【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (999レス)
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226
(1): [sage saga] 2019/05/15(水)23:50 ID:Stpt5Ft/0(3/3) AAS
>>223>>225

……………………いいの、

【――――ぽつりとした声は少しだけ掠れているように聞こえた。それでも確かに鈴の音を宿していた。ならきっと錆びた鈴の音、貴女の涙で錆びついてしまった?なんて】
【きっと自分の涙が銀色を赤錆色にしてしまったのだろう。だからきっと泣きじゃくって落ちた雫を磨り潰すように拭った指先の指紋すらそこにはきっと残っている】
【焼く前の陶器なら何度だって粘土に戻せるといったって限度があるんだろう。だからきっと彼女はとっくに限界を超えてしまったんだろう。なんにもなれない土くれでしかない】
【神様が人間を作ろうって思っても見向きもしないようなぼろぼろで痩せたなんにもない石だらけの泥。畑だって出来やしない。なんにも生えない、なにもない、なんにもない、】

【だからもういっかい、「いいよ」を繰り返して、】

――――――――――――――――――――――――――わたし、ね、世界を救ったんだよ。
省10
227
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/16(木)00:07 ID:phMFLjPA0(1/3) AAS
>>225-226

できるよ、きっと――だってあたしもできたんだから。
あれってさ、レシピっていうか……日記だよね、そっか落書き帳。あたしもぜんぜんわかんなくて――
でもなんとか、……なってたよ。たぶん。だからあんたにもきっとできるから、頑張ってね、

………………そう。白毒川ちゃん。あとはよろしく、ネ。

【であれば――彼女にすべて預けてしまうものの言い方をするのだろう。だからやっぱり】
【こいつはもうそのうち死んじゃうのかもしれなかった。無責任が過ぎた。それでもこいつはそう宣って】
【白毒川鈴音にはそれだけ、言って、――――聖域に身を浸す。不思議と身体は不調を訴えなかった】

【そうして。黙って、白神鈴音の声を聞いている。ことばを聞いている。そっか、の相槌も挟まない】
【笑いも泣きもしなかった、ただ、何かを悔やむような表情だけ堪えることができないのだから】
省8
228
(1): [sage saga] 2019/05/16(木)00:38 ID:vZOf31By0(1) AAS
>>227

【「ヒメちゃんでいいのよ?」――――それがふっと残された一言。自称・ヒメはいろんな意味で痛々しいのだとして、人生の全部をずたずたに切り裂かれた蛇の子よりもきっとマシ?】

――――――――――――――――――――わたしが"こう"なったの、ぜんぶ、間違いだったんだって、
わたしね、ずっと、ずっと、ずっと、頑張って、生きてる、――つもり、だった、いろんなこと、考えて、いろいろ、――、頑張って、
大人になれないの、諦めて、お母さんになれないの、諦めて、死んじゃっても"へいき"なの我慢して、いっぱい、諦めて、我慢して、なのに、

なのに、

わたし、ずっと、ひとがまちがえたの、ひとがまちがえたこと、わたしじゃない、ひとが、まちがえた、こと、――、
省19
229
(2): (不明なsoftbank) [sage saga] 2019/05/16(木)00:39 ID:wf1Gl+df0(1) AAS
AA省
230: ◆UYdM4POjBM 2019/05/16(木)00:50 ID:OzFa97Two(1/3) AAS
>>229
/了解いたしました
/この後ひとまずお返事を返して今日は失礼いたします!
231
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/16(木)12:04 ID:ctas3934O携(1) AAS
>>228

【やるせなく斜め下を向くまつげの向こう、赤い瞳はどこまでもまっすぐ前を向いていて】
【けれど何も言葉を発さなかった。震える鈴の音が訴える苦しみ、恨み、つらみ、全部】
【救って/掬ってやるにはもはや時が進みすぎていた。そも、たとえその瞬間に立ち会えたとて】
【そうしてやれたかどうかすらはっきりと確約できないのだから――どこまでも、後悔の色をしていた】
【だからってそうだったんだ、辛かったね、などという気休めにもならぬ労りの言葉だって】
【もはや掛けるには遅すぎると、痛いほどに理解しているから。「うん」。一言だけ、返すのは】

【だから何か、明確に遮断されているのにも気づいていた。あるいはそんな生易しいものじゃなくて】
【拒絶されているとさえとれるはずだった。だってこんな、何もかも遅すぎる時になってから】
【許しを請いに来るヤツだなんて嫌われて当然だ。――だけどこいつは、不思議と、そう思わなかった】
省21
232
(2): ドラ◆UYdM4POjBM 2019/05/16(木)20:46 ID:OzFa97Two(2/3) AAS
>>229
【むしゃむしゃサンドイッチを頬張りながら、しばらく朔夜の話を聞き続ける】
【当然ながら彼女も自分のいない間の時間を彼女なりに生きてきたのだ、その道のりが垣間見えむしろホッとしているようだった】

斥候ってヤツだね。なるほど……
鉄火場慣れした朔夜さんの様な人材にしか任せられないタイプの仕事じゃないの

危険が口を開けて眠ってるかもしれない場所なんていくらでもある……頼もしい戦力が
危機を取り除いてくれるならそりゃあ心強いでしょ、justice出身って肩書きも今なお大きいしね。ぼくも今なおその恩恵を感じてる

【実のところ、彼は今でも戦場で「justice」を名乗っているくらいだ、思い入れは彼も大きい】
【コップのスポーツドリンクを空にすると二つ目のサンドイッチに手を伸ばしながら彼も空を見上げつつ呟き始める】
【続いて、他のjusticeメンバーが今どうしているかに関しては……やはり彼は思うところあるらしく見上げながら口を尖らせる】
省6
233
(1): ドラ◆UYdM4POjBM 2019/05/16(木)20:47 ID:OzFa97Two(3/3) AAS
>>232続き
【加えて、往来での姿や暗殺に関しては……朔夜に指摘されたところで彼はまず言われた言葉をかみ砕くように目を見開きしばらく考え込むと】
【……こくり、と頷きなにか言葉にできなかったものがかちり、とはまるようなすっきりした顔で】

ああ、確かに……うん!そうだね!実際に彼……ああ、ぼくを破った男は
ミズキ・"ランスロット"・ヴァレンタインって名乗る色男の剣士だったんだけどね、彼は……とびきり"やりにくい"奴だった
相手を崩すスタイルを得意としているぼくに対し彼は一切自分の動きが崩れなかった、派手な技はなかったけど常に正道を行き……ぼくを圧倒した

その骨子が何なのか、どこから来ているのか……今朔夜さんの話を聞いてピンと来たかも
ミズキ君の動きを思い返せばまさに今言われた通りの"それ"。確信を持って言えるけど彼はまさにきみの言う通りの事を常に実践してるから崩れないんだ
―――……わかった、ありがとう。んじゃあまずはこの後で新しい普段着買ってこよう……

しっかし耳が痛いなぁ……よりにもよってキルベルクお気にのフレーズがぼくの助けになるなんて……ノビタ君が見てたら笑ってるな
省17
234
(1): [sage saga] 2019/05/16(木)20:59 ID:6z+14K+X0(1/4) AAS
>>231

【だからきっと気づけば無音だった。世界中が二人だけになっちゃったみたい、なら私達どっちもほんとはあの時神様になってしまってて、世界なんてもう滅んじゃった後】
【世界が滅ばなかった夢からたった今この瞬間に目覚めただけ、二人で少しだけうんと長い夢を見ていて、だからこれから先の世界はもう何もかも不変でしかない】
【そういう現実の中に佇んでしまったみたいで、――けれど限りなく現実は現実のまま、夢なんて誰も見ていなくって、だって夢見てた未来なんてどっか消えちゃった】
【当たり前に大人になれると信じていたし、そしたらきっとお嫁さんになると憧れていたし、】
【そしたら、そしたら、――、お母さんにだってなれるって、当たり前に、思い描いて、いた、】

【(はずなのに)】

――――――、もっと、ほんとうに、優しい女の子になりたかった、

【気づけば夢なんて叶わなくって、優しくもないただくだらないばっかりの子になってしまった、こんなはずじゃなかったのに、って今更言っても遅いのに】
【それに本当に言いたい言葉なのかすら分かっていなかった。思い浮かんだ文節の一言一句確かめたくも、なんて本の何頁に書かれているのか、きっと分からないから】
省22
235
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/16(木)21:50 ID:phMFLjPA0(2/3) AAS
>>234

【短く切り詰められた眉が顰められる。あなたは本当に優しいのにどうしてそんなこと言うの】
【そう言いたげだった。その顔は見えるんだろうか。靄の中にいたとして。――どうでもよかった】
【だから、微妙な表情の変化なんかよりもっとはっきり見えるように。首を横に振って見せて】

うん。する。…………あのね、あたしね、手足もがれて死んだんだ。
それをビデオに撮られてネットにばら撒かれてたの、8年間ずっと――――
だから今更晒し首なんて、……気にしないって言えばウソになるけど。でも平気。

あたしのやること、正しいも間違いも関係ないの、あたしがやりたいって言うからやるの。

【しかめっ面もやがては困ったみたいな笑顔になるのだろう。泣いてる子をあやすお姉ちゃんの顔】
【あたしこう見えても弟分とか妹分とか、けっこう居たんだよ。教えてあげたいよ。だからそんな顔しないで】
省17
236
(1): [sage saga] 2019/05/16(木)22:58 ID:6z+14K+X0(2/4) AAS
>>235

【彼女はずっと俯いていた。眼差しは"こう"なってから一度も合っていなかった。だから口元の仕草ばかりを見せていた。なら、たぶん、赤い靴しか見ていない】
【あるいはそれすら恐れ多くて、地面の草でも見ているのかもしれない。――だから泣きたくなった、教えてくれたこと、教えてもらったこと、そんなのあんまりに敵わない】
【だってわたしがされたのは結局どこまでも個人的な出来事でしかなかった。何度かあった死を積み上げてみたって、貴女のいるところには届きやしないんだと(わかっちゃうから)】
【今すぐ消えてしまいたかった。神様は乗り越えられない試練を与えないなんて嘘だった。自分が乗り越えられなかったものを乗り越えてゆく人たちを、世界はそれから目を逸らすなって意地悪を言う】
【誰からも同情されてしまえる弱者になってしまえたならどれだけ良かったのだろうって思ってしまう。だって優しくないから。優しい子はこんな風に思わない。思うはずない。だって、優しいから】

――――――――、、

【――嫉妬に狂いかけた歯列が軋む音がした、獣みたいな醜い吐息を漏らさずに済んだことだけが一生のうちで一番誇れる出来事なのに違いなかった。だとしたら】
【ふわふわのお洋服はどこまでも死に装束、一生懸命に何か隠そうとする薄霧すら死に化粧に過ぎず、なら最後に全部燃えてなくなっちゃって終わるから、畑に撒いてしまってほしい】
【そしたら今度こそ世界を滅ぼしてみせる。人間が大好きな犬ならお花を咲かせてくれるけど、人間が大嫌いな蛇だから未来永劫一ツだって花なんて咲かなくしてあげるって】
省17
237: [sage saga] 2019/05/16(木)22:58 ID:6z+14K+X0(3/4) AAS
………………………………ほんとに?

【――だから、もしかしたら、友達だっていないのかもしれなかった。だって、好きって言ってもらえないと、その人への好意すら正当化できないのに、】

おともだちになって、くれる、の、?

【お友達なんて関係は不明瞭が過ぎて、だから、(だから?)(言い訳)(怖いだけ)(甘えてるだけ)(本当に?)(たぶん、ほんとうに)】
省4
238
(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/16(木)23:14 ID:phMFLjPA0(3/3) AAS
>>236

【相も変わらず笑っていた。怒られたって、嫉まれたって、怒鳴られたって、平気】
【そんなことよりもっと怖いの、知ってるから――いつかこうやって、あたしたち喧嘩したことあったよね?】
【あの時はあたしが怒鳴ってた。そしたらあんた、怖がって、泣きそうになって、震え上がってしまったから】
【――――だからそっちのほうがよっぽど怖かったよ。あんたがあたしを恐れて、二度と会えなくなるほうが余程】

さあ――――なんでだろ。……鈴音ほど、まじめじゃなかったからかな。
本当は、心の底から幸せになりたいだなんて願ったことすらなかったのかも。それくらいに、
あたしずるい子なんだよ。そう、ずるいの、ずるくって、すぐ逃げる、……あんたと違って。

本気の本気で幸せになろうと頑張ったあんたと違って――――あたし、ダメな子でしょう?

【だから今度の声は朝日よりよほど鮮烈に、はっきりと輝いて耳に届かせた。こんどこそあなたを否定する】
省11
239
(1): [sage saga] 2019/05/16(木)23:51 ID:6z+14K+X0(4/4) AAS
>>238

【ならば今度は怯えた子なんていなかった。それよりも嫉妬していた、うらやましくって、ねたましくって、――震えてしまうとしたなら、多分、そのせいだ】
【ずるいずるいって言って泣きじゃくって肩を震わしていた、苦手だからやめちゃおうって思いついたことも、それをしてしまえたことも、そのための勇気があることも、】
【いろんなことなんでもかんでもずるく思えて仕方がないんだから、なんでも手渡したくなる、だってほしいから/なのにもらってくれやしないんだってもう知ってるから】

――――――――――――――――っ、

【涙がぼろぼろ溢れては落ちていく、そのたんびに透明でまあるい水面は光を悪戯に弄んで、彼女のまなざし、ところどころ赤く、黒く、宝石の煌めくみたいに】
【そうしたら宝石の涙を流す伝承のエルフみたいにも見えてしまうんだろうか。だったら彼女はきっと泣き虫だから、うんとうんと儲かるに違いない】

【――ぶんぶんって首を振る仕草にしぶきが散った、いろんな言葉に一緒くたに返してしまうのは狡い仕草、なら彼女だって狡くってしかたないのに、】
【そんなのごまかしちゃうみたいに、――広げられた両腕、納まる暖かさはありふれた平熱の温度。そうして伝わるのは女の子らしいと呼ぶには少し憚られる感触なのだとして、】
【せめてふわふわの衣服が隠しこんでくれるだろうか。だってそのために着てるんだ。痩せてかわいくない大人にもなれない無様なものを隠してしまいたい、そんな理由で、】
省23
240
(2): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/17(金)00:09 ID:/SPIJ+VB0(1/2) AAS
>>239

【抱き留める。やっぱりこの靴履いてきてよかったなと思う、だってヒールがなかったらあたしあんたより背が低くて】
【……ああでも、あんたもヒール履いてるから意味ないかな。でも、低すぎるので受け止めるより余程マシ】
【つかまえた。そしたら艶やかな黒髪に、鼻先を埋める――いいなあ。あたしこんな癖っ毛だから、】
【こんなにきれいなさらさらストレート、憧れちゃってやまないよ。(それでもそんなの関係ないってきっと言ってくれる)】

【細い背を撫ぜると、背骨がひとつふたつみっつ――きちんと並んでるのがわかるから】
【だから誰にも文句なんか言わせない。あたしもこの子もここに居て、それはなんにも間違いじゃない】
【確信して目をぎゅうと瞑るなら――彼女の目からも涙がこぼれた。拭わない。二人ともにそんな、余裕なんてない】

うん。――――――うん。いいよ、なんにも、怒ってない。
ホントだよ、ねえ――もうあのヴェール、誰かにあげようとしたりしてないんでしょ?
省10
241
(2): [sage saga] 2019/05/17(金)00:54 ID:yufS24Si0(1/2) AAS
>>240

【だから彼女は子供なんかじゃなかった。それどころか平均より背は伸びてしまって、なのに身体がちいとも女の子ぽくならなくて、それがずっと恨めしくて】
【どれだけ食べたってちっとも丸みを帯びない身体に辟易していた、ほんのもうちょっとだけでも胸が膨らんでくれたら、その何倍も自信が持てたに違いないのに】
【それからこのまっすぐに落ちるばっかりの腰元だって、途中でほんの一センチ、ううん、二センチ、……、三センチくらい、へこんでくれたなら】
【そこまで来たら、後は、ぺったんこのお尻だって、あとちょっとだけ、ふわふわのパニエ一枚分だけでいいから、女の子みたいに、なってくれたら、……】

【――だからせめて着飾った、ふわふわのフリルとレースとに全部を隠してしまって、それから、真っ黒色の髪の毛、烏よりよっぽど大事に見繕いして、お風呂だってたっぷり入って】
【"幼馴染"の子がくれた林檎の香りの香水をほんの少し。そしたらやっと少しだけ自身が持てた、鏡越しに睨む自分のまなざしが少しだけ和らいだ気がした、――だのに】
【抱き着いてしまったら本当に全部バレてしまう。がりがりに痩せた身体。ふわふわのお洋服は全部はりぼて。髪の毛は確かに真っ黒くて艶やかだけど、林檎の香水は今日してない】
【それに何より醜い言葉だって吐き出してしまった後だから、その全部が無意味になっていた、どれだけ着飾って誤魔化してみせたって、醜悪で痩せぎすな本性、バレちゃったから、でも、】
【もしかしたらおんなじかしら。誰にも言ってないほんとの気持ち伝え合ったなら、「すき」も「きらい」ももらえなかったけど、「おともだち」、――それも確かに大事な言葉】
省10
242
(1): [sage saga] 2019/05/17(金)00:54 ID:yufS24Si0(2/2) AAS
>>240>>241

――――――――――――――――――――――うん……。

【――耳と耳を擦り合わせるように頷いた、濡れてしまった髪の毛同士を絡ませるように、そしたら赤と黒、交じり合って、彼女の目の色みたいになるのかしら、なんて?】
【ちぐはぐな色した目はきっと違う世界を見せていたんだろう。いいこの世界とわるいこの世界。たぶんそう。なら今は交じり合ってしまって、やっと初めて、普通の子、なんて?】
【そんな風に言っちゃうのは大雑把すぎるのかもしれないけど。それっぽちじゃ何もかも言い訳には足りないのかもしれないけど。だからきっとなんにも足りないんだけれど、】

【やだって言わない。さいごなんて言わないでほしいなんて言わない。だって、――だって、夕月はずうっと味方でいてくれた、恩返しにはまだまだ足りないけど】
【ねえだってお友達が、――自分のいのちに納得できないままだなんて、そんなの、嫌だから、(だから、)】

ありがとう――――――。
省4
243
(2): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/05/17(金)20:43 ID:/SPIJ+VB0(2/2) AAS
>>241-242

【体型など知ったことではない。そもそも自分だってお世辞にもいい体してるなんて言えないし】
【ましてやあたしたち友達なのに。目一杯オシャレして可愛く見せなきゃいけない恋人とのデート、】
【そんなシチュエーションでもないんだから――深夜にこっそり、部屋着のまま家から抜け出して】
【コンビニでスイーツ買って駐車場で食べちゃうヤンチャも、いくらだって、できるでしょう?】

ありがとうはこっちのセリフ――――やっぱあんた、やさしいよ、鈴音。

【だからわかってる。また何か、言いたいこと我慢してくれていること――わかるから、】
【またごめんなさいって言いそうになるのをなんとか留める。無限ループになりそうだから】
【やさしさに甘えて、話題を変えるのだろう――「ああ、そうね、この際だから」】

あたし、夕月って名前がホンモノじゃないって言ったことがあったでしょ?
省23
244
(1): [sage saga] 2019/05/17(金)21:31 ID:qQFbkDZf0(1/2) AAS
>>243

【――確かにそれでいいのかもしれなかった。だってわたしたちの一番最初は夜の公園で、思い出の中にはホットスナックの香りが漂って】
【ふっとコンビニに立ち寄ったときに唐揚げとかポテトとか気になっちゃう瞬間に、その時のことをほんの少しでも思い出してないかって言ったら、嘘になる】
【思えばあれからたくさんの時間が経っていた。いろんなことがあった(そしてきっと多分ありすぎた)。――だけど変わんないのはあの時食べたジャンクな味、】
【だってきっとおんなじコンビニで同じものを買ったって、もうレシピは変わっちゃってるんだ。だから思い出の中にしかなくなってて、だからこそ変わんないなら】

【無限ループを断ち切ってくれる勇気に甘えて、彼女はそんなことないって言わなかった。――だからやっぱりどこまでも甘えていた、ひどい話】
【それこそ恋人でもない誰かを無理やり犯すみたいなことをしたのに、――おともだちって言ってもらえて喜んでいるから、やっぱり悪い神様の成れの果て】
【だとしても今更何にもなれぬ残滓でしかなくって、たぶん、むかしの信者に見せたなら「これじゃない」って言われちゃう、そんな、ものだけど】

………………………………――――、

【ぱちりと瞬きをした、教えてくれたことが嬉しいみたいに少しだけ緩む眼差しを覆う長い睫毛が震えるようにゆっくり瞬いたら、黒と赤のはざまの視線、蕩けるように赤く帯びて】
省11
245: [sage saga] 2019/05/17(金)21:31 ID:qQFbkDZf0(2/2) AAS
>>243>>244

【「――――シグレって呼んでいい?」】

【だからきっと声は二重に重なった、山の中の景色と、それから、よくわからない謎のお料理を食べながらの景色と、】
【変に気が強いくせに変に憶病だから。教えてもらった名前をすぐに呼んじゃう勇気も、知ってた名前を呼ぶのに二日も必要な勇気も、どっちも等しい量】
【手つなぎで歩くなら彼女が少しだけ先導するのだろう、ならば帰りはずいぶんと楽な道を選んだようだった。――それでも厚底二人なのだけど】
【やがてだいぶ平坦なあたりに出れば、――――彼女はそこで立ち止まるんだろう。一緒には行けないみたいに。単に気まぐれで行かないみたいに、】

わたしも、――――――…………、

【――故に、ふっと手が離れる瞬間。もう二度と会えないんじゃないかと思ってしまいそうな瞬間。その指先に伝えるのは、一つ小さな転がり】
【見るのなら、――限りなく白く青色の珠が一粒、残されているのだろう。到底宝玉などとは呼べなくて/それでもありふれた石よりは何かを帯びているから】
省8
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