[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3 (397レス)
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96: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:22 ID:KUomEtCd(2/10) AAS
それは、たとえチームがばらばらになった状況であったとしても変わらないはずだった。
名簿で仲間の存在は確認していたのだから、私は彼女達と合流を目指すなり、情報の収集に努めるなり、自分で何かしら考え行動を起こすべきではなかったのか。
いや、なかったのかどころではない。当然そうするべきだったのだ。
たとえこの場にいるのが自分一人だけだったとしても、これだけの規模の次元犯罪に巻き込まれて何もしないなどというのは、機動六課以前に時空管理局の職員として、決して許されることではない。

ところがさっきまでの私といったらなんだ。
状況を把握しようともせずただ恐い恐いと、犬のように震えていただけではないか。
省7
97: 2007/09/29(土)22:24 ID:dfsTw/0H(10/12) AAS
 
98: 2007/09/29(土)22:24 ID:LrQXMS1F(1) AAS

99: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:25 ID:KUomEtCd(3/10) AAS
私は走る気力も無くし、夢遊病者みたいにぼんやりと、廃墟同然に静まり返った街の中を歩いていた。
どこをどう走ったのかは覚えていない。
たださっきよりは空がうす明るくなっているところを見ると、それなりの時間がたってはいるのだろう。
体に付着したキャロの血は、とっくに乾いている。
だが、衣服の奥底に染み込んだそれは、湿り気を帯びていたときよりも一層べっとりと全身にとまとわり付いてくるように感じられた。

キャロは良い子だった。隊の仲間としても。友人としても。
省12
100: 2007/09/29(土)22:25 ID:XhwLiHcc(1) AAS
 
101: 2007/09/29(土)22:26 ID:KZpC5T0H(2/2) AAS
 
102: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:26 ID:KUomEtCd(4/10) AAS
「うごか、ないで」
シアターらしき建物から出てきた男に向かって、私は銃を向けた。
いきなり銃を向けなくても良かったのかもしれないが、相手が凶悪な人物であった場合今の私では対処しきる自信がなかった。
ただ、そのときの私がそのような冷静な判断の下で行動できていたとは考えづらいように思う。
自分以外の人間に出会ったことが無性に恐くなってなんとなく銃を向けた、というのが正直なところかもしれない。
男は静かにデイパックを地面に置いて両手を頭の後ろに組んだ。
省10
103: 2007/09/29(土)22:27 ID:JDbfrFEL(4/12) AAS

104: 2007/09/29(土)22:28 ID:JDbfrFEL(5/12) AAS

105: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:28 ID:KUomEtCd(5/10) AAS
そこで私は男に押し倒された。
「落ち着けっ!暴発するぞ!」
私の銃を掴んで叫ぶ。
私はその顔を、それこそ馬鹿みたいにぼうっと見つめていた。
「とにかく、手を放せ」
男が私から銃をむしりとろうとし、私は反射的にそれに抵抗する。
省14
106: 2007/09/29(土)22:29 ID:dfsTw/0H(11/12) AAS
 
107: 2007/09/29(土)22:29 ID:JDbfrFEL(6/12) AAS
ごめんなさいsage忘れました。
108: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:30 ID:KUomEtCd(6/10) AAS
瞳孔の開ききった目で男の掲げる銃を見つめる。
私の銃。

歯ががちがち鳴る。
キャロを殺した銃。

涙が頬を伝わり落ちる。
キャロを殺した私の銃。
省6
109: 2007/09/29(土)22:31 ID:dfsTw/0H(12/12) AAS
 
110: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:31 ID:KUomEtCd(7/10) AAS
AA省
111: ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:33 ID:KUomEtCd(8/10) AAS
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
112: 没OP案 2007/09/29(土)22:49 ID:bUEW/eZC(1/7) AAS
 闇が広がっている。
 漆黒の闇だ。

 俺は闇が好きだ。
 闇は、自分を、自分の過去を、自分の宿命を、全て飲み込んでくれる。
 闇の中に生きる俺に、闇だけが俺に安息を提供してくれた。

 俺は、まどろみの中、夢と現の境を漂っているのだと思っていた。
 その声を聞くまでは。
省34
113: 没OP案 2007/09/29(土)22:51 ID:bUEW/eZC(2/7) AAS
「!?」
 意味不明で不穏な、だが有無を言わせぬその宣言が部屋中に木霊する。
 周囲の混乱がピークに達してゆく。
 そしてその混乱をさらに助長するかのように、螺旋王の言葉は続く。
「私は優秀な個体、優秀な螺旋遺伝子を求めている。
これは言わばそのための実験。お前達は、それを見定める上でのモルモットだ。
手段は問わん。貴様らの中から、最も優秀な一人を選び出せ。
省39
114: 没OP案 2007/09/29(土)22:52 ID:bUEW/eZC(3/7) AAS
 ランスの絶叫と共に、凄まじいまでの爆音と衝撃が室内に充満する。
 砕けた床や壁の破片が、もうもうと立ち込める。
「クッ、これでは他の人間に被害が……!」
「いや、そうでもないみたいだよ兄さん」
「何!?」
 シンヤに言われて改めて周りを窺う。
 確かに、凄まじい衝撃の割には、周囲の人間は皆無事……それも、無傷に近いようだ。
省41
115: 没OP案 2007/09/29(土)23:05 ID:bUEW/eZC(4/7) AAS
静かな部屋だった。何もなく、ただ広がるばかりの部屋。まだ何もない部屋。
そう―――『まだ』何もない部屋。

カツン―――

ところどころ闇の残るほの暗い部屋に、杖を突く音が響く。
その音と共に、何もない空間から、白い光がいくつも現れた。その総数は―――82。
それは、この場に集められた生贄の数を示している。
白い光は、徐々に大きくなり……2mを超えたところでパチンと泡のように音を立てて割れた。
省20
116: 没OP案 2007/09/29(土)23:06 ID:bUEW/eZC(5/7) AAS
ルールは単純。最後まで生き残ることこそが勝利。各人には、戦うための牙が与えられる。
よいものもあれば、悪いものもある。特定の誰かにしか意味のないものもある。一見、ハズレに見えてよいものもある……ということ。
食料は最初に渡されるが、会場内にもあるということ。会場からの脱出は不可能だということ。
禁止エリアがあること。今、首につけられている首輪は管理のためのものだということ。

――以上だ、ゲームのルールは単純だろう、会場への転送は―――」

「待てッ!」

一通りの説明を終えて、オメガの言葉に口を挟むものがいた。
省28
117: 没OP案 2007/09/29(土)23:07 ID:bUEW/eZC(6/7) AAS
「最後のルールを忘れていた。こちらの規定したルールを破ったとき――お前たちの首につけられた首輪が爆発するようになっている」

「ケンゴ兄さん……いやオメガ貴様ァァァァアアアア!!」

格子越しに、顔に傷を持つ青年が叫ぶ。
しかし、オメガはその声を無視した。

「…………以上だ。転送を開始する」
集まった生贄たちが、また光に包まれていく。彼らが運ばれる先は、修羅か地獄か――パンドラの箱か。

誰にも分からない。
省2
118: 没OP案 2007/09/29(土)23:09 ID:bUEW/eZC(7/7) AAS
依頼により張りました
119
(1): 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:36 ID:J4ObJL8g(1/9) AAS
かつて人は、物事を伝えるために口伝を用いるしかなかった。
だが当然のように人から人、その人からまた別の人へと1つのことが伝わっていくにつれ、
やがて情報は今で言う伝言ゲームのように誰の悪意を一切受けることなく、自然と元ある形を歪ませていく。
このままでは間違った情報が蔓延してしまうことになると、当時の人々は頭を悩ませた。
そこで発明されたのが、本である。
様々な知識を正確に伝えるものとして歴史上他に類のないほど画期的な発明だったといえるこれは、
古代インカ帝国の石版を起源とし、中国における竹札、メソポタミアにおける粘土板文書、古代エジプトにおけるパピルス書物という風に
省23
120: 2007/09/29(土)23:36 ID:3IJos3YR(4/5) AAS
 
121: 2007/09/29(土)23:37 ID:JDbfrFEL(7/12) AAS
 
122: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:37 ID:J4ObJL8g(2/9) AAS
「えー? ですから私が言いたいのは本というものは素晴らしきものであって、読むことに価値があるっていうか読ませてくださいっていうかむしろ読ませろっていうか……」
「ダメだ。何度も言うが、これは俺のモンだ」
「そんなケチなこと言わなくてもいいじゃないですかぁ……」

大きな愛嬌のある瞳を涙で潤ませている。大抵の男ならここで思わず胸打たれるところだろう。
だが色々とスレきった半生を送ってきたスパイクには、女の涙は通用しない……ある程度までならば。
半泣きになっている彼女から顔を背けると、小さく舌打ちして毒づく。

「ちっ、これだからガキは嫌いなんだよ」
省19
123: 2007/09/29(土)23:37 ID:KUomEtCd(9/10) AAS
 
124: 2007/09/29(土)23:38 ID:3IJos3YR(5/5) AAS
 
125: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:38 ID:J4ObJL8g(3/9) AAS
「そういえば、自己紹介がまだでしたよね。私、読子・リードマンといいます。今は……無職です」
「……無職、ねえ」

多少落ち着きを取り戻すと……30という年齢に関しては多少疑いを持ちつつも……
相手に気づかれない程度にスパイクは読子をじろりと観察する。
無職。道理でこんな野暮ったい服を着ているはずだ。曲がりなりにも女なら、少しは見た目に気をつかったらどうなんだ。
髪は寝癖がついてボサボサだし、微妙に埃でまみれているようにも見えるし……
……………………。
省12
126: 2007/09/29(土)23:39 ID:JDbfrFEL(8/12) AAS
 
127: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:39 ID:J4ObJL8g(4/9) AAS
目の前のこのリードマンとかいう女も、気づいたらここにいたらしい。
力づくで本を奪おうと、自分を押し倒して馬乗りの体勢になってきた彼女の両手を抑えながらスパイクは分析する。
あの時のヒーロー戦隊ごっこみたいなのは夢じゃなかったとしても、ならば何故このようなわけの分からない状況に陥っている?
何かのゲームの一環だというのならまだなんとか納得のしようがあるが、
だがそれにしたって強制的に、かつ気づかない内に一瞬で妙なところへ飛ばされたとあってはどうにも腑が落ちない。
あの禿オヤジの話していたことをもうちょい真面目に聞いておくべきだったと、今更ながらに少しだけ後悔する。

まあいずれにせよ、いつまでもここにいる義理はない。とっとと帰って相棒の作る不味い飯でも食べるに限る。
省26
128: 2007/09/29(土)23:40 ID:JDbfrFEL(9/12) AAS
 
129: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:40 ID:J4ObJL8g(5/9) AAS
「おいおい俺とアンタが一緒に行動するなんていつ決まった? そこらへんのガキじゃないってんなら、1人で行動くらいできるだろ。
 別にとって食われるわけでもあるまいし」

まさかこの空間で参加者同士の殺し合いが行われているとは夢にも思わず、スパイクは自身の頭を手に持った本の角でボリボリと掻く。
普通に考えればこんな暗い夜道に女性を1人置いていくという現代男性におけるあるまじき行為をしているのではあるが、
彼の場合周りにいる女性が女性なため、そのような考えが基本的に欠落していた。
それに彼の信条として『自分のことは自分でやる』というものがあることも起因しているかもしれない。
読子は困ったように両の人差し指をクルクルさせながら、上目遣いでもごもごと言葉を発する。
省31
130: 2007/09/29(土)23:40 ID:lb4NRa1R(1/2) AAS
 
131: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:41 ID:J4ObJL8g(6/9) AAS
「はあああぁぁぁぁ〜〜〜本! ○極○彦先生の本〜〜〜〜〜!」

歓喜の奇声をあげながら右手の本を両手で掴み、そんな小っこい体のどこにそんな力があるのかと思うほど全力で引っ張ってくる。
相当見境がなくなっているが、腹を空かせた猛獣の目の前にいきなり小鹿が現れたようなものだろう。無理もないかもしれない。
たかだか本1冊に小鹿ほどの価値を見出すその気持ちは到底理解できないが。

「んなろっ!」

だがスパイクもむざむざこれを人にくれてやるわけにはいかない。
たとえ自分にとってただのゴミだとしても。他人にとってどれだけの価値があろうとも。
省19
132: 2007/09/29(土)23:42 ID:JDbfrFEL(10/12) AAS
 
133: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:43 ID:J4ObJL8g(7/9) AAS
「くっそ、これだからガキは嫌いなんだよ!」

吐き捨てると全速力で海に駆け、なんとかギリギリ読子の右足を引っつかむ。
その時に彼女のデイパックから何かがこぼれ落ちていったような気がしたが、それを確認する暇などない。
さすがに女とはいえ人1人分が飛び出す勢いを止めるのは容易なことではなかった。
自身も彼女に引っ張られ、海に落ちそうになる。

(冗談じゃねえ! 今時無理心中なんて流行らねえんだよ!)

意地でも落ちまいと全身に力を込めるが勢いは止まらない。どんどん暗い海が近づいてくる。
省15
134: 2007/09/29(土)23:43 ID:lb4NRa1R(2/2) AAS
 
135: 2007/09/29(土)23:44 ID:JDbfrFEL(11/12) AAS

136: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:45 ID:J4ObJL8g(8/9) AAS


「つまりアンタは紙を自由に操ることができて、別に俺が助けにいこうがいくまいが大丈夫だった、と」

さっきの辛い体勢からようやく解放された2人は、最初にいた位置よりもさらに海から離れた場所に座り込んでいた。
確認してみたところ、読子のデイパックから海に落ちたのはどうやらあの飲みかけの酒だったらしいが、
まあ酒の1本や2本、命に比べればなくしたところで特に問題はない。

紙使い。その名の通り紙を色々な用途に扱える能力を持った人間。
省22
137: 2007/09/29(土)23:45 ID:JDbfrFEL(12/12) AAS

138: 本を取り戻せ  ◆ARkjy9enog 2007/09/29(土)23:46 ID:J4ObJL8g(9/9) AAS
【G-1 一日目・黎明】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
 [状態]:疲労
 [装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
 [道具]:デイパック
 [思考]
1.とりあえずオンセンに行ってから帰る。
省10
139: 2007/09/29(土)23:46 ID:KUomEtCd(10/10) AAS
 
140: 2007/09/29(土)23:54 ID:Kw2gBcXQ(1) AAS
>>119−138

「…………で?」
141: 2007/09/30(日)00:00 ID:xqYdf65H(1) AAS
ここで何やってもいいんじゃないかな
したらばは勝手に好きなSSを選別すればいいんだからさ

いろんなSSをはりつけていこうぜ
142: その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:04 ID:OQOUoXEU(1/6) AAS
「なるほど、事情はだいたいわかりました。本当にだいたいですが」

 勘違い少女カレンの身の上話をひととおり聞き終え、糸色は腕組みをしたまま大きく頷いた。
 慣れない仮面の重量を勘定に入れ忘れ、そのまま前のめりになる。

「掻い摘むと、貴女はブリタニアにアンチテーゼを唱える、黒の騎士団なるレジスタンスグループの一員。
 そしてゼロは、組織をまとめるリーダー兼斬込隊長的存在、というわけですね」
「はい。ですが……」

 カレンはどうしていいかわからないといった表情で糸色へと詰め寄る。
省23
143: 2007/09/30(日)00:05 ID:93SMjBTO(1/3) AAS
 
144: 2007/09/30(日)00:06 ID:vAdRrg4l(1/9) AAS

145: その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:07 ID:OQOUoXEU(2/6) AAS
「カレンさん」
 糸色はカレンへ向き直り、姿勢を正す。
「なんでしょう」
 カレンもまた、フェンスから手を離して糸色を見遣った。

「ゼロという方について、もう一度確認しておきたいのですが」
「……構いませんが」

 カレンはあからさまに怪訝な表情を見せる。しかし構うことなく、軽く一呼吸を置いて糸色は続けた。
省37
146: 修整 2007/09/30(日)00:07 ID:naRYdLxQ(1/4) AAS
「なるほど、事情はだいたいわかりました。本当にだいたいですが」
 勘違い少女カレンの身の上話をひととおり聞き終え、糸色は腕組みをしたまま大きく頷いた。
 慣れない仮面の重量を勘定に入れ忘れ、そのまま前のめりになる。

「掻い摘むと、貴女はブリタニアにアンチテーゼを唱える、黒の騎士団なるレジスタンスグループの一員。
 そしてゼロは、組織をまとめるリーダー兼斬込隊長的存在、というわけですね」
「はい。ですが……」
 カレンはどうしていいかわからないといった表情で糸色へと詰め寄る。
省23
147: 2007/09/30(日)00:07 ID:RbUtHeVl(1/6) AAS
 
148: 2007/09/30(日)00:08 ID:vAdRrg4l(2/9) AAS

149
(1): その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:09 ID:hJ9iKQJ4(6/6) AAS
「シッ、シッ! ああ、くそっ!」

 ルルーシュ・ランペルージは、全身各所の僅かな露出部に群がる蚊の大群を払いながら、癇癪を起こしていた。
 癇癪の理由には、しつこく付き纏うこれに対する苛立ちも含まれてはいたが、大局的には無論、違う。
 当面の目的地、H-2の学校へ向かうにあたって、雑木林を真っ直ぐ西へ進むのが最短距離かつ安全なのだが、同時に最も労力を要する。
 移動に時間を掛ける場合ではないと考え、林を出て東西をはしる道の南脇を行くことにしたのである。
 しかし、あてが外れてしまった。いま居る南側の低地は一面が雑草で覆われており、その丈が胸の高さにも達するから始末が悪い。
省11
150: 2007/09/30(日)00:09 ID:RbUtHeVl(2/6) AAS

151: 修整 2007/09/30(日)00:09 ID:naRYdLxQ(2/4) AAS
「カレンさん」 糸色はカレンへ向き直り、姿勢を正す。
「なんでしょう」 カレンもまた、フェンスから手を離して糸色を見遣った。

「ゼロという方について、もう一度確認しておきたいのですが」 「……構いませんが」

 カレンはあからさまに怪訝な表情を見せる。しかし構うことなく、軽く一呼吸を置いて糸色は続けた。

「ゼロは貴女たち黒の騎士団を率いるリーダー、でしたね」
「さっき言ったばかりじゃないですか」
「つまり、ゼロとは智略に長け」
省33
152: 2007/09/30(日)00:10 ID:vAdRrg4l(3/9) AAS

153
(1): その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:10 ID:OQOUoXEU(3/6) AAS
 水のせせらぎと、そよぐ風の音が鼓膜を優しく刺激し、時折吹く強い風がそれに絶妙なアクセントを添える。
 背中に触れるのは、硬い凹凸。対照的に、胸から下腹部にかけての前面には、温かく柔らかな、どこか懐かしい感触が……。
 ……感触? いや、自分はたしか死んだはずでは……。

「……ん、うぅ……ハッ!」

 目を開くと、そこには紛うことなき現世の風景が映し出された。
 空はいつの間にか薄明るくなっている。つがいの小さな鳥が、視界を横切ってひよひよと囀りながら通り過ぎていった。
省24
154: 2007/09/30(日)00:10 ID:RbUtHeVl(3/6) AAS
 
155: 修整 2007/09/30(日)00:11 ID:naRYdLxQ(3/4) AAS
「シッ、シッ! ああ、くそっ!」

 ルルーシュ・ランペルージは、全身各所の僅かな露出部に群がる蚊の大群を払いながら、癇癪を起こしていた。
癇癪の理由には、しつこく付き纏うこれに対する苛立ちも含まれてはいたが、大局的には無論、違う。
 当面の目的地、H-2の学校へ向かうにあたって、雑木林を真っ直ぐ西へ進むのが最短距離かつ安全なのだが、同時に最も労力を要する。
 移動に時間を掛ける場合ではないと考え、林を出て東西をはしる道の南脇を行くことにしたのである。
 しかし、あてが外れてしまった。いま居る南側の低地は一面が雑草で覆われており、その丈が胸の高さにも達するから始末が悪い。
 これを掻き分けて進むとなると、労力は林を縫って歩くのといい勝負だろう。
省10
156: 修整 2007/09/30(日)00:12 ID:naRYdLxQ(4/4) AAS
 水のせせらぎと、そよぐ風の音が鼓膜を優しく刺激し、時折吹く強い風がそれに絶妙なアクセントを添える。
 背中に触れるのは、硬い凹凸。対照的に、胸から下腹部にかけての前面には、温かく柔らかな、どこか懐かしい感触が……。
 ……感触? いや、自分はたしか死んだはずでは……。

「……ん、うぅ……ハッ!」
 目を開くと、そこには紛うことなき現世の風景が映し出された。
 空はいつの間にか薄明るくなっている。つがいの小さな鳥が、視界を横切ってひよひよと囀りながら通り過ぎていった。
省26
157: 2007/09/30(日)00:12 ID:vAdRrg4l(4/9) AAS

158: 2007/09/30(日)00:13 ID:93SMjBTO(2/3) AAS
 
159: 2007/09/30(日)00:13 ID:RbUtHeVl(4/6) AAS

160: 2007/09/30(日)00:13 ID:U7m6Tbi7(1) AAS
 
161: その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:14 ID:OQOUoXEU(4/6) AAS
 いやはや、私としたことが。一度は消化したはずの加害妄想にまたも翻弄されてしまうとは。
 いけませんね、過去の回に頼ってばかりいては。世捨て人たるもの、常に新たな絶望のありかたを追求しなくては。

「いやぁ、お互い無事で本当に良かったですね。私なんか、もう死んだつもりでいましたよ」

 それにしても危ないところでした。一歩間違えば、リストに載せてもいない方と心中してしまうところです。
 心中とは、絶望的な人間同士で行ってこそ意義があるものなのですから。
 ……おや、返事がありませんね。見ると、彼女は俯いて肩を震わせているではありませんか。
 もしや濡れたまま気を失っていたせいで、風邪でもひかれたのでしょうか。これは心配ですね。
省29
162: 2007/09/30(日)00:15 ID:RbUtHeVl(5/6) AAS
 
163: 2007/09/30(日)00:15 ID:93SMjBTO(3/3) AAS
 
164: その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:15 ID:OQOUoXEU(5/6) AAS
 ――彼女の勘違いは、まさに絶望的なものと言えるでしょう。
 私のようなダメ人間を、命を賭して守るべき自分達のリーダーと間違えるなんて、致命的すぎます。
 しかしながら、それは偽りの絶望。螺旋王の作り出したまやかしの恐怖に打ち震え、自分自身を見失ってしまっているのです。
 ゼロという柱に縋り付くことで、ブレてしまった自分を誤魔化そうとしているだけなのです。
 彼女は、まっすぐな心を持っています。生来的に、私のような者と一緒に居るべき人間ではありません……。

「……わかりました。貴女の目的に力をお貸しすることにしましょう。お役に立てるかどうかは、保証しかねますけど」

 ですが。彼女はもはや手遅れでしょう。
省20
165: 2007/09/30(日)00:15 ID:HgFhcgf+(1/4) AAS
AA省
166: 2007/09/30(日)00:16 ID:HgFhcgf+(2/4) AAS
AA省
167: その名は絶望 ◆h8c9tcxOcc 2007/09/30(日)00:16 ID:OQOUoXEU(6/6) AAS
AA省
168: 2007/09/30(日)00:17 ID:RbUtHeVl(6/6) AAS

169: かいひ [sage いいなこれwww] 2007/09/30(日)00:18 ID:e6sRcIaw(1) AAS
AA省
170: 2007/09/30(日)00:20 ID:kTpowyae(1) AAS
さるを回避したいんだったら
サルの画像がいいんじゃないか?
171: サル 2007/09/30(日)00:24 ID:rHU2XfT7(1) AAS
AA省
172: 2007/09/30(日)00:30 ID:TSbkku24(1) AAS
バトルロワイアルと直接関係ないキャラはいかがなものか
やはり参加者AAがいい
173: 2007/09/30(日)00:39 ID:HgFhcgf+(3/4) AAS
なるほど
174: 2007/09/30(日)01:18 ID:BADIB5u2(1) AAS
そもそも、ホスト晒しとかも平然とやるような連中の掲示板に
誰が行くかwww
175: 2007/09/30(日)02:29 ID:RmFeesCL(1/4) AAS
1389 :やってられない名無しさん:2007/09/29(土) 21:48:52 ID:???0
とりあえずツチダマの方で言おうぜ?
まずはアレが終わってからだが
1390 :やってられない名無しさん:2007/09/29(土) 21:49:50 ID:???0
ドモンはなぁ……
マーダー増えるなら有りかとも思ったけど、
やっぱり最終話後の割には未熟すぎるか
省27
176: 睡蓮-あまねく花 ◆umwdy9coMs 2007/09/30(日)02:29 ID:fwYKRIWK(1/6) AAS
「ふ、ふふふ藤乃さん。ほ、本当にこの船の中に入るんですか?」
豪華な列車のなかで黒服やら白服の危険人物達。更にいえばレイルトレーサーと言う人ですらない化け物と遭遇してしまったジャグジーとしては余り豪華な乗り物には乗りたくなかった。
しかしそんな必死のジャグジーの抗弁も
「あら?ほなジャグジーはんはうちに野上で着がええ言ううん?ジャグジーはんって意外と…「ちちちち違いますよ!分かりました入りましょう!すぐ入りましょう!」
静留に良い様にあしらわれ、逃げるように豪華客船への階段を駆け上げって行くジャグジーだが
「ジャグジーはん、顔が赤いで?」
の一言で階段からに転げ落ちそうになってしまった。
省10
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