[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ10 (447レス)
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46: 絶望の器 1/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:42 ID:mgHfAtT2(1/11) AAS
――思う存分に闘争を続けるが良い。
そう締めくくると、螺旋王は実験の参加者達に向けた2度目の定時連絡を終えた。
それは、実験の舞台となっている街の隅々にまで等しく響き渡る。
頂上に登った太陽に照らされじわりじわりと熱を蓄える路上にも、逆に陽を遮り薄く冷ややかな影で満たされる森の中にも。
そして、山の中腹にひっそりと佇む寂れた温泉宿。その中で身を潜める者達の上にも等しく響き渡っていた。
◆ ◆ ◆
天井から釣り下がり、時折思い出したかのように細かく明滅を繰り返す蛍光灯の黄ばんだ明かりの下。
省20
47: 絶望の器 2/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:44 ID:mgHfAtT2(2/11) AAS
◆ ◆ ◆
ゼロを見送るとカレンは大きく息を吐いた。やはり彼は大きく心を痛め、悩んでいると……。
「……………………」
確かに今の状況は、はっきり悪いと断ぜざるを得ない。
螺旋王と名乗る輩によって殺し合いの幕が上げられてより、たった半日で25人――割合にして丁度3割ほどの人間が命を失っている。
事がこのまま推移すれば、再び半日が過ぎる頃には生き残りは半分にも満たなくなっているだろう。
そうなれば、反ロージェノム思想を持った人間を集めることも難くなり、黒の騎士団に十分な力を持たせることも叶わなくなってしまう……。
省22
48: 絶望の器 3/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:45 ID:mgHfAtT2(3/11) AAS
◆ ◆ ◆
「(……なんで、俺が男の裸なんか目に焼き付けなくっちゃならないんだ?)」
読子の頼れるパートナーであり、宇宙を駆け賞金首を狩るカウボーイであるスパイクは大きく溜息をついた。
今、彼は読子の元を離れ部屋から一人抜け出したゼロを見張っていた。
その場所は、先程まで自分達が浸かっていた露天風呂の中である。
「(クソッ! こんなことなら、向こう側を見張るべきだったな)」
異能には異能で……という読子の主張と、一対一なら万が一の場合でも対処しきれるだろうという目算の元、
省23
50: 絶望の器 4/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:47 ID:mgHfAtT2(4/11) AAS
――丁度いいだろう?
黒い面に映った自分がそんなことを言った様に糸色望は感じた。
反ロージェノムを目論む黒の騎士団。その首領格である「ゼロ」という立場。復讐を為すと言うならそれは丁度よいだろうと。
鞄の中から見つけ出した仮面を、まるでそうするのが当たり前の様に被ったのもまた運命だったのだろうと。
「命を運ぶと書いて運命ですか。それじゃあまるで死神の仕事の様ですね」
糸色望は仮面の中で薄く笑うもう一人の自分に湯を浴びせ追い払う。
「……そんなの御免です。私向きじゃあないですよ」
省27
51: 絶望の器 5/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:49 ID:mgHfAtT2(5/11) AAS
全てを打ち砕くハンマーの様に打ち出されたスカーの拳が空を切り、そこにあった空気を破裂させる。
そしてそれと同時に、スパイクの地を舐めるような位置から繰り出された弧を描く蹴りがスカーの頭を刈り取った。
だが、手応えに会心のそれを感じ取れなかったスパイクは、勢いのままに身体を回転させ大きくその場を離れる。
そしてスパイクの読み通り、彼が前の一瞬にまでいた場所を再び轟と音を立てて大きな拳が通り過ぎた。
交差した二人が離れそれから一間。飛ばされたスカーのサングラスが温泉に飛び込み水音を立てた。
それを機に、今度はタンッと床を蹴りスパイクより間を詰める。フェイントの左裏拳から本命の右直突き――。だが……、
「(――強い!)」
省26
54: 絶望の器 6/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:51 ID:mgHfAtT2(6/11) AAS
◆ ◆ ◆
「……………………」
合流したスパイク達よりいくらか離れた暗がりの中で、彼らの気配を探りつつスカーは自身の右腕を見ていた。
破壊の練成陣が刻み込まれたそこに残された痣。それを見て、先程の女が使った能力を推測する。
「(…………紙か)」
構成物質の解析によって得られた感触によると、腕に巻かれたあれはただの紙以外の何物でもなかった。
だがしかし、ただ紙を練成しただけではあの様に硬度が増すなどということはない。それに練成反応もなかった。
省23
57: 絶望の器 7/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:53 ID:mgHfAtT2(7/11) AAS
◆ ◆ ◆
破壊の力によって一瞬で開けた壁の向う。
スカーの目の前に最初に飛び込んできたのは、例の女より放たれる紙の紐だった。
それを破壊の力を発揮した右手であしらいながら、部屋の中へ視線を走らせる。
こちら側から見て部屋の奥にいる例の女は後回し。
床に転がっている先程の男ともう一人の子供もいつだって殺せる。
黒仮面を被った男が戦う術を持っていないのももう確認済みだ。
省22
60: 絶望の器 8/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:54 ID:mgHfAtT2(8/11) AAS
◆ ◆ ◆
「……遺言を、残します」
それが、糸色望が辿った人生の最後の場面だった。
血濡れの彼を抱き支え、嘆き涙を流す少女をなだめ最後の言葉を紡ぐ。偽りでも希望を持てるよう……。
可符香さんならこう言うでしょう……。
――ホワイトライ(優しい嘘)ですよ。先生。
省22
61: 絶望の器 9/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:56 ID:mgHfAtT2(9/11) AAS
木漏れ日の中を土と枯葉をザクザクと踏みしめながら、先を急ぐ黒の騎士団の姿があった。
先頭を行くのは、赤く泣きはらした眼に新しく強い意志を宿したカレン・シュタットフェルト。
カレンは、山の中で歩きやすい場所を探しながら黙々と歩を進める。
その頭の中にあるのは、先刻「先代」ゼロより聞かされた衝撃的な真実。
ひどく驚かされたが、ここで初めて出会った時のゼロの態度といい、ルルーシュの突飛な行動といい、
思い返せば合点のいくことばかりであった。
カレンは脇に抱えるゼロの仮面を強くだきしめ亡くなったゼロに誓う。
省30
63: 絶望の器 10/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)14:57 ID:mgHfAtT2(10/11) AAS
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:精神的疲労(大)、気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:何を代償にしても生き残る。
0:……………………(気絶中)
省27
66: 絶望の器 11/11 ◆AZWNjKqIBQ 2007/12/16(日)15:11 ID:mgHfAtT2(11/11) AAS
……と、本気を出したスカーの耳に何かざわめきの様な音が聞こえ始めた。
それはスカーの全周を覆い、少しずつその大きさを増し、増してくる度にスカーの緊張を煽る。
そして彼は波打ち始めた壁や天井を見て悟った。すでに自分が死地にいることを。白鯨の腹の中に取り込まれていることを……。
「ペー……パー……――!」
その部屋は、すでに壁も天井も何もかもが掻き集められた紙によって造られた彼女の空間だったのだ。
その世界の主が侵入者に眼差しを据えると同時に、紙のざわめきは主人の発言を妨げぬようにかピタリとやんだ。
そして、その静寂の中で彼女は激しい怒りを込めて侵入者に死刑宣告を叩きつける。
省32
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