マルチジャンルバトルロワイアルpart20 (683レス)
マルチジャンルバトルロワイアルpart20 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/
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287: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:12:39.63 ID:NSbM6R+c 支援 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/287
288: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:13:09.57 ID:BM8SJmPz http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/288
289: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:13:22.54 ID:x3t4VzTe 「ヒャハハッハハッハッハアッハアハッハハッハハハハッハアハアハハッハアッハハハッハ アアアアアハアハアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッハハハハア ハッハハハハハアアアハッハアッハアハッハアッハハアハアハハッハアッハハハッハアア アアアハアハアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッハハハハヒャハ ハッハハッハッハアッハアハッハハッハハハハッハアハアハハッハアッハハハッハアアア アアハアハアアハハハアハッアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッ ハハハハアハッハハハハハアアアハッハアッハアハッハアッハハアハアハハッハアッハハ ハッハアアアアアハアハアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッハハ ハハヒャハハッハハッハッハアッハアハッハハッハハハハッハアハアハハッハアッハハハッ ハアハアアハハハアハッアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッハハハ ハアハッハハハハハアアアハッハアッハアハッハアッハハアハアハハッハアッハハハッハア アアアアハアハアアハハハアハッハハハハハハアアアハハッハハハハハッハハハハヒャハ ハッハハッハッハアッハアハッハハッ――――!!」 狂気という言葉ですら、足りなかった。 ◇ ◇ ◇ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/289
290: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:14:04.33 ID:x3t4VzTe ラッド・ルッソは狂人だ。 壊れていると言っても過言ではない。 だが、一見無差別にも見える彼の殺しにもルールは存在する。 『自分が死なないと思っている人間を殺す』――それがラッドの殺しの大前提だった。 だからこそ、不死者という存在をラッドはこの世で最も憎み嫌った。 「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!もしかしてあの時か!? あのふざけた酒飲んじまったせいで、俺が不死者になったっていうのか!? 俺のこの力は、俺が覚醒したお陰じゃねぇのかよ!!なぁ答えろよ、答えろってんだろギラーミンよぉ!!!」 その目は既にゼロを見ていなかった。 ライダーもゼロもラッドにとって殺すべき標的だ。 しかし、ギラーミンへの殺意は、二人に対するそれよりも圧倒的に高まってしまった。 殺意は振り切れてしまっていた。 「ルーアを殺しただけじゃなくて、俺に不死の酒を持たせたって言うのか……ハハ、笑えねぇな。 一体、どこまで俺をナメれば気が済むんだぁ、テメェは!? クソ、クソクソクソクソクソクソクソクソクソ――クソ野郎がぁっ!!」 口元からは赤い血がこぼれおちる。 不死者といえども流れる血は、普通の人と同じだから。 ただ、ラッドの身体へ戻ろうと血や両腕、両脚が虫のように群がっていこうとすることを除いて。 そんな光景は、ラッドにとって酷く醜く映ったに違いない。 死なない身体という、クソッタレな自分を見せつけられるだけなのだから。 「決めたぜ。テメェは何があっても殺す。マジで殺す。殺して殺して殺して殺して――殺し尽くす。 観念しろよ?俺をここまでムカつかせてくれたヤツはてめぇが初めてだからなぁ……!」 ラッドは今まで自分が不死者だと本当に気づいていなかったのか。 自分の身体に起きた異常について深く考えなかったのだろうか。 彼は狂人とはいえ、馬鹿と評される人種ではない。 恐らく考え、そして止めたのだろう。 ――死なない人間なんてどこにも居ない。 ラッドにとってあの日から、それは普遍の事実となったのだから。 誰だって死ぬ。どんな奴だって死ぬ。世界はそういう風に出来ている。 あの誰よりも強かった女は、死んでしまったから。 だからこそ、ラッドは認めるわけにはいかなかった。 自分が死なない人間、“不死者”となったことなんて、ラッドの本能が認めなかった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/290
291: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:15:01.53 ID:x3t4VzTe 「なぁ、“不死者”さんよぉ。いや“魔王か”……まあどっちでもいいか。 俺はアンタの目から見ると、立派な“不死者”なのか?」 ねじが切れたように大人しくなったラッドが尋ねる。 彼の視線の先には魔王が居た。 ただし、漆黒の仮面はいつの間にか砕け、素顔が晒されていた。 緑髪の、端正が取れた女性の顔がラッドの疑問に答える。 「ああ、お前は普通じゃない。 魔女である私が言うのだから、自信を持ってもいいぞ?」 「へっ!今度は魔女ときたか! それに魔女なんかに言われても嬉しくもなんともねぇな……そうか、俺が“不死者”か。 だったらよぉ――」 魔女C.Cの言葉を受け流すかのようにラッドは続ける。 口角を釣り上げ、にやけるラッドの顔は普段と変わりなかった。 いつもの、彼が大好きな殺しをやる時に浮かべる笑顔と変わらない。 何一つ変わらない、ラッドの意思がそこにあった。 「俺はてめぇを殺すぜ。だから精々、俺を殺して安心しやがれ。 “不死者”なんていませんでしたってなぁあああああああああああああああああああ!!」 「ああ……そうさせてもらう」 瞬間。 C.Cの握る和道一文字が一つの軌跡を描く。 ラッド・ルッソの意識はそこで途切れた。 【ラッド・ルッソ@BACCANO:死亡確認】 【残り15名】 ◇ ◇ ◇ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/291
292: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:15:30.35 ID:BM8SJmPz http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/292
293: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:15:48.91 ID:x3t4VzTe エリアD-4南部をゼロが歩いていた。 目指すはエリアA-2であり、目的は古城の調査。 ラッドの首輪を回収し、更に御坂美琴達の追撃を警戒し、自身のワープを利用しここまで来ていた。 漆黒の仮面は既に元通りに戻っている。 「やはり“不死者”といえども致命傷は死にいたるか。 そうでなくては、殺し合いなど成り立たない」 ラッドの死はあっさりとしたものだった。 首を落とした途端に、除々に始まろうとした再生も止まってしまった。 やはり永遠の命など眉唾ものなのだろう。 だが、死ねない身体がもたらす悲劇はゼロが誰よりも知っている。 正確に言えば、ルルーシュ・ランペルージと契約した魔女C.Cが知っていた。 「自分の知らないところで、死ねない身体になったとしたら……それは悲しいことだ。 奴もギラーミンによる犠牲者だったのかもしれないな」 ラッドを許したわけではない。 ラッドの罪は死ですらも償えるものではなく、実際にゼロの感情は晴れなかった。 だが、ラッドは望んで命の理から外れたわけではなかった。 不死の身体となったせいで、迫害を受け続けたC.Cの記憶には少なからず、ラッドに対する同情のような感情があったのかもしれない。 そして改めてギラーミンの力の底知れなさをゼロは感じ取った。 「人間を不死にする力……シャルルのギアスのような力か。 やはりギラーミンが保有する力は侮れない。いや、奴の背後に居る力か……」 ギラーミンが約束通り、優勝者としての願いとしてナナリーを蘇らせてくれるならそれでいい。 しかし、決別した時には戦わなければいけない。 相手の保有する力は絶大であり、未だその全容もわからない。 それでもゼロは、進むのを止めるわけにはいかなかった。 ここで諦めてしまえば、自分が蹴落としてきた参加者が無駄になる。 彼らの想いを無に帰して、自分はここまで進んでいるのだから。 「シャルル、マリアンヌ……やはり人間は個でしか生きられないのだよ。 私達は、誰もが違っている。争うことで、互いの明日を求めている。 だからこそ私達も彼らと同じ……ルルーシュはナナリーという明日を、私は死という明日を求めて、まだ歩いて行ける」 故に魔王は己の道を進み。 両の拳をこの先、いくら血に染めようとも構わない。 魔王の本質は戦いを広げていくことなのだから。 ただ、魔王も救いという明日を求めて修羅の道を進んでいく。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/293
294: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:18:35.74 ID:J1DE2ImK http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/294
295: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:19:58.67 ID:BM8SJmPz http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/295
296: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:20:22.27 ID:J1DE2ImK http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/296
297: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:20:36.15 ID:x3t4VzTe 【E−4 劇場周辺/一日目 真夜中】 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 [状態]:疲労(小)、全身に打撲と擦傷(小)、脇腹に打撲(小)、胴体に貫通傷×3(小)、全て再生中 多大な喪失感、強い決意、≪体内:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero≫ [装備]:薔薇の指輪@ローゼンメイデン、ナース服、コイン。 [道具]:基本支給品一式(食料一食、水1/5消費)、不明支給品0〜2個(未確認)、病院で調達した包帯や薬品類 コイン入りの袋(装備中の物と合わせて残り88枚)、タイム虫めがね@ドラえもん、首輪(ジョルノ) 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS、真紅の左腕(損傷大)、不思議の国のアリス@現実他、いくつかの本、ナースキャップ [思考・状況] 0:ラッドとの合流。 1:首輪を解体できそうな人物(第一候補はグラハム)を探す。 2:一人でも多くの人を助ける、アイツの遣り残した事をやり遂げる。 3:人は絶対に殺したくない。 4:自分と関わり、死んでしまった者達への自責の念。 5:上条当麻に対する感情への困惑。 6:ライダーと行動する。 【備考】 ※参加者が別世界の人間、及び参加時期が違う事を聞きました。 ※会場がループしていると知りました。 ※真紅と情報交換し、ローゼンメイデンの事などについて大雑把に聞きました。 ※あすかと情報交換し、スクライドの世界観について大雑把に聞きました。 ※地下空間の存在を知りました。地下にループ装置があるのではと推察しています。 ※会場は『○』の形に成っているという仮説を立てています。 ※全て遠き理想郷(アヴァロン)が体内にあることを知りません。 ※ラッドの事を『原石』(天然の能力者)かも知れないと考えています。 ※参加者についての情報は以下の通りです。 協力できそうな人物:レナ、沙都子、梨花、ゾロ、チョッパー、アルルゥ、佐山、小鳥遊、グラハム、ウルフウッド 直接出会った危険人物:ゼロ、ラズロ(リヴィオ)、メイド(ロベルタ)、宇宙人(ミュウツー) 要注意人物:ライダー、白仮面の男(ハクオロ)、ヴァッシュ、水銀燈(殺し合いに乗っているようであれば彼女を止める) ※首輪の機能について、以下のように考えています。 確実に搭載されているだろう機能:「爆弾」「位置情報の発信機」「爆破信号の受信機」「脈拍の測定器」 搭載されている可能性がある機能:「盗聴器」「翻訳機」 ※首輪は何らかの力によって覆われていて、破魔の紅薔薇にはその力を打ち消す効果があると考えています。 【ライダー(征服王イスカンダル)@Fate/Zero】 [状態]:魔力消費(やや大)、疲労(中)、腹部にダメージ(中)、全身に傷(小)および火傷(小)、腕に○印、怒り、焦り [装備]:包帯、象剣ファンクフリード@ONE PIECE、破魔の紅薔薇@Fate/Zero [道具]:基本支給品一式×3、無毀なる湖光@Fate/Zero イリアス英語版、各作品世界の地図、ウシウシの実・野牛(モデル・バイソン)@ワンピース 探知機、エレンディラのスーツケース(残弾90%)@トライガン・マキシマム [思考・状況] 0:美琴、ラッドと共にミュウツーを追う。 1:バトルロワイアルで自らの軍勢で優勝。 2:首輪を外すための手段を模索する。 3:北条沙都子とアルルゥを守る。 4:サーヴァントの宝具を集めて戦力にする。 5:有望な強者がいたら部下に勧誘する。 【備考】 ※原作ギルガメッシュ戦後よりの参戦です。 ※臣下を引きつれ優勝しギラーミンと戦い勝利しようと考えています。 本当にライダーと臣下達のみ残った場合ギラーミンがそれを認めるかは不明です。 ※レナ・チョッパー・グラハムの力を見極め改めて臣下にしようとしています。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 ※自分は既に受肉させられているのではと考えています。 ※ブケファラス召喚には制限でいつもより魔力を消費します。しばらく召喚出来ません(詳しい時間は不明)。 ※北条沙都子、アルルゥもまずは同盟に勧誘して、見極めようとしています。 ※現在の魔力残量では『王の軍勢』をあと一度しか発動できません ※別世界から呼ばれたということを信じました。 ※会場のループを知りました。 ※オープニングの映像資料を確認しました。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/297
298: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:21:18.32 ID:J1DE2ImK http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/298
299: desire ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:21:54.38 ID:x3t4VzTe 【D−4 南部/一日目 真夜中】 【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】 [状態]:左前腕に幅広の刺傷(止血、応急処置済み)、疲労(中)、悲壮≪ルルーシュ≫ [装備]:なし [道具]:基本支給品一式×6(食料一食、水1/5消費)、MH5×3@ワンピース、治療器具一式、防刃ベスト@現実、電伝虫@ONE PIECE×2 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの 謎の鍵、レナの鉈@ひぐらしのなく頃に、首輪×5(サカキ、土御門、真紅、カズマ、ラッド)、首輪の残骸(圭一) ナナリーの遺体(首輪あり)、ビニール袋に入った大量の氷 螺湮城教本@Fate/Zero、トーチの火炎放射器@BLACK LAGOON(燃料70%)、聖剣グラム@終わりのクロニクル モンスターボール(ピカ)@ポケットモンスターSPECIAL、あすかのメモ、不明支給品0〜1個(確認済み) [思考・状況] 1:殺し合いに優勝し、ナナリーを生き返らせる。 2:異形(ミュウツー)は見つけ次第、八つ裂きにする。 3:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。 4:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。 5:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。 6:C.C.の状態で他者に近づき、戦闘になればゼロへ戻る。 7:首輪を集めて古城跡へ戻る。 8:余裕があれば地下を調べる。 【備考】 ※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。 ※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。 ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。 ※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。 ※C.C.との交代は問題なく行えます。 ※起動している首輪を嵌めている者はデイパックには入れないという推測を立てています。 ※北条沙都子達と情報交換しました。 ※ナイン、ラッド、ミュウツーの三人がナナリーの死に関わっていると確信しました。 ※ガウェインの制限はマークネモとほぼ同様です。 ただしハドロン砲を使用した場合は、再召喚までの時間が、一発につき二時間ずつ増加します。 ※首輪の機能について、以下のように考えています。 確実に搭載されているだろう機能:「爆弾」「位置情報の発信機」「爆破信号の受信機」「脈拍の測定器」 搭載されている可能性がある機能:「監視装置」「制限の発生装置」「首輪表面の保護機能」 ※首輪表面を覆う金属は、ザ・ゼロのような能力で首輪を解除できないようにするための保護機能だと考えています。 ※地下空間の存在を知りました。地下に制限を発生させている装置があるかも知れないと考えています。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/299
300: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:23:42.57 ID:J1DE2ImK http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/300
301: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:25:16.98 ID:hvvwdrZR 支援 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/301
302: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:25:21.26 ID:BM8SJmPz http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/302
303: ◆Wott.eaRjU [sage] 2012/12/08(土) 23:25:25.73 ID:x3t4VzTe 投下終了しました。 長い間支援ありがとうございます。 途中で時間がかかったのは規制されてました。すいません。 何かあればお願いします。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/303
304: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/08(土) 23:36:03.87 ID:2Vs9/Fya 投下乙です! おおおおラッドが死んだ!? かなり空気だったピカが使われて喜んでたら、なんてこった…! 確かに不死者の事がわかったら性格上必然、だがこんな形でとは…! そして流石、安定の征服王! しかしこれって、美琴はラッドが死んだ理由がさっぱりわからないんじゃw http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/304
305: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/09(日) 20:31:31.66 ID:0vC7W5m2 投下乙です 美琴がどんどん立ち直って……!ホロリ カワイソスのドン底まで落ちたこその台詞が映えるなあ ラッドがここで落ちるとは……因果応報とはいえ、どこまでも自分の道を貫き通した最期だった 電車といいV-Maxといい、乗り物は壊されるものなのかw http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/305
306: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/09(日) 20:53:25.10 ID:2Y141fx0 ロワラジオツアー3rd 開始の時間が近づいてきました。 実況スレッド:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1355053950/ ラジオアドレス:http://ustre.am/Oq2M 概要ページ:http://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html よろしくおねがいします http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/306
307: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/09(日) 21:11:37.48 ID:C8sYqw8I \征服王!/ \征服王!/ \征服王!/ 貫録の征服王、そこに痺れる憧れるゥ! ラッドは自分勝手ながらわが道を突き進んだ最後だからある意味悔いはない…のか?w 死んでないって言われたのに死んでるとか、 豆腐メンタルなビリビリのことも考えてあげてくださいよ! そしてラジオだヒャッハァアアアア! http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/307
308: ◆OQO8oJA5SE [sage] 2012/12/10(月) 02:32:19.64 ID:7k7X70eg 投下乙であります。 ラッドついに落ちるか…… ゼロはこれでミュウツー以外への復讐を果たしてしまった訳だがこれからどうなってしまうのか…… 一方美琴は誤解もとけ、これから主催として歩めるのだろうか。 これからが楽しみなSSでした。 最速兄貴を含めて様々な方が規制されている現状等をかえりみまして、B-1用したらばを設置いたしました。 http://jbbs.livedoor.jp/otaku/15810/ もしも現行したらばの管理人さんがいらっしゃった場合、 非常に失礼かつ早まった真似をしてしまい、申し訳ありませんでした。 ですが殆ど荒らしもいない現状を省みた場合必要と判断いたしました。 不必要である場合、現したらばに統合することも可能ですので、ご連絡をお願いします。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/308
309: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/10(月) 21:22:01.71 ID:itAjoOau したらば乙です! 規制されている方がいるなら移行は問題ないと思います。 というか予約が二つもきてたー!!? http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/309
310: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 21:01:08.28 ID:Y/IKIxWI test http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/310
311: ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 21:56:40.03 ID:Y/IKIxWI お久しぶりです これより佐山・御言、新庄・運切を投下します http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/311
312: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 21:57:48.33 ID:Y/IKIxWI 夜。真黒の世界が顔を覗かせる、暗い舞台。 真っ赤に輝く日は沈み、温かな陽光はどこか遠くに消えていった。 替わりといわんばかりに、せっかちな冷風が8×8の箱庭をビュウビュウと行進し、夜の訪れを大声で報せ回る。 真っ赤な身体が闇夜に映える、灼熱への反逆者を目に留めて。 雷と殺意がバチバチと吹き荒れる廃墟を、早足で通り過ぎて。 紙で作られし、人類の叡智が詰まった巨大な宝物庫には興味なさげに。 息も切らさず、風は矮小な世界を駆け回る。 行き着く先は森の中。ずいぶん遠くまで来たなあと、感慨深げにヒュウと一息。 だけども彼は止まりはしない。止まり方を知らないから。ずっと、ずっと、飽きることなく前を行く。 どこともしれないゴールを探して。閉じた世界の繰り返しを知りもせずに風は走る。走る。 震え上がる草木。引き裂かれた隣り合わせの双葉が、ため息をつきながら離ればなれになっていく。 一枚は人間達の学舎に。もう一枚はふらふらと大きな大きなお城に向かって。 風は迷わず北に向かった片割れのお姫様を追いかける。そちらの方が面白そうだ。 気づけばお城は目の前。格式ばって正面口から礼儀正しく入るなんてのはつまらない。 侵(はい)るならば浪漫として、大泥棒のように鼠の出入りさえ出来ない隙間からだ。 見つけた。 そうと決まれば即断即決、電光石火に不法侵入。 ビュウビュウ、ビュウビュウと鋭い駆け爪を以て辿り着いた秘密の裏口を抜けると。 そこには、一組のニンゲンがいた。 逢引きするのは悪役と正逆の存在。 覗き見している野暮な輩は荒風一吹き。 欠けることなく一対に戻った役者二人は 哀しみを得て、 愛しさを抱き、 世界の中心で、夢を見る。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/312
313: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 21:59:01.82 ID:Y/IKIxWI ◇ ◇ ◇ 「適材適所という言葉を知っているかね、新庄君」 言葉の主は白髪の混じったオールバックの頭に小さな猪のような生き物を乗せた青年だった。 ランタンを持ちながら通路を進む足取りは確かなもので、目的地をはっきり定めているように見える。 佐山御言。悪役として世界を救うことを決め、この殺し合いの場でも主催者への反抗を選んだ男だ。 「ええっと……人の能力を見極めて、その人に相応しい仕事とか地位とかを与えることだったっけ?」 オールバックの青年の後ろから返事を返すのは、黒のロングヘアを後ろに流した少女だった。 新庄運切。悪役である佐山に対し正逆の存在であることを望んだ彼女は、殺し合いの場で紆余曲折を経て今は佐山と再会を果たしている。 城には元々の古さに加え先ほどの戦闘の爪痕も色濃く刻まれており、老朽し破損した隙間からは風が零れ出ている。 冷たいな、と浅く自分の身体を抱きながら、新庄は目の前の佐山に言葉を重ねる。 「最近、UCATの新作ゲームで似たようなのやらせてもらったよ。 いくつかのパーツをぐるぐる回しながら隙間を埋めていって、最後にドカンと棒で突き抜けるととっても気持ちいいの。 上手くいかなくて溜まっていくこともあるんだけど、そこをこう、良い感じに調整して一気に溜め撃ち〜ってやると嬉しさも一入っていうか」 録音機を持っていないことを心の底から悔みながら、佐山は振り返り苦笑を作った。 「君のゲーム情報は相変わらず少し遅れているようだが……つまりはそういうことだよ」 「私たちは障害の全消しのために、一時的に別行動を取っているというわけだ」 佐山の発案は単純なものだった。 戦力の補強のために大広間の仕掛けである○を調査することは急務だ。 しかし、今はゼロが何時何処から攻めてくるか分からない状況である。 どれほど手間がかかるか分からない仕掛けに全員で付きっ切りというわけにはいかない。 「だからこそ、ゾロ君にはゼロのような危険人物、また私たちの同盟相手となり得る人物が来た時のために見張りをしてもらう」 ゾロとは先ほど城の入り口で別れた。今は古城の周りを見回っているはずだ。 建物の中よりも外にいた方が古城に近づいてくる人間のことを見つけやすく、また相手からも見つかりやすい。 遠距離武器で狙われやすいというリスクが高い選択ではあるが、その懸念をゾロは笑って切り捨てた。 また、ゾロ本人としても調べ物をしたり一か所で待機し続けたりしているのは性に合わないとして、この案に異論は持っていないようだった。 ゾロのことはそれで解決だ。方向音痴の彼といえども流石に城そのものから離れることはない……はず。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/313
314: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 21:59:08.37 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/314
315: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 21:59:42.90 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/315
316: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:00:43.10 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/316
317: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:00:43.29 ID:Y/IKIxWI じゃあ、と少し溜めを含み、新庄は問いかける。 「佐山君」 先ほどから機会を窺い、この案を立てた彼に聞きたかった本題を。 「新庄君?」 空気を察したのか目の前でこちらに向き直る佐山に対し、新庄は前に踏み出しながら言葉を投げかけようとして―― 佐山の頭の上で、獏が片手をあげた。 ◇ ◇ ◇ 佐山御言は暗い部屋にいた。 身体はない。あくまでも視覚だけが浮いている。 獏の見せる過去の中だと佐山は冷静に考えながら ……残念に思うべきか、それともほっとしたというべきか。 新庄は確かに佐山に何かを伝えようとしていた。 愛の告白なのだとしたら狂喜乱舞するのもやぶさかではないが、雰囲気的にそれは無いだろう。 とすると、あの状況あの会話の流れで彼女が言いたかった事柄は ……新庄君は、気付いてしまったのだろうか。 佐山は嘘をついているわけではない。 しかし、彼女に言っていないこと、伝えてはいけない考えは持っている。 それは考えようによっては些細なことで、誰もが気付かぬまま全てが解決することを佐山も望んでいる。 それでも、新庄が勘付いたのだとすれば彼女は佐山の隠し持つ思惑に対して、悪役の正逆として ……私の間違いを、正しに来るのか。 それでいい。彼女はそうあるべき人間なのだから。 間違っている佐山は、正しくあろうとする新庄と共にいたいのだから。 ならば ……この過去を、そのことについて考える執行猶予期間として扱うのはフェアではないな。 新庄も恐らく夢を見ているだろうが、彼女はその中で迷い、揺れはしても結論を変えることはあるまい。 ならば自分も、今は夢という名の過去から何かを得るために動こうと決める。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/317
318: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:01:29.56 ID:Y/IKIxWI ……そうと決まれば、状況の把握からだ。 部屋中を見渡す。 まずは場所の把握。 置かれているのは沢山の机や椅子、そしてそれらを見下ろすような位置に置かれた大きな黒板。 十中八九、この場所は古城の南に存在する学校、その施設の一教室と見ていい。 次に時間の把握。 窓の外を見ると未だ太陽はその片鱗さえ見せておらず、この『過去』が真夜中に近い時刻の出来事なのだと理解。 問題はこれが極めて『今』に近しい時なのか、それとも ……この殺し合いが始まったばかりの時間帯なのか、だ。 どちらにせよ、このまま何も起こらないということは今までの経験上ありえない。 最後に把握するべきは何が起こったのか、だ。 佐山は改めて教室の中に視線をずらし、そしてこちらに近づいてくる足音に気付いた。 がらりと開いた扉の向こうからやって来るのは薄い緑色の髪の少女と、ツンツンした頭の少年だった。 「詩音、どうしてこんなとこまで来る必要があるんだ?話ならさっきのところで……」 「あんなところじゃ遠目から見ても他の人から丸見えですよ。 上条さんだって遠くから見知らぬ誰かさんにズキューンってのは嫌でしょう?」 二人とも首輪がはめられていることから参加者なのだろう。 会話と名簿から察するに少年は上条当麻で少女は園崎詩音だと分かる。 上条当麻は第一放送で既に名前が呼ばれている、という情報から類推するに ……この時点で殺し合いは始まったばかり、か。 何もかもが手探りの段階だ。 自分も仲間を得るために尻を揉んだり売られた喧嘩を買ったりしていた。 問題は上条当麻が何故、あと六時間足らずで放送に名を連ねることになったか、だが。 「沙都子は一見気が強そうに見えますが実はとっても弱虫で……」 「一方通行ってやつはかなりヤバい。多分殺し合いに乗って……」 上条と詩音も必要な情報、巻き込まれた知り合いの話や自分の持つ支給品などについて話している。 佐山の記憶が正しければ、彼らの話に挙がる知り合いで『今』でもまだ生き残っているのは竜宮レナ、北条沙都子、古手梨花、御坂美琴の4人。 レナや沙都子は普通の女の子らしいのだが http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/318
319: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:02:04.55 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/319
320: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:02:19.87 ID:Y/IKIxWI 「ビリビリ?電撃?えっと、上条君頭大丈夫ですか?」 「だから本当なんだって!詩音も学園都市の名前くらいは聞いたことあるだろ?」 御坂美琴は電撃能力者、「超電磁砲」の異名を持つかなり強い少女らしい。 また上条の話を信じるならば彼の世界では超能力者を開発する学園都市なるものが存在していると言う。 だが、上条の話に対し詩音は首をひねるばかりで 「聞いたことありませんねえ」 ……これも異世界同士の違いの弊害か。ならば話も噛み合うまい。 「それに、もしも本当に超能力なんてものがあるのなら上条君は何ができるんです?」 「えっと……右手を使えばどんな異能……超能力でも魔術でも打ち消せるん、だけど……」 尻すぼみになっていく上条の言葉。 ……当然だろうな、異能の力を消すためには異能の力を見せなければならない。 だが、異能がなければ彼の異能を見せることはできない。 卵が存在するためには鶏が必要なように、異能を見せるために異能が必要という状況だ。 異能が存在するという証明を行うには、あまりにも向かない力だというほかない。 異能に触れたことのない少し頭のまわる人間ならば、上条が間抜けな詐欺師か妄想癖のあるイタい少年にしか見えないだろう。 「へー…………」 正しくそんなものを見るように軽蔑したジト目になる詩音。 上条はそれに対し慌てた様子で話題を変えようとする。 ここまでのやり取りを切り取ると、上条には失礼だが微笑ましい異世界交流の失敗例の一つにしか見えない。 熱意はあるが少し単直すぎる上条と、冷静に状況を把握し慎重に事を進めようとする詩音。 上手く噛み合えば中々良いコンビになるのではないかと思わせてくれる二人だ。 ……さあ、何が起こる。 ただし。 ここからは、殺し合いという残酷な現実を見せられることになるのだが。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/320
321: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:02:29.12 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/321
322: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:02:50.39 ID:3Zvw02Iy 支援 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/322
323: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:03:05.32 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/323
324: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:03:52.54 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/324
325: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:04:02.41 ID:Y/IKIxWI 「よし、この話は終わりにしよう!もっかい探してる知り合いの名前だけ確認して、さっさと皆を探しに行くぞ!」 そう言って詩音の知り合いの名前を再確認していく上条の横で。 佐山は見た。見てしまった。 上条に見えない位置で一瞬で冷たくなった表情の下、詩音の口が、手が動き 「もういいか」 ……これは、まさか。 佐山がその言葉の真意に気付いた直後。 急いで教室から出て行こうとした上条当麻は、銃を隠し持っていた園崎詩音に頭を撃ち抜かれた。 ……そういうことか。 上条当麻を殺した下手人は、園崎詩音。 教室まで誘導したのは他者に殺しの現場を見られるのを避けるため。 話をしたのは少しでも殺し合いを有利に進めるための情報がほしかったのだろう。 「ごめんなさいね、上条君」 虚ろな目がここではない何処か遠くを見つめている。 歪んだ唇からわずかに漏れ出るのはくけけという不気味な笑い声だ。 園崎詩音は……狂ってしまっているように見えた。 それは、仕方のないことなのかもしれない。 いきなり殺し合いをしろと言われて冷静でいられ続ける人間は多くはない。 短絡的な思考に行きついても、他の人間をだれも信用できなくなっても。 このような異常事態では、責めることなど誰もできない。 そう結論付けようとした佐山は、しかし 「私は、悟史君に会いたいんです。だから…その為に、他の人は皆殺します。」 存在しないはずの鼓動が、高鳴る錯覚を得た。 ……君は『そちら』を選んだのか。 佐山御言は愛する人間と共に、殺し合いから抜け出す道を選んだ。 園崎詩音は愛する人間のもとに帰るため、殺し合いに参加することを選んだ。 行動は正反対といっても良いが、原動力は変わらない。 佐山と詩音を比べてそれぞれの愛に優劣はつけられない。 ただそこにあるのは結果だけ。佐山御言が生き残り、園崎詩音が死んでいるという事実だけだ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/325
326: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:04:34.20 ID:Y/IKIxWI もしも ……もしも新庄君が私と出会う前に死んでいたら。 その時、自分はどうなっていただろうか。 ……もしも新庄君が今後、私の目の前で死んでしまったら。 その時、自分はどうなってしまうのだろうか。 ……園崎詩音の間違いは、私の間違いにもなり得るものだろうか。 分からない。絶対という言葉を、軽々しく使う問題ではない。 ただ今は、全力を尽くし本気を出して新庄運切と共に進んでいくしかない。 自信を持って、余裕の笑みで、世界の中心たらねばならない。 それでも 愛する者のために何かを犠牲にする必要があるとしたら。 ……新庄君。 ……君は私の正しくない間違いを、止めてくれるだろうか。 ◇ ◇ ◇ 止められない。 新庄運切には止められない。 黒き暴風が駆け抜ける。 机が飛ぶ。人が飛ぶ。 何かが砕ける音がする。 サングラスをかけた軽薄そうな男――土御門元春が叩き付けられても。 黒いスーツを着こなした威厳のある男――サカキが首を折られようとも。 黒い羽をなりふり構わずはばたかせ逃亡を図る人形――水銀燈の左腕が無残に破壊されようとも。 止められない。何故ならこれは既に起こってしまった過去なのだから。 生きていた土御門が謎の瞬間移動でとどめを刺されるところまで、余すことなく見せられた悲劇。 この出来事が起こったからこそ、水銀燈は古城にやって来て――井波は死んだのだから。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/326
327: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:04:48.86 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/327
328: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:05:22.68 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/328
329: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:05:31.14 ID:Y/IKIxWI 井波にとっての終わりの始まりといっても差支えのない殺戮を前にして、新庄は ……逃げないよ。 目を、逸らさない。 血も、死体も、ここから連鎖する運命も、彼女の意思は止められない。 獏の見せる過去に対して『今』の彼女に出来ることは、少しでもゼロのことを知るだけだと知っているから。 今一番の脅威となる彼の能力を、癖を、性格を、見極めることでしか死んでいった者たちへの供養にならないと分かっているから。 この惨状に対し、湧き上がる感情は ……どうして? 「……ナナリー」 理由は分かる。 サカキが指摘した通り、大切な人間――ナナリー・ランペルージが死亡したからだ。 主催に対抗する道から優勝へとスタンスを移行したのは、復讐のためだろうか。 ナナリーを殺した人間に対する復讐。 ナナリーを助けられなかった人間に対する復讐。 ……どうして? しかし、例え優勝しても主催者であるギラーミンが願いをかなえる可能性はほとんどない。 新庄でも考え付くその発想を、先ほどまで一癖もある二癖もある男たちと情報戦を行っていた聡明な男が得ていないはずがない。 それでも、ナナリーを生き返らせるという蜘蛛の糸を手繰り寄せるような奇跡を願うのは 「すまない。私の……いや、俺のせいで」 ……愛していたんだね。 彼女のいない世界など、ゼロにとってはどうでもいいのだろう。 馬鹿なことを、と新庄は思わない。 人は愛する者のために、大切な人のために、なんだってする。 それが意味のないことだと分かっていても。 それがどれだけ犠牲を強いることだと分かっていても。 ……こういうのは、理屈じゃないんだ。 世界の破滅を救おうとする『全竜交渉部隊』と戦ってきた異世界の住人の中には 世界よりもただ一人の愛すべき人を殺した者への復讐を果たすことを優先している人間もいたのだ。 死はそれだけ心を黒く染め上げ、意思を雁字搦めに縛り付ける概念だ。 それが理由もなく唐突に起こったものであればなおさらのこと。 だからこそ、死んだ人間を生き返らせるという禁断の果実はゼロのような男でさえも魅了する。 ……それでも、君は間違ってる。 愛する人のために、血を浴びるのは間違っている。 全てを道連れに、破滅の道を進んでいくのは間違っている。 新庄運切は悪役の正逆として、正しくない間違いを認めない。 新庄運切は間接的に井波を殺された者としても、復讐を認めない。 「だけど待っていてくれ。俺が必ずナナリーを救う……だから――」 ……だからボクたちは君を止めるよ、ゼロ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/329
330: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:06:15.52 ID:Y/IKIxWI ◇ ◇ ◇ 浮上する。夢から覚める感覚が全身を支配する。 クリアになった視界の中心に、佐山の顔があった。 意識を失う直前に前のめりになっていたので、いつの間にか距離が縮まっていたのだろう。 さもすれば互いの息さえも感じあえる位置で、佐山はおもむろに口を開き手を大きく横に広げ 「中々大胆だね、新庄君」 「……何処も触ってない?おっぱいとかお尻とかもっとすごいところとか」 「どうやら君の中の私像を上方修正する必要がありそうだ」 「今ので更にちょっとボクの中で君が低くなりつつあるよ……」 はあ、と溜息をつきかけて、新庄は表情を引き締める。 今なら獏の見せた夢について語り合うことで先ほどの問いを誤魔化せるのではないか。 そういった気弱な考えは、無しだ。 「佐山君、質問良いかな」 「いいとも」 切り込むことに少し胸の鼓動が早くなる。それでも言葉は止まらない。 今しかできない、今だからこそ話せることだ。先延ばしにすることは、出来ない。 すう、と小さく息を吸う。外からの隙間風は止まない。肺が冷たい空気に満たされる。 吐いた。 「小鳥遊君を二階に置いてきたのは、なんで?」 「彼にはまだ心の整理が必要だ。そして二階にいれば仮に戦闘になったとしても流れ弾にやられる心配は少ない」 予定された台本を読み上げるようにさらりと紡がれた佐山の一言に、新庄は 「それは本当のことだろうけど真実じゃないよ、佐山君」 眉尻を下げ、困ったような笑みを見せた。 「ほう、どうしてそう思うのかね、新庄君」 「佐山君の言ってることは合理的だし、正しいと思う。でもいつもの佐山君ならこう言うと思うんだ。 『泣き寝入りをしている男の尻を蹴っ飛ばし、私たちの側に連れてくる』ってね」 「ほほう、それはまたエキセントリックな思考形態を持った人間だね、常識人たる私には想像もつかないよ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/330
331: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:06:20.27 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/331
332: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:06:57.34 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/332
333: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:07:43.51 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/333
334: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:08:40.30 ID:Y/IKIxWI 「佐山君」 佐山の左胸を新庄は見た。 狭心症。佐山の持つ持病に対して思いを馳せて。 本当は誤魔化すべきなのかもしれない。 見て見ぬふりをするべきなのかもしれない。 佐山ならば上手く事を運び、もっと良い解決法を出すのかもしれない。 「君は厳しいし頭おかしいことよくするし僕には理解できないことも多いけど」 だけど。 それでも自分には。 誠実に、真っ直ぐに、真剣に。 「大切な人を失う苦しみを、誰よりも知ってるはずだよ」 彼と向き合うことしか出来ない。 「井波さんと小鳥遊君がどういう関係だったのか、僕にはよく分からない」 表面上の話はいくつも井波から聞いた。 小さいものが好きとか、井波を虫以下のように扱うとか、愚痴ばかり聞かされていた気もする。 だけど、井波の小鳥遊に対する本当の気持ちを、多分自分は聞けていない。 聞かないまま、終わってしまった。此岸と彼岸に別れてしまった。 多分それは、小鳥遊にとっても、同じことで。 小鳥遊は永遠に、井波の気持ちに応えられない。向き合えない。 「でも、今の小鳥遊君の気持ちを佐山君は痛いほど理解してるはず」 別れの言葉も言えぬまま死んでしまった父。 真意を理解できず死んでしまった母。 佐山御言は両親を亡くし、ふせぎこんでいた時期があった。 それはまさしく、この場においての小鳥遊宗太だ。 覚悟もなく、理由もなく、理不尽に、奪われる。 「だから」 言うべきか迷う。 取り返しのつかないことを口走ろうとしているという自覚が、あった。 だけど、ここまで来て逃げは無しだ。 「だから佐山君は、出来る限りボクと小鳥遊君を会わせたくないんだね」 小鳥遊は井波を亡くし、一方佐山は半身である新庄と再会し、共にある。 残酷なその違いは、軋轢を生み、過ちをも生みかねない。 やり場のない悲しみは直線的な怒りへと変わる。 不条理を憎む心は自制を捻じ曲げ、自らも不条理をよしとする。 かつて両親を亡くした佐山が一人の女と過ったように。 小鳥遊宗太が過ちを犯さないという保証は、どこにもない。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/334
335: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:09:18.30 ID:Y/IKIxWI 「ボクのために」 新庄運切はどんな時でも正しく、優しい。 だからこそ、井波を失った小鳥遊にとって、佐山と行動を共にしてきた小鳥遊にとって。 佐山御言の半身である新庄は、佐山御言が追い求めてきた新庄は、毒でしかないのだ。 彼の発する怨嗟の声に対して、彼から染み出す絶望の念に対して。 優しく、正しくあろうとする新庄は。 小鳥遊と同じく、井波という大切な友人を失ったばかりの新庄は。 あまりに無力で、無抵抗な、サンドバックだ。 「そして――小鳥遊君のために」 そして同時に小鳥遊は、新庄を傷つけてしまったという後悔の念を抱くだろう。 衝動的な行動は自己嫌悪を招き、自己嫌悪は更なる鬱屈を生む。 そうした負の悪循環がぐるりぐるりと回り始めると、もう誰にも止められない。 バトルロワイヤルという不安定に過ぎる環境の中で、そういった人間は危険すぎる。 「さっきの喧嘩も小鳥遊君の膿みを出すだけじゃなくて、矛先を佐山君に向けるためだったんじゃないの? 意識がなくなるまで殴りつけたのは、小鳥遊君とボクの両方とも気遣ってくれてたからじゃないの?」 佐山が小鳥遊を挑発しなければ、新庄が自分の消耗も顧みず小鳥遊を助けようとして……二人の間で過ちが起きていたかもしれない。 だからこそ、佐山は自ら憎まれ役を買って出たのだ。 小鳥遊の鬱屈した気持ちを受け止め、殴り合い、昇華するために。 新庄を小鳥遊から遠ざけ、お互いの心の傷を広げないために。 彼は、大切な人を守ることに比べれば自分の心などいくらでも切り刻める。 例え大切な人に――小鳥遊に嫌われようと、憎まれようと、小鳥遊と新庄を両方守るためならばそれを厭わない。 佐山御言は大切な人を想う時に、小心者になれる人間だ。 佐山御言は大切な人を守るために、手段を問わない人間だ。 自惚れだとは思わない。自分が小鳥遊と共に、佐山に大切な人だと扱われているという自覚はある。 そして 「でも」 新庄運切もまた、佐山御言を大切に思っている。 「守られるだけは嫌だよ。背負われるだけは嫌だよ」 いつもの佐山ならばここまで過保護な素振りは見せないし、また勘付かせもしないだろう。 しかし、殺し合いという空間の中で「いつも通り」を貫き通すのは、難しかった。 今この場には、彼を支えてくれる大勢の仲間も、考えをまとめる時間も存在しない。 だから佐山は悪役として己を犠牲にしてでも新庄を、小鳥遊を守ろうとしていると新庄は思う。 「ボクは君を何もかもから守りたい。ボクは君の抱えている重荷を一緒に背負いたい」 それでも、何もかもがいつも通りにいかない世界の中で、新庄は言う。 正逆の存在として。隣に並び立つ者として。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/335
336: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:09:46.14 ID:gYKafRYn sienn http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/336
337: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:09:54.26 ID:Y/IKIxWI 「もっとボクと、一緒にあろうとしなきゃ、嫌だよ」 いつも通りで、ありたいと。 「佐山君」 あらゆる動きを止めた佐山をこちらから抱きしめる。 触れる衣服や肌を冷たいと思い、更に強く抱く。 少しでも温めてあげたい。少しでも近づいてあげたい。 ドクンドクンと、心臓の鼓動が聞こえる。 刻むテンポが早くなるのはお互い様だ。 「佐山君、さっき言ったよね。『私にだけは嘘はつかないでほしい』って」 井波の死を、新庄は佐山の腕の中で悼んだ。 泣き、叫び、悲しみを吐き出した。 佐山に同じことをしてほしいとは思わない。 「ボクも、佐山君の心に、嘘をついてほしくない」 だけど、彼にだってあるだろう心に秘めた何もかもを、聞いてあげたい。 感情を律し理性によってあらゆる事に臨む佐山を。 今だけでも、少しだけでも、解き放ってあげたい。 良いんだ。 「今だけは、さらけ出しても良いんだ」 それが新庄運切の、正しくあるべき者の、やりかただ。 「…………私は」 佐山はいつもの饒舌ではなく、噛みしめるように言葉を選ぶ。 「私は、小鳥遊君と井波君のことを、哀しく思う」 ヴァッシュやゾロに見せていた自信は本物だった。 だけど、自信があるからと言って哀しみが消えることはない。後悔は消えることがない。 分かっていた。 過ぎたことを過ぎたことと割り切れるような人間は、両親の死を何時までも引きずってはいない。 救えたかもしれない人間を目の前で失ったということを、彼は決して忘れない。 「しかし、それと同時に……私は君と再会できて嬉しいとも思っている」 半分以下になってしまった参加者たち。 恐るべき戦闘能力を持つ、殺し合いに乗った者たち。 そんな状況の中、半身である新庄と再会できたということを嬉しいと感じないわけがない。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/337
338: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:10:36.61 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/338
339: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:10:53.30 ID:Y/IKIxWI 「私は哀しくて、愛しい」 大切な人を失った小鳥遊宗太を哀れに思う心と。 大切な人である新庄運切を愛しく思う気持ちと。 相反する二つの感情は決して溶け合うことはない。 「小鳥遊君は私の大切な友人だ。新庄君は私の大切な人だ」 「このままでは、私はどちらかを」 少し、迷い 新庄の、真っ直ぐな瞳を見て 「新庄君を選び、小鳥遊君をさらに傷つけてしまうかもしれない」 新庄運切という愛する人の前だからこそ、出来ること。 二人しかいない世界で、抱え込んだ弱さを吐き出していく。 新庄は腕を上に伸ばし、佐山の頭をなでる。 何かあると佐山が自分によくしてくれることだ。 新庄運切は何時だって弱虫で、泣き虫で。 今だって、井波の死を乗り越えることなど出来そうにない。 それでも 「確かにボクは、弱いかもしれない」 目は、逸らさない。 「小鳥遊君に酷いことを言われたら、きっとボクはとても傷付く」 だけどね、と 「ボクは、佐山君が傷つくところを何もせず見ているだけの方が、もっと傷付くよ」 続く言葉は、少し震えていて 「二人で一緒に、傷付こうよ」 視界が歪む。目元が熱い。 いけない。 どうして自分はまた涙が出そうになっているのか。 今は自分が佐山を支えてあげなければいけないのに。 「ご、ごめんね、ボクまた泣きそうに」 「ありがとう、新庄君」 おかげで、吹っ切れた。 口には出さない。出さずとも分かり合えるのが今宵一番の有り方だ。 佐山の腕が新庄の背中に回され、抱きしめられる。 お互いに抱き合う形になったことで二人の距離はますます近くなる。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/339
340: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:11:09.03 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/340
341: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:11:35.15 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/341
342: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:11:58.05 ID:Y/IKIxWI 佐山は、今更に赤くなっていく新庄の顔を美しいと感じ。 「私は、君と共に傷つく道を歩もう」 佐山は、強く押し付けてくる新庄の肢体の温かさを心地いいと感じ。 「小鳥遊君のこと、ゼロのこと、他のなにもかもすべて」 佐山は、分かり切っていたことを再確認する。 「私は君と、共にありたい」 佐山御言は、新庄運切の全てを、愛していると。 「ホントに?」 「ああ」 「ホントにホントに?」 「誓うとも」 じゃあ、一緒に誓おうか。 「「Tes.」」 Tes.テスタメント。我ら、誓約せり。 佐山と新庄の世界における、誓いの言葉。 「――ずっと一緒だよ、佐山君」 「――そうでなければ嫌だよ、新庄君」 熱を持った、身体のせいか。 隙間からずっと吹いていた荒風が、さっきよりも少しだけ温かく感じた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/342
343: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:12:11.55 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/343
344: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:13:21.14 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/344
345: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:13:46.93 ID:Y/IKIxWI ◇ ◇ ◇ 「……ん?」 新庄は少し、違和感を感じた。 こちらの背中を抱いている佐山の腕が、少しずつ、少しずつ、位置を変えてきているような。 「佐山君?」 何も答えない佐山の代わりに、彼の腕が片方は新庄の尻に、もう片方が回り込み新庄の胸に触れた。 最初は軽く、触れるか触れないかのちょっとした接触を繰り返し。 「…………佐山君?」 ゆっくりとした手つきで軽く掌を押し込み、変形する新庄の局部の柔らかさを確かめる。 二度三度と、少しずつ力を込めていき、その行為が「揉む」という域に達してから 「実にまロい……!」 新庄は佐山の治りかけている右手を爪を立てて強く握りしめることで、変態に対する返答とした。 「佐山君」 「ききききみは風見のようなバイオレンスガールではなかかかかかったはずだががががが」 悲鳴のような声を上げる佐山を、新庄は冷ややかな視線で射抜きながら 「今は、駄目だよ」 「ほう、君と私の睦まじきパーフェクトコミュニケーションを阻むものがどこにあると」 「ゾロさんと早く合流しないと嫌な予感もするし古城の仕掛けは全く調べてないし小鳥遊君もそろそろ起こしてあげないとだし」 佐山はふむ、と数秒間顎に手を当てて 「何も問題はないな」 「佐山君今、頭じゃないところ使って考えたでしょ」 「ははは、新庄君は私の下半身に興味がおありかねねねねね!」 再度強く握り込め、悲鳴を上げさせ、黙らせる。 あっ、この方法意外と便利かも。いつもみたいにネクタイ絞めなくても良いし。 「…………お預けかね」 本気で残念そうな無表情をする佐山を見て、溜息ひとつ。 「…………しょうがないなあ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/345
346: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:14:10.79 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/346
347: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:14:46.24 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/347
348: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:15:09.23 ID:Y/IKIxWI 新庄は目を逸らし、少し頬を上気させながら 「佐山君、跪いて」 「いつの間にそんな女王様的キャラになったのかね」 きゅっと握り、佐山が神妙に黙ったところで 「ボクと同じ高さまで来て」 佐山は新庄よりもずっと背が高い。 だから、佐山は言われたとおりに立膝となり新庄を見下ろさない高さまで下がった。 「目を閉じて」 「君と同じ目線まで来たというのに目を閉じろとは」 「は・や・く」 握られては逆らいようもない。 言われるままに目を閉じる。訪れるのはランタンの光さえ届かない完全なる暗闇。 見えないことにより鋭敏になった感覚がとらえるのは、新庄の大きくなった息遣いと早鐘を打つ心臓の鼓動だ。 「新庄君、緊張しているならば佐山式緊張緩和法を――――」 続く言葉を発しようとする唇を、塞がれる。 あたたかく、やわらかい感触が佐山を包み込んだ。 慣れていないのかたどたどしく行われる行為に対し、佐山は頭の中で一人カーニバルを行いつつ …………新庄君の方から、というのも良いな。 10秒にも満たない時間で、二人は分かたれる。 目を開けると、顔から湯気が出そうな新庄が微笑みで佐山を迎えてくれた。 「今はここまで、ね?」 恥ずかしがっているのか、新庄はそっぽを向きながら 「ゴタゴタが片付いたら続きをしてあげるから」 「続きをしてもらう、の間違いではないのかね」 「またそんなこといっ―――んむぅ!?」 こちらを見ていない新庄を隙有りと見て、佐山は彼女の顔を両手で瞬間的にホールド。 驚き戸惑っている彼女の顔もまた美しいと思いつつ、強引に唇を奪う。 むーむー唸りながら表す抗議の表情は、あえて無視。なんだろうと一回は一回だ。 新庄が正しく佐山に与えをくれるというのならば。 佐山は悪役として、新庄を奪うことでその返しとする。 ……共にあるというのは、そういうことだろう? たっぷりと一分間以上重なり続け、舐め、絡ませ、吸い上げ、送り……離した。 膝を震わせ息を荒くする新庄に対し、佐山は余裕の表情で 「続きを楽しみにしているよ、新庄君」 「はっ、はっ、はあ……さ、佐山君の変態!エロ猿!宇宙人〜!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/348
349: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:15:37.76 ID:by2ebrHv http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/349
350: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:15:44.02 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/350
351: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:16:03.11 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/351
352: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:16:15.76 ID:twYzeMpx http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/352
353: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:16:26.99 ID:Y/IKIxWI ぷっくらとほっぺたを膨らませながら、ぼこすかと背中を叩いてくる新庄運切を愛しいと感じるのは もはや後ろではなく、こちらの隣に並び立とうと歩みを早くする悪役の正逆を頼もしいと感じるのは ――――いつもどおりに、だよ。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/353
354: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:16:56.24 ID:gYKafRYn しえん http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/354
355: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:16:58.47 ID:by2ebrHv http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/355
356: 哀愛逢ドリーマーズ ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:17:44.89 ID:Y/IKIxWI 【A-2 居館一階 廊下/1日目 真夜中】 【佐山・御言@終わりのクロニクル】 [状態]:全身打撲、左腕欠損(リヴィオの左腕)、右腕の骨に皹、全て回復中 [装備]:つけかえ手ぶくろ@ドラえもん(残り使用回数2回)、獏@終わりのクロニクル、治療符@終わりのクロニクル [道具]:基本支給品一式×5(二食分の食事を消費)、S&W M29 6インチ 5/6@BLACK LAGOON、予備弾丸26/32 空気クレヨン@ドラえもん 、防災用ヘルメット、 ロープ、防火服、 カッターナイフ、黒色火薬入りの袋、 ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、双眼鏡、医薬品多数、ライター、 起源弾@Fate/Zero(残り28発)、 クチバの伝説の進化の石(炎、雷、水)@ポケットモンスターSPECIAL、 空気ピストル@ドラえもん、 メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、排撃貝@ONEPIECE、 デリンジャーの残弾20、 鉄パイプ爆弾×4、治癒符2枚@終わりのクロニクル、ジャバウォックの右腕@ARMS 、伊波の首輪、ハクオロの首輪 [思考・状況] 0:新庄君はやはり素晴らしい。 1:古城の仕掛けを調査する。 2:夢について新庄と話し合う。 3:ゼロへの対処を決める。 4:首輪を解体し、構造と機能を調べる。 5:地下を探索する。 ※小鳥遊が女装させられていた過去を知りました。 ※会場内に迷宮がある、という推測を立てています。 ※地下空間に隠し部屋がある、と推測を立てています。 ※リヴィオの腕を結合したことによって体のバランスが崩れています。 戦闘時の素早い動きに対して不安があるようです。 ※地下鉄を利用するのは危険だと考えています。 ※○の窪みに関しては、首輪は1つでいいという仮説を立てています。 ※ハクオロのデイパックの中身はまだ確認していません。 ※水銀燈に関してはヴァッシュと再合流後、検討しようと考えています ※ヴァッシュ達との合流のため、狼煙のルールを決めました。 1、使用するのは早くても日の出後。 2、地下の探索が終了し、合流の必要が生じた場合に狼煙を上げる。 3、1本の煙を確認した場合は早急にE−2駅へ、もしも駅が禁止エリアだった場合は隣のホテルへと向う。 4、2本の煙を確認した場合はその時の次の放送までに集合場所へと向かう。 【新庄・運切@終りのクロニクル】 [状態]:健康、顔に腫れもの、精神的な疲労、全身にダメージ(小) [装備]:尊秋多学園の制服、運命のスプーン@ポケットモンスターSPECIAL [道具]:支給品一式(食料二食消費、水1/5消費)、コンテンダー・カスタム@Fate/Zero コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾26/30) [思考・状況 ] 0:恥ずかしいなあもう。 1:伊波さん、ボク頑張るよ。 2:夢について佐山と話し合いたい。 3:佐山とここから脱出する。 4:ブレンヒルトについてはまだ判断できない。 5:人殺しはしない。 ※小鳥遊宗太については、彼の性癖とかは聞いています。家庭環境は聞いていません ※新庄の肉体は5:30〜6:00の間にランダムのタイミングで変化します。 変化はほぼ一瞬、霧のような物に包まれ、変化を終えます。 午前では女性から男性へ、午後は男性から女性へ変化します。 現在は女性。 ※参戦時期は三巻以降です ※まひるに秘密を話しました。次の変化のときに近くの人に話す必要は… http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/356
357: ◆GOn9rNo1ts [sage] 2012/12/13(木) 22:18:19.76 ID:Y/IKIxWI 以上で投下を終了いたします 支援してくださった方、ありがとうございました http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/357
358: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:18:48.32 ID:twYzeMpx http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/358
359: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 22:27:14.40 ID:gYKafRYn 投下乙です! うーんエロい(小学生並の感想) どちらも大事で、どちらも失いたくない。 でも傷つくことからは逃げられない、だから二人で背負おう。 いい話だったのに最後の小学生並のエロ行動で台無しである、うーんこの佐山。 ここも決意が固まって参りましたなあ…… http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/359
360: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/13(木) 23:09:52.00 ID:RWTBR0oP 投下乙です! うおお、これはあまりにも佐山、あまりにも新庄君…! 今まで余裕な顔をしつつ進む悪役、佐山の間違いを正せるのはやはり新庄君しかいない というか、佐山は道を選び取る際悩み迷いつつも決断するんだということと、その間違いを正しく間違わせるのが新庄君だということを、 互いに対であることを改めて実感した。そうだよ、この二人はこんな感じだ…! そんな凄いシリアスな流れの後にさらりとエロを行う所もこの二人だが、ちょっとマテやおいw あ、あと誤字報告です 井波→伊波 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/360
361: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/14(金) 04:54:30.92 ID:YGPgg+U1 すげえー、まじすげえ 上のほうでも言われてるけどこれなんて終わりのクロニクル 佐山が佐山で新庄くんが新庄くんで、雰囲気とか掛けあいとかいちゃらぶとかオチとかそのものすぎる! やっぱいいなあ、この二人 一人ひとりもいいんだけど、やっぱりこの二人がいいわ http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/361
362: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/14(金) 23:15:52.04 ID:Yq8sE/kI 投下乙! うおお、なんだこの二人だけの空間は……! 新庄くんの可愛さがやばいね。 獏を使っての上条さんとか詩音とか懐かしいキャラも出てきて、面白かったです。 小鳥遊と伊波の関係と対比すると、佐山と新庄くんはそりゃあ複雑な気持ちだからなぁ。 この先、この二人のどちらかが先に死んでしまったらどうなるのだろうと思った…! http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/362
363: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/15(土) 05:39:15.05 ID:LZBFTemh う〜む、なんともマロい http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/363
364: これより先怪物領域 ◆OQO8oJA5SE [sage] 2012/12/16(日) 23:36:15.65 ID:5xC48d2K 「ブオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オォォォオオオオォォォオオオオオオオオオオヲヲオオ オォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!」 怪物の絶叫が夜の静寂を引き裂く。 場所は森林。多種多様な樹木が月明かりすら遮断し、深い闇を形作る。 その場所(ステージ)でチョッパーの巨体は生い茂る木々を薙ぎ倒しながら、クレアに襲い掛かる。 その姿はまるで神話に出てくる魔獣だ。 怪物たちを統べ、人々の安寧を破壊する悪夢の象徴。 物語からそのまま出てきたような怪物に対し、クレアは冷静にオートマグの引き金を引く。 マグナム弾を食らっても巨獣は怯みもしないが、そんなことはクレアも百も承知だ。 狙いは僅かに殺がれたその勢いにある。 銃撃によってできた一瞬の隙を突いて、赤毛の男はチョッパーに肉薄する。 「――スタープラチナッ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラッ!』 スタープラチナの突き(ラッシュ)。 一撃でも常人を撲殺して有り余るほどのパワーを、連続して巨体に叩き込む。 「何ッ!?」 だが、クレアがその攻撃で得たのは手ごたえではなく困惑だった。 手になじんだあるべき感触――肉を叩き、骨を砕く感触が微塵も伝わってこない。 そしてその正体を瞬時に察知した。 厚い毛皮と分厚い筋肉。二重構造の鎧が突き(ラッシュ)の衝撃を全て殺していたのだ。 そしてその隙を逃すチョッパーではない。 「……オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」 絶叫が大気を震わせ、丸太よりも太い腕が唸りを上げてクレアを襲う。 「チッ、"時よ止まれ"ッ!」 時間停止は僅か一瞬。 その刹那にまるでサーカスの軽業師のように身を翻し、距離をとる。 空を切るチョッパーの攻撃を尻目に、空中でディバックを漁り、着地と同時に構える。 その手に握られたのはスーツケースとは名ばかりのウェポンラック。 クレアからしてみれば未来の超兵器だが、あの馬鹿げた重量の十字架に比べればまだ常識的なシロモノだ。 内蔵された兵装のうちロケットランチャーを選択し、構える。 「さぁて、これはどうだ?」 放たれたロケット弾は白煙の尾を引き、獲物を狙う。 対するチョッパーはただ腕を振い、ロケット弾を叩き落した。 だがあまりに速く振るわれた腕は爆発するより速くロケット弾を弾き飛ばした。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/364
365: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/16(日) 23:37:21.65 ID:JhFVWtxv sien http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/365
366: これより先怪物領域 ◆OQO8oJA5SE [sage] 2012/12/16(日) 23:37:52.57 ID:5xC48d2K 「――ほう。なら、これはどうだ?」 怯むことなくロケット弾を連射するクレア。 それに対してチョッパーが行ったのは先ほどと同じ圧倒的質量と速度による力任せの回避運動。 なぎ払ったロケット弾同士が偶然、ぶつかり合い、空中で爆発する。 熱と炎が空気を伝わり、彼らの肌を焼く。 だがそれもこの怪物の前では大した意味を持たない。 巨獣は爆炎を掻き分け、そのまま攻防一体の突撃を仕掛ける。 「チッ」 舌打ち一つ。迫り来る豪腕をかわす為、体を倒す。 だがクレアの想像よりもわずかに速く振るわれた腕に、肩がわずかに触れた。 たったそれだけだ。それだけなのにクレアの体は弾き飛ばされる。 圧倒的な質量差が、明確な凶器となってクレアを襲う。 「くっ……!」 体勢を崩しながらもスーツケースから放たれる徹甲弾。 胴体に炸裂――だがなんと言う耐久力だろうか。 人の体を吹き飛ばす鉄鋼弾を受けても、目の前の怪物はなお突進してきた。 この距離では時間停止しても間に合わない。 「守れ!」 とっさに出現させた幽波紋の腕を交差させ、防御体勢をとる。 スタープラチナの剛力とクレアの体術。 その二つを合わせれば怪物の拳を受け切ることなど造作もない。 相手が相手が常識内の存在であれば、だが。 そして今、クレアが相対しているのは、正真正銘の規格外のバケモノだった。 「ブオオオオオオオオオオオォォォォオオオオオオオオオ……!」 汽笛のような嘶きと共にクレアの予想を超えた超スピードで腕が振るわれる。 「ガッ……!?」 ダメージを受け流すタイミングを完全に外された。 超人技とも言うべきクレアの技量すら無効化するほどの圧倒的なパワーとスピード。 真正面から振るわれた腕はクロスガードを易々と貫通し、凄まじい衝撃をクレアの体内に叩き込む。 有り余るエネルギーはそれだけに留まらず、まるでクレアの体はゴミのように吹き飛ばされる。 そしてそのまま生い茂る木々に叩き付けられた。 「カ、ハッ」 肺から無理やり空気が搾り出される。 一瞬形飛んだ意識を回復させた次の瞬間、クレアが目にしたのは迫りくる魔獣の爪。 鉄の味がする液体を口から吐き出しながら、迫る追撃を危ういところでかわす。 だが追撃は終わらない。チョッパーの腕が連続して振るわれる。 嵐のような猛攻を紙一重のところでかわしながら、クレアは思う。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/366
367: 創る名無しに見る名無し [sage] 2012/12/16(日) 23:38:40.73 ID:JhFVWtxv sien http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282220879/367
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