[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2 (594レス)
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12: 2007/09/25(火)00:40 ID:/622+3yn(1/4) AAS

13: 2007/09/25(火)00:40 ID:TIK4SdxO(1/2) AAS

14: 2007/09/25(火)00:41 ID:B6iD+hxT(1/2) AAS
 
15: 2007/09/25(火)00:41 ID:CXh4BjpZ(4/5) AAS

16: 2007/09/25(火)00:41 ID:Ucy4q04R(1/4) AAS
 
17: 2007/09/25(火)00:42 ID:0JlIc8H/(2/2) AAS
AA省
18: 2007/09/25(火)00:43 ID:BPzw6pCs(3/3) AAS
 
19: 2007/09/25(火)00:43 ID:B6iD+hxT(2/2) AAS
 
20: 2007/09/25(火)00:44 ID:Ucy4q04R(2/4) AAS

21
(1): いきなりは変われない ◆h8c9tcxOcc 2007/09/25(火)00:44 ID:DtIeRnZG(2/8) AAS
烈しい破裂音が轟き、次いで短い金属音が響く。右の頬に鋭い痛みが走った。
衝撃に圧された手で胸を強打し、うしろによろめいて、椅子の下の固い床でしたたか尻餅をつく。
青い髪の束が、ふぁさ、と落ちた。
「へ? へ?」
こなたは煙を上げる銃口と駆け寄る甲冑を交互に見比べるばかりだった。
頬から血の糸が垂れ、顎の先から滴になって床へと落ちた。
省5
22: 2007/09/25(火)00:45 ID:TIK4SdxO(2/2) AAS

23: 2007/09/25(火)00:45 ID:/622+3yn(2/4) AAS

24: 2007/09/25(火)00:45 ID:Ucy4q04R(3/4) AAS
 
25: 2007/09/25(火)00:46 ID:VzWMKMqy(1) AAS
 
26: 2007/09/25(火)00:46 ID:CXh4BjpZ(5/5) AAS

27: いきなりは変われない ◆h8c9tcxOcc 2007/09/25(火)00:47 ID:DtIeRnZG(3/8) AAS
銃が本物であるということは、この『ゲーム』は『ゲーム』でなく、ほんとうの殺し合いということになる。
同時に、胸躍らせながら眺めていた『演出』で首を刎ねられたモロトフが、作り物である必然性も失われるわけである。
そしてゲームの目的は、“唯一人の”優勝者を選び出すことであって。
参加者一覧には親しい友人や、妹同然の従妹の名があって。

目の前で人が死んだ?
この手で他人を殺そうとした?
自分や知人が、生命の危機に瀕している?
省15
28: 2007/09/25(火)00:47 ID:/622+3yn(3/4) AAS

29: 2007/09/25(火)00:49 ID:Ucy4q04R(4/4) AAS
 
30: いきなりは変われない ◆h8c9tcxOcc 2007/09/25(火)01:01 ID:DtIeRnZG(4/8) AAS
アルのテンプレ修正

誤 不明支給品0〜3個
正 不明支給品1〜3個

すごく……不当なハンディです……
31: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)02:57 ID:n330Gvof(1/9) AAS
E-4、ヨットハーバー。一通り名簿と支給品を確認した私は、その見慣れぬ施設に足を踏み入れた。
左手に液体燃料式のランタンを持ち、用心深く歩を進める。

周囲は見渡す限り、輝く水で覆われている。塩の臭い、一瞬で嗅覚がそこが海に面した場所である事を察知する。
中々不思議な光景だった。
桟橋にロープで括り付けられているいくつもの小型の船舶。
風力で動く酷く原始的なものが大半、奥の方にはおそらく何らかの原動機を積んでいると思われる大型のものが並んでいる。
省33
32: 2007/09/25(火)02:58 ID:DtIeRnZG(5/8) AAS
 
33: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)02:58 ID:n330Gvof(2/9) AAS
正直、どう対応すべきか決め兼ねる。
この男は怪しい。胡散臭いというよりも、"腹の探り合いで数歩先を行かれている"ようなイメージ。
錬金術師は高い戦闘能力を誇る兵士であると同時に、優れた研究者でもある。
肉体派の国家錬金術師として通ってはいるものの、政治家としての手腕や話術にはそれなりの自信は持っていたものだ。
故に初対面の相手にここまで流れを持って行かれるのは中々久しい体験だった。
そう、"安易な行動"を取る事は出来ないと感じさせるだけの高い能力を男は有している。
省33
34: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)02:59 ID:n330Gvof(3/9) AAS
「おや、そんなものを持っていましたか。銃器の類は所持していないと思ったんですが……」
「どういう、ことだ?」
「……錬金術、古代から中世にかけて行われた"金"や"賢者の石"に関する学問。
 現代における化学の根本を成す――例えば、かのアイザック・ニュートンも高名な錬金術師であったと言われています。
 ですが……あなた方の言う錬金術とはまたソレとは別の技術なのでしょう、<<焔>>の錬金術師よ」

明智は相変わらず嫌味な笑顔のまま、次は私にとって最も聞きなれた呼称を口にした。
省30
35: 2007/09/25(火)03:00 ID:4fKuvt7O(1/2) AAS
 
36: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:01 ID:n330Gvof(4/9) AAS
「!? これは……まさか、こんな事が……ッ!!」

明智の憎たらしい笑顔が"消失"する。
続けざまに、ヨット場に苦い煙草の匂いが出現。懐かしい、国を思い出させる匂いだ。

その顔面に刻まれたのは驚き、そして在り得ない物を視認した者が見せる恐怖の感情。
明智は手に持った煙草を忌々しいものでも見るように投げ捨てた。
ソレは奴の隣、何も無い海面に落ちて見えなくなった。
省19
37: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:02 ID:n330Gvof(5/9) AAS
「くッ!!!」

巨大な炎の塊が私の足元に発生した。
だがこのような展開もある意味予定通り。
彼がいつ攻撃してきても構わないように、全身の神経を張り巡らせていたのだから。

横に思いっきり身体を飛び退かせ、その炎から身を守る。

「……中々いい動きだな、明智。だが次は外さんぞ? そもそも『一割以下』という件はブラフだったのだろう?」
「ッ、ええ。元々、相当高い確率でゲームに乗った人間である事は予想していましたから」
省28
38: 2007/09/25(火)03:02 ID:4fKuvt7O(2/2) AAS
  
39: 2007/09/25(火)03:02 ID:DtIeRnZG(6/8) AAS
 
40: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:03 ID:n330Gvof(6/9) AAS
男の眼――それは、爛々と燃え盛る太陽のような瞳をしていた。
野望、野心、そして遙かなる向上心。
天を、高みを目指す強欲なまでの彩りに満ちた視線。

だが私は見逃さない。
その輝きの中に、僅かな黒点にも似た曇りが存在する事を。
そしてソレは犯罪芸術家「高遠遙一」にも似た殺意を押し殺した人間の眼なのだ。

「ふふふ……面白いな、明智よ。こんな状況でなければ私の部下にしてやってもいいくらいだ」
省23
41: 2007/09/25(火)03:04 ID:DtIeRnZG(7/8) AAS
 
42: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:04 ID:n330Gvof(7/9) AAS
「ちっ……見失ったか」

火上するヨットの群れを前にして私は立ち尽くしていた。
手応えは正直、無い。
奴が海に飛び込んだ瞬間、確かに炎を練り上げたものの、またしても回避されたのだ。

ランタンの火を消し、デイパックの中に戻す。
正直意外だった。
まさか"ランタンを付けたまま行動している"というだけで、あそこまでの推理を働かせる人物がこのゲームに参加しているとは思わなかったのだ。
省27
43: 2007/09/25(火)03:05 ID:GvHQaTFw(1/3) AAS

44: 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:05 ID:n330Gvof(8/9) AAS
【F-4 ヨットハーバー周辺 一日目 黎明】

【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:健康、両方の掌に錬成陣
[装備]:ランタン、拳銃型ライター
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品x2
[思考]
省25
45: 2007/09/25(火)03:06 ID:DtIeRnZG(8/8) AAS
 
46
(3): 明智健吾の耽美なるバトルロワイアル――開幕◇tu4bghlMIw (代理) 2007/09/25(火)03:06 ID:n330Gvof(9/9) AAS
他の支給品として例の煙草と訳の分からない双銃。
銃……なのだが、実弾を装填するための機構が何処にも見当たらないのだ。
加えてマガジンもデイパックの中には入っていなかった。

レーザー銃かと思い、壁に向かって引き金を引いて見たのだが当然何も起こらない。
故に扱うために何か特別な資格が必要なのかもしれないと判断した。
せいぜい威嚇程度にしかならないため、先ほどは相手を刺激しないためにしまっておいたのだが。
省35
47: 2007/09/25(火)03:07 ID:GvHQaTFw(2/3) AAS

48: 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:38 ID:k5nEM0BV(1/6) AAS
古手梨花がそれを見つけたのは、山を下り始めて三十分ほど経った頃の事だった。
(くすくす・・・随分とまた無用心ね)
進行方向の向かって正面。大木の根元に小柄な影が蹲っているのを確認し、梨花はほくそえむ。
尻尾のような飾りと見たこともない服装だが、おそらくは自分と同年代か少し上程度の少女だろう。
地面に色々な道具――おそらくは支給品だろう――を広げている。
(さて、どうしようかしら。利用するのもいいけど・・・)
そう考えながら少女の様子を見る。
省23
49: 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:38 ID:k5nEM0BV(2/6) AAS
やがて、梨花が『やはりこの娘はここで殺しておこうか』などと考え始めたとき、不意に少女が動きを止めた。
投げられる物が尽きてしまったのだろう。じっと鞄へ視線を送っている。
(ふふ・・・よくも、てこずらせてくれたわね)
後ろ手でスタンガンを握りなおしながら、ゆっくりと少女に近づく。
「怯えなくても大丈夫なのですよ。にぱー」
もちろん、笑顔は絶やさない。邪気の無い笑みを装いながら、少しずつ歩を進める。
その時・・・少女が鞄の中から鋼色の何かを取り出すのが見えた。
省3
50: 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:39 ID:k5nEM0BV(3/6) AAS
「あれ?」
・・・なかった。目を開くと、少女の姿が忽然と消えている。視線を落とすと、足元に転がるのは黒い鞄。
その場に残されたのは散乱する道具と呆然と佇む梨花。そして草を掻き分ける微かな音のみ。
逃げられた・・・よほど恐ろしい顔をしていたのか、こちらの殺気とやらを読んだのか・・・
(なんにせよ、うかつだったわね)
逃げられたことに微かな不安と怒りが込み上げるが、頭を振ってそれを追い払う。
殺気のような物を読まれたとしても、決定的と言える証拠は無かったはずである。
省16
51: 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:39 ID:k5nEM0BV(4/6) AAS
『おっぺけぺ〜のぺ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
52
(1): 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:40 ID:k5nEM0BV(5/6) AAS
後方から聞こえた物凄く大きな声に、森の中を走っていたアルルゥは首をすくめ、その動きを止めた。
恐る恐る後ろを振り向き、何の気配も無いことを確認すると再び山を駆け下り始める。
その手に抱えられている物は鋼色に輝く扇子。
ついさっき、見知らぬ少女から逃げるときに持ち出した、たった一つのもの。
(ちなみにアルルゥが逃げ出した原因は・・・単なる人見知りである)
「おとーさん・・・」
それの持ち主である仮面の青年の姿を思い浮かべながら、少女は麓へと駆け下りてゆく。
省14
53
(1): 少女の幸運と少女の不幸 ◇FbVNUaeKtI(代理) 2007/09/25(火)03:40 ID:k5nEM0BV(6/6) AAS
【C-6山中 1日目 深夜】
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:健康
[装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの
[道具]:なし
[思考・状況]
 1:ハクオロ等の捜索
省8
54: 2007/09/25(火)03:46 ID:mtK0O8I3(1) AAS
 
55: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:51 ID:3WZf49N1(1/25) AAS
投下します
56: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:53 ID:3WZf49N1(2/25) AAS
AA省
57: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(3/25) AAS
いきなり殺し合いをしろ、なんて可笑しなことを言われたら、誰だって必然と視野が狭くなるもの。
 灯台下暗し――なんて諺があるが、暗くて見失ってしまうようなものは、何も手元にあるとは限らない。

「まぁ。今まで気にも留めませんでしたけれど、ここから見える月夜もなかなかのものじゃありませんの」

 空に上る満月を見ながら、獣耳の女――カルラは、物思いにふけるような素朴な笑顔を作る。

「まったく、こんな厄介なことに巻き込まれたりしなければ、今頃ウルトあたりと一緒に月見酒と洒落込むところですのに」

 素朴……そう、月を見上げる彼女の笑顔は、確かに素朴だったのだが、
省8
58: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(4/25) AAS
「あ、あ…………」

 やらかしてしまった失敗への後悔のせいか、それとも単純に、カルラへの恐怖からくるものか。
 分からない。分かるのは、自分が彼女に攻撃を仕掛けてしまったということだけだ。

 普段の冷静な思考が、取り戻せない。
 タヌ機による幻覚作用が齎した最悪な不幸――親友が人を殺す、という悪夢がフェイトを混乱の渕に追い込んでいた。
 目の前の女性は誰か? 耳や尻尾など、獣の象徴的なパーツを宿しつつも人型を成すその姿。アルフやザフィーラと同じ使い魔なのだろうか。
 そもそも自分は、殺戮を続けるなのはを追ってここまで来たはずなのに。当のなのはは何処に消えてしまったのか。
省4
59: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(5/25) AAS
「…………通る」

 殺し合いに乗った親友――高町なのはを止める。
 フェイトは意思を強め、見失わない内になのはを追おうと、再び進み出そうとするのだった。
 それこそ、降りかかる火の粉、行く手を阻む障害は、全て蹴散らしてでも。

「あらあら。殺気を放っても臆せずに向かってくるなんて……本当に困ったお子様ですわね。忠告しておきますけれど、わたくし、そんなに優しくありませんことよ」

 微笑の影に強大な剣気を隠し、カルラは杖を構えるフェイトに向き直る。
 ホーホー、と何処からか梟の鳴き声が聞こえてきたような気がした。いや、ひょっとしたら虫の鳴き声だったかもしれないし、周囲の参加者が高笑いでもしていたという可能性もある。
省14
60: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:54 ID:3WZf49N1(6/25) AAS
 余談だが、キママゥとはカルラが居た世界『ウィツァルネミティア』に生息する猿のことである。
 木の上から飛び出したカルラが向かう先は、魔法陣の上で光球の操作を行っているフェイト。
 カルラの想像以上のスピードに目を白黒させつつ、残った三つ目の光球を引き戻そうとする。が、
 時、既に遅し。カルラはフェイトの眼前に立ち、フェイトの額を目掛けて右腕を伸ばす。

「おイタはいけませんことよ」

 大人女性特有の、優しげだがどこか迫力のある微笑を見せ、フェイトの額にデコピン一閃。
 普段、大人の男四人がかりでも持ち運ぶのが困難な大剣を振り回すカルラのデコピンは、もはや単なるお仕置きのレベルを超越していた。
省5
61: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:55 ID:3WZf49N1(7/25) AAS
 立ち上がりながら、フェイトはブツブツと何かを呟く。
 その複雑な言語様式が何を意味するものかは分からなかったが、フェイトの足場に形成された陣が未だ消えぬことに、カルラは警戒した。

(ウルトやカミュが術を使うのと似た雰囲気……まだ、何かがきますわね)

 フェイトから距離を取り、来るべき何かに備えるカルラ。
 その間も、フェイトは呪文の詠唱を止めなかった。

「サンダー……フォール!」

 瞬間。
省4
62: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:55 ID:3WZf49N1(8/25) AAS
「…………やった?」

 砂埃舞う森林地帯。焼け焦げた草の大地に立っていたのは、フェイトただ一人だけだった。
 獣耳の怖い女の人はいない。影も気配も見当たらない。
 クロノのデバイスを通して放った魔法、死ぬことはないはずだが。

「……!」

 消えたカルラを捜すフェイトの視線の先、その場に倒れた一本の木を発見して、顔色が変わった。
 長さはそれほどでもなく、太さは人間の女性といった細い倒木。
省14
63: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(9/25) AAS
「――――――――ッ」

 言葉が、出なくなった。
 非殺傷設定があるから、クロノのS2Uがあるから、相手が死ぬことはない。そう思って攻撃魔法を放った。
 しかし、そのせいで木が倒れた。その先に彼女がいて、下敷きにされてしまったのだとしたら。
 ――死ぬ。間接的だが、自分が殺した。

「…………わたし、が?」

 殺すつもりなんてなかった。殺戮に走ってしまった友人を止めるため、ちょっと退いてもらおうと思っただけなのに。
省9
64: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(10/25) AAS
 涙が溢れ出す――その間際、フェイトの涙腺を閉めるきっかけとなったのは、ひょうひょうとした女性の声だった。
 倒木が持ち上がり、その下から獣耳の女が姿を現す。
 頭部から血を垂れ流し、痛みに苦しむ顔をしているにも関わらず、手では軽々と倒木を持ち上げている。
 若い女性が血を垂らしながら木を持ち上げる。その光景にも驚かされたが、それよりも何より、

「…………生き、てた」

 ――殺して、なかった。
 その現実に、フェイトはいたく喜んだ。
省12
65: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:56 ID:3WZf49N1(11/25) AAS
「う、うぅ……」

 実力……いや、違う。『覚悟』が違いすぎた。

 身も心も、全て捧げた主ハクオロのため。楽しく過ごした仲間たちと、一緒に帰るため。また、平穏を取り戻すため。
 カルラは戦うのだ。死ねないのだ。降りかかる火の粉は何度も振り払い、押しのけてでも進まなくてはいけないのだ。

 片やフェイトは、親友を取り戻すため……本当に、そうだったろうか。
 あれは本当に真実だったのか。なのはが、あんなことをするというのか。
 今では、全てがまやかしであったようにも思える。それに、振り回されていただけのようにも思える。
省12
66: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(12/25) AAS
「なのは…………」

 呟く。小さくもしっかりと、会ってもう一度呼びたい、その名を。

「なのは、なのは……なのは」

「……その『ナノハ』というのは、あなたの恋人か何かかしら? それとも家族?」

 フェイトの呟きを聞き漏らさず、興味を持ったカルラが尋ねてみる。
 フェイトは、カルラのその問いを拒絶することなく、立ち上がって正面から返答する。
省13
67: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(13/25) AAS
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』

 杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。

「……参りますわ!」

 倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。

「……ファイア!」『Fire!』
省9
68: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(14/25) AAS
「ブレイズキャノン」『Blaze cannon』

 杖の先端をカルラへ向け、魔力を集中させる。

「……参りますわ!」

 倒木を槍のように突き構え、フェイトへ向けて突進する。

「……ファイア!」『Fire!』
省9
69: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:57 ID:3WZf49N1(15/25) AAS
 そこには、極めて明確な勝敗結果が示されていた。
 先程まで構えていた杖はカード形態に戻し、立ったままの状態で、横たわる女性を見つめる少女が一人。
 地面に仰向けになりながら、開けてきた朝空と少女の顔を見つめる女性が一人。

「…………負けて、しまいましたわ」

 どこか陽気に聞こえるのは、彼女の楽天的な性格故のことだろうか。
 大した悔しさも見せず、カルラが終わりを告げた大地に倒れていた。

「ウルトやカミュの術も凄かったけれど、あなたの術の規模も相当なものでしたわよ」
省11
70: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(16/25) AAS
「よろしければ……名前を教えていただけるかしら」
「……フェイト。あなたは?」
「カルラ、ですわ。別に覚えていてもなんの得もない、つまらない名前でしてよ」

 カルラのふざけたような物言いが、妙に心地よい。
 殺し合いという不安な境遇に置かれた中で、少しだけ元の世界の暖かさを取り戻せたような、そんな気がした。

 背後に死神が迫ってきていたことに気づけなかった。
 それは、一瞬でも殺し合いの世界から脱線してしまった意識のせいなのかもしれいない。
省12
71: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(17/25) AAS
 人気の薄くなった森の奥まで連れて来られ、フェイトはやっと、状況を理解した。

「あ、あ、あ……」

 差し伸ばした手――カルラの背中辺りから、ヌメッとした感触を感じる。
 そして、暖かさも。
 確認するまでもなかった。自分の手にカルラの血が付着したことも、カルラの背中にどうしてこんな液体が付着しているのかも。

「カルラさん……あの時、誰かに撃たれて……」
「……あらあら、そんな泣きそうな顔をしちゃって、せっかくの可愛らしい顔が台無しですわよ」
省7
72: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:58 ID:3WZf49N1(18/25) AAS
「わたしは……なのはに……」

 もう一度、確かめるかのようにその名を呼ぶ。
 もう二度と、この気持ちを失わないように。
 もう二度と、目的を見失わないように。

「なのはに、会いたいぃぃ……………………………………」

 目から大粒の涙をたくさん流し、フェイトは、号泣しながらカルラにそう言った。

「……その言葉さえ聞ければ、わたくしはもう満足ですわ。そうだ、あなたが無事に友達と再会できるよう、おまじないをかけてあげましょう。
省5
73: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(19/25) AAS
 何が「おっぺけぺ〜のぺ〜」だ。
 正直、あんな状態になってしまった時はどうなるんだろうかと心配したものだったが、意外と早めに効果が切れたようで助かった。
 バカになっている最中に誰とも遭遇しなかったことは、運が良かったとしかいいようがない。
 あの尻尾の子には報復が必要ね……フフフ……いえ、それにお礼も必要かしら。
 なにせ、現在のこの状況を招く、きっかけを与えれてくれたんですもの。

「……つくづく、子供運がないですわね、わたくしも。まさか、襲撃者があなたのような可愛らしい娘だなんて」
「フフフ……あれだけ大きな戦闘音をたてれば、誰だって気になって調べてみようとするものよ。すぐにその場を立ち去らなかったのは、失敗だったわね」
省7
74: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(20/25) AAS
 私は満面の笑みを見せながら、銃を内蔵した傘を突きつける。
 女は既に死を受け入れたのか、木に凭れ掛かったまま静かに目を瞑った。

「何か言い残すことはあるですか? 今が最後のビッグチャンスなのですよ」
「遺言……ですか。そんなもの特にはありませんけれど、残念といえば残念ですわね……」
「みぃ? ここで死んでしまうことがですか?」
「後悔……というほどのものでもありませんけれど。叶うなら、もう少し居たかったですわね……あの居心地のいい食卓に……」
「食卓? ごはんが食べたいのですか? 心配しないでも、天国へいけばお腹まんぷくで、ペコペコフラフラになることもないのですよ」
省9
75: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(21/25) AAS
  『それは俺の芋だァーーーー!』      『バカっ、テメー一人で食いすぎなんだよ!』

        『クロウ、あなたもいい加減にしておきなさい』

            『若様、おかわりはどうですか?』      『あらあらウフフ』

     『おいしいねーユズっち』          『はい……』

        『うぅ……聖上ぉ……某は、某はぁ……』   『ちょ、トウカさんそれお水じゃなくてお酒じゃないですか!』
省8
76: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)03:59 ID:3WZf49N1(22/25) AAS
 後に残ったのは、怪しく笑う青髪の少女が一人。
 木に凭れ掛かったまま、体中を銃弾で貫かれた死体が一つ。

「まずは一人……そろそろ夜も明けるだろうけど、まぁまぁの滑り出しといったところかしら。
 役に立ちそうな支給品も手に入ったことだし、早めにこの場から立ち去ったほうがいいわね」

 カルラを銃殺した古手梨花は、彼女の四次元デイパックを回収し、その場を離れる準備を進めていた。
 震源地から少し離れているとはいえ、あの戦闘音を聞きつけた参加者がまだ湧いてこないとも限らない。
 それらと接触するというのも手だが、近くに死体がある以上、無駄な誤解をされる危険性もある。
省5
77
(2): 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:00 ID:3WZf49N1(23/25) AAS
 風が吹く。
 その風は、少女を覆っていた布をバタバタとはためかせ、空へと舞い上げる。
 むき出しにされた少女は目元に涙を溜め、すぐ傍で起こっていた惨劇に気づけぬまま、朝を迎える。
 カルラが死亡前、フェイトに被せた布――『透明マント』が、梨花の目からフェイトを救ったのだ。
 だが、死は免れても、悲しみから逃れることは出来ない。

 フェイトは目を覚ましたあとも、きっと泣きじゃくることになるのだろう。

 分かり合えた、戦友になれると思えた女性の、死を受け止めて。
省11
78: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:00 ID:3WZf49N1(24/25) AAS
【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:気絶、疲労大、全身に軽傷、背中に打撲
[装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム残数不明
[思考・状況]1:なのはに会う。それ以外の思考は停止中。
[備考]:タヌ機による混乱は治まった様子。

【カルラ@うたわれるもの 死亡】
省6
79: 「友達だ」 ◆2LEFd5iAoc 2007/09/25(火)04:01 ID:3WZf49N1(25/25) AAS
終了
80: ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:03 ID:cGCfh01Z(1/6) AAS
「ウ、ウヌゥ……」
会場の一角に停泊する、殺し合いの場には不釣合いなほど豪華に飾り立てられた豪華客船の、医務室のベッドのシーツの上。
「こ……、ここはどこなのだ!き、清麿はどうなったのだ?」

そこから、金髪の、小柄な姿が、飛び起きた。

正直な所、ガッシュはまだ現状を良く理解してはいない。突然、謎の場所に呼び出され、突然、殺し合いをしろと言われ、
そして―――突然、自らの最も信頼するパートナー、高嶺清麿と引き離された。
わかっているのは、そのくらいのものだ。自らを呼び出し、「螺旋王」と名乗った者の正体はおろか、その「螺旋王」に
省29
81: ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:05 ID:cGCfh01Z(2/6) AAS
しかし、ガッシュは、ポルヴォーラを知らない。だから、この毛だるま生物が、「武器」として支給されたなど、思いも寄らない。
精々、自分と同じように世界のどこかから螺旋王と名乗る男に連れてこられた生き物、としか思ってはいなかった。
人間界ならいざ知らず、この程度の異形なら、彼の故郷の魔界には掃いて捨てるほどいる。

「……」
「……」
「……………………」

だから、この魔物も話が分かる、と思い、話しかけたガッシュであったが……、帰ってきたのは長い沈黙だけ。
省28
82
(1): 2007/09/25(火)04:06 ID:N5clpOmA(1) AAS
あれ?投下宣言あったっけ?
83: 2007/09/25(火)04:06 ID:cGCfh01Z(3/6) AAS
「逃げられぬ……となれば、あやつらが居なくなるまで、ここで待つしかないのか……?」

冷汗まみれの顔でそう呟くガッシュ。しかし、ここで待っていても、助かるとは限らない上、隠れて時間を無駄にすれば
無駄にするほど清麿が危険な目に会う確率が高くなり、無事に出会える確立は下がっていく。
で、あるから、奇襲をしよう。と、ガッシュは考えた。
一気に突っ込んで、驚かせるか何かして隙を作った後、息が続く限り全速で逃走する。それが、ガッシュの考えうる限り、
最良の方法。

「今行くぞ、清麿ッ!」
省30
84: 2007/09/25(火)04:07 ID:GvHQaTFw(3/3) AAS
 
85
(1): ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:08 ID:cGCfh01Z(4/6) AAS
AA省
86: 2007/09/25(火)04:09 ID:0cQldrsZ(1) AAS

87: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(1/18) AAS
『警告します。禁止区域に抵触しています。
あと30秒以内に爆破します』

無機質な声が響き渡る、それと平行して放送の声が聞こえる。

「圭一君!」
「レナ、逃げるぞ!」
『――えられた!、 これもひと・・・』

そういうが早く、俺はレナの手を掴み、正反対の方向に向かって一気に走り出す。
省11
88: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(2/18) AAS
『・・・ワハハハ――』

その不快な声とともに、あの仮面の男の立体映像は消え去った。
よかった、みんな無事だ。そうさそうだ、そうだよな。
俺たち部活メンバーが、こんなことで脱落するわけが無い!
あの策士である魅音の奴はこんなことではうろたえる訳がねえ。
沙都子は自慢のトラップワークで飄々と生き延び、梨花ちゃんはにぱー☆と笑いながら他の誰かをファンクラブにしている。
そんな光景が、不謹慎ではあるが浮かんだ。ふいにレナから声がかかる。
省11
89: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:10 ID:kAm7og1W(3/18) AAS
奇跡、そう、奇跡なんだ。俺たちは出会いも奇跡なら、経過も奇跡だった。
奇跡は間違いなく起きている。それは証明されたんだ。

「なあ、レナ」
「何?圭一君」
「やっぱり、俺たちはツイてる。いや、奇跡はちゃんと起きてたんだ。」
「ただの小学生や中学生の集まりに過ぎないはずの私たち部活メンバーが・・・」
「誰一人欠けることなく残っている。だから俺たち部活メンバーは、絶対にこの悪魔の脚本を打ち破る。」
省11
90: Flying the Sky ◆Yf4GQL3Gk6 2007/09/25(火)04:11 ID:cGCfh01Z(5/6) AAS
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:赤い魔本@金色のガッシュベル!!
[道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム
[思考]
基本思考:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!
1:なんとしてでも高嶺清麿と再開する
省6
91: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:11 ID:kAm7og1W(4/18) AAS
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」

レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・

「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」

レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!

・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
省8
92: Lie!Lie!Lie! ◆hT7zRmFpyY 2007/09/25(火)04:11 ID:kAm7og1W(5/18) AAS
「圭一君、どうしたの?」
「すまんレナ、放送の内容をすっかり忘れてしまった。教えてくれないだろうか」

レナの表情が変わる。あの表情はまさか・・・

「放送を忘れちゃったうっかりやの圭一君かぁいいーーーー、おっ持ち帰りぃぃぃぃぃ」
「だあああああ、レナ待て!、今はそれ所じゃないだろうがああああ」

レナが緩みきった表情で思いっきりじゃれてくる。というか首が絞まってるって、ギブギブギブだから!

・・・レナに散々弄り倒されながらも、俺はなんとかレナを落ち着かせるという任務を成功させる。
省8
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