてるの」

 命が語った経緯は大凡、想像した通りだった。ただ、最初にあのビルに行った、それだけが気に掛かった。
 あんな場所に、いったい何用があって訪れたというのか。
詳しく訊きたかったが、話が脱線するかと思い後回しにする。
 
「では、夕木さんが見た恐ろしいモノとは?」

 マミが問うと、命は怯えを露わにし、唇を震わせる。辛抱強く待っていると、やがて震える唇が開いた。
224
(1): ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/05/19(土)00:56:43.34 ID:qWp3uR1Jo(1) AAS
>>223
いえ、全然そんなことはありませんので、誤解されませんようお願いします
影を持たせる為、原作を曲解して更に改変していますので、あくまで別物です
また、だからと言ってキャラや作品のアンチではありませんし、貶める意図も全くありません

正直、私としては、そこまでマミをアレに書いたつもりはないのですが、
いただいた数々のコメントを見ていると、よほど酷く映っているのでしょうか
重大な認識のズレがあるのかと戦々恐々としています

ともあれ、遅くなりましたが、明日には投下できると思います
都合により伸びるかもしれませんが、それでも日曜深夜には必ず
407: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/07/01(日)18:03:16.34 ID:Q3A4NvASO携(2/2) AAS
仮定に仮定を重ねて、遅くなったらアンチが増えるぞ、なんて脅迫に等しい
そうなったら荒らすぞって言ってるようなもんだ
アンチなんて声が大きいだけで、いても2、3人程度だろうに
458: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/07/23(月)02:47:59.34 ID:bSGNlsgYo(1/3) AAS
 マミは重い身体を引きずって教室に戻った。
 後輩たちの前では元気な振りをしていても、独りになると途端に気だるさが全身を蝕む。
 本当は学校なんて来たくなかった。虚脱感に身を委ねて、一日中寝ていたい気分だった。
だって、その瞬間だけは何もかも忘れられる。何も考えなくて済むから。

 なのに今、自分は学校にいる。
 真実を二人に伝えなければ――その一心でマミは登校していた。
 巻き込んでしまった彼女らの為にも。これ以上の自責の念を背負わない為にも。
 二人を、絶対に契約させてはならないのだ。

 決意は固めたはずなのに、未だ心の整理はつかない。
 怖かった。
 他人に説明することで、真実を客観的に見つめるのも。
 それを事実として受け止めることも。
 二人から嫌悪と恐怖の視線を向けられるかもしれないことも。

 だから時間が必要だった。説明の仕方を考える時間と、覚悟を決める時間が。
 その時間も刻一刻と過ぎていく。緊張は増すばかりだった。
午前中一杯を使って授業もろくに聞かず考えに考え、どうにか頭の中で台本はでき上がる。

 そして昼休み。彼女たちを誘うことで、覚悟はできた。
悩むのは充分過ぎるほど悩んだ。もう悩んでいても仕方がないと。   
 鞄を開き、粛々と次の授業の準備を始める。その時、ふと一枚のプリントが目に入った。
 
「しまった……」

 と呟き、マミは机に両肘をついて項垂れる。
560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2012/08/28(火)02:22:01.34 ID:vlQKyZlAO携(1) AAS
コダマ、クルス、アオムシ。奴らイイよね!

長生きして、個性的な、2番手か3番手位の味わい深い強敵、というポジションが『まどマギ』本編にはいなかったな。本来闘争の物語じゃないしな。

このSSは戦闘描写が抜群だけど、やはり闘争の物語ではない、と思ってる。
続き期待です。
812: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/11/26(月)16:20:06.34 ID:9JrdSHuD0(2/3) AAS
>810
作者さん名前付けてくんないかしら。>ナイフのホラー
ナイフのホラーは単純にバラゴ様が暗躍してた東の管轄に出てこなかっただけかも。
1000体ホラー吸囚も強いホラーだけ喰うというわけでもないだろうし。

強さは別としてモロクは間違いなく五本の指に入るくらいいいデザインだ。
なんというか、禍々しくおぞましいいはずなのに美しい。

まどポの杏子ちゃんのテーマもかっこいいから候補に入れよう。

>811

ああ、主に我々の精神を抉りやがった。鋼牙はもっとだろうけど。
869: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/06(木)03:37:06.34 ID:8dyS6DLAO携(1) AAS
エルダ忘れてた
暗黒騎士鎧伝に唐突に登場したけどTV本編にいても違和感無かったろうね。京本さんとリア・ディゾンww

龍崎「僕と契約してくれたまえ。何でもひとつ、悩み事を聞いてあげるよ」サワヤカー

まどほむさやあんマミ「!……///」

俺「待てェェェい!シャツのボタンを閉めやがれェい!!」
894: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/18(火)03:35:38.34 ID:r6v7avV+o(3/5) AAS
 目の前の怪物から気を逸らさず、
それでいて杏子にも注意して戦いを続けること数秒――。
  
 杏子と視線がぶつかった。
 目を閉じ、俯いていたはずの杏子が顔を上げていた。
 言葉はない。声を発する余裕もなかったのだろう。
 しかし、意思だけは確かに伝わってきた。

 何よりも、その眼。
 力強く、まだ諦めていない。まだ戦意は挫けていない。
 杏子の瞳は雄弁に物語っていた。

 あんたの力は借りない――と。

 何者にも屈すまいと、強くあらんとする瞳。
 そこに宿す光を零は知っている。

 だが零の友であり、超えたいと憧れる目標でもある、一人の男。
彼の持つ静かだが逞しく、気高い眼とは違う。
 何かに飢えているかのようにギラギラしている。そして荒々しく攻撃的で余裕がない。
 彼が狼だとするなら、杏子は野良犬といったところか。
966: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2013/01/24(木)23:20:28.34 ID:wPhs5BFBo(1) AAS
すみませんが延期します
インフルエンザの疑いがあるので、少々長引くかもしれません
977: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/05(火)02:41:54.34 ID:bSU8f1Sbo(1/6) AAS

 
 パシッ、パシッ。
 乾いた音が連続して響く。
 零が、杏子の頬を軽く左右に張った。

 いつものように牙を剥いて怒声を返すことを期待したが、音は空しく闇に消える。
 杏子の眼に光は戻らない。微かに呻きは漏らすものの、相も変わらず虚空を見つめるだけ。

『ダメみたいね、ゼロ』

「だな。これ以上は後が怖い。ま、あんまり女の子の顔を叩くのも気が引けるし」

 つい昨日、路地裏の決闘で平然と顔を狙った蹴りを放った男とは思えない言い草。
しかし戦いと、無抵抗な少女を殴るのは訳が違う。
今の彼女からは、あの時の闘志も殺気も感じられない。まるで人形。

 感触からして、強く叩いても傷が残るだけで無意味だろう。
ショックと痛みで気付けという強引な方法では効果がないようだ。
 零はおどけて言ったが、内心では焦りが芽生え始めてもいた。

「ホラーの術にはまったにしても、封印されてからも効力が続くなんてあるのか?」

『ないとは言えないけど……モロクにそんな前例はないから、少し考えにくいわね。
恐らくだけど、ホラーの術はとっくに解けているはず』

「……どういうことだ?」

『この娘が自分で戻ってこないのよ。ホラーの術を受けて、精神が同調しているのかも』
995: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/02/11(月)00:40:27.34 ID:YBVQg99/o(1/5) AAS
「あぁ……」

 すっかり忘れていた。熱が冷え切っていた。
 あんなに固執していたのに。
ここ数日、零を探して駆け回っていたのも、わざわざ戦闘に乱入したのも、その為だったはずなのに。

「けど、これからもう一勝負ってのは流石に俺も疲れてるし、あんこちゃんだってその足だろ。
また後日、仕切り直しってことで……」

 もちろん、エスコートの方なら大歓迎だけど。
 そう冗談めかして言う零を、杏子は見ていなかった。

――こいつの目に、あたしはどう映ってたんだろう。
いや、それ以前に、あたしはどんな人間だったろう――

 誰にも頼らず、手を差し伸べたりもしない。
 ドライな現実主義者。一匹狼の魔法少女。歴戦の古兵。
 もっとも、彼にしてみれば血気に逸る未熟者扱いだろうが。

 意識して振舞っていた訳ではないが、こんなところだろうか。
 他人との関わりを避けてきたので、客観的な自分がわからない。
深く関わったと言えるのは二人だけ。
 他にも色々と想像するのだが――。

 すべてが"しっくりこない"。
 かつてない奇妙な感覚だった。
 今なら鏡を見ても同じ感想を抱きそうな気がする。

――あたしは……あたしがわからなくなった……?
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