【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】 (636レス)
【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/
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1: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/01(水) 23:47:30.17 ID:FgCx/5jm0 【簡単なあらすじ】 ――目標を達成できないとループが始まってしまう。 憧れのトレセン学園のトレーナーとなった主人公は、数奇な運命に囚われる。 ときに喜び、悲しみ、絶望し、挫折しながらも、主人公は進んでいく。 夢のURAファイナルズ、その頂点へと担当ウマ娘を導くために――。 第一ループ:スペシャルウィーク(メイクデビューで敗退、ループ) 第二ループ:ツインターボ(メイクデビューで敗退、ループ) 第三ループ:マヤノトップガン(メイクデビュー→京都JS→皐月賞→天皇賞・秋→有馬記念で敗退、ループ) 第四ループ:キンイロリョテイ(メイクデビュー→ホープフルステークス)いまここ ―――――――――――――――――――――――――― 【注意】 ・ウマ娘公式が定めたガイドラインに違反しない程度に書きます。 >モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現 >ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう >ご配慮くださいますようお願いいたします。 (ウマ娘公式サイトより引用) ・新人トレーナーなので、キャラ性を網羅していません。ご容赦を。 ・SS初心者です。不作法などあったらすみません。何かありましたらご指摘いただけると幸いです。 ・安価は1〜3くらい先に飛ばす予定です。 ・仮に安価が一日待っても来なかった場合、ある程度勝手に進行します。 ・ウマ娘本編との設定に相違点が発生します。 ・オリジナルキャラクターが登場します。 ―――――――――――――――――――――――――― ▼前スレ ・【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1623082140/ ・【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1626797090/ SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1630507649 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/1
2: ◆FaqptSLluw [saga] 2021/09/03(金) 14:44:30.96 ID:Uuvyl2pU0 という訳でこちら新スレになります。 よろしくお願いいたします! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/2
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/03(金) 14:56:28.86 ID:cZ/lrht80 よろしくお願いしまーす http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/3
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/03(金) 16:32:33.60 ID:VmPY+lv6O マヤノは思えばほぼまるまる1スレ使ったんだな… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/4
5: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/03(金) 17:30:47.78 ID:fa9tm0+ZO マヤノは結構長い間走ってくれましたね。本当にありがとうという気持ちです。多分1ヶ月くらいは書いてた気がします(。 前スレ>>1000のSS化は区切りがいいところで投げます。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/5
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/03(金) 18:58:57.41 ID:PjZjfSoio 立ておつよろしくお願いします http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/6
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/04(土) 12:02:18.80 ID:Iw40TAg3O 不器用なのにトレーナーに対しての好意が隠しきれてないリョテイ可愛すぎんか? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/7
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/04(土) 20:22:04.49 ID:bkXXm/Qf0 追いついたぁ! 立て乙です 俺の心のデジたんがもっと輝きまくれと囁きまくっている気がするぜ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/8
9: ◆FaqptSLluw [saga] 2021/09/04(土) 22:57:35.36 ID:cSqOSPlT0 ――どれだけ歩いたかわからないくらいに、俺は顔をあげた。 日は傾いて、今にも水平線に落ちそうになっていた。 実に半日以上歩いていたことになる。気付いてみれば脚の疲労はピークに達していた。 どこかに一度腰を落ち着けるべきか。 周囲に目を配れば、そこにはいつぞやの切り株が存在した。 ここであれば十全に休むことが出来るだろう。……俺一人だけではなく、二人ほどは。 「……っ」 思い出のかけら。 極彩色の記憶のフラグメントは、記憶の引っかき傷を痛ませる。 そう言えばここでランチをとったこともあったっけ、とか。 ここで花火をしたっけ、とか。 ここで……想いを伝えたっけ、とか。 いろんなことを思い出して、その度に身体中を切り刻まれるかのような痛みが襲う。 我ながら馬鹿だと思う。本当はこんな痛みなんて、直ぐに昇華してしまうべきなのだろうに。 いい思い出だったと、割り切れればいいのに。 ……それが、俺にはできていない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/9
10: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 22:58:18.48 ID:cSqOSPlT0 ――アンタ、さては迷子だろ? ふと、キンイロリョテイが吐いた言葉が脳裏によぎる。 その言葉を聞いた時は何のことだかわからなかったが、確かに今の状態は迷子に違いない、と思う。 自分の中で定めた、明確な目標に向かって走っているが――目標自体があやふやで胡乱なものだと気付いているから、どう走ればいいか分かっていない。 そして、その過程で生まれたモヤモヤだとか不安だとかを、こともあろうに担当ウマ娘にぶつけてしまっている。 迷子だ。しかもそれ以上に――馬鹿だ、と思う。 でも、しょうがないじゃないか。もう会えるかわからない相手を追い求めることの空虚さは誰にもわからない。 砂浜で落とした、ひとかけらのビーズを探すようなものだ。そこに可能性なんて存在するようでしない。 このループについての真実を解き明かせれば、あるいはとは思うけれど。 そこにもどうしようもない真実が待ち構えていそうで、恐ろしい。 俺は、確かに動けていない。マヤノのことに、ループのこと。板挟みになってしまっていて、余地がない。 物語よろしく、事態を解決するデウス・エクス・マキナなんて現れることはない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/10
11: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 22:59:21.10 ID:cSqOSPlT0 「いっそのこと、忘れることが出来れば――」 「……此処に居ましたか」 振り返る。 そこには、木々をかき分けてこちらに歩いてくるウマ娘――シンボリルドルフの姿があった。 何故ここに、という考えの前に、彼女の制服についている土埃に気が付いた。 一時間や二時間では付くこともないだろう、土埃。まして完璧を地で行くシンボリルドルフにとっては、あり得ないそれ。 結果として推察した。――つまりシンボリルドルフは、俺を探していた。 「……探してたのか。でも悪いな、帰ってくれないか」 「そういうわけにはいきません。担当ウマ娘――キンイロリョテイとナイスネイチャが貴方のことを探していますから」 あんなことを言った後なんだから、探してくれなくてもいいのに。 俺は内心でごちる。 「……事情があるのは理解しています。ただ、貴方は――」 「――貴方はそれ以前にトレーナーです、か?」 「ええ」 いつも通りの済ました表情で宣うシンボリルドルフ。 吐き気がするほどの正論。今一番聞きたくない言葉だった。 「……トレーナーってのは、一人で感傷に浸ることすら許されないのか?」 「物事には程度というものがあります。……そして、貴方は程度を超えてしまった」 そうでなければ私は此処に居ない。――俺のことをまっすぐに見てくるシンボリルドルフを背に、俺は立ち上がる。 「そんなに心配かけてるなら、君が伝えてくれよ。――明日までには戻るって」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/11
12: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 23:02:33.02 ID:cSqOSPlT0 「……ふざけているのか?」 明確な怒気を感じて俺は振り返る。その一瞬のうちに距離を詰めたらしいシンボリルドルフは、俺の胸倉をつかみ上げていた。 炎が散るような、雷が奔るような。強い視線が俺を貫いて、目を逸らす。 「放せよ」 「――貴方がどんな気持ちでいるのか、私は知らない。だが、貴方を心配してくれている彼女たちに申し訳ないとは思わないのか?!」 「……それが君に何の関係がある」 「ないわけ無いだろう?! 君は自分が――自分がどれだけ大切に思われているのかを知らないのか!」 ウマ娘にとって、トレーナーは世界で一番の味方。 いつか、マヤノが教えてくれた言葉が脳裏によぎる。 「私はウマ娘全ての味方だ。だから彼女たちを悲しませることを良しとはしない、見逃せない。君がいなくなれば、傷付けば、それだけで胸を引き裂かれるような苦しみを覚えるウマ娘だって居る。君の絶望を共に抱えたいと願うウマ娘だって居る。君の全てを支えたいと奮起するウマ娘だって居る。その全てを君は、無為にするつもりか?!」 力強く握られていた拳が開かれる。俺は重力に従って地面に落ちて、そのまま膝をつく。 シンボリルドルフは屈んで俺の肩を支えて、切り株に座らせた。 そして、彼女は俺の顔を覗き込んだ。 先ほどまでは刃のように鋭利だった視線が、今は慈しむようなものに変わっていた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/12
13: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 23:03:32.80 ID:cSqOSPlT0 「君の問題は……君そのものを否定してしまうほどのものだったのか……?」 その声はあまりに切実で。とても他人を見ているような気にはなれない。 まるで、どれだけ焦がれても手に掴むことが出来ないものを追うような――そう、まさしく……俺のようだった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/13
14: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 23:05:11.50 ID:cSqOSPlT0 「シンボリルドルフ、君は――」 「私のことなんてどうでもいい。君は、君はどうしたいんだ? 何を為したいんだ?」 「……俺は」 喉元まで出かけた言葉を、飲み込む。 いかにループという事情を既に知っているシンボリルドルフとはいえ、おいそれと話すわけにはいかない。 それに、秘密を明かしてしまえば、劣化してしまいそうな気がして。 でも、それでも。 「……会いたい人がいるんだ」 なんだか、口を開かなきゃいけない気がした。 誰かに悩みを打ち明けて楽になりたいという気持ちがあったのかはわからない。 目の前の皇帝は、俺の全てを受け入れてくれそうだと感じた。 ……前回だってそうだった。シンボリルドルフに対しての相談は、他の誰かに相談するときよりも……なんというか、楽だった。 心理的障害がない。そう、まるで……長年の付き合いがある友人のように。 「その人は俺のことを励ましてくれた。こんな俺のことを大事な人だと言ってくれた」 「……もう会えない、んだな」 シンボリルドルフはストレートに、そう言った。 「会いたくても、もう会えないんだな」 「……わからない。でも、会いたい。会えるなら――どれだけ狭い可能性にだって手を伸ばしたい」 シンボリルドルフは、真剣なまなざしで見つめていた。 じっと。俺のことを見定めるように。 「……いいだろう」 そして、まるで囁くように、小さな声で呟いた。 その言葉の意味が解らず、聞き返そうとしたその時――。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/14
15: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 23:08:29.62 ID:cSqOSPlT0 シンボリルドルフはふと、俺の手を握った。 「今からのことは、誰にも内緒だ。いいな?」 「……何をするつもりだ?」 「内緒だ。内緒に出来ないのであれば、今日のこの会話については忘れてもらおう」 「シンボリルドルフ、君は一体――?」 そう聞き返せば、シンボリルドルフは一瞬考えて――微笑んだ。 「私は――私も、誰かを思うことくらいはあるということだよ”トレーナーくん”」 ――疑問を持つ暇もなかった。 一瞬の内に、俺は意識を刈り取られ――暗闇の中に落ちていく。 ただただ脳内には、彼女の最後の言葉がリフレインしていた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/15
16: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/04(土) 23:27:33.22 ID:cSqOSPlT0 ――遠く、遠く。海鳴りが響いた。 目を開けば、そこは海だった。 海の真っ只中。 視線を下に向ければ、そこにも海が広がっていた。 俺は、謎の力で浮いているらしく、水面には影が落ちている。 周囲を見渡してみるけれど、そこには俺と海、そしてコバルトブルーの空。 皆無だった。 自然に四方を囲まれていて、音も一切聞こえてこない。 波も立っていない。全てが――静かだった。穏やかだった。 少しでも気を抜けば、それだけで眠ってしまいそうな。 いや、今にでも眠ってしまいそうな。 意識が遠のいて。 ふと、遠くの海面が割れて、そこから何かが顔をのぞかせた。 ヒトのようで、明らかに異質なそれ。 詳細はわからない。 ただ、その存在に――本能的に恐怖した。 あれは、俺が目にしていいようなものではない、と。 瞬間、俺の目はドロドロに”融けた”。 目は何を映すこともなく、しかしどこまでも心は穏やかだった。 ”それ”をもう目にしなくてもいいのだと、安堵が先に立った。 そして、意識は閉じる。 意識が閉じる直前、何かが起こった気がしたが、何が起こったか判然としない。 それくらいに、俺の意識は朦朧としていた。 ―――――――――――――――――――――――――― リミテッドイベント:追憶 開始 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/16
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/04(土) 23:47:19.00 ID:vn1AECqko ルドルフはどこまで知ってるんだろうか…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/17
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/04(土) 23:48:45.79 ID:c46DHy5i0 これルドルフが記憶持ちでマヤノと同等かそれ以上の好意をトレーナーに持ってたら救いが無さすぎるな…トレーナー覚えてないし http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/18
19: ◆FaqptSLluw [sage saga] 2021/09/05(日) 02:43:58.33 ID:v2+k5mIX0 地固めガチャが沼ったので今日はこれで更新終了です……。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/19
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/09/05(日) 02:53:58.54 ID:I2R+7qMN0 じょてぇ! おつ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630507649/20
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