【公共事業】「コンクリートから人へ」の過ち正せ (90レス)
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1(2): [sage] 2012/12/13(木)01:06 ID:u0lCtHov0(1/5) AAS
トンネル崩落 老朽建造物の総点検が急務だ(12月3日付・読売社説)
日曜の高速道路で大惨事が起きた。
中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で大規模な崩落が発生し、車が次々と下敷きになった。車両火災も
引き起こした。
厚さ8センチほどのコンクリート製の天井板が突然、110メートルにわたって崩れ落ちたという。下敷き
になった車内からは、複数の遺体が見つかった。自力で逃げ出した人たちも、やけどなどを負った。
「雪崩のように崩れてきた」と語る人もいた。トンネル事故の恐ろしさに慄然とする。
何人かがトンネル内に取り残されている可能性もある。警察と消防は二次災害に留意しつつ、救出に全力を
挙げてもらいたい。
中央道は、東名高速と並び、首都圏と関西圏を結ぶ大動脈だ。全長4・7キロの笹子トンネルは1977年
に開通した。
管理する中日本高速道路が9月に目視などの点検を行ったが、換気装置として、トンネル上部からつり下げ
られている天井板に異常は見つからなかったという。
経年劣化はなかったのか。警察と国土交通省は崩落原因を徹底的に解明する必要がある。保守・点検のあり
方の検証も不可欠だ。
同じ構造のトンネルは全国の高速道路に10か所以上ある。点検を急がねばならない。
20人が犠牲になった96年の北海道・豊浜トンネル崩落事故を契機に、全国のトンネルの一斉点検が行わ
れた。その教訓は生かされなかったのだろうか。
高度経済成長期の70年代以降、社会資本整備のための公共事業費が急増した。
この時代に造られた高速道路などの建造物は現在、老朽化が目立ち、危険性が指摘されている。耐用年数を
迎えているコンクリートの劣化は深刻だ。
国交省によると、高速道路だけでも、補修を要するトンネルや高架橋などの損傷が、2011年に約55万
5000か所で確認された。05年の約4万7000か所に比べ10倍以上にも増えている。
大地震に備える防災上の観点からも、まずは老朽建造物の総点検が急務である。
厳しい財政事情の中、公共事業費の削減を求める声は根強い。確かに、野放図な投資は抑制する必要がある
だろう。
だが、危険な建造物を放置すれば、国民生活の安全が脅かされる。老朽施設の改修には、優先的に予算を投
じるべきだ。
衆院選後の新政権が取り組むべき重要な課題である。
(2012年12月3日01時30分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121202-OYT1T00995.htm
2: [sage] 2012/12/13(木)01:07 ID:u0lCtHov0(2/5) AAS
震災復興 歩みを加速させる具体策示せ(12月4日付・読売社説)
東日本大震災後、初めての衆院選がきょう、公示される。
大幅に遅れる被災地の復興をいかに加速させるか。選挙戦では各党の政策が問われよう。
野田首相と自民党の安倍総裁ら4党首が、第一声の地に福島を選んだ。震災からの復興重視の姿勢をアピー
ルするためだろう。
民主党は政権公約(マニフェスト)で、「復興なくして日本の復興なし」として、高台移転の促進や雇用創
出などを掲げている。
自民党は「必要な事業費は抑制せずに、国が責任を持って確保する」と公約し、復興を国土強靱(きょうじん)
化を進める上での最優先課題に挙げた。
いずれも被災地にとって必要な施策と言える。
だが、復興予算を巡っては、被災地の再建とはかけ離れた事業への「転用」問題が明らかになった。この反
省を踏まえ、復興予算を効果的に執行することが、新政権には求められる。
被災地では、後手に回った現政権の復興対策への不満が強い。震災から1年8か月を経ても、がれきの山は
消えていない。高台移転が実現した地域は一つもない。
各党の訴える「復興の加速」が掛け声倒れになってはならない。被災地の事情をくんだ実効性の高い具体策
を示すことが大事だ。
現地の建設資材や人手の不足は深刻だ。津波で壊れた道路や防潮堤の補修工事の多くは、中断や工期延長を
余儀なくされている。
中でも、生コンが著しく不足している。その一方で、仙台市の地下鉄工事では大量の生コンが使われ、不足
に拍車をかけている。
今後、低地の地盤のかさ上げなど大工事が本格化すると、生コン不足はますます深刻となろう。
復興庁の調整機能を強化し、建設業者の資材調達を支援する仕組みを整えることが必要だ。
1993年に北海道南西沖地震に襲われた奥尻島では、高台移転が行われた。しかし、人口は現在、被災時
から3割減少し、過疎化がより進む結果となった。
大震災の被災地も元々、過疎だった所が多い。自治体は、当面の生活再建ができないと、住民流出を招きか
ねないとして、復旧・補修対応を優先しがちだ。
将来、どのような町を作り、活性化していくのか。雇用をどう創出するのか。希望ある展望を示すことが大
切だ。住み続けたいと思う「ふるさと」再生への支援も、国政の責務である。
(2012年12月4日01時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121203-OYT1T01358.htm
3: [sage] 2012/12/13(木)01:08 ID:u0lCtHov0(3/5) AAS
アルプス最高峰、モンブランのトンネルを車で走ったことがある。約4千円の通行
料より、時速50〜70キロ、車間150メートルという厳格な規制にたまげたもの
だ。1999年の火災事故(死者39人)の教訓と聞いた▼フランスとイタリアを結
ぶ細穴は、12キロ弱の対面通行である。高速道から入るとノロノロ運転の感覚で、
遠くのテールランプをにらんでの10分が長い。閉所に弱い当方、名峰の胎内に限ら
ず、トンネル内ではあらぬ悪夢が胸をよぎるのが常だが、頭上を案じたことはついぞ
なかった▼中央自動車道笹子(ささご)トンネルの天井崩落は、3台を巻き込み、9
人が亡くなる惨事となった。130メートルにわたり300枚ものコンクリート板が
落ちる、前例のない事故である▼崩れたのは全長の3%。7秒で抜けられる距離で、
ひと息の差が生と死を分けた。前触れもなく、前途を絶たれた人の絶望に胸が詰まる。
渋滞していたらと思うと、なお恐ろしい▼開通以来35年、外は地圧と水、内は排ガ
スや振動にさらされてきた。老朽化という時限爆弾が、天井裏に埋め込まれていなか
ったか。秋に点検済みとはいえ、最上部のボルト周辺は目視のみ。打音検査なら劣化
が分かったかもしれない▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。
悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、命を守る策はむしろ「コンク
リから人へ」だ。今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。
それを劣化とは呼ばない。
http://www.asahi.com/paper/column20121204.html
4: [sage] 2012/12/13(木)01:09 ID:u0lCtHov0(4/5) AAS
社説:トンネル大崩落 管理の甘さゆえの惨事
毎日新聞 2012年12月05日 02時30分
山梨県大月市の中央自動車道笹子トンネルで2日、天井板が突然大規模に崩落し、押しつぶされた車に乗
っていた9人が亡くなった。
前例のない大事故だ。同トンネルは77年に供用を開始し、老朽化が直接の原因とみられている。全国の
トンネルの4割以上が開通から30年以上たっている。まずは同種トンネルの総点検を急がねばならない。
コンクリート製の天井板がつり金具で固定される「つり天井式」の構造だ。内壁とつり金具の接合部のボ
ルトが抜け落ちており、ボルトか内壁の経年変化による老朽化が崩落の連鎖を招いた可能性が強い。
中日本高速道路側は会見で、ボルト接合部は目視の検査しかしていなかったことを認めた。一方、他の高
速道路会社は、同じ「つり天井式」のトンネルで、劣化の有無が分かりやすいハンマーを使った打音検査
を実施していたとされる。
事実とすれば、中日本高速道路の点検体制に不備があったのではないか。老朽化というだけでは済まされ
ない人為的な要素も加わった複合的な事故との見方もできるだろう。
山梨県警は業務上過失致死傷容疑で4日、同社本社などを捜索した。
一方、国土交通省は有識者による事故原因の調査・検討委員会を同日設置した。刑事責任の追及とは別に、
原因の徹底的な解明と再発防止のための調査が肝心だ。
道路会社を監督する立場の国交省の姿勢も問われる。国交省は、高速道路やトンネルなどの設備点検要綱
を定めた各社のマニュアルをチェックしてこなかった。いわば維持管理を道路会社任せにしてきた。こう
した指導や監督体制の甘さも厳しく見直さなければならない。
近年は天井をつり下げないタイプの工法が主流だが、高速道路と国道37カ所(笹子を含む)が「つり天
井式」だ。原因究明の過程で仮に構造そのものの欠陥が明らかになれば、天井板を取り除くなど大規模な
取り組みも検討すべきだろう。
変化に富む日本の国土は、トンネルだけでなく橋脚も数多い。鉄道のこうした施設も含め、高度成長期に
供用を始めた施設は一斉に老朽化の時期を迎えている。
それら全ての交通インフラを新たに整備し直すのはコスト面からも現実的ではないだろう。危険度や利用
度の高いものから優先的に補修を進めるなど、メリハリをつけながら社会投資していくことが必要だ。
道路・トンネルについていえば、新規建設が重要視され、補修が後回しになった側面はないか。今回の事
故の教訓を道路会社全てが共有し、二度と悲惨な事故を起こさない方策を探らねばならない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20121205k0000m070128000c.html
5: [sage] 2012/12/13(木)01:10 ID:u0lCtHov0(5/5) AAS
トンネル事故―造るより繕う時代だ
トンネルの天井が崩れ落ち、車が次々と下敷きになる。前代未聞の事故が中央自動車道の笹子トンネルで起きた。
天井板をつる金具のボルトが抜け落ちていた。トンネルの開通は35年前だ。中日本高速道路の幹部は脱落の原因を
「老朽化であったと思う」と語った。
ボルトや金具の補修や交換をしたことがなかった。つり金具の付け根の部分は目で見るだけで、ハンマーを使った打音
検査をしていなかった。
経年劣化への警戒が甘かったと言われてもしかたない。
国土交通省の指示で、全国のつり天井のトンネル49本の緊急点検が始まった。
ただ、心配は同じ型のトンネルだけにとどまらない。
この国は、高度成長期からバブル期にかけて張りめぐらされた高速道路などのインフラの老化問題を抱えている。短い
間にできた分、老いるのも一斉だ。地震の影響も気になる。
安全の総点検が必要だ。
コンクリートの耐用年数はだいたい50年といわれる。道路を例にとると、2029年には全国のトンネルや橋の半分
近くがその50年を超える。
ひび割れが見つかるなどして通行規制がかかっている橋は、今年4月の時点で1160本あり、08年に比べて1.7
倍に増えた。
高速道路も4割が供用から30年を超えた。劣化対策を高速道路各社が話し合いはじめた矢先に、この事故がおきた。
今あるインフラの維持管理や造り替えの費用がかさむため、37年度には新たな建設に財源をまわせなくなる。国土交
通省はそう試算する。
新たなものを「造る」から、今あるものを「繕う」へ。頭を切りかえる時期にきている。
公共事業はずっと景気浮揚の道具として使われてきた。
「コンクリートから人へ」をかかげた民主党政権も、整備新幹線や凍結していた高速道路建設の再開、八ツ場ダムなど、
大型の新規工事に次々とゴーサインを出した。
自民党や公明党も、防災や減災を理由に「総選挙後に大型補正予算を」と訴える。
安全への投資は必要だ。しかし、新しく大きなものを造れば維持費がさらにかさむ。古びた施設の安全性を高めること
を優先すべきだろう。
壊れてから修繕費用を出すより、日ごろからこまめに点検と手入れをする方が施設は長持ちし、費用も安く上がる。
「予防保全」という、この考え方が大切だ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20121205.html
6: [sage] 2012/12/13(木)03:55 ID:2sv9uQde0(1/5) AAS
道路老朽化にどう備えるか
2012/12/5付
老朽化した道路などのインフラをどう維持するのか。中央自動車道・笹子トンネルで発生した天井板の崩落事
故は新たな問題を私たちに突きつけたといえる。
この事故では、業務上過失致死傷容疑で山梨県警が中日本高速道路会社への家宅捜索に着手した。徹底した原
因解明を求めたい。
これまでのところ、天井板をつるす金具を固定するボルトの老朽化が一因とされる。同社によるとトンネルの
開通後35年間、金具などを補強したことはない。
同社は崩落した場所を9月に点検していた。ハンマーでたたいて安全性を確かめるのではなく、目で確認した
だけだった。その直後の事故だけに点検方法が妥当だったのかどうかが、まず問われる。
国土交通省は今回と同じ天井板がある全国約50のトンネルの緊急点検を指示した。二度と痛ましい事故が起き
ないように、早期に安全性を確認するのは当然だ。
高速道路のうち、開通から30年以上の道路がすでに4割ある。古くなったから危険というわけではないが、老
朽化に伴うトンネルや橋などの劣化は否めない。
国土交通省によると、補修が必要な高速道路の損傷の数は2011年度で55万5千件ある。5年前と比べて5倍に
膨らんだ。
高速道路を利用する車は1日平均で500万台に上る。貨物の陸上輸送のほぼ半分を担う物流の大動脈だ。老朽化
はさらに進むのだから、保守・点検のあり方や基準を抜本的に見直す必要がある。
保守・点検に携わる要員の確保が難しくなっているが、一方で作業を効率化する新技術の開発も進んでいる。
車が走った時のわずかな振動を小型センサーや光ファイバーでとらえ、トンネルや橋の異常を検知する仕組みだ。
こうした技術をもっと普及させるべきだ。
損傷が軽微な段階で補修し、インフラの寿命をできるだけ延ばす工夫も要る。そうすれば、今回のような事故
は未然に防ぐことができる。道路整備の重点を「造る」から「守る」に変える時だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49189360V01C12A2EA1000/
7: [sage] 2012/12/13(木)03:56 ID:2sv9uQde0(2/5) AAS
笹子トンネル事故 一斉点検急ぎ安全確保を
2012.12.5 03:11
山梨県の中央自動車道笹子トンネルで起きた事故は、1トン以上のコンクリート製天井板が下を走る車
に次々と崩落し、9人の尊い命を奪った。
山梨県警は中日本高速道路会社の安全管理体制に問題があるとみて一斉捜索を行い、本格捜査に入った。
国土交通省が原因究明に協力するのは当然だが、何よりも全国の同種のトンネルの一斉点検と補修を急ぐ
べきだ。再発防止と安全確保を最優先してもらいたい。
同じ構造のつり天井式トンネルは全国に約50本ある。国交省が高速道路5社を含めて緊急点検を指示
したのは順当だが、問題はそれだけではない。中日本高速と国交省の安全管理体制に疑問を抱かせる事実
が指摘されている。
落下した天井板を支えるつり金具は、ボルトでトンネル上部のコンクリートに固定されていた。このボ
ルトが脱落し、天井板が連鎖的に崩落したとみられる。
同社の吉川良一専務は3日、ボルト脱落の原因について「一つは老朽化」としているが、9月に行った
点検では「異常なし」とされていた。
だが、同社の点検マニュアルによると、作業員が天井板に乗ってボルトを点検するのは5年に1度だ。
しかも目視ですませ、ボルトをハンマーでたたいて異常を見つける打音検査は行っていない。
問題のボルトや周辺のコンクリートが地下水や車の排ガスで劣化した可能性も指摘される。それなのに、
昭和52年の開通以後、ボルトやつり金具の交換や補修が行われた記録はないという。
国交省が老朽化に関して打音検査の例示にとどめ、義務づけていないのは怠慢ではないのか。つり天井
の生命線はボルトにあり、緩みや脱落が大事故につながる危険性は素人でも予想できる。同社も国交省も、
安全を徹底する認識を欠いていたのなら大問題だ。
ボルトが埋め込まれたコンクリートの劣化も心配だ。山陽新幹線のトンネルではコンクリート片の落下
が相次ぎ、平成11年に福岡トンネル内でコンクリート塊がひかりを直撃する事故が起きた。これを受け
て、JR西日本は超音波を使った精密検査を導入した。
笹子トンネルと同様に高度成長期に建設された全国の高速道や架橋などのインフラの老朽化が進んでい
る。事故の背景として、こうした問題も忘れてはならない。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121205/dst12120503110001-n1.htm
8: [sage] 2012/12/13(木)03:57 ID:2sv9uQde0(3/5) AAS
老朽インフラ 安全確保に投資惜しむな
2012.12.7 03:18
老朽化したインフラをどのように維持・管理し、次の世代に引き継ぐか。中央自動車道の笹
子トンネルで起きた天井板の崩落事故は、重い課題を突きつけた。
トンネルだけではない。高度成長期以降に建設された高速道路や橋、港湾施設なども経年劣
化が進んでいる。財源に限りがある中で、公共投資をきちんとインフラの保守に配分する仕組
みづくりが何より必要だ。
各党は今回の衆院選の論戦で、国の基盤となるインフラの保守のあり方についても明確な考
え方を示してほしい。
例えば、橋梁(きょうりょう)の老朽化の進み具合は深刻だ。全国に15万7千カ所ある全
長15メートル以上の道路橋などのうち、217カ所(4月現在)が損傷や劣化のため通行止
めになっている。重量制限などの規制を講じた橋も、4年前に比べ1・7倍に急増した。
国土交通省によると、損傷が激しくなるとされる築50年を経過するインフラは2030年
度で橋の半分以上、水門など川の管理施設の6割以上に達する。だが、予算や人員が不足しが
ちな市町村管理の道路や橋では補修計画もほとんどないのが実情だ。
公共事業費は減少しており、ピーク時の1990年代後半に比べ現在は半分程度にとどまる。
「コンクリートから人へ」のスローガンで公共事業削減に取り組んだ民主党は、今回も「公共
事業のばらまきに明るい経済の見通しはない」とする。
これに対し、自民党は政権公約で「国土強靱(きょうじん)化」を掲げ防災・減災などを中
心に公共事業を増やす。公明党も10年間で100兆円を投じる「ニューディール計画」をう
たう。東日本大震災を機に防災対策を重視したものだ。
景気対策の名のもとで、投資効果が低い公共事業をばらまく余裕はもはやない。だが橋や道
路などのインフラは国民の生命を守り、地域の暮らしや経済活動を支える重要な基盤である。
保守や補修に必要な投資を怠れば、国土の安全は徐々に崩壊してしまう。
適切に維持・管理すれば、老朽インフラでも安全に使える「長寿命化」を実現することが可
能だ。予想される首都直下地震などに備え、今後は公共施設の耐震化も急がねばならない。公
共事業費の「賢い使い方」に、みんなで知恵をしぼりたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121207/plc12120703190004-n1.htm
9: [sage] 2012/12/13(木)03:58 ID:2sv9uQde0(4/5) AAS
公共事業 選択と集中で効果的な投資を(12月8日付・読売社説)
中央自動車道・笹子トンネルの天井崩落事故を受けて、公共事業政策が衆院選の主要な論点に急浮上
している。
老朽化した道路や橋などを放置すれば、国民の安全が脅かされる。限られた財源で社会資本を維持す
るため、公共事業をどう効率化するかが問われよう。
自民党は、「国土強靱(きょうじん)化計画」を掲げ、防災などを目的に10年間で事業費200兆円
の公共投資を想定している。公明党も、10年間で100兆円規模の「防災・減災ニューディール」
を示した。
2009年の前回衆院選で、「コンクリートから人へ」を掲げた民主党は、今回も自公両党の政策を
「ばらまきだ」と批判している。野田首相は、「元の自民党の政策に戻るのか」と牽制(けんせい)し
た。
日本維新の会は、公共事業を拡大せず、日本の競争力を高めると主張するが、具体策は不明だ。
高度成長期に整備された全国の道路、橋、上下水道などがまもなく寿命を迎え、急速に損傷や劣化が
進む。老朽化した社会資本の対策は急務と言える。
国民の不安を和らげる方策を各党は示してもらいたい。
国土交通省の推計では、更新費用は今後50年間で190兆円に膨らむ。財政危機の中、公共事業費
は年々減少しており、大盤振る舞いする余裕はない。
危険箇所の早期発見や補修で長寿命化を図り、費用を圧縮することが重要だ。老朽化で橋の落下事故
が相次いだ米国を参考に、橋の点検・補修を優先すべきだ。
人口減少を考慮すれば、利用が減った公共施設や橋などは使わないなどの決断も求められる。
新規事業についても、「選択と集中」を進めねばならない。都市部の環状道路網、国際拠点となる空
港や港湾など、経済成長に資する事業は重視する必要がある。
民主党政権が整備新幹線の着工を認可したことは、費用対効果から疑問が残る。見直すべきだ。
自民党の国土強靱化計画が、日本海国土軸など大型事業に固執している点も、70年代の「列島改造」
の復活を連想させる。
効果の乏しい景気対策、需要予測を下回る道路や空港の乱造などが、膨大な財政赤字の一因となった
教訓を忘れてはならない。
消費税率引き上げによる税収増の一部を、公共事業に充てようとする案も論外だ。民間の資金や知恵
を生かす発想で、効果的な公共投資を進めることが肝要だ。
(2012年12月8日01時24分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121207-OYT1T01441.htm
10: [sage] 2012/12/13(木)03:59 ID:2sv9uQde0(5/5) AAS
金融緩和と成長戦略は脱デフレの両輪だ
2012/12/9付
デフレからの脱却と円高の是正は経済再生の重要な条件だ。衆院選で具体策を競い、国民の信を問
うのは当然である。多くの政党の公約は金融緩和に重点を置くが、民間の活力を引き出す成長戦略の
役割も重い。
自民党は政府・日銀の政策協定で2%の物価目標を定め、大胆な金融緩和を促すと公約した。民主
党は日銀が「物価安定のめど」と位置づける1%を尊重するが、金融緩和を求めるという方向性は同
じだ。
デフレと円高の克服には強力な金融緩和が欠かせない。金利の低下余地が乏しいなかで、金融緩和
の効果を高める一層の知恵や工夫が問われている。政府と日銀がデフレ・円高への対応で緊密に協力
していく必要がある。
一方、日銀の独立性を脅かし、財政赤字の穴埋めを迫るようなことをすれば財政規律は失われる。
日本の経済運営への信用を損なわぬよう細心の注意を払うべきだ。
過度の円高の弊害を訴える通貨外交も重要だ。日米欧に新興国を加えた主要20カ国・地域(G20)
は「為替相場の無秩序な動きは経済と金融の安定に悪影響を与える」との認識で一致している。
韓国や中国では自国通貨の上昇を抑える為替介入が常態化している。特に韓国のウォン安は日本企
業の競争力に影響を及ぼしており、こうした問題を提起していく政府の努力も求められる。
円高対応などと連動しなければならないのが政府の成長戦略である。外需の取り込みと内需の掘り
起こしを急ぎ、日本経済の成長力を高める政策が必要だ。
民主党は環境・エネルギー分野などの産業の育成や雇用の創出を訴え、自民党は法人税の大胆な引
き下げや不断の規制改革などを掲げる。ただ、成長戦略の具体化を巡る論議は弱い印象を受ける。
民主、自民両党は衆院選後に大型の経済対策を打ち出すことも約束した。再生エネルギーの普及を
促す送電網の整備や蓄電池の開発など、重要性や経済効果が高い事業を選別すべきだ。
防災事業や老朽化したインフラの更新投資はある程度必要だが、ばらまきや無駄を助長してはなら
ない。財政再建との両立を忘れてもらっては困る。自民党の「国土強靱(きょうじん)化計画」や、
公明党の「防災・減災ニューディール」には特に節度を求めたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49358630Z01C12A2PE8000/
11: [sage] 2012/12/14(金)07:42 ID:f4jqIFHd0(1) AAS
コンクリートから人柱へ
民主党です
12: [sage] 2012/12/15(土)22:32 ID:heoNe8GO0(1/2) AAS
社説:衆院選 復興と防災…政治の決意が伝わらぬ
毎日新聞 2012年12月13日 02時30分
東日本大震災に見舞われた被災地の復興をどう成し遂げるのか。各党の政策が問われるが、主要争
点の陰に隠れて埋没しているのが現状だ。
主な政党の公約には、除染やがれき処理、雇用確保や産業振興など幕の内弁当のように復興メニュ
ーが並び「充実する」「加速する」といった耳に心地よい言葉が列挙される。だが、具体性に乏し
く復興への道筋が見えてこない。
たとえば、被災地以外への流用が強い批判を浴びた復興予算の使い道だ。政府は先月末、一部予算
の執行を停止し、復興予算を被災地以外では原則として使わない方針を明らかにした。ただし、全
国防災事業のうち、河川の津波対策や学校の耐震化は例外扱いとしている。
私たちは、全国防災のコストは今回の震災とは別に考えるべきもので、少なくとも復興財源の流用
という形で対処すべきではないと指摘してきた。各党とも「復興予算は被災地へ」との主張は共通
するが、全国防災との予算切り分けについて明確な主張が見られないのは残念だ。
防災について言えば、自民党は「国土強靱(きょうじん)化」の推進、公明党も「10年間で10
0兆円」の防災・減災事業を掲げた。先日起きた中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故に象
徴されるインフラの老朽化も、こうした主張を後押しする。
だが、あくまで財源あってのインフラ整備だ。日本にとって防災対策が最重点であるのは確かだが、
防災事業ならば青天井であるかのような主張は説得力に欠ける。
新味がうかがわれる政策の少ない中で、日本維新の会は「被災地知事、市町村長を大臣ポストに」、
みんなの党は「復興庁を霞が関から被災地に」とうたったのが注目される。
2年目の冬を迎えた被災地で復興格差が深刻化してきたとの声を聞く。震災や原発事故によって避
難・転居を余儀なくされた人たちはいまだ32万人以上いる。こうした人たちの住まいや生活の安
定に最優先で取り組むのが政治の役割だ。
中でも原発事故により県内外へ16万人が避難した福島の復興・復旧策にもっと踏み込むべきだ。
除染が進まない中で、農産物などの風評被害は深刻だ。避難区域再編に応じた地域づくりや「仮の
町」を国としてどう支えるのか。
福島に限らないが、住宅を自力再建できる余力のない被災者が将来的に住む災害公営住宅(復興住
宅)の建設も遅れている。仮設住宅での孤立死などが心配だ。津波や原発事故で一番打撃を受けた
人たちに目配りした政策への決意をぜひ聞きたい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20121213k0000m070084000c.html
13: [sage] 2012/12/15(土)22:32 ID:heoNe8GO0(2/2) AAS
被災地の生活再建と産業再生に全力を
2012/12/15付
東日本大震災の被災地が再び、冬の厳しい季節を迎えている。被災者の生活再建や産業再生はま
だ緒に就いたにすぎない。
岩手県や宮城県では被災した住宅の高台移転やがれきの処理が思うように進まない。農業や水産
業の立て直しもこれからだ。
福島県では放射性物質を取り除く除染作業が遅れている。帰還が長期にわたって困難な地域の住
民が仮移転する「仮の町」構想も停滞している。事故を起こした原子炉の廃炉にどう取り組むかも
明らかではない。
各政党ともに震災復興に全力で取り組む姿勢を打ち出している。それならば、司令塔であるはず
の復興庁の機能を強化し、地元の要望に寄り添うように予算を柔軟に配分することが欠かせない。
震災復興のために法人税の増税が始まり、所得税や住民税も増税するのだから、反捕鯨団体に対
する監視船の借り上げのような被災地に関係のない事業に予算を流用するなど言語道断だ。真に必
要な事業を改めて精査すべきだ。
被災地の将来像を改めて議論する必要もある。再生可能エネルギーや先端医療の拠点などを整え
る方針になっているが、各党の公約では具体像が見えない。
各党に強く求めたいのは衆院選後の対応だ。政権の枠組みがどうなろうとも、震災復興には協力
して取り組むべきだ。
防災や減災対策も衆院選の争点である。南海トラフ地震や首都直下型地震などに備えるために避
難路を確保したり、住宅の耐震化に取り組んだりするのは確かに必要だ。老朽化が著しい道路や橋
などの補修も緊急の課題だろう。
しかし、旧来型の公共事業が紛れ込んでいるのはおかしい。自民党は日本海国土軸など多軸型国
土の形成を掲げている。一部の道路については費用対効果に関係なく、整備すると書いている。
公明党も「防災・減災ニューディール」と称して大規模堤防の整備などを盛り込んだ。避難用ビ
ルを建てるなど必要な事業はあるだろうが、ハード面の対策だけでは被害を防げないというのが、
大震災の教訓だったのではないか。
防災対策ではまず、優先度をしっかりと決めることが重要だ。震災を理由に、公共事業の大盤振
る舞いを打ち出す姿勢には違和感がぬぐえない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49595230V11C12A2EA1000/
14: [sage] 2013/01/26(土)09:45 ID:1RrlK4IS0(1/2) AAS
緊急経済対策 景気浮揚へ迅速な実行を
2013.1.12 03:12
安倍晋三内閣は最優先課題とする「経済再生」の第1弾として緊急経済対策を閣議決定した。
国の直接的な財政支出で約10兆3千億円、地方負担や民間支出を含む総事業費で20兆円超と
リーマン危機時を除き過去最大規模の経済対策だ。
即効性を重視した、公共事業や成長分野への投資促進などで、2%の国内総生産(GDP)押し
上げ効果を見込む。当面の景気刺激策としては評価できる。積極的な財政出動をスピード感を持
って実行し、早期の景気回復を実現してほしい。
来年4月に予定する消費税増税は、今年4〜6月期のGDP成長率などの景気動向で判断する。
景気が悪ければ、増税は難しくなり、安定的な社会保障財源の確保、財政再建にも支障を来す。
時間はあまりない。
財政出動と同時に金融緩和と成長戦略も打ち出し、増税の環境整備に全力をあげる必要がある。
安倍首相は記者会見で、「(民主党政権が進めた)縮小均衡の再配分から成長による富の創出へ
と大胆な転換を図る」と強調した。景気刺激で企業収益を高め、雇用や個人所得の増加など経済
全体の底上げにつなげてもらいたい。
公共事業では、被災地の道路や農業施設の復旧、トンネルや橋梁(きょうりょう)など老朽イン
フラの点検・補修などに、4兆円近くを投じる。
笹子トンネル天井板崩落にみられるように、高度成長期以降にできたインフラの劣化は深刻だ。
大規模災害に備える点でも、その維持・強化は不可欠だ。事業は早期に執行する必要がある。
ばらまきに陥らぬように、事業の厳選も怠ってはならない。
企業の省エネ技術支援や電気自動車の普及などにも約3兆円を振り向けて、民間投資の呼び水と
なる官民ファンドも創設する。
公共事業の効果は短期に終わりかねない。民間投資を促す成長戦略の前倒しも検討すべきだ。
日銀に対しても「積極的な金融緩和を強く期待する」と注文を付けた。2%の物価上昇目標の設
定など、政府と緊密に連携した金融政策が問われる。
安倍首相は「基礎的財政収支の黒字化も目指す」と財政規律の重要性も指摘した。国債価格の暴
落で長期金利が急上昇すれば、予算編成に悪影響を与えかねない。持続可能な財政は経済再生の
基盤であることを忘れてはならない。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130112/fnc13011203120000-n1.htm
15: [sage] 2013/01/26(土)12:00 ID:1RrlK4IS0(2/2) AAS
緊急経済対策 景気浮揚へ迅速な実行を
2013.1.12 03:12
安倍晋三内閣は最優先課題とする「経済再生」の第1弾として緊急経済対策を閣議決定した。
国の直接的な財政支出で約10兆3千億円、地方負担や民間支出を含む総事業費で20兆円超と
リーマン危機時を除き過去最大規模の経済対策だ。
即効性を重視した、公共事業や成長分野への投資促進などで、2%の国内総生産(GDP)押し
上げ効果を見込む。当面の景気刺激策としては評価できる。積極的な財政出動をスピード感を持
って実行し、早期の景気回復を実現してほしい。
来年4月に予定する消費税増税は、今年4〜6月期のGDP成長率などの景気動向で判断する。
景気が悪ければ、増税は難しくなり、安定的な社会保障財源の確保、財政再建にも支障を来す。
時間はあまりない。
財政出動と同時に金融緩和と成長戦略も打ち出し、増税の環境整備に全力をあげる必要がある。
安倍首相は記者会見で、「(民主党政権が進めた)縮小均衡の再配分から成長による富の創出へ
と大胆な転換を図る」と強調した。景気刺激で企業収益を高め、雇用や個人所得の増加など経済
全体の底上げにつなげてもらいたい。
公共事業では、被災地の道路や農業施設の復旧、トンネルや橋梁(きょうりょう)など老朽イン
フラの点検・補修などに、4兆円近くを投じる。
笹子トンネル天井板崩落にみられるように、高度成長期以降にできたインフラの劣化は深刻だ。
大規模災害に備える点でも、その維持・強化は不可欠だ。事業は早期に執行する必要がある。
ばらまきに陥らぬように、事業の厳選も怠ってはならない。
企業の省エネ技術支援や電気自動車の普及などにも約3兆円を振り向けて、民間投資の呼び水と
なる官民ファンドも創設する。
公共事業の効果は短期に終わりかねない。民間投資を促す成長戦略の前倒しも検討すべきだ。
日銀に対しても「積極的な金融緩和を強く期待する」と注文を付けた。2%の物価上昇目標の設
定など、政府と緊密に連携した金融政策が問われる。
安倍首相は「基礎的財政収支の黒字化も目指す」と財政規律の重要性も指摘した。国債価格の暴
落で長期金利が急上昇すれば、予算編成に悪影響を与えかねない。持続可能な財政は経済再生の
基盤であることを忘れてはならない。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130112/fnc13011203120000-n1.htm
16: [sage] 2013/01/27(日)17:19 ID:IZmtvsQm0(1) AAS
阪神大震災18年 災害に強い国土を築こう
2013.1.17 03:16
死者6434人を出した阪神・淡路大震災から17日で18年を迎えた。
日本列島は「阪神」から地震活動期に入ったとされる。国、自治体、国民が一体となって地震防
災に取り組む決意と覚悟を新たにしたい。
一昨年の東日本大震災はマグニチュード(M)9の海溝型超巨大地震が大津波を起こし、広範囲
に壊滅的被害をもたらした。
これに対し内陸直下型の阪神大震災(M7.3)では、犠牲者の8割が倒壊した建物などの下敷
きになっての圧死だった。高速道路をはじめとする都市インフラも甚大な被害を受けた。発生時
間が早朝でなかったら、被害はさらに拡大していた。
東日本大震災以降、巨大津波への備えが地震防災の重点課題となった。「千年に1度」といわれ
るような巨大津波への備えは、長期的な危機管理の観点から必要だが、現実的な短中期の防災対
策としては「阪神」の教訓を重視し、住宅や都市インフラの耐震化を急ぐことが肝要だ。
特に、老朽化した木造家屋の建て替え促進や、住宅密集地の延焼防止対策などは喫緊の課題だ。
中央自動車道・笹子トンネルのような、高度成長期の建造物の耐震性の強化も急がれる。
大正12年に起きた関東大震災から数えると、日本はこの90年間に関東、阪神、東日本という
3度の大震災を体験した。
これとは別に、終戦を挟んだ昭和18年から23年にかけて18年鳥取(M7・2、死者108
3人)▽19年東南海(M7・9、死者・不明1223人)▽20年三河(M6・8、死者23
06人)▽21年南海(M8・0、死者1330人)▽23年福井(M7・1、死者3769人)
†と、死者千人を超える大地震が5回発生したことも思い起こさねばならない。
終戦前後の地震頻発は南海トラフの活動に伴うもので、これから迎える地震活動期のピークにも、
同じように大地震が立て続けに発生しうる。
次の東南海・南海地震は、今世紀前半に発生する可能性が高いとされる。首都直下地震の切迫性
も叫ばれ、今後10年程度が日本の地震防災の正念場といえる。
地震活動期を乗り切り、「災害に強い国土」を今世紀後半を担う世代に引き継ぐことは、私たち
の使命である。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130117/dst13011703470001-n1.htm
17: [sage] 2013/02/02(土)04:37 ID:JapXdZ1D0(1) AAS
政府・日銀声明 新しい協調に「責任」示せ
2013.1.23 03:12
これでは踏み込みが足りない。そう言わざるを得ない。
政府と日銀が22日に発表したデフレ脱却と経済成長に向けた共同声明は、それぞれの役割と
責任を明確にし、政策協調のあり方を根本から変えるかもしれない、と注目されていた。
確かにこれほど政府と日銀の連携を強調した文書はなかったといえる。日銀が取り組むべき課
題として物価上昇率2%目標と、金融緩和推進による「できるだけ早期」の達成を盛り込んだ。
政府も機動的な財政運営や大胆な規制・制度改革など政策を総動員し、競争力と成長力を強化
するとしている。
安倍晋三首相は政府と日銀の責任を明確にした「画期的な文書」と評価したが、書き込まれた
のは両者の「役割」であり、「責任」の文字はない。
政府・日銀の政策運営を担保するのは、経済財政諮問会議での定期的な検証にとどまっている。
未達成時は日銀総裁や担当閣僚が国会で説明するなど責任の果たし方を示すべきではなかった
のか。
政府と日銀の協調態勢の文書化は、安倍首相が就任前から訴えていた目玉政策だ。
当初は、目標未達成の場合、総裁が文書で理由を説明し、対策を示すなど拘束力の強い政策協
定も検討された。日銀法改正で内閣が総裁解任権を持つべきだとの意見も飛び出し、中央銀行
の独立性の議論に発展した。そんな経緯を踏まえると、今回の声明は拍子抜けするほど常識的
といえる。
中央銀行の独立は、政府の野放図な財政運営で生じた巨額な赤字の肩代わりや、政権が延命を
狙って景気浮揚のために、インフレにつながる無理な金融緩和を強いるなど国民に害を与える
政治の動きに抗するためのものだ。
政府や国民から遊離した中央銀行の判断や決定を認めているのではない。重要なのは、政府と
議論を戦わせ経済の認識と政策の方向性を共有することだ。
その際、日銀に政府と対等の立場を法律的にも制度的にも保証することが独立性の確保といえ
る。政府から日銀への一方的な要請ではない今回の声明は、独立性維持の観点からも意味があ
る。
政府と日銀は、はっきりと声明からは見えてこない両者の「責任」を行動で具現化し、新たな
協調の姿を示さねばならない。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130123/fnc13012303120001-n1.htm
18: [sage] 2013/02/02(土)06:03 ID:P/gBG1jT0(1/2) AAS
社説:物価目標と日銀 政治への従属を憂う
毎日新聞 2013年01月23日 02時33分
中央銀行の歴史上、重要な転換点となるのだろう。日銀が政府と共同声明を発表し、年率2%
の物価上昇を目標に、期限を定めず金融緩和を実施していくと表明した。
日銀と政府の連携自体、決して悪いことではない。だが、今回の取り決めは対等な関係にある
者同士の連携とは言い難く、事実上、政治家の要求を日銀がのまされた一方的なものだ。今後、
どのような事態を招くのか、憂慮せずにはいられない。
主に二つの問題点を挙げたい。
まず、財政への影響だ。
今回、「目標」となった2%の物価上昇率だが、過去20年の間、継続して達成されたことは
ない。そうした高い目標を、声明のように「できるだけ早期に実現」しようとすれば、遅れを
理由に政治家の無理な追加緩和要求が増すのではないか。
積極的な金融緩和とは、単純化すれば、日銀が新たにお札を刷って銀行から国債などを大量に
買い増すことだ。日銀が国債を買えば買うほど、政府は当面の金利上昇(国債価格の下落)を
心配せずに、借金を増やせると考える。財政再建の遅れや、一段の悪化を誘発しかねない。
短期的にうまくいっても、どこかの段階で、財政の持続性に無理があると市場が判断すれば、
金利が高騰を始めよう。抑制しようと日銀がさらにお札を刷れば、許容範囲を超えたインフレ
が起きる。多くの国民が増税を強要されたのと同じ痛みを味わうことになるだろう。
二つ目の懸念は、政策の決定過程が見えづらくなり、責任があいまいになることだ。安倍政権
は、復活させた経済財政諮問会議を日銀の政策の成果を点検する場として使おうとしている。
同会議に限らず、新たな政策変更が事実上、日銀の金融政策決定会合の外で固まる恐れがある。
政治が指示したことを日銀が実行し、責任は日銀に、というのでは、無責任な政策が取られる
ことにならないか。そのツケが経済の悪化や混乱という形で後々、国民に回ってくるのでは困
る。
いずれの懸念も杞憂(きゆう)に終わってくれればいい。だが、日銀が政治に従属する方向へ
かじを切ったことで、懸念が現実味を帯びている。その責任は、日銀にもある。この1〜2カ
月だけでなく、政治家が都合よく日銀に圧力をかけることを許してきた結末が今回の声明文だ。
98年の新日銀法により、日銀の政府からの独立性は高まった。しかし、それが国民に広く支
持、尊重されるための努力を日銀がどれだけ重ねてきたかということである。法律を変えなく
とも、今回独立性はあっさりと低下した。その現実を日銀は真剣に見据えねばならない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130123k0000m070111000c.html
19: [sage] 2013/02/02(土)08:13 ID:P/gBG1jT0(2/2) AAS
社説:復興行政 災害公営住宅に全力を
毎日新聞 2013年01月24日 02時30分
安倍内閣の始動に伴い東日本大震災の復興体制の再点検が進んでいる。政府は復興庁の出先機
関である福島復興局の改組など、同庁の司令塔機能を強化する方針だ。
復興庁については被災地の「窓口一元化機能」がなお不十分との指摘もあるだけに、柔軟に組
織を見直すことは賛成だ。地域主体の復興という基本を忘れず、災害公営住宅(復興住宅)整
備など諸課題に政府は全力を挙げるべきだ。
安倍晋三首相と根本匠復興相は福島の現地組織を「福島再生総局」(仮称)に改める方針を確
認している。福島環境再生事務所(環境省)やオフサイトセンターも含めた権限一元化が検討
されている模様だ。福島原発事故に伴う放射性物質の除染と避難住民の生活再建は表裏一体だ。
復興庁、とりわけ現地に機能を集約する方向は理解できる。
5年で19兆円の復興予算規模も4兆〜5兆円増額されそうだ。必要な措置だが、これまで計
上された予算が使われなかったり、被災地以外に流用されたりするなど実際にどのくらいの金
額が被災地に投じられたかがそもそも判然としない。今月から所得税の復興増税が実施された。
国民理解を得るためにも使途の適切な情報開示と説明が欠かせない。
震災発生から1年10カ月を経て、被災した住民の生活再建は正念場を迎えている。とりわけ、
懸念されるのは津波などで家を失った住民が仮設住宅を退去した後に入る賃貸の復興住宅建設
が難航している点だ。
国土交通省によると宮城県では1万5000戸、岩手県では5600戸の復興住宅の整備が昨
年末時点で計画されている。だが、同時点の用地確保はそれぞれ約4600戸、2400戸に
とどまり、ほとんどの仮設住宅が入居期限を迎える15年春までの整備はおぼつかない。自力
の住宅再建をあきらめる人が当初の想定以上に増えているうえ、適地の多くに仮設住宅がすで
に建設されているなど用地確保がむずかしいためだ。
仮設暮らしの長期化を避けるため復興庁が必要な要員支援も含め整備に総力を挙げるべきなの
は言うまでもない。一方で、復興住宅への移住をあまりに急ぐと仮設住宅で形成されたコミュ
ニティーを損ないかねないとの指摘もある。一般のアパートなど「みなし仮設」に入居した人
に、復興住宅にどう移転してもらうかという課題もある。地域の実情に応じたきめ細かな対応
が必要だろう。
民主党前政権の取り組みはとかく「遅い」と批判されがちだったが、地域の自主性を尊重して
いた面もある。こうした経緯も考慮しつつ地域住民、自治体、国の歯車がしっかりかみあう復
興を目指してほしい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130124k0000m070130000c.html
20: [sage] 2013/08/19(月) NY:AN:NY.AN ID:OcsV1SSS0(1) AAS
【請願】 公共事業で 「試験艦」 を開発 【仕様】
2chスレ:eco
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