【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (1002レス)
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221
(1): [sage saga] 2019/05/15(水)22:19 ID:Stpt5Ft/0(1/3) AAS
>>217

【なればそいつはごく曖昧な表情をしていた、――それを言葉に表すためには、三日三晩辞書とにらめっこをする必要があるような、ごく微細なる表情は】
【――けれどやがて苦笑によく似た形に落ち着くのだろうか。頑ななつぼみがほころぶ瞬間のような清廉さをなくした色合いは、咲き進んだばらの綻びにきっとよく似て】
【――――だから指先はせめて感情を整理するかのように社を撫ぜた、――――――――――――――小さな息継ぎの音が聞こえたなら、】

…………………………そうよね。こんな場所まで、来てくれるんだし。
アンケートしていいかしら? ほら、よくあるでしょ、このサービスをどこで知りましたか、みたいな。
どうしてこんなところ、来たの? 下だって、田舎でしょ? ここだって、こんな山奥だし。――それに、そんな靴だし。

あたし? あたしはねー、ズルして来た。

【眉の下がった表情は笑みと呼ぶにはいくらも弱く、けれども、釣られたようにかすかに下向く眦の角度と、眼をいくらも隠すように伏した長い睫毛の落とす影が表情を証明して】
【こんなところへと呼ぶにふさわしいだけの辺境であった。下と呼ぶ町すら、無名だが美味いとコアなマニアに褒められる酒を造るだけの場所。――長閑と呼ぶには十分だけど】
省12
225
(2): [sage saga] 2019/05/15(水)23:50 ID:Stpt5Ft/0(2/3) AAS
>>223

【「ふうん、そうなの……」】【返事はごく簡素に紡がれた、口元に添える指先は、何かを思い返して/それから何かを納得していた】
【"知って"いる出来事だったし、知っている出来事だった。限りなく"自分"がやったことであり、そうして自分には覚えのないことでもあった。――だとしても、】
【部屋に置かれた蛇の頭骨は見知っていた。――先祖の墓を発くような行いを誰も咎めてはいなかった。そもそもこの場合は墓ですらないから? なんて余談】

親近感ねえ……、はいはい、どーせそうですよ。できるかしら、私。"わたし"を。……料理もねえ、何年ぶりだか……。
レシピ。読んだことあるでしょ? ――――あの馬ッ鹿みたいなやつ。あたし、あれを解読しなきゃなんなくて。
まあ、書いたやつが含めて"私"だから、いいですけど? ――――だなんてレベルじゃないわ。何あれ? 

【指先越しに漏れる吐息はきっと湿っぽくて暖かいのだろう。何か捨てきれない情を含んで見せたなら、きっと光に照らせばきらきら光って見えるんだ】
【けれど今は限りなく夜だったから。――そうして、月明かりだけでは言い表せられぬ感情を照らし出すには少しだけ力不足であるのだから】
【投げやりに言ってみせるのは何か自分が誰かより劣っていることをようく理解したことのある人間の口ぶりに似ていて、――なら、やっぱり、何か別人の振る舞いもする】
省6
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(1): [sage saga] 2019/05/15(水)23:50 ID:Stpt5Ft/0(3/3) AAS
>>223>>225

……………………いいの、

【――――ぽつりとした声は少しだけ掠れているように聞こえた。それでも確かに鈴の音を宿していた。ならきっと錆びた鈴の音、貴女の涙で錆びついてしまった?なんて】
【きっと自分の涙が銀色を赤錆色にしてしまったのだろう。だからきっと泣きじゃくって落ちた雫を磨り潰すように拭った指先の指紋すらそこにはきっと残っている】
【焼く前の陶器なら何度だって粘土に戻せるといったって限度があるんだろう。だからきっと彼女はとっくに限界を超えてしまったんだろう。なんにもなれない土くれでしかない】
【神様が人間を作ろうって思っても見向きもしないようなぼろぼろで痩せたなんにもない石だらけの泥。畑だって出来やしない。なんにも生えない、なにもない、なんにもない、】

【だからもういっかい、「いいよ」を繰り返して、】

――――――――――――――――――――――――――わたし、ね、世界を救ったんだよ。
省10
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