[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ12 (761レス)
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132: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:44 ID:QK0Fc52O(7/14) AAS
つまり、首輪を解体しようとしても死には至らない。
ペナルティはその程度だという事は、参加者の死が目的ではないということだ。
螺旋王による任意の遠隔爆破の可能性も低いだろう。
……あらためて自分の首輪のネジを触ってみれば、首輪本体から僅かに浮いているのが確認できる。
これから分かるのは、自分は何らかの手段を持ってして、僅かながらネジを動かすことができたのだ。
しかし、どれだけ強くいじってもそれ以上動く気配はない。

(これは要するに、条件さえ満たせば首輪を解除できるということか)
省21
133: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:45 ID:QK0Fc52O(8/14) AAS
判明したのは、少なくとも今の自分に螺旋力はないということだ。
先刻の自分は何を得たのか、それが思い出せないのが悔やまれる。
ネジを回し続ければ再度螺旋力を得られるかもしれないが、同様の結果になる可能性があるなら同じ事を繰り返しても意味がない。
むしろ、他の螺旋力を得た人間に接触すべきだろう。
放送で既に螺旋力に目覚めた人間がいるのは判明しているのだ。

そうして得た結論からは、ある疑問が必然的に浮かび上がってくる。
「螺旋力とは何か、それが問題になる」
省26
134: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:45 ID:QK0Fc52O(9/14) AAS
……そして、この行為にはもう一つ目的があった。
病院内の劇物毒物、各種危険物の回収である。
知識のあるものが使えばあまりにも危険なそれを、ゲームに乗っている人間に渡す訳にはいかないと判断しての事だ。
病院の薬物は学校の理科室などとは比べ物にならないほど危険な物質が存在するのは自明である。
……だが、この病院には、それさえも甘く感じられるほどの危険物が用意されていたのだ。
そう、殺人ゲームに使用されることを前提とした、兵器群が。

毒ガス。貧者の核兵器。
省32
135: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:46 ID:QK0Fc52O(10/14) AAS
「……ジンか?」

がちゃり、と音がしてノブが回る。
開いた隙間から入ってきたのは、以前一度見たことのある顔だった。
その表情は一瞬驚愕に包まれたのち、即座に警戒へと切り替わる。
中々修羅場をくぐってきているようだ。

「……お前は……」
「フフ……久々、といった所か。前の時は挨拶もしなかったけどね」
省41
136: 2008/02/21(木)21:47 ID:e3KM60A2(1) AAS

137: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:47 ID:QK0Fc52O(11/14) AAS
……そのことを喋るべきか、否か。
相手の性格を考える。
目の前の男は、ゲームに乗っている。
少なくとも、数時間前まではゲームに乗っていたことは確かだ。
首輪の解除が目的ならば、解除条件を教えさえすれば殺戮をやめるか?

その可能性は低くはない。だが、高い訳でもないのだ。
例えば、目の前の男が殺人鬼だとしたらどうだろう。
省26
138: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:48 ID:QK0Fc52O(12/14) AAS
清麿はバッグの中に意識を移す。
内部にはイングラムに加え、先刻手に入れた各種薬物劇物が存在する。
だが、この間合いではそれらを使うのは難しいだろう。
せいぜいが強酸を相手にぶちまけるくらいだ。
そもそもが、ジンの車に生身で攻撃を仕掛け、ラッドの銃撃をかわすような相手。
……まともにやりあっても勝てるとは思えない。
頼りになりそうなのは、先ほど手に入れた手術用のメス十数本。
省30
139: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:49 ID:QK0Fc52O(13/14) AAS
――――どう足掻こうが、自分の負ける要素はない。
シンヤは思う。
目の前の男が、ここまで強情とは思わなかった。
考察のメモを見る限り、相当頭の回転は速いようなので使い道があるかと思ったのだが。
……モロトフという前例のおかげで、自分の言ったことの意味も分かっているようだ。
そして間違いなく、自分に怯えている。
なのに膝を屈さないのは何故か。
省31
140: 2008/02/21(木)21:49 ID:R+i8AK0U(1/12) AAS
 
141: The Incarnation of Devil(前編) ◆wYjszMXgAo 2008/02/21(木)21:50 ID:QK0Fc52O(14/14) AAS
同時、口と肩口から同時に血が吹き出てくる。
喉の奥から何か小さな塊がせり上がってくる。砕けた肺の小片だ。
右手のあった方を見る。
臓器の一部と骨が露出し、足下から数歩のところにテッククリスタルを握ったままの自分の右肘から先が落っこちている。

「あ……」

拾わなければいけない。
ぼやける頭でそんな悠長なことを思った瞬間、背後から耳に聞き覚えのある声が届いてきた。
省6
142: 2008/02/21(木)21:50 ID:R+i8AK0U(2/12) AAS
  
143: 2008/02/21(木)22:12 ID:f+r0Kj/v(1) AAS

144: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:29 ID:R+i8AK0U(3/12) AAS
「……ら、ラッド!?」

突然の闖入に、清麿は驚く。
全く予想しない事態。
いきなり目の前の男の腕が吹っ飛んだかと思うと、ラッドが一連の流れに割り込んできたのだ。
清麿でもどうすればいいのか、先の展開が全く読めなかった。
慌てる清麿に、しかしラッドは落ち着いて清麿に行動を示す。

「……さっさと行って隠れてろ、キヨマロ。
省41
145: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:31 ID:R+i8AK0U(4/12) AAS
……不運なのは、ラッドがモロトフの変身を見たことで、テッククリスタルの作用を警戒していたこと。
そして、鴇羽舞衣操るソルテッカマンとの対峙により、テッカマンの危険性を多少なりとも体験していたことだ。
故に、先刻も真っ先にクリスタルを持つ右手を狙い、今も最初からクリスタルを手にさせないことを念頭に行動し続けている。
……この状況となるに至って。不運は他にも多々ある。
ラッドが超電導ライフルを手に入れたこと。
既に一戦をこなしたことで、ラッドがシンヤに殺意を抱いていたこと。
明智とねねねとの接触により、ラッドがシンヤの情報を得ていたこと。
省17
146: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:33 ID:R+i8AK0U(5/12) AAS
――――アッパーカット。

アゴに引っ掛けるように打ち出されたそれは、単純ながらいかなる防御も無視して脳を直接揺らすことを可能とする。
シンヤの首が、ごきり、と嫌な音を立てて天を向く。
先の戦闘で噛み合わせの悪くなった口が下から打ち付けられ、歯肉からは再度出血し始めた。

「がは……っ!」

……脳震盪。
衝撃が頭蓋を通り抜け、豆腐のような中身をぐるんぐるんと揺らしてゆく。
省31
147: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:36 ID:R+i8AK0U(6/12) AAS
「……へ、残念賞だったなぁ」
「……ッ!」

確かに胴体に当たった。
当たったが、……しかし、その効果の程は期待には到底満たないものだった。
良くても肋骨を1、2本叩き折ったのみ。
ラッドの余裕の残る表情を見るに、それすら大した効果はないだろう。

ラッドは回し蹴りを放った瞬間、シンヤの右側面に飛び込んできたのだ。
省35
148: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:39 ID:R+i8AK0U(7/12) AAS
「……すげえな。まだ立ち上がれんのか、ありえねえだろ」

ラッドは心底感嘆する。
いくら強化された人間とは言え、あそこまで打撃を叩き込まれてもなお立ち上がれる身体能力にもそうだが……、
それ以上に、それだけの苦痛を受けてもなお立ち上がれるその精神力に。
痛覚というのは身体の異常を感知するシグナルであり、改造されてもそれを消すような処置はおそらくされていないだろう。
にもかかわらず、シンヤはいまだ立ち上がり、少しも覇気は衰えない。
それは彼の信念の強さによるものなのか。
省33
149: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:41 ID:R+i8AK0U(8/12) AAS
相羽シンヤは、耐えられなかった。自分の根底にあるものを守る為に。
兄という絶対不可侵の像。それを汚されない為に。
それは、形こそ歪だったにせよ、確かに兄への愛情だった。
だからこそふらつく足で、一心不乱に拳を握る。
目の前の男に拳を届かせられる為に、負傷も武術も忘れてただただ一直線に突き進む。

こうして、幕引きが訪れる。
不意に、目の前の白服の男がシンヤの視界から消えた。
省7
150: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:43 ID:R+i8AK0U(9/12) AAS
◇ ◇ ◇

高嶺清麿はエントランスにいた。
ここならば見渡しもよく、また、逃げる際にもいくつか方向が考えられるからだ。
隠れる場所も複数ある。
幾つも並ぶ長椅子の一つに腰を落ち着け、清麿は思考に沈み込む。

「……あれで、正しかったんだろうか」
ラッドを止めるべきではなかったか。
省32
151: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:45 ID:R+i8AK0U(10/12) AAS
「……なるほど、映画館にそんな集団がいるのか。確かに合流したい所ではあるけど……」
「そういうこったな。ま、とりあえずどうするかはお前に任せるぜ?」

ラッドの話を吟味する。
螺旋王に対抗する集団。それが本当なら、自分の考察は役に立てるはずだ。
……ラッドが騙されているか、もしくは自分を騙そうとしていない限り。
だが、その可能性は低いと見ていい。
まず、このゲームに乗る限りにおいては、大集団はメリットは少ない。
省30
152: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:47 ID:R+i8AK0U(11/12) AAS
「……そうそうキヨマロ。さっき、少し気になるモン見つけたんだがよ。
 少し付き合ってくれや」
「……?」
言って、ラッドは身を翻す。
どういう意図かは分からないが、どうやらついていった方がいいだろう。
これからどうするかを考えながら、清麿はラッドの向かう方向へと歩いていく。

「……ああ、それと、一つ聞いときたいんだがよ」
省39
153: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)22:49 ID:R+i8AK0U(12/12) AAS
――――相羽シンヤは、目を覚ました。
ラダムのテッカマンとして強化された身体能力は、あれほどの打撃を受けてさえ、なお生命活動を停止する事はなかったのだ。
ずきり、という痛みと共に、右腕にとてつもない喪失感を感じる。
右目も開かず、声もかすれている。
……それでもなお、彼は未だ生き続けていた。

左腕一本でどうにか体を起こす。
辺りを見れば、すでにあの白服の男はいなかった。
省35
154: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:12 ID:yCyjQggJ(1/6) AAS
「……おーい、どうしたよ? つかの間の安息は楽しめたか?
 嬉しかったか? 悔しかったか? 悲しかったか? 怒ったか? 楽しかったか? 苦しかったか?
 まあ、何にせよ、……だ!」

ぐりぐりと、冷たい鉄の筒の先端が押し付けられる。
それが何かはいうまでもない。

「……畜生」

「お前は絶対にこう考えたはずだ!!
省12
155: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:13 ID:yCyjQggJ(2/6) AAS
そして悟る。自分がこの後どうなるか、を。
最早悔しさも怒りもない。プライドすら原形をとどめていない。
……思い浮かぶのは、自分の近くにいた人々の事だけ。

「……畜生、ゆたか……俺は……ッ!」

「ああ安心しろや、ここにいた嬢ちゃんは俺の仲間が面倒を見ているからなあ!
 テメエみたいなイカレたバケモノと行動できるくらい肝が据わってんなら上出来だ、
 殺すつもりはねえからよぉ!!
省19
156: 2008/02/21(木)23:14 ID:CzEbo2VH(1) AAS
削除依頼済
157: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:14 ID:yCyjQggJ(3/6) AAS
【D-6・総合病院入院病棟/一日目/夜】
【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:ハイテンション、疲労(小)、左肋骨2本骨折、両拳に裂傷(戦闘には問題なし)、螺旋力増大中?
[装備]:超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾3/5)
[道具]:支給品一式×2(一食分消費)、ファイティングナイフ、フラップター@天空の城ラピュタ テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード、ニードルガン(残弾10/10)@コードギアス 反逆のルルーシュ 、首輪(シンヤ)、首輪(パズー)
[思考]
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
省11
158: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:15 ID:yCyjQggJ(4/6) AAS
◇ ◇ ◇

「……どうするかな、本当」
清麿は思い切り溜息をつき、愚痴を吐く。
これからの行動についてもあるが、今何よりの悩みの種になっているのは別のものだった。
その、問題そのもののほうに目を向ける。

「……ん……、おねえ、ちゃん……」

自分の背にいるのは名前も知らない少女。
省26
159: とりあえず過去ログ1から 2008/02/21(木)23:15 ID:UigDJ+Sa(1/6) AAS
AA省
160
(1): The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:15 ID:yCyjQggJ(5/6) AAS
AA省
161: とりあえず過去ログ2 2008/02/21(木)23:16 ID:UigDJ+Sa(2/6) AAS
207 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/12/17(月) 23:13:41 ID:si8yiggO
死んでも生き返ってはいけないというルールはないから
死んだら別フィールドににぶっ飛ばせばいいんじゃね

>>192 の世界で死んだら、>>203の世界に転生とか

208 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/12/17(月) 23:29:12 ID:YXM1jlhX
糸色望はA世界のバトルロワイアルに参加決定しますた
僕達は殺し合いをすると、3回書かされました
省14
162: 2008/02/21(木)23:16 ID:UigDJ+Sa(3/6) AAS
>>160
お前邪魔
いい加減にしろ
163: The Incarnation of Devil(後編)代理投下 2008/02/21(木)23:16 ID:yCyjQggJ(6/6) AAS
◇ ◇ ◇

暗い、暗い闇の中。
生ける者は立ち去り、何一つ動くものの無くなった空間に、蠢く影が一つ現れる。
部屋の真ん中で倒れている頭と右腕のない死体から這い出てきた“彼”は、白い拳大の蟲のような姿形をしていた。

――――“彼”は考える。
新たなる宿主を得る必要があると。
――――“彼”は確認する。
省28
164: 過去ログ議論3 2008/02/21(木)23:17 ID:UigDJ+Sa(4/6) AAS
232 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/12/20(木) 00:20:37 ID:FAwql9YC
たとえばね
                                                   
キャラが増えれば増えるほどいいというんだったら
キャラ数の上限は無いほうがいい
                                                  
ということで、>>208のような形で死んでも復活できるようにして軍団制で戦う
省3
165
(2): 過去ログ議論4 2008/02/21(木)23:17 ID:UigDJ+Sa(5/6) AAS
84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/12/16(日) 19:13:24 ID:BgC9eCX7
あ、言い換えると

「パロロワ」というのをしたらばの団体で規格かなんか勝手に作ったのかもしれないけど
うち等2ch側にはなんの関係が無いという事です。

したらばの推奨する「パロロワ」だけが「バトロワ」じゃないの

85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/12/16(日) 19:17:47 ID:mVqbNKNE
バトロワに復活してはいけないなんてルールは無い
省2
166: 2008/02/21(木)23:18 ID:UigDJ+Sa(6/6) AAS
まあこんな感じでやってますが
代理投下とかは違法だから削除依頼しておいてください
167: 2008/02/21(木)23:19 ID:N9CyI5Sz(2/2) AAS
>>165
ああ、ひっぱり出せたか


168: 2008/02/21(木)23:32 ID:C1TiNmBQ(1) AAS
したらばさん
コピペはアウトだっていったでしょ
169
(1): 2008/02/21(木)23:49 ID:Mn8N5w6g(1) AAS
>>165
無駄なあがき乙wwwww
170: 2008/02/21(木)23:50 ID:I1yD6+oV(4/4) AAS
>>169

帰れ荒らし
171: あなたに贈る物語 1/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/21(木)23:58 ID:DiOuL6oB(1/4) AAS
螺旋王が実験を執り行う為に用意した何処かの世界、何処かの時代、何処かの街。
正方形に切り取られ、等しい升目で句切られた殺戮の遊戯盤――その、中央に近い位置にそれはある。
物語を銀板に跳ね返すことで見る者に伝える装置。切り取られた四角の中に世界を覗かせてくれる魔法。
決して越えることの出来ない境界線を跨いで、それぞれに夢想を垣間見せる鏡。

摩訶不思議の箱――映画館が其処にある。

 ◆ ◆ ◆

薄い色の絨毯が敷かれた広いロビー。
省26
172: あなたに贈る物語 2/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/21(木)23:59 ID:DiOuL6oB(2/4) AAS
すでに身体を半分乗り出していたねねねを再度明智は手で制す。
発言内容は投げやりであったが、しかし表情は冷徹な知性を湛えたままだった。

「私だけでは……と言ったでしょう。
 3人寄らば文殊の知恵――その通りですよ。あなた達には私と同じ立場に立って協力してもらいたい。
 だから、今話すのです」

不可解な発言に説明を要求する二人に、明知は自身の中だけで密かに進めていた考察を披露した。
それは彼の脳内に蓄積されている大量の犯罪者データから導き出された、螺旋王に対するプロファイリングの結果。
省25
173: あなたに贈る物語 3/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:00 ID:DiOuL6oB(3/4) AAS
――それはと、明智が螺旋王に課せられた自分達の役割。そして、その中に潜む逆転の芽。それを語ろうとした時。
その発言は、何時の間にか迫っていた定時放送――螺旋王の声により遮られた。

『人間とは面白いな』

そんな、まるで自身が天上の神であるかの様な言い回しから始まったそれに、3人は慌てて紙とペンを手に取る。
またしてもつぎ足されるであろう死者の名前を前に、言いようの無い緊張が高まりペンを持つ手に力を込めさせた。

『人の身に刻まれた二重螺旋の為せる技、か――』

前置きの中で語られるそれに、3人は反応する。
省11
174: 2008/02/22(金)00:02 ID:jzumMPCe(1) AAS

175: あなたに贈る物語 4/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:02 ID:DiOuL6oB(4/4) AAS
 ◆ ◆ ◆

西には熟した果実の様に真っ赤な太陽。そして、それに押し出されて長く伸びる影が向うのは夜を目前とした蒼い空。
薄く白い姿を現し始めた月の下。映画館の中の3人と同じく、外に一人残ったイリアも放送を聞いていた。

「(ランサーが消滅……そうか、それで)」

それで、聖杯のシステムが反応したのかと、ランサーの死を知ったイリアは納得した。
そして何故彼が本来の名前でなく、サーヴァントのクラス名で呼ばれているのかも同時に納得する。

「(でも、だとしたら随分中途半端だわ……?)」
省24
176: 2008/02/22(金)00:03 ID:lPD5mFeE(1/2) AAS
sienn
177: 2008/02/22(金)00:03 ID:OyivQgw4(11/12) AAS

178: 2008/02/22(金)00:03 ID:E7M5RVEp(1) AAS
支援
179: 2008/02/22(金)00:04 ID:0rwIbBxP(1) AAS
チャットより支援
180: 2008/02/22(金)00:04 ID:lPD5mFeE(2/2) AAS
sienny
181: 2008/02/22(金)00:04 ID:OyivQgw4(12/12) AAS

182: 2008/02/22(金)00:04 ID:rPlS2XxO(1/11) AAS
 
183: あなたに贈る物語 5/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:04 ID:IoHMEHZh(1/20) AAS
 ◆ ◆ ◆

「さて……と、スーパーかコンビニ。それともレストランか……?」

夜を迎える寸前の茜色と紫が混じった風景の中に立ち士郎は思案する。
映画館を基点に、南の総合病院-デパート方面。そして、南西の駅の方までは繁華街が続いている。
言葉で上げた以外にも、食材を得られる場所は多くあるだろう。
だがしかし、あくまでちょっと食材を調達しに行く……というだけである。選好みをしている内に、誰かに襲われてしまっては本末転倒だ。
ある程度、幅広い種類の食材が得られるならそれでいい――と、士郎はその足を進め始めた。
省33
184: 2008/02/22(金)00:04 ID:lgYS1yI7(1/11) BE AAS

185: 2008/02/22(金)00:04 ID:rPlS2XxO(2/11) AAS

186: 2008/02/22(金)00:05 ID:dQeb3OGZ(1/5) AAS

187: 2008/02/22(金)00:05 ID:lgYS1yI7(2/11) BE AAS

188: 2008/02/22(金)00:05 ID:46jol+YE(1/9) AAS
レフリー支援
189: 2008/02/22(金)00:05 ID:whYyNtt5(1/5) AAS
 
190: 2008/02/22(金)00:05 ID:C+yfwMdf(1) AAS
しえーんっ(ノ)・ω・(ヾ)
191: 2008/02/22(金)00:05 ID:lgYS1yI7(3/11) BE AAS

192: 2008/02/22(金)00:05 ID:g5UXHqbC(1/4) AAS

193: 2008/02/22(金)00:06 ID:oEqzSGkI(1/5) AAS
風来のSIEN
194: 2008/02/22(金)00:06 ID:lgYS1yI7(4/11) AAS

195: 2008/02/22(金)00:06 ID:rPlS2XxO(3/11) AAS
  
196: あなたに贈る物語 6/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:06 ID:IoHMEHZh(2/20) AAS
 ◆ ◆ ◆

広くはあるが、空調によりその温度を暖かく均一に整えられたロビー。だが、その端にあるレストルームの中は冷え込んでいた。
青いタイルの敷かれた内装。空調が届かないというだけでなく、その雰囲気が其処を冷ややかに感じさせるというのもあった。
だが、今この女性用レストルームの中が寒々しいのは、そういう理由のせいではなく――、

「……あぁぁぁぁああぁぁっ! うっ、うわぁあああぁああぁぁぁあん!」

――万遍なく響き渡る大きな泣き声のせいであった。
泣いているのは、菫川ねねね。声を張り上げ、嗚咽を漏らし、誰に憚ることなく、まるで幼児の様に泣いている。
省33
197: 2008/02/22(金)00:06 ID:46jol+YE(2/9) AAS
G支援
198: 2008/02/22(金)00:07 ID:rPlS2XxO(4/11) AAS

199: 2008/02/22(金)00:07 ID:lgYS1yI7(5/11) AAS

200: あなたに贈る物語 7/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:07 ID:IoHMEHZh(3/20) AAS
 ◆ ◆ ◆

独りきりとなったロビーの中、明智はいつかの様にどこかで聞いているはずの螺旋王に語りかけていた。

「これが……、これも含めて全てがあなたの計算通りなのでしょう。
 ならば、私はあえてそれに乗ります。あなたの期待通りに……、そしてあなたの期待を僅かにでも上回ってみせる。
 それが私の――明智健吾から螺旋王への挑戦です」

フ……と、些か自嘲気味に笑うと明智はその身を再び椅子の上へと収めた。
この螺旋王の実験。結末までは予測できなくとも、すでにルールは全て理解している。と、明智は確信している。
省21
201: 2008/02/22(金)00:07 ID:oEqzSGkI(2/5) AAS
SIENするのに理由が居る階?
202: 2008/02/22(金)00:07 ID:46jol+YE(3/9) AAS
絶望支援
203: あなたに贈る物語 8/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:08 ID:IoHMEHZh(4/20) AAS
 ◆ ◆ ◆

陶器のタイルを叩く小さな足音。
それが入ってくると同時に、まるで目覚まし時計の様だった一つの箱は鳴り止んだ。

「ネネネー? 大丈夫……?」

まるで自分より幼い子供に向ける様に、イリアは声をかける。
もうすでに泣き声はやんでいるが、迷子の子供の様なそれは入ってくる前から聞こえていたからだ。

「………………うん、大丈夫。……ごめんねイリア。偉そうなこと言ってたのに、この様で」
省18
204: 2008/02/22(金)00:08 ID:lgYS1yI7(6/11) AAS

205: 2008/02/22(金)00:08 ID:oEqzSGkI(3/5) AAS
SIENNjきゃああああああああ
206: 2008/02/22(金)00:08 ID:whYyNtt5(2/5) AAS
 
207: 2008/02/22(金)00:08 ID:OpiEPNQD(1/4) AAS
 
208
(1): あなたに贈る物語 9/14  ◆AZWNjKqIBQ 2008/02/22(金)00:08 ID:IoHMEHZh(5/20) AAS
 ◆ ◆ ◆

明智に、託された仕事を終えたことを告げイリアは再び映画館の外へと出てきた。
真っ赤だった太陽はもうほとんど消えて、わずかに空の端っこに紫色が残るのみ。空気も冷え始めていた。
しかし、其処こそが相応しい舞台だと言わんばかりに、新雪の髪を持った少女は踊る。

「マッハキャリバーも寂しいよね」

本来の主人を失った車輪の従者にイリアは囁きかける。

「ねねねも……。そして、シロウがいなくなったら私も同じになっちゃう。きっと、私がいなくなっても……」
省26
209: 2008/02/22(金)00:09 ID:46jol+YE(4/9) AAS
支援、それが俺の名だ
210: 2008/02/22(金)00:09 ID:rPlS2XxO(5/11) AAS
  
211: 2008/02/22(金)00:09 ID:whYyNtt5(3/5) AAS
 
212: 2008/02/22(金)00:09 ID:46jol+YE(5/9) AAS
しえーん
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