[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3 (397レス)
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28: 2007/09/29(土)02:08 ID:JtRpEUfn(2/2) AAS

29: 王の視察 ◆0BwdWOApVI 2007/09/29(土)02:08 ID:JPC+7/v0(4/6) AAS
「うわ……マジで入った」

 若干引きつつも、十字架を仕舞ったバックを背負いなおして、金ぴかを振り返る。
 金ぴかはどこを見ているのか、全体を見るように職員室を見渡し、ある一点で一瞬視線をとどめた。

「どうしたの?」

「なに、気にするな。紛れた小石に目が触れただけだ。
 汚れもせんが、洗われもせん。たいした意味はないだろうよ」

「はぁ?」
省29
30: 2007/09/29(土)02:08 ID:RVEdztOg(1) AAS

31: 王の視察 ◆0BwdWOApVI 2007/09/29(土)02:10 ID:JPC+7/v0(5/6) AAS
(畜生ッ! 何なんだ!? 何なんだよあいつはッ!?)

 二人が立ち去った後も、間桐慎二は職員室の片隅にあるロッカーの中で、一人身を震わせていた。

 暗闇を恐れ職員室に戻ったものの、明かりを点けたままでは自分の場所を知らせているようなものだと気づき、すぐさま明かりを消した。
 そして、一人静かに職員室の隅で膝を抱える。
 一人は静かで寂しい。
 暗いのは怖い。
 けど、死ぬのはもっと怖い。
省23
32: 王の視察 ◆0BwdWOApVI 2007/09/29(土)02:11 ID:JPC+7/v0(6/6) AAS
 赤い瞳に囚われた永遠とも思える一瞬の中、慎二の脳裏を駆け巡るのはどう命乞いをするかということばかり。
 だが、慎二の心中に反して、黄金のサーヴァントはあっけなく目をそらし、踵を返した。
 慎二の存在に気づかなかったはずがない。
 ”敵”を見逃すような甘い相手でもないだろう。
 ならば、見逃した理由は簡単だった。
 何より、その目が語っていた。
 慎二を捕らえたあの瞳は、道端に転がる小石を見るもののと同じだった。
省30
33: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:40 ID:Ox9AiNOY(1/9) AAS
 クロと別れた八神はやては、ふむ、と言うように顎に手をやると地図を注視した。
 自分が座っているベンチのすぐ傍には、ヘビのように道路が伸びている。
 本来なら、そこを通るべきなのだろうが――

(ちょーっと、危ないかな)

 なにしろ丸見え、遮るモノは皆無なのだ。民家はあるにはあるが、咄嗟に隠れる事ができるわけではない。
 このような状態で狙撃、長距離砲撃などを受けたら一たまりもない。
 かと言って、森の中を突っ切るのもいただけない。木々の合間に誰かが潜んでいれば、自分は軽く殺されてしまう。
省24
34: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:41 ID:Ox9AiNOY(2/9) AAS
「ううん、残念やけど知らんなぁ」
「そっか、じゃ!」
「うん、元気でな――って、ちょい待ちぃや!」

 ならば用はないと言うように、そのまま東へ駆け出そうとする少年の襟を背後から掴み取る。ぐへぇ、とカエルの鳴き声にも似た呻きが漏れた。
 
「っつ〜……なにすんだよ!」
「なにってな……自分だけ情報聞き出したらほいさいなら、ちょいと失礼ちゃうか?」
省24
35: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:42 ID:Ox9AiNOY(3/9) AAS
「ドーラさんに、ムスカ……」
「うん、詳しく教えて?」

 はやてが促すと、パズーは頷いた。

「えっと、ドーラって人は、おばあさんで海賊で――あっ、けど特別悪い人じゃないんです」

 おばあさんの海賊なー、と頷き、名簿にチェックを入れる。
 人間の記憶というのは曖昧なのだから、忘れた時の為の保険は必要だ。

「次にムスカって奴だけど……こいつはあんまり信用しないほうがいいよ。シータを連れ去った奴らの仲間なんだ」
省23
36: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:43 ID:Ox9AiNOY(4/9) AAS
「だから、信じるよ」
「……そっか」

 ほんま、ええ子や。本心からそう思う。
 そして、そんな子が、このような不粋なゲームに放り込まれた事に怒りを覚えた。
 憎しみではない、殺意でもない。それは理不尽に対する、正しき怒り。
 
「ところでさ、なんで武器とか持ってないの?」
省30
37: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:45 ID:Ox9AiNOY(5/9) AAS
 ……いや、それにしたって軽すぎるような気がする。
 なにかなー、と弾丸が挿入されているあたりを探ってみると――

「……と、トリモチ?」

 ねちゃ、と指に白いものが張り付いた。
 これはパズーも知らなかったらしく、「なんでさ」と言いたげな目で銃を見ている。
 ……しばし、静寂が辺りを支配した。

「ま、まあ、アレや! ないよりはずーっとマシや! ほんまありがとな!」
省26
38: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:46 ID:Ox9AiNOY(6/9) AAS
 ……パズーは思う。この人は強い人だ、と。
 どんな状況でも揺るがない鉄の心を持っていないわけではない。
 荒れた海面のように揺らぎつつも、それでなお平静を保とうとする、その強さ。
 
「分かったよ。もし誰かと会ったら、ちゃんと伝えるから――だから」

 真摯な眼差しで、悪意など皆無な口調で、

「安心してくれよ、『おばさん』!」
省24
39: 2007/09/29(土)12:47 ID:6p/SW5Ts(1) AAS

40: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:47 ID:Ox9AiNOY(7/9) AAS
【H-3/森と市街地の間/一日目/黎明】

【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
 [状態]:健康 ちょっと怒り
 [装備]:トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
 [道具]:支給品一式 レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム
 [思考]
 1:クロとの約束を守りつつ西回りに観覧車へ
省19
41: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:48 ID:Ox9AiNOY(8/9) AAS
「シータに会える、かも」

 そして、会えなくても誰かにシータの事を頼めるかもしれない。
 ぐっ、と短剣を握りしめる。それは誓うように、それは願うように。

【G-5/道路/一日目/黎明】
 
【パズー@天空の城ラピュタ】
[状態]:健康だが右頬に鈍い痛み
省8
42: 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 2007/09/29(土)12:50 ID:Ox9AiNOY(9/9) AAS
投下終了ですが八神はやての状態表でミスが。

*シータ、ドーラを
  ↓
*シータ、ドーラの容姿を覚えました。

です。どうもすみませんでした。
43: ◆4hh7h3mKoc 2007/09/29(土)15:27 ID:ey3We166(1/3) AAS
ここはE-3の高速道路
現在、爆弾によりバイクが赤々と燃えている。
動くものは無く静寂が辺りを包む。
いや、どうやら一人気がついたようだ。

「ううん、何が起こったんだバイクを発進させたたら突然操縦不能になって、そうだクルクル君は」
辺りを見回すと炎に包まれた枢木スザクを見つけた。
「クルクル君!」
省22
44: 2007/09/29(土)15:27 ID:JDbfrFEL(1/12) AAS
 
45
(1): ◆4hh7h3mKoc 2007/09/29(土)15:30 ID:ey3We166(2/3) AAS
数分後やっとのことで落ち着き辺りの探索に動き出した。
まだ敵か近くにいるかどうかわからない。
まあ、長時間放心状態でいたところを襲わなかったところを見て、いないと思われるが一応確認のため。
結局誰もいないのが確認できてほっとする。
次に道具の確認を始めた。
ほとんどの道具が火事で燃えてしまったためだ。
結局燃え残っていたのはバック二つにクルクル君の持っていた日本刀(ちょっと焦げてるが)、
省17
46: 2007/09/29(土)15:30 ID:JDbfrFEL(2/12) AAS
 
47
(1): 瀬戸の文鎮 ◆4hh7h3mKoc 2007/09/29(土)15:32 ID:ey3We166(3/3) AAS
AA省
48
(1): 大いなる闇と内なる光 ◆946eO1FgAQ 2007/09/29(土)19:18 ID:I2xn4kak(1/4) AAS
森の中を歩く言峰綺礼は上機嫌だった。
それはあの真っ直ぐな瞳の少年に出会ったこと、この様な自身の嗜好を満足させてくれる場に招かれたこと、その舞台で十分に当たりと言える槍を手に入れたこと・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ではない。
代行者として死地を巡り、聖杯戦争を駆け抜けた彼にとってそのような場は飽きるほど見た。
自身が言った「最凶で最低で最悪の災厄」もそれに比べればさしたる事ではないのだ。

神父にとってその理由足りえたのは一つの書物。
調べてみれば其れは奇妙で・・・しかし言峰には興味深いものだった。
省12
49
(1): 2007/09/29(土)19:19 ID:kOAI0VuM(1) AAS
空間空けすぎだろ
50: 大いなる闇と内なる光 ◆946eO1FgAQ 2007/09/29(土)19:20 ID:I2xn4kak(2/4) AAS
【H-4 森 一日目 黎明】
【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:荷物一式 夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[思考]
省19
51
(2): 2007/09/29(土)19:20 ID:vIUuePqu(1) AAS
森の中を歩く言峰綺礼は上機嫌だった。
それはあの真っ直ぐな瞳の少年に出会ったこと、この様な自身の嗜好を満足させてくれる場に招かれたこと、その舞台で十分に当たりと言える槍を手に入れたこと・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ではない。
代行者として死地を巡り、聖杯戦争を駆け抜けた彼にとってそのような場は飽きるほど見た。
自身が言った「最凶で最低で最悪の災厄」もそれに比べればさしたる事ではないのだ。

神父にとってその理由足りえたのは一つの書物。
調べてみれば其れは奇妙で・・・しかし言峰には興味深いものだった。
省10
52
(2): ◆946eO1FgAQ 2007/09/29(土)19:26 ID:I2xn4kak(3/4) AAS
スマソ、首釣ってくる…
53
(1): 2007/09/29(土)19:31 ID:I2xn4kak(4/4) AAS
…や───に差し替えるにしても、修正はココでしたらまずかったよな?
wikiか?
54: 2007/09/29(土)19:32 ID:gkLnlZ+4(10/10) AAS
>>52>>53
>>51はスルー
55: 転換 1 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:01 ID:fPb2S/aL(1/7) AAS
「……というわけで、俺はレインと共にデビルガンダムを倒し、ガンダムファイト優勝者、キングオブハートとしての役目を……
ん? 聞いているのかエド?」
「聞いてるよ〜☆ ロボット、ガンダム、ラッブラブ〜〜☆」
「そ、そうか。では、先ほどの広間で起こったことは……」
 まるで風のように疾走するドモン。
 まるでマントのようにたなびくエド。
 傍から見れば、かなり異様な光景であることは間違いない。
省42
56: 転換 2 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:02 ID:fPb2S/aL(2/7) AAS
「やだなあ、こんな見るからに怪しい格好の人間が、本当に殺人鬼な筈が無いじゃないですか〜!」

「!!」
 予想外の一言だった。しかしその一言には、妙な説得力がある。
 だが、だからといって、少女の言うことを直ぐに信じてしまうわけには行かない。
「な、何を言い出すんだ! そもそも、この状況下で殺人者の振りをしてどうなる! 他人に誤解されてしまうだけだろう!」
 しかし、少女は落ち着いた口調で、語りだした。

「いいえ、この格好をするのは、ちゃんとした『意図』があるんです! 発想の転換ですよ!」
省44
57: 転換 3 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:03 ID:fPb2S/aL(3/7) AAS
「そう……だったのか。疑ってすまなかったな。許してくれ。
改めて自己紹介しよう。俺はドモン・カッシュ。ネオジャパンのガンダムファイターだ」
「これはご丁寧にどうも〜
わたしは私立アニロワ牛mZ2年生、風浦可符香と申します」
 
 そして、ドモンは疑念に対する謝罪の意味を込め、自らの境地と意思を語った。
 ガンダムファイトのこと、デビルガンダムのこと。
省37
58: 2007/09/29(土)20:03 ID:3IJos3YR(1/5) AAS
 
59
(1): 転換 4 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:04 ID:fPb2S/aL(4/7) AAS
「確かに、最初にやっつけられた変身ヒーローさんは残念でしたが、
どうやら他にも同じぐらい強い人が居る、って螺旋王さんは言ってましたよね。
と、いうことはです。
そういう強い人と闘って闘って闘い抜けば、最終的にはドモンさん、物凄い修行を積んだことになると思いませんか?」
「そ、それは確かに……その通りだ」
「でしょう? ですから、これからドモンさんは、手当たり次第に闘いまくればいいんですよ!
そうすれば、螺旋王さんと闘う頃には、経験を積んだドモンさんは段違いの強さに成長しているはずです!」
省36
60: 転換 5 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:05 ID:fPb2S/aL(5/7) AAS
「な……!?」
 もう、何度目かも分からない絶句。
 だがその実、既にドモンはこの提案にも続きがあるだろう事は理解していた。
「えと、コレも説明、しますね?」
 無言が、肯定の意思表示だった。

「いいですか、コレも発想の転換です。
想像してみてください。いきなり攻撃されたとして、どういう行動を取る人が、どういう人なのかを。
省36
61: 転換 6 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:06 ID:fPb2S/aL(6/7) AAS
「分かった。君の言うことを信じてみよう。
現状の俺を超えるため、師匠や兄さんを超えるため、そして最終的には螺旋王を倒すためだ。
敢えて修羅の道を歩むことも必要なのかもしれないな。
要は、『発想の転換』という奴なのだろう?」
「はい、その通りです! ドモンさんにも分かっていただけて光栄です!」
 ドモンの心には、最早迷いは無くなった。
 自分が見つけた、己の道を突き進む。
省34
62: 転換 7 ◆P2vcbk2T1w 2007/09/29(土)20:07 ID:fPb2S/aL(7/7) AAS
「うわあ、本当に速いなあ〜!」
 後に残ったのは、少女とドモンの荷物のみ。
「さてと、こっちもエドちゃんを探すかな。
お〜い、エドちゃ〜〜〜ん!! エドく〜〜〜〜ん!? エド〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 しかし、幾ら呼べども呼べども、返事は返ってこない。
「う〜ん、だいぶ遠くまで行っちゃったのかなあ? 
まあ、あんな小さな子をどうにかする人なんて、そうそう居る筈ないよね!
省32
63: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:26 ID:E9Wm7uN+(1/9) AAS
 【B-7】エリアをほぼ垂直に走っている一本の道路は、等間隔に並んだ街路樹と街灯、
更にその奥に並んだ商店に挟まれるかのような形で存在していた。
様々な人々が往来する、いつもの日常を営む上での当たり前の場所も、
深夜の、しかも人っ子一人どころか猫の子一匹見当たらぬこの状況では何やら恐ろしげな場所であるかのように思えてしまう。
更に、今は殺し合いのゲーム等というフザケたものの真っ最中。気の弱い者ならば街路樹の影が殺人鬼にでも見えてしまうに違いない。
もっとも……今、立ち並ぶ商店の屋根の上を飛ぶ様に駆け抜けている青年――シンヤには何の関係も無い話なのだが。
やがて、シンヤは足を動かすのを止め、静かに自らの向かっていた方角を眺めた。
省10
64: 2007/09/29(土)20:27 ID:hd+V+ZYJ(1) AAS

65: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:28 ID:E9Wm7uN+(2/9) AAS
 「……信じられない」
緩やかな速度で進む消防車の車内でジンの行った現状の説明、そしてジン自身の履歴を聞いたヨーコの感想は、その一言だった。
「信じられない……って言われてもなぁ」
「だって……何というか、私の常識とかけ離れすぎているんだもの」
常識とかけ離れすぎている、というのは現在置かれている状況も勿論だが、それ以上にジンの語る履歴は信じられなかった。

曰く、ジンはおたからを求め世界中を旅してきたが、
これまでに尋ねたどの土地でも一部の例外を除く多くの人々はその一生を地上で過ごすのだという。
省29
66: 2007/09/29(土)20:29 ID:/5naAjDY(2/5) AAS
 
67: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:30 ID:E9Wm7uN+(3/9) AAS
 ……しかし、なんというか、この少年にはペースを乱され続けている気がする。
出会ってからこの方、ずっとジンのターン! とでも言った感じか。すっかり相手のペースに引き込まれているのだ。
自分が案外他者の話に乗せられやすいのか、それともジンがそのような話術に長けているのか。
どちらであったとしても、その体に操り人形のように糸を付けられた自分と、いかにも『裏で糸をひく』
といった感じの笑顔でその糸を操るジン少年の姿が喚起されるので、あんまり良い気分にはなれないのだが。
そんな事を考えながら、意外と硬かった頭を殴った右手を摩りつつ、ヨーコはフロントガラス越しの風景を眺める。
そしてそんな時、突如として、ただ足元に等間隔に引かれた白い線と、
省41
68: 2007/09/29(土)20:30 ID:/5naAjDY(3/5) AAS
 
69: 2007/09/29(土)20:32 ID:e/GwQkle(1) AAS
 
70: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:32 ID:E9Wm7uN+(4/9) AAS
 「成る程、少なくとも並大抵の人間ではないようだね」
右の手に黄金の剣を構え、走り続ける消防車の屋根の上でシンヤは静かに呟いた。
最初に運転席の真上へと飛び乗り、奇襲を行ったまでは良かった。
しかし、まさか次の手を繰り出すよりも早くあちらが反撃へと転じてくるとは。しかも最初の運転席から伸びた一撃、
あれはあくまで大まかにあたりを付けての攻撃だったのだろう。だが、それがシンヤの持つ剣とぶつかり合った次の瞬間には、
シンヤの居た地点へ正確な斬撃が見舞われていた。咄嗟に消防車の後方へと飛び移らなければ、そのまま足を切断されていた可能性もある。
(先程の紙の少女といい、ここにはある程度以上の能力を有する人間が数多く呼び出されている、と考えるべきか)
省28
71
(1): 2007/09/29(土)20:33 ID:/5naAjDY(4/5) AAS
 
72: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:34 ID:E9Wm7uN+(5/9) AAS
 シンヤは腕に力を込め、少年の構えるブーメランを押し切ろうとする。が、次の瞬間ブーメランは突如として剣を押し上げる役目を放棄した。
そしてそれにより、シンヤは右の手に引っ張られるような形でバランスを崩す。それと同時に少年はブーメランを回転させ、シンヤの手から剣を絡めとる。
少年の一瞬の早業にシンヤが驚愕した刹那、隙の生まれた腹部に少年の蹴りが叩き込まれる。それは予想以上に重く、速い。
だが、この程度で悶絶する程ヤワではない。自らの腹部にめり込む足の首根を掴み、そのまま少年を力任せに振り回す。
「グチグチぐちぐちと……その滑らか過ぎる舌だけは千切りにしてやろう!」
そのまま少年を消防車の屋根へ叩きつける。少年は一度小さく跳ね、淵へと転がって行き車上から転落する。
が、走行する消防車の後方へ無様に転がっていく少年の姿を確認する事は出来ない。と、なれば。
省37
73: 2007/09/29(土)20:35 ID:3IJos3YR(2/5) AAS
 
74
(1): 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:36 ID:E9Wm7uN+(6/9) AAS
 あの青年に弾かれた夜刀神(やとのかみ)二本を回収、展開されていた刃を一本にまとめた後デイパックに放り込み、ジンは一息ついた。
この夜刀神という暗器、かつてザザという街で開かれていた仮面武闘会(マスコリーダ)にジンが出場した際、
その第一回戦の相手が使用してきた、伝説の死芸と謳われる武器だ。事実、仮面武闘会においてジンに唯一手傷を負わせた代物でもある。
もっとも、ジンに傷を負わせた数秒後にはその使い手は何とも惨めなケツ……もとい、姿を晒す事になったが。
それはともかく、初めからオトリのつもりだったとはいえ、あの青年に夜刀神を放った事を瞬時に見破られた事には少々驚いた。
まぁ、結果として青年はその後本命に引っかかってくれたのだから、特に問題は無いだろう。
……勝手に持ち出したヨーコのブーメランその他を失った事に関しては、まぁ、ドロボウに物を貸す人が悪いという事で。
省30
75: 2007/09/29(土)20:36 ID:/5naAjDY(5/5) AAS
 
76: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:38 ID:E9Wm7uN+(7/9) AAS
 道路へ落下した際、右腕を拘束されていたのは痛かった。
脱臼し、だらりと垂れる右の肩をはめ直しながら、シンヤはそう思う。
おかげでまともに受身を取ることが出来ずにモロに路面に叩き付けられてしまい、このように不愉快な状態に陥ってしまった。
右肩への簡単な処置を済ませると、左手に剣を持ち、右腕に絡みつく非常に細い金属の糸を切り払った。
先程は気付けなかったが、おそらく車上での不可解な現象の原因はこれだろう。相当に細く、長いものらしい。
切り離された糸の一片を掴み、それが一体何処へ続いているのかと目を凝らし探っていく。
やがて……シンヤの視線は標識に突き刺さった巨大なブーメランに注がれる。
省23
77: 2007/09/29(土)20:39 ID:3IJos3YR(3/5) AAS
 
78: 2007/09/29(土)20:40 ID:MNhbILyC(1) AAS

79
(1): 2007/09/29(土)20:40 ID:qzkLvT4q(1) AAS

80: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:40 ID:E9Wm7uN+(8/9) AAS
【A-6/南東の道路のカーブ付近/1日目/黎明】

【ジン@王ドロボウJING】
 [状態]:小程度の疲労。全身に小程度のダメージ。マネキンと衣類の海の中で犬神家状態(それによる目立った外傷は無し)。
 [装備]:なし
 [道具]:デイパック、支給品一式、予告状のメモ、夜刀神@王ドロボウJING×2
     鈴木めぐみの消防車の運転マニュアル@サイボーグクロちゃん
 [思考]
省31
81: 車上の戦い ◆/eRp96XsK. 2007/09/29(土)20:42 ID:E9Wm7uN+(9/9) AAS
【すてるすブーメラン@サイボーグクロちゃん】
ヨーコの支給品その1。
マタタビの愛用する武器。その威力は凄まじく、カラスだろうが家だろうが飛行機だろうが問答無用でぶった切る。
「すてるす」と名前が付いてはいるが、本当にステルス機能があるのかどうかは不明。

【レガートの金属糸@トライガン】
ヨーコの支給品その2。
GUNG-HO-GUNSの首魁、レガートの使用する武器。レガートはこれを介して他の生物の神経に電気信号を送り、意のままに操る。
省5
82: 黒猫とガンマン ◆t2vl.cEw/o 2007/09/29(土)21:39 ID:dfsTw/0H(2/12) AAS
「ふぅぅぅ、酷い目にあった……」

永遠のように長く感じた数分の時間の後、ヴァッシュはドーム状の被いに囲われた駅に着き、モノレールの屋根から無事に降りることに成功していた。
ただでさえ特徴的な金髪の逆毛が、長時間の向かい風に晒されて鋭角に尖り、顔にはべっとりと疲労の色が張り付いている、といった状態を無事と呼ぶのならばだが。

「ああ、それにしてもあの青い人無事かなぁ。無事だとしたらやっぱ怒ってるよなぁ……」

ずるずると駅のホームにへたりこみ、心ならずもモノレールの上から蹴り落としてしまったランサーを思い出し、ヴァッシュは深く溜息をついた。
とりあえず、難なく列車にへばりつけるほどの身体能力を持った人間ならば、あの距離とはいえ下が海ならば確実に無事だろう。
省30
83: 黒猫とガンマン ◆t2vl.cEw/o 2007/09/29(土)21:40 ID:dfsTw/0H(3/12) AAS
スタンガンといっても、これは時速98kmで4.1kgのゴム弾を射出し、その直撃した衝撃で標的を気絶させるための銃である。
重量があるため取り回しも難しく、殺し合いをするならば、まず使い勝手は悪い部類に入る銃だ。
だが、殺さずに相手を無力化するというならば、良い銃だろうとヴァッシュは安心したような笑みを浮かべた。
そして最後にもう一つ、もう何も残っていないかとデイパックの中を探る手に、ごつんと何かが当たり

「まだ何か入ってる……?」

取り出そうと、逆さまにしてバッグを振る。硬い音を立てて床に落ちたそれは
省30
84
(2): 黒猫とガンマン ◆t2vl.cEw/o 2007/09/29(土)21:42 ID:dfsTw/0H(4/12) AAS
「…………………」
「イヤン、そんな冷たい目で見ないで」

ヴァッシュの自己紹介にクロが送った冷たい視線に、やたらクネクネしたオカマっぽいそぶりを見せたヴァッシュを見て、ああコイツバカなんだなとクロは更に冷たい視線を送る。
そのまま暫く続く沈黙に、ホームに一筋の冷たい風が吹き去っていった。

「と、ところでクロ、キミはこの状況について何か知ってるか?」
「いや、オイラはとくに何も知らないし、ワカるほどアタマもよくねえ。けど」
省15
85: 黒猫とガンマン ◆t2vl.cEw/o 2007/09/29(土)21:44 ID:dfsTw/0H(5/12) AAS
「ああ、それならコレを使うといいよ。俺はもう一つ銃が支給されてるから」

そう言ってヴァッシュが荷物の中から取り出し、クロちゃんに手渡されたのは、黒光りする大型の拳銃だった。

「お、カッコイイ銃じゃねえか!へへへ、サンキューなヴァッシュ!」

拳銃を受け取ったクロちゃんは、玩具を受け取った子供のように、ガンマンのポーズを決めていく。
一通りポーズを決め終わったところでクロは、ヴァッシュがデイパックに仕舞おうとしている銃が、銃とさえ呼べるのかも判らない奇妙な形状の銃なのに気づいた。

「……でもよぉ、いいのか?銃っても、そのヘンテコなヤツで?」
省13
86: 黒猫とガンマン ◆t2vl.cEw/o 2007/09/29(土)21:45 ID:dfsTw/0H(6/12) AAS
【F-5/モノレールの駅/一日目 黎明】
【クロ@サイボーグクロちゃん】
[状態]:良好 少しハイになっている。
[装備]:ナイヴズの銃@トライガン 残弾×6+予備弾30
[道具]:支給品一式 錆びた日本刀@機動武闘伝Gガンダム
[思考・状況]
省22
87: 得意分野 ◆ga/ayzh9y. 2007/09/29(土)21:47 ID:qsJAyT61(1/4) AAS
(さて……)

駅へと向かい歩を進めている最中、ヒューズは自分なりの考察を進めていた。
主催者を打ち倒し、このゲームをぶち壊す為には、絶対に乗り越えねばならぬ壁。
己の首に取り付けられている、この首輪についてであった。
先程は、いきなりスバルと遭遇したが故に考えを中断させてしまったが、
今は周囲に敵らしき者もいないし、スバルという仲間も出来た御蔭で、冷静に思考を働かせられる。

(まず……俺達の行動は、螺旋王って奴に殆ど把握されてるのは間違いねぇ。
省22
88
(1): 2007/09/29(土)21:48 ID:dfsTw/0H(7/12) AAS
 
89: 得意分野 ◆ga/ayzh9y. 2007/09/29(土)21:49 ID:qsJAyT61(2/4) AAS
「……スバルちゃん、ちょっといいか?」
「はい、何ですか?」

足を止め、後ろにいるスバルへと話しかける。
自分と共に行動している以上、彼女には話を聞く権利がある。
ヒューズはデイパックからボールペンとメモ帳を取り出し、素早く文章を書き始めた。
ここで迂闊に口出しをされないよう、人差し指を唇の前で立てて、静かにするよう合図する。
螺旋王に悟られては、元も子もない。
省41
90
(1): 得意分野 ◆ga/ayzh9y. 2007/09/29(土)21:51 ID:qsJAyT61(3/4) AAS
先程書いたある単語を指差す。
それを見て、スバルも第三の可能性の意味に気づいた。
ヒューズの指の先――「観戦」の一文字が、全てを悟らせてくれた。
自分達の様に、ただこうして筆談を交わしているだけの者達を見ても、面白くも何とも無い。
実験の意味から考えても、まず間違いない。

『戦いをしている人達だけが、盗撮されているってことですか……?』
『そうだ……戦ってない奴を観た所で、得られる物なんかないからな。
省30
91: 2007/09/29(土)21:52 ID:JDbfrFEL(3/12) AAS

92
(1): 2007/09/29(土)21:52 ID:dfsTw/0H(8/12) AAS
 
93
(1): 得意分野 ◆ga/ayzh9y. 2007/09/29(土)21:54 ID:qsJAyT61(4/4) AAS
AA省
94
(1): 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:19 ID:KUomEtCd(1/10) AAS
このバカ無茶やった上に味方撃ってどうすんだ、そう叱られたのは、あれは忘れもしないホテルの護衛任務のときだった。
そのときの私は隊の中で唯一特別な能力を持たない自分を卑下し、焦っていた。
そして、このままでは隊にいられなくなると、半ば本気で考えた私は、自分の実力を示そうと実戦中に無茶をやった。
その結果、流れ弾の一つがあわや味方を直撃、という事態になった。

撃たれた同僚のスバルは自分は大丈夫だったからいいと言ってくれたのだが、
もちろんそれで済むはずもなくヴィータ副隊長にはその場でこっぴどく怒られた。
高町教導官は優しく諭してくれたのだけど、
省14
95: 2007/09/29(土)22:21 ID:dfsTw/0H(9/12) AAS
 
96: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:22 ID:KUomEtCd(2/10) AAS
それは、たとえチームがばらばらになった状況であったとしても変わらないはずだった。
名簿で仲間の存在は確認していたのだから、私は彼女達と合流を目指すなり、情報の収集に努めるなり、自分で何かしら考え行動を起こすべきではなかったのか。
いや、なかったのかどころではない。当然そうするべきだったのだ。
たとえこの場にいるのが自分一人だけだったとしても、これだけの規模の次元犯罪に巻き込まれて何もしないなどというのは、機動六課以前に時空管理局の職員として、決して許されることではない。

ところがさっきまでの私といったらなんだ。
状況を把握しようともせずただ恐い恐いと、犬のように震えていただけではないか。
省7
97: 2007/09/29(土)22:24 ID:dfsTw/0H(10/12) AAS
 
98: 2007/09/29(土)22:24 ID:LrQXMS1F(1) AAS

99: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:25 ID:KUomEtCd(3/10) AAS
私は走る気力も無くし、夢遊病者みたいにぼんやりと、廃墟同然に静まり返った街の中を歩いていた。
どこをどう走ったのかは覚えていない。
たださっきよりは空がうす明るくなっているところを見ると、それなりの時間がたってはいるのだろう。
体に付着したキャロの血は、とっくに乾いている。
だが、衣服の奥底に染み込んだそれは、湿り気を帯びていたときよりも一層べっとりと全身にとまとわり付いてくるように感じられた。

キャロは良い子だった。隊の仲間としても。友人としても。
省12
100: 2007/09/29(土)22:25 ID:XhwLiHcc(1) AAS
 
101: 2007/09/29(土)22:26 ID:KZpC5T0H(2/2) AAS
 
102: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:26 ID:KUomEtCd(4/10) AAS
「うごか、ないで」
シアターらしき建物から出てきた男に向かって、私は銃を向けた。
いきなり銃を向けなくても良かったのかもしれないが、相手が凶悪な人物であった場合今の私では対処しきる自信がなかった。
ただ、そのときの私がそのような冷静な判断の下で行動できていたとは考えづらいように思う。
自分以外の人間に出会ったことが無性に恐くなってなんとなく銃を向けた、というのが正直なところかもしれない。
男は静かにデイパックを地面に置いて両手を頭の後ろに組んだ。
省10
103: 2007/09/29(土)22:27 ID:JDbfrFEL(4/12) AAS

104: 2007/09/29(土)22:28 ID:JDbfrFEL(5/12) AAS

105: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:28 ID:KUomEtCd(5/10) AAS
そこで私は男に押し倒された。
「落ち着けっ!暴発するぞ!」
私の銃を掴んで叫ぶ。
私はその顔を、それこそ馬鹿みたいにぼうっと見つめていた。
「とにかく、手を放せ」
男が私から銃をむしりとろうとし、私は反射的にそれに抵抗する。
省14
106: 2007/09/29(土)22:29 ID:dfsTw/0H(11/12) AAS
 
107: 2007/09/29(土)22:29 ID:JDbfrFEL(6/12) AAS
ごめんなさいsage忘れました。
108: 業苦 ◆10fcvoEbko 2007/09/29(土)22:30 ID:KUomEtCd(6/10) AAS
瞳孔の開ききった目で男の掲げる銃を見つめる。
私の銃。

歯ががちがち鳴る。
キャロを殺した銃。

涙が頬を伝わり落ちる。
キャロを殺した私の銃。
省6
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