結標「私は結標淡希。記憶喪失です」 (841レス)
結標「私は結標淡希。記憶喪失です」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/
上
下
前
次
1-
新
通常表示
512バイト分割
レス栞
4: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:42:49.18 ID:J2dUQG+bo 両者が身構える。瞬間、音を上げながら吹き荒れていた風が止んだ。 まるで二人の威圧に怖気付いたかのように。 数秒間、両者の睨み合いが続いた。二人の口が一斉に開く。 「「…………勝つのは――」」 少年と少女の姿が一瞬にして消えた。 一方通行・結標「「――俺(私)たちドロボウ(ケイサツ)だッ(よッ)!!」」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/4
5: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:43:32.82 ID:J2dUQG+bo シュバッ! バッ! ドッ! ズァン!! 吹寄「……何ていうか、別格、よね?」 姫神「うん。私たちがあの二人に割って入るなんて。逆立ちしても無理」 青ピ「これもはやケイドロやないやろ。もうこれただのドラゴンボールやん。出たり消えたりまさしくヤムチャ視点ですやん」 土御門「なぁにカミやんなら余裕で付いていけるだろ。さぁカミやん、ゴー・トゥ・ヘル!」 上条「付いていけるかッ!! そもそも俺からしたらアレはヤムチャ視点どころじゃねえからな? 戦闘力5のおっさん視点だぞ舐めるな!」 青ピ「またまた謙遜しちゃってー、チャパ王クラスの力はあるんでしょー?」 上条「誰だよそれ!? つーか絶対そいつヤムチャより弱いポジションのキャラだろ!? 結局駄目じゃねーかよ!」 吹寄「ちょっとうるさいわよドロボウども!! 捕まったんだから円の中で大人しくしときなさい!!」 上条・土御門・青ピ「「「はーい」」」 姫神「……でも。青髪君が言ってることもよく分かる」 青ピ「おおっヒメやんの同意をいただいたっ!? これはアレですわ、ヒメやんルート確定のフラグが……!」 土御門「そのフラグ差す穴、すでにセメントか何かで埋め立てられてないかにゃ―?」 姫神「いつも通りの日常だったら。何てことないことで笑い合えるような。私たちと何も変わらない感じだけど。『能力有りケイドロ』みたいな『能力』が関わるだけで距離を感じるというか……別人みたく感じる」 上条「そうか? 別に何も変わらないと思うけど? 一方通行は一方通行、結標は結標だろ?」 吹寄「たしかにそうだけど、別人みたいってのは分かるわ。だって――」 一方通行「あはっ、ぎゃはっ! オイオイ遅せェ遅せェぞ格下ァ!? せっかくハンデで反射切ってやってンのによォ、そンなンじゃ百年経っても追い付きゃしねェぞォ!!」 結標「ぐっ、今に見てなさい……すぐに取っ捕まえてその格下呼ばわり辞めさせてやるわよ!!」 吹寄「二人とも、何というか楽しそうに笑ってる気がするわ。あたしたちと一緒のときとはまた別のベクトルの笑顔」 青ピ「まあアクセラちゃんに限っては同意や。能力使ってるときの笑顔はホント恐怖を覚えるわ」 上条「そりゃお前がいつも馬鹿やってアイツ怒らせてるからだろ」 吹寄「ま、だからと言って別に何かが変わるわけじゃないんだけどね」 姫神「そうだね。何も変わらない」 土御門「…………」 上条「どうした土御門? そんなシリアスな顔して?」 土御門「いや、別に何でもないんだぜい。てか何だよシリアスな表情って? そんなものこんな状況でするわけないにゃー」 青ピ「つっちーがシリアスぅ? あはははははっ、なにそれすごぉ似合わなさそうやなー!」 土御門「……よーし、あとでシリアスごっこしようか。タイトルは『突然の仲間の死』。もちろん死人役はお前だ青髪ピアス」 青ピ「ぎゃあああああああああああああっ!! 土御門君がシリアスな顔で手の骨パキポキ言わせとるぅー!? ヘルプカミやん!!」 上条「大人しく死人役になればいいんじゃないかな?」 青ピ「誰にでも手を差し伸べることに定評があるヒーローに見捨てられたっ!? 話が違うでカミやん!!」 上条「誰だよそんな評価してるヤツ」 吹寄「どうでもいいけどあんまり暴れるんじゃないわよ。今はケイドロ中だから」 姫神「と言っても。もうすぐ終わる時間」 土御門「さて、超能力者(レベル5)の第一位(首位)と第八位(最下位)が本気でやり合ったらどちらが勝つのか、って言っても考えるまでもないかにゃー」 ――― ―― ― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/5
6: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:44:32.54 ID:J2dUQG+bo 1.上条当麻補習回避大作戦 February Third Friday 15:40 〜帰りHR前休み時間〜 -とある高校・一年七組教室- ワイワイガヤガヤ 結標「――だーかーらー、あれは絶対に触れてたわよ! だから私の勝ちよ!」 一方通行「あァ? 何言ってンだオマエ? 指の神経ついにイカれちまったンじゃねェの?」 結標「いやたしかにあれはタッチ出来てたわよ! 未だに指に感覚が残ってるし……」 一方通行「一瞬でも俺を出し抜けられた喜びが大きすぎて、脳内で有りもしない感覚を勝手に生み出したってだけの話だろ」 結標「ぐ、ぐぬぬ……絶対、絶対触れてたわよ……」 一方通行「いつまでもよく分からねェ勝敗に拘りやがって。ガキかなンかなのかオマエは?」 吹寄「そこで気を使って勝利を譲ってあげないあなたも十分子供だと思うけど?」 一方通行「ハァ? 何言っちゃってくれてンですかねェこのアマは? アレはどォ考えたって俺の勝ちだろォが」 吹寄「ほらっ、やっぱり子供」 一方通行「……チッ、うぜェ」 姫神「拗ねてる……やっぱり子供?」 一方通行「子供じゃねェ!」 土御門「まあ別にいいんじゃないか? あれは正直どっちが勝ったって言ってもおかしくないくらいギリギリ限界の勝負だったぜい」 青ピ「せやなぁ、まさしく紙一重ってヤツやったな」 上条「たしかにな。実際の勝敗はどっちなのか分かんねえけど、最後はお前に届くか届かないかのところまで追い詰めたのは事実なんだ。そこだけは認めてやってもいいんじゃねえか?」 結標「上条君……」 青ピ「あっ、カミやんがまた一級建築士の力を遺憾なく発揮しようとしとる!」 吹寄「上条当麻……貴様……!」 上条「あれ? 何かよく分からない理不尽がそこにある気がするぞ!?」 一方通行「……いや、別に俺は別に結標の実力を認めてないわけじゃねェよ。俺の移動する位置を完璧に予測してそこに飛んできたわけだからな」 結標「そ、そうなんだ……ちゃ、ちゃんと認めてはくれてたのね……」 一方通行「だが俺が勝ったっつゥ事実は揺るぎ無ェけどな」 結標「……はぁ、わかったわよ。今回は貴方の勝ちよ。もともと触れたか触れてないかなんて曖昧なことをせずに腕を鷲掴みとかにしとけばよかった話だし」 青ピ「どちらが大人か子供かひと目で分かる瞬間やったな」 一方通行「今すぐ捻り潰してやるよオマエ」ニヤァ 青ピ「で、出たッ! アクセラちゃんのデススマイルや! ボクの寿命がマッハで縮んでいくぅ!!」 ガラララ 小萌「はいはーい! 皆さん帰りのホームルームを始めたいと思いますのでとっとと席に着いちゃってくださーい!」 青ピ「よっしゃ天使降臨や! アクセラちゃんに削られた寿命を一瞬でベホマズン!!」 上条「無駄にMP消費させてんじゃねえよ、ホイミでいいだろホイミで」 一方通行「チッ、うっとォしい……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/6
7: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:45:16.91 ID:J2dUQG+bo 小萌「――ええと、来週から三学期の勉学を締めくくる期末考査が始まりますが、皆さんテスト勉強はバッチリ出来ているでしょうかー?」 <ナ、ナンダッテー!! <そ、そんな理不尽なことがあるっていうの!? <ああ神よ…… <ふっ、楽しい人生だったぜ…… 結標「……あっ、そういえばそんなのあったわね。すっかり忘れてたわ」 一方通行「くだらねェ」 結標「クラスが阿鼻叫喚状態だけど貴方は相変わらず余裕そうね」 一方通行「そりゃそォだろ。俺はそンなどォでもイイテスト如きでうろたえるよォな馬鹿じゃねェよ」 結標「前の期末テストでひどい点数を取ってしまって、冬休みの半分を補習で過ごした一方通行様のセリフじゃないわよね?」 一方通行「そンな記憶、脳みそから刹那で消え去った」 結標「随分と都合のいい脳みそね……」 一方通行「つゥかよォ、まず心配すべきなのは俺じゃなくてアイツだろォがよ」 結標「アイツ……?」 上条「……完ッ……全ッに、わ・す・れ・て・た……!」ガクリ 結標「あっ……、そういえば上条君も補習メンバーの一人だったわね」 一方通行「補習レギュラー言われてるくらいだ。今回もあえなく撃沈して惨めな補習ライフを受けるンだろォな」 結標「……まあ、たしかにただでさえ短い春休みを根こそぎ持っていかれるわけだから惨めと言ったら惨めよね」 小萌「――そういうわけなので、皆さんしっかりテスト勉強をしてから本番に望んでくださいねー」 小萌「あ、あともちろん赤点なんて取ったら問答無用で補習ですからねー。というわけで春休み中の予定は空けといてくださいね上条ちゃん?」 上条「何か既に俺の補習確定してるみたいな口ぶりなんだけど!? まだ戦いは始まってすらいないのに!?」 土御門「そりゃカミやんはこの一年間全ての補習に参加した、不名誉な皆勤賞受賞候補者だからにゃー。もはや補習回避する未来のほうが考えられないぜい!」 青ピ「カミやんが補習を回避するとき、すなわちそれは学園都市が崩壊を起こすときやで!」 小萌「あっ、ちなみに今回のテストはどの教科の先生も難しめに作ると言ってましたので、土御門ちゃんや青髪ちゃん、その他諸々の皆さんも勉強頑張ってくださいねー」 青ピ「なっ、何やって……? 何でこんな時に限って本気出してんここの教師陣……? 人から休日を奪う気満々じゃないですかやだー!!」 土御門「糞ッ! 迂闊だった! 前回のテストがチョロかったから今回も余裕だと思っていたのに……! あの難易度の低さは年末だったからか!!」 上条「…………小萌先生ッ!!」 小萌「!? は、はい何ですか上条ちゃん!?」ビクッ 上条「いいぜ、テメェが俺の春休みが補習で潰れるなんて本当に思っているんなら……、ますはその幻想をぶち――」 ゴッ!! 上条「ころふぁっ!?」 吹寄「先生をテメェ呼ばわりしてるんじゃないわよ!! この馬鹿者がッ!!」 結標「……し、締まらないわね」 一方通行「つゥか、幻想じゃねェからあの右手じゃ壊せねェだろ……」 ――― ―― ― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/7
8: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:46:11.76 ID:J2dUQG+bo 同日 16:00 -とある高校・一年七組教室- 上条「――というわけで俺に勉強を教えて下さい!! 神様仏様第一位様ッ!!」 一方通行「ハァ? 何で俺がそンなことしなきゃいけねェンだよ? つゥか月詠に啖呵を切ろォとしたヤツのセリフとは思えねェよなァ」 上条「そこを何とか頼んます!! お願いしますよアクセラえもーん!!」 一方通行「ぶっ殺されてェのかオマエはァ!?」 上条「マジお願いッ!! このとおーり!!」ドゲザ 一方通行「何だこのヒーロー!? プライドの欠片もねェ!?」 結標「……別にいいじゃない。教えてあげれば?」 一方通行「面倒臭せェ。つゥか、コイツ端から自分のチカラで切り抜ける気ねェから気に入らねェ」 吹寄「たしかにアクセラの言うとおりにね。普段からきちんと勉強してたらこういう自体には普通陥らないもの」 姫神「自業自得。というやつ」 上条「……ようするに自分で勉強して切り抜けろ、と?」 青ピ「せやな」 土御門「そうだぜいカミやん。もしかしたらアクセラちゃんに教わるよりは自分で頑張ったほうが赤点回避率上がるかもしれないぜい」 一方通行「あァ? そりゃどォいう意味だ土御門クン?」ピキッ 土御門「アクセラちゃんの頭は理数系を全て百点を取るという素晴らしいものだけど、同時に文系の教科は悲惨な結果を生み出してしまう、残念なものでもあるんですたい」 一方通行「誰の頭が残念だってェ!?」ピキピキ 結標「まあまあ落ち着きなさいよ。現代文で残念な点数だったのは事実だからしょうがないじゃない」 一方通行「そンな記憶はまったくないンだけどよォ」 結標「そのセリフを言うたびに、どんどん残念になっていくような気がしてならないんだけど……」 土御門「ま、そういうわけで国語の能力が低いアクセラちゃんに教わるくらいなら、素直に教科書見てたほうが能率が上がるかもって話だにゃー。ようするに頼む相手を間違ってるって話」 青ピ「そうやでカミやん。大人しく成績優秀な女子連中に頼みぃ」 上条「……うーん、でも別にそんなお前らが言うようなヤツじゃねえけどな一方通行。前に冬休みの宿題見てもらったときもわかりやすく解説してくれたし……理数系限定だったけど」 一方通行「どちらにしろそれじゃ理数系しか点数取れねェじゃねェか」 吹寄「あっ、ついにあの黒歴史を認めた」 姫神「これも一種の成長?」 一方通行「成長もクソもねェよ。文系の科目は教えンのが面倒なだけだ」 青ピ「何言うとんアクセラちゃん。単に分からないから教えられなぎゃああああああああベクトル操作で髪引っ張るのやめ、禿げ、禿げちゃううううううううう!!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/8
9: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:48:27.56 ID:J2dUQG+bo 一方通行「そォいうわけで他ァ当たるンだな。俺以外に適任者がいンだろ、このアホが言うみてェにそこの女三人」 吹寄「そんなこと言われてもこっちも勉強しなくちゃだし、上条当麻を全教科赤点回避出来るまで仕上げてたら自分の足を掬うわ」 姫神「手伝ってはあげたいけど。今回は私も少し余裕がない」 結標「私は別にいいわよ。最終調整なんて前日にぱぱっとやれば大丈夫だし」 吹寄「さ、さすがレベル5。言ってることはただの一夜漬けと意味は変わらないんだけど、余裕感のようなものを感じるわ……」 一方通行「じゃ、決まりだな。勉強はコイツに見てもらえ。よかったな、心強い先生が見つかって」 上条「お、おう。よろしく頼むよ結標」 結標「ええ、任せて。必ず補習回避させてあげるわ!」 青ピ「だったらせんせー! ボクも今回デッドゾーンなんで勉強教えてくらさーい!!」 土御門「にゃー! オレもオレもー!! このままじゃ貴重な休日を地獄のような補習で潰されてしまうんだぜい!!」 結標「え、えっと、さすがに三人同時はちょっとキツイかなー、何て」 吹寄「そうよ馬鹿ども。アンタたちはまだ上条の馬鹿よりはマシなんだから一人で何とかしなさい!」 青ピ「ええっー!? 何を言うとん吹寄さん! ボクらは三馬鹿、デルタフォースやで!!」 土御門「マシなんて言葉は通用しない! オレたちはクラスの最底辺、もはやそういうレベルじゃないんですたい!」 上条「さっきまで散々俺のことを補習レギュラーとか罵ってたくせに、こういう時だけ同レベル宣言かよ!」 結標「うーん、できればみんな補習は回避しては欲しいんだけど。うーん……はっ」ピコン 一方通行(何か知らねェが嫌な予感がする……) 結標「私にいい考えがあるわ――」 結標淡希。超能力者(レベル5)の第八位。能力名『座標移動(ムーブポイント)』。 彼女は5ヶ月以上前の思い出が無い、いわゆる記憶喪失だ。 思い出がない、その頭の中にすっぽりと開いた穴を埋めるために、彼女は思い出作り的なイベントには積極的に参加する『イベントならとりあえず参加しとこ脳』である。 それはクリスマスやバレンタインといった勝手に始まる受動的なイベントはもちろん、自分からイベントを起こして参加したりもする。 つまり―― 結標「――どうせだからみんなで勉強会とかしてみない?」 一方通行(――面倒臭せェ女だっつゥことだよクソったれが) ――― ―― ― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/9
10: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:49:04.29 ID:J2dUQG+bo February Third Saturday 09:30 -第七学区・とあるファミレス- 一方通行「……ハァ、休日だっつゥのに、何でこの俺がこンなところに出張らなきゃいけねェンだよクソが」 結標「いいじゃない別に。どうせ家に居たって寝転んでるだけでしょ?」 一方通行「あァ? 俺がいつも寝てるだけで休日を過ごしてる思うなよ? 例えば缶コ――」 結標「缶コーヒーを堪能するでしょ? 毎日のように飲んでるのだから今日ぐらいいいじゃない」 一方通行「日頃の鍛錬ってモンは毎日続けるからこそ力がつく。だが一日でもそれを怠ると精度が下がっちまうンだよ」 結標「いつから缶コーヒーを飲むことが鍛錬になったのよ? 貴方はコーヒーソムリエでも目指すつもりかしら?」 一方通行「ケッ、何言ってンだオマエ? 缶コーヒーの飲み比べなンてしたところで、そンな大層なモンになれるわけねェだろォが」 結標「ムカつく! わざわざこっちが話合わせてやったのに、哀れみの目で見てきてるコイツすごくムカつく!」 一方通行「ハイハイ。……つゥかよォ、勉強会とかいうクソくだらねェ行事ってたしか10時からじゃなかったか?」 結標「うん、そうだけど」 一方通行「何で集合時間30分前だってのに俺らはここにいンだよ。オマエの時計だけ30分狂ってンのか?」 結標「ん? 何か問題でもあるかしら? 別に遅れてるわけじゃないからいいじゃない」 一方通行「そォいうことじゃねェンだよなァ。30分も早くここにいる意味を聞いてンだよ俺は」 結標「別に意味なんてないけど」 一方通行「……オマエ、30分あったら何が出来ると思う?」 結標「んーと、何だろ? ……いざ考えてみると思いつかないわね、何なのよ?」 一方通行「決まってンだろ、睡眠だ」 結標「えぇ……」 一方通行「何だその『コイツつまらね』みてェな目は?」 結標「いや、だってあまりに予想通りかつ別に30分使ってやることじゃないだろ、って答えが返ってきたから」 一方通行「オマエ分かってねェよ。睡眠時間30分延長することの重要さについてをよォ」 結標「知らないわよ……あっ、二人来たわ」 一方通行「あン?」 吹寄「おはよっ、早いわねお二人さん!」 姫神「おはよう。まさかもう来てるとは思わなかった」 結標「おはよっ二人とも。別に早くはないわ、さっき来たところよ」 一方通行「さっきっつっても、集合時間の30分前とかいうアホみてェな時間には来てたわけだけどな」 吹寄「時間に遅れないように心掛けるのはいいことよ」 一方通行「限度っつゥモンがあンだろォが」 姫神「別に。30分ぐらい許容範囲じゃ?」 一方通行「チッ、30分の重要性が分からねェのかオマエらは?」 吹寄「分からないことはないけど、別にそれとこれとは話は別じゃないかしら?」 姫神「起きる時間は基本的には毎日変わらない。だから関係ない」 結標「残念ね一方通行。ここに貴方の理解者はいなかったようね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/10
11: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:49:42.90 ID:J2dUQG+bo 一方通行「チッ、くっだらねェ。オイ店員!」ギロッ ウェイトレス「は、ハイっ!?」ビクッ 一方通行「コーヒー一つ。ドリンクバーのじゃねェぞ?」 ウェイトレス「か、かしこまりました!」スタター 結標「……何て顔して頼んでいるのよ?」 一方通行「あァ? 別に普通だろ」 吹寄「逃げるようにこの場を去っていったわね」 姫神「明らかにウェイトレスさんを睨みつけてた」 吹寄「……そういえば今回の主賓である馬鹿三人はまだ来てないようね」 一方通行「そりゃまだ集合時間来てねェからな」 吹寄「でも教えてもらうって立場なんだから、普通は早く来てそれなりに準備とかするんじゃないかしら?」 一方通行「そンなことするヤツらがテスト直前で泣き付くみたいな真似するかよ」 結標「まあ、待ってるのも何だし私たちだけでも先に始めちゃう?」 姫神「賛成。時間は有効活用しなくちゃいけない。時は金なりと言うし」 吹寄「じゃあ結標さん数学教えて! 今回証明とかあって結構難しくて」 結標「いいわよ。じゃあ教科書とかの簡単な問題から慣れていきましょ?」 一方通行「……あァ、眠っ」フワァ 姫神「アクセラ君」 一方通行「ンだよ?」 姫神「現代文とか勉強しとかなくてもいいの? 前回の結果からして。苦手な科目なんでしょ?」 結標「そうよ一方通行。また現代文のせいで補習なんて展開にしないためにも、きちんとやっときなさいよ」 一方通行「面倒臭せェ。今さら何やろォが待ってる結果は同じだ。だったら無理に知識詰め込む必要ねェだろ」 吹寄「ちょっとアクセラ! もしかして諦めるって言うつもり!?」 一方通行「ハァ? 諦めるゥ? 俺がかァ?」 吹寄「さっきの口ぶりからしてそうにしか聞こえなかったんだけど……」 一方通行「何言ってンだ吹寄? そもそも俺に諦めるっつゥ選択肢なンて存在しねェだろォが」 吹寄「えっ?」 一方通行「俺はそンな悪あがきしなくてもよォ、補習なンてモンに参加することはまずありえねェンだよ」 吹寄「…………」 姫神「…………」 結標「…………」 一方通行「?」 三人(ダメだコイツ。前回のテストから何一つ学んでない……!) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/11
12: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:50:29.69 ID:J2dUQG+bo 一方通行「ま、そォいうわけでオマエらは俺に気にせず勉強してろ」 ウェイトレス「――お、お待たせいたしました。特製コーヒーです」カチャリ 一方通行「ン」スッ 一方通行「…………」ズズズ 一方通行「あァ、コーヒーうめェ……」 結標「……そうだ。私たちも何か頼む?」 吹寄「とりあえずドリンクバーは絶対にいるわね。まだ食べ物って気分じゃないから食べ物はいいと思うけど」 姫神「うん。食べ物はお昼になってからでいい」 結標「了解。じゃあウェイトレスさんドリンクバー三つで」 青ピ「あっ、あとお姉さんのスマイル一つで」 ウェイトレス「……えっ?」 結標「…………」 姫神「…………」 一方通行「…………」ズズズ 青ピ「……ん? あれ? 何この空気?」 ズガシャッ!! 青ピ「ほげぇ!?」 吹寄「ど、どっから湧いてきたのこの馬鹿者ッ!!」 姫神「おはよう青髪君。相変わらず唐突に待ち合わせ場所に現れるね」 結標「もしかして青髪君って空間移動能力者(テレポーター)? それとも光学操作系の能力者かしら?」 青ピ「ボクは正真正銘ただの無能力者(レベル0)だす。そんな高度のことできないだす」 一方通行「喋ってねェと影が薄いだけじゃねェのか? あと、その気持悪りィ口調今すぐやめろ」 姫神「アクセラ君!!」 一方通行「ッ!? な、何だ? いきなり声を張り上げて」ビクッ 姫神「青髪君レベルで!! 影が薄いなんて!! 言っては!! 絶対に!! いけない!! 絶対にッ!!」 一方通行「お、おォ悪りィ」 吹寄「次からは普通に現れなさいよ? このアホ髪バカスが」 青ピ「ふふふっ、ここで『YES』と言ったらボクがボクじゃなくなるんやで? あとバカスのところをエロスにしてもらえると興――」 グリシャッ!! 結標「あっ、ウェイトレスさん。ドリンクバーもう一つ追加で」 ウェイトレス「は、はいかしこまりました」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/12
13: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:51:14.13 ID:J2dUQG+bo 同日 10:10 吹寄「さて、バカアホマヌケが来たからあと二人ね……ってもう集合時間過ぎてるじゃない!!」 青ピ「吹寄さん。もはや原型を留めてないんですけど」 一方通行「おそらく上条は、インデックスの昼メシとか作ってるだろォから時間には間に合わないな。隣人の土御門もそれに巻き込まれる可能性は高い」ズズズ 結標「別にご飯なんて作らなくてもここに連れてくればいいのに。ここにいる限り空腹に困ることはないと思うし」 姫神「結標さん。それは上条君には絶対に言ってはいけない。色々な意味で号泣すると思う」 青ピ「そういや姉さんら今なんの勉強してん? 数学?」 結標「そうそう。吹寄さんが証明が難しいって言うからね」 吹寄「どうせアンタも分からないでしょ? 結標さんの講義聞いたら?」 青ピ「ちょっと待ってや? 証明なんてテスト範囲にあったっけ?」 吹寄「はぁ……何というかテスト勉強以前の問題ね。まずはテスト範囲を確認するところから始めなさい!」 青ピ「せやな。戦いに勝つにはまずは敵を知ることが大事やしな。ええっと、テスト範囲テスト範囲……ってそんなもん持ってへんで!」 吹寄「……もう帰れば?」ジトー 姫神「一体今日は何をしにここに来たのか。まったくもって分からない」ジトー 青ピ「おっふっ、イイッ!! イイィッ!! 美少女たちの視線がボクに突き刺さるぅぅ!!」 ゴキリッ!! 青ピ「」バタリ 一方通行「うるせェ。俺の昼寝の邪魔をしてンじゃねェよクソゴミが。つゥかイイ加減この流れ飽き飽きしてンだよ」 結標「貴方も貴方で何でファミレスまで来て昼寝をしてるのかしら? というか今はどちらかと言ったら朝よ」 一方通行「来たくて来たわけじゃねェからな。することがねェならもォ、そりゃあ……寝るしかねェじゃねェか」 結標「大人しく苦手科目でも勉強しときなさいよ」 一方通行「俺に苦手科目なンて存在しねェ」 吹寄「……はぁ、何というか男連中は全員やる気を感じられないわね」 姫神「しょうがない。これだからいつもテストでいい結果が出ない」 一方通行「オイ姫神。俺をあの三下どもと一緒にすンじゃねェ」 姫神「学年平均40点強の現代文で10点。その教科だけ学年順位最下位を取った人がいるらしい」 一方通行「……さて、昼寝の続きでもすっか」ゴロン 結標「逃げたわね……というか店の椅子に寝転んでんじゃないわよ! 行儀が悪いでしょうが!」 一方通行「ハイハイわかったよ。いちいちうっせェヤツだな」ボソッ 結標「何?」 一方通行「何でもねェ」 吹寄「もう! 結標さん、やる気がない人は放っておいってあたしたちだけでやりましょ?」 結標「……そうね。じゃあまず証明の基本的なところから――」 上条「――って待てえぇい!!」ダッ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/13
14: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:52:16.76 ID:J2dUQG+bo 吹寄「……あら上条当麻。何しに来たの?」 上条「何しに、って勉強を教わりに来たに決まってんだろうが!! じゃねえとこの金無し上条さんがファミレスなんてところ来るわけねえだろ!!」 吹寄「あっ、そう。勉強をしに来たの、へえ……」 上条「つーか、もともと勉強を教えてくれって頼んだの俺なのに、何で『お前ここにいるのおかしくない?』的な目で見てきてんだよ!! おかしいだろ!!」 土御門「そりゃカミやんは遅刻しちまったからにゃー。時間に厳しい吹寄様にそんな目で見られてもおかしくない。かくいうオレもそういう目で見られてるんですたい!」 結標「……ところで上条くんたちはどうして遅れたの? やっぱりインデックスちゃん絡み?」 上条「そ、そうなんですよ結標さん。あんにゃろう俺の作った昼食を朝食と間違えて片っ端から食べていくという暴挙に出やがったんですよー」 土御門「それを横で漫画読みながら眺めてたから遅れました! オレは悪くないでーす!」 上条「ふざけんな土御門ッ!! 大体テメェが『目玉焼きって何となく朝食べるイメージ大きいんだぜい』とか言わなかったら、あの大量の卵料理を壊滅させられることはなかったんだぞ!!」 吹寄「それは貴様が昼食に目玉焼きを作るからいけないんでしょ? そもそもインデックスがちゃんと分かるように導いてあげれば済んだ話じゃない?」 上条「導く? あはは……それができれば苦労はないとですよ……うふふ」 土御門「……ところで」 青ピ「」 一方通行「Zzz……」 土御門「コイツラは一体ここで何をしているんだ? 徹夜明けか?」 吹寄「やる気のない馬鹿者どもの成れの果てよ」 上条「そうか。俺らがひどい扱いを受けてるのはコイツらのせいか」 姫神「遅刻した事実は変わらない」 結標「ま、まあこれで全員揃ったわけだし。今から数学やるけど二人はどうする?」 土御門「もちろん受講させていただくぜい! 数学なんてなにそれおいしいの状態だからにゃー!」 上条「聞くまでもねえだろ結標先生! 俺に完璧にこなせる教科なんて一つもないんだからな!」 吹寄「自分で言ってて悲しくならないわけ?」 上条「……言わないでくれ」 結標「それじゃあ始めるわよ。まずは教科書の189P開いて――」 青ピ「」 一方通行「Zzz……」 ――― ―― ― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/14
15: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:53:04.45 ID:J2dUQG+bo 同日 11:30 結標「――つまり、ここはこういう風に考えれば分かりやすいわ」 吹寄「へー、なるほどね。さすが結標さん、丁寧かつ分かりやすい解説」 姫神「うん。おかげで演習問題もスラスラ解ける」 土御門「やっぱりレベル5はパネェっすわ。もはや頭の出来が根本的に違うんだにゃー」 結標「いや、別にそんなことないわよ。普通よ普通」 姫神「この高い解説能力で普通。それなら有名予備校とかの講師は一体どんなレベルになるのか」 吹寄「そんなに謙遜しなくてもいいと思うわ。誇ってもいいんじゃない結標さん?」 結標「もう! そんなに褒めても何も出ないわよ!」テレ 土御門「オレたちは事実を言っているだけだぜい。ほら、あの補習レギュラーのカミやんさえもこの通り――」 上条「先生ッ!! 問1が……というか全部さっぱり分かりません!!」 土御門「――オラァ!!」ズゴッ 上条「ぐほっ!? な、何しやがるテメェ!!」 土御門「お前姉さんの話絶対聞いてないだろ? ここの問題はさっき言ってた条件を当てはめればそのまま解けるぞ?」 上条「えっ、この条件ってここで使うのか。へー、勉強になるなー」 吹寄「……何というか。もう補習受けたらいいんじゃないの?」 上条「えっ!? 何でいきなりそんな辛辣な言葉をかけられなければならないんでせうか!?」 姫神「たぶんこの調子ならあと一週間猶予があったとしても。赤点は免れないと思う」 土御門「諦めるんだ上条当麻。もう楽になればいいさ」 上条「勉強を始めて1時間でこんなにボロカス言われるとは絶対誰も思わないだろうな……」 吹寄「逆にその1時間本当に勉強したのか問い詰めたくなるほどひどいってことよ」 結標「ま、まあまだ時間はあるしじっくりやっていこ? ねっ、上条君?」 上条「め、女神がおる……! 敵しかいないこのファミレスに救いの女神様が微笑んでくださっておる……!」 結標「じゃあ、こっちの問題やってみて。さっき私が言ったことをそのまますれば解けると思うから」 上条「ええっと…………、な、何だったっけそれ?」 結標「……あ、あはは、じゃあもう一回説明するわね」 土御門「さすがの女神様もこれには苦笑い」 姫神「これはひどい」 吹寄「何となく結標さんの顔に後悔の色が見えてる気がする……じゃなくて見えてるわ」 青ピ「……う、うーん。……こ、ここはドコ? 私はダレ?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/15
16: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:53:59.65 ID:J2dUQG+bo 姫神「……。唐突に何?」 吹寄「あれ? 青髪ピアスってここに来てたの?」 青ピ「何やこの扱いッ!? 首をゴキッ、とやられてさっきまで生と死をさまよってて奇跡的に復活したボクに贈られる言葉やないで!?」 土御門「カミやんの常軌を逸した馬鹿さ加減で呆れてるからにゃー。ここでお前みたいなヤツが来たらそうなるだろ?」 青ピ「来るも何も結構早い段階からここにおるんやけどなぁボク。キミらが来るよりよっぽど早く」 吹寄「どうでもいいけど勉強しに来たならさっさと教科書なり何なり広げなさいよ」 青ピ「あ、はい……というかちょっとええ?」 吹寄「何よ?」 青ピ「やけにボクだけ責められとるようやけど、そこの白髪はなんなん?」 一方通行「Zzz……」 青ピ「みんなで楽しくお勉強会しとるのに一人端っこで眠っとるやん!? 明らかにボクよりやる気ないって大々的にアピールしとるやん!?」 吹寄「……いや、だってアクセラは普通に頭いいし。ねえ?」 姫神「100点とか普通に取っちゃうくらい普通に頭はいい」 青ピ「えっ、何なんこの扱いの差? 差別やん差別。くっ、イケメンと三枚目ではこれほどの差が生まれてしまうのか……」 吹寄「はぁ? あなた三枚目を名乗れるほど面白いことしてたかしら?」 土御門「さすが吹寄っ! 容赦なく急所を抉っていくぅ!」 青ピ「てか、よくよく考えたらさっきの頭いい発言おかしくない!?」 姫神「えっ?」 青ピ「えっ? やないやろ、だって現文10点やろ10点? 真面目にやってそんな点数取れるんかって、頭にハテナマーク浮かべる10点。やばっ、思い出しただけで笑えてきた。10点ってぷぷっじゅ――」 一方通行「10点10点うるせェぞ、脳みそ10点野郎」ゴガッ 青ピ「ぎゃああああああああああっ!? 頭が割れりんぐぅぅぅぅ!?」ジタバタ 姫神「おはようアクセラ君」 吹寄「いつの間に起きてたの?」 一方通行「あァ? 今起きた……いや、起こされたっつゥのが正解か。アホがゴチャゴチャ騒いでやがったせいでな」 青ピ「ぐぉぉぉぉ、さ、さすがやでアクセラちゃんっ。勉強会中に寝るわ、人をストレス解消の道具にするわ、ホンマやりたい放題やな自分ん」 一方通行「ハァ? 勉強会つってもオマエらが勝手にやってるだけだろォが。あと別に俺はオマエをストレス解消の道具にしてるわけじゃねェよ。蚊を見かけたら叩き潰すことと同じことをしてるだけだ」 青ピ「ボクの存在ってそんな小さな羽虫と一緒なん!? 正直ショックやで!? というかこの勉強会ボクだけ扱い悪すぎやない!?」 土御門「気のせいだろ。いつもこんなもんだと思うぜい」 姫神「うん。至って普通の日常」 青ピ「これをいつも通りの日常と言えるキミらがボクは怖いでえ……」 吹寄「だったら少しは勉強をしようとする意思を見せなさいよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/16
17: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:54:36.99 ID:J2dUQG+bo 一方通行「……あン? そォいやもォそろそろ昼か」 土御門「おっ、本当だにゃー。ひとまず昼休憩と行こうぜい!」 青ピ「ぼ、ボクは何にもやってへんで……それなのにもう休憩の時間なんか……?」 吹寄「今まで休憩してたみたいなものだから、みんながご飯を食べてる横で問題集でも解いてたら?」 青ピ「せんせー! 気絶は休憩に入らないと思いまーす!」 一方通行「そォだな。あァ、店員さンコーヒーおかわり」スッ 青ピ「ちょっとー! 何かツッコンで!? 会話の流れ止まっちゃうからー!!」 吹寄「ついでに昼食でも頼んどきましょ。あたしこの『ふわとろオムライス』で」 姫神「『和風ハンバーグ定食』」 土御門「ふふふっ、ここはテストへ向けての願掛けとして『トンカツ定食』を注文させていただくぜい」 一方通行「テストってたしか明後日からじゃなかったか?」 土御門「細けえことは気にすんなだぜい。願いに時間なんて関係ないにゃー」 青ピ「……ふむ。ではボクは――」 吹寄「えっ、青髪ピアスは昼返上で勉強するんじゃなかったの?」 青ピ「何でや! 食べるに決まっとるやろ! 生命活動を再開するのにもカロリーは必要なんやぞ!」 一方通行「ただの気絶で何言ってンだコイツは?」 青ピ「日常生活でただの気絶とかいうこと自体おかしいんやけどな……」 姫神「結構な頻度で気絶してると思うから。ある意味日常じゃないかな?」 青ピ「イヤやそんな日常!!」 吹寄「あっ、結標さんと上条当麻も何か頼んだら? どうせ上条はライス(小)とか言い出しそうだけど」 結標「……ぐ、ぐぬぬぬ、だ、だったら次の問題はっ!?」 上条「おおっ、これか!? わかったぞ! これはこの公式を使うんだな!? そうなんだな!?」 結標「その公式は別の章のやつで使うやつよ……」 一方通行「……何やってンだよ結標先生。顔色悪りィぞ?」 結標「あ、ああ一方通行起きたのね? 大丈夫よ、ちょっと疲れちゃっただけだから……」 土御門「か、カミやんのあまりの馬鹿さに耐え切れずに……!?」 吹寄「くっ、やはりレベル5の手を持っても扱い切れないということなの!? これが幻想殺し(イマジンブレイカー)……!」 姫神「実質まだ二時間くらいしか経ってないけど。何かもう一日中勉強したみたいな感じになってる」 上条「い、いやあれだよあれ。俺だって必死に頑張ったよ、でも駄目だったんだ。俺の脳みそってのはどうも数学ってやつを受け付けてくれないらしい」 吹寄「何か全力を尽くしてヒロインを守ろうとしたけど、結局駄目だった自分のチカラの無さを悔やむヒーロー風に言ってるけど、要するに数学は嫌いだからできません、ってことよね?」 上条「はい」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/17
18: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:55:17.86 ID:J2dUQG+bo 姫神「補習決定の瞬間をこの目で見た」 青ピ「もうだめだぁ……おしまいだぁ」 土御門「もういい……! もう……休めっ………! 休め………っ! 姉さんっ!」 結標「……いいえ、そうはいかないわ。ここで私が倒れたら、上条君が……!」 上条「いや、土御門の言う通りだ結標。俺なんかのためにお前がそんな無茶する必要ねえんだよ」 一方通行「無茶させてる自覚があるなら、もっとまともに頭を働かせたらどォだ?」 上条「…………」スピー 一方通行「目ェ背けてンじゃねェよ。いろンなモンからよォ」 吹寄「と、とにかくお昼休憩にしましょ二人とも? 脳にブドウ糖を補給しなきゃ勉強も捗らないわ」 結標「そ、そうね。一度休憩をとってリフレッシュしないと頭も働かないわよね……あっ、そうか!」 青ピ「どうしたんやいきなり?」 結標「上条君、もしかして今日の朝ご飯食べてないんじゃないかしら!?」 上条「えっ、いや、食べたけど」 結標「そんなに多く食べられてないんじゃないかしら!?」 上条「ま、まあたしかに満足するほどは食べてないけど……」 結標「そうよ、そうよね! おそらく上条君は頭にブドウ糖が足りてなかったのよ! そうよ、だからあんなに……」ブツブツ 土御門「……おい、これ姉さん完全に病んでないかにゃー?」 青ピ「せ、せやな。何か目がヤンデレもののヒロインみたいな感じになっとるし」 姫神「上条君はもはやブドウ糖が足りてない。とかそんなレベルまで達してない。という現実を直視していない」 一方通行「つゥかよォ、そこの馬鹿二人さっさとメシ頼めよ。店員さンずっと放置されてて苦笑いしてンぞ」 ウェイトレス「あ、あはは大丈夫ですよ。ごゆっくりどうぞ」 結標「あっ、すみません。じゃあ私『シーザーサラダ』で」 上条「俺は……『ライス(小)』でお願いします」 結標「か・み・じょ・う・君!? そんなんじゃ全然足りないわよねぇ!? 定食とか頼みなさい定食とか!」 上条「ひっ、や、か、上条さんのお財布はそんな豪華なものを頼む余裕はないのことよ!?」 結標「じゃあ私がおごってあげるから!! 金銭面は貴方は何にも気にしなくていいのよ!? 勉強に必要な栄養分をここで摂取するのよ!! さあ!!」 上条「ひっ、ひぃぃぃ!?」ガクブル 土御門「ね、姉さんが完全にダークサイドに落ちてやがる! クソっ、このままじゃマズイぞ!」 一方通行「あン? 何か問題があンのか?」 青ピ「だってこのままじゃカミやん一人が昼食を奢られるっていうおいしい思いをするんやで!? 羨ましすぎるでホンマぁ!!」 吹寄「今気にすることは絶対そこじゃないでしょ! 結標さんのほうのことでしょ!?」 土御門「これを放置したら結標→カミやんという謎のヤンデレルートに突入してしまう! これは絶対に避けなければいけない状況だ!」 一方通行「馬鹿馬鹿しィ。訳分からねェこと言ってねェでさっさと注文を確定させろ。いつになったら俺はコーヒーが飲めンだよ」 姫神「アクセラ君」 一方通行「あン?」 姫神「ごー」 一方通行「ハァ?」 姫神「ごーとぅすとっぷ」ジー 一方通行「何で俺が……ハァ、わかったわかった。オーケーオーケーわかったよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/18
19: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:56:05.31 ID:J2dUQG+bo 上条「……あのー結標さん? 奢ってもらうのはありがたいのですが、そんなんじゃ上条さんのお馬鹿は治らないですのよ?」 結標「そんなことはないわ上条君。貴方はやればきっとできる人。だからそのためにたくさんの栄養分を脳みそに送らなきゃ……」 上条「何かその言い回しすごく怖いんですが……」 結標「さあ頼むのよ! 定食とかそういうガッツリしたものを頼むのよ! 頼みなさい! さあ! さあ!! さ――」 ビシッ!! 結標「あいたっ!? な、何よ!?」 一方通行「オマエは馬鹿ですかァ? もしかしなくても馬鹿なンですかァ? やっぱり馬鹿だったりするンですかァ?」 結標「なっ、そんな馬鹿馬鹿連呼するのはやめてちょうだい!」 一方通行「馬鹿を馬鹿っつって何が悪りィンだっつゥの。大体よォ、上条クンは傍から見ても分かるよォな貧乏野郎だが、満足に食いモンが食えてねェから脳が働いてなくて勉強が出来ねェヤツじゃねェってことぐれェわかンだろ」 上条「ぐはっ……! じ、事実だけど地味にダメージが……!」 一方通行「世の中には貧乏生活を強いられながらも、必死に努力して上へ上り詰めた有能がいくらでもいるンだよ」 一方通行「勉学にそンなブドウ糖とか栄養だとか関係ねェ。所詮は才能と努力。今まで努力を怠ってきた三下が、今さら腹一杯メシィ食って大量のブドウ糖を頭に送ったところで何一つ変わンねェンだよ」 結標「…………」 一方通行「オマエはもォ十分頑張った。だから休め結標。昼休みはメシ食って休む時間だ、勉強なンてモンわざわざ休み時間潰してまでやるモンじゃねェンだよ」 結標「……わかった。そうするわ」 一方通行「チッ、手間ァかけさせやがって」 結標「ありがとね。一方通行」ニコッ 土御門「おおっー!! 姉さんが元に戻ったぁ!!」 吹寄「さすがアクセラね。伊達に結標さんといつも一緒にいるわけじゃないわね」 一方通行「ンだそりゃ? それだけ聞くと俺がいつもコイツと一緒にいる見てェな言い方じゃねェか」 吹寄「だってそうじゃない。一緒の家に住んでるわけだし」 一方通行「チッ、うっとォしい」 青ピ「もうこれだけ聞くと、傍から見たら同棲してるカップルにしか見えないんだよなぁ……」 結標「なっ……!?」 一方通行「ハァ?」 青ピ「だって一緒に住んでてお互いのことがよくわかってるんやで? これはもうこいび――」 ガゴン!! 青ピ「とろばぁ!?」ガシャーン 土御門「あ、青髪ピアスううううううううううううううううううっ!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/19
20: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:57:00.62 ID:J2dUQG+bo 結標「わ、わわ、わ、私たちはべ、別にそんなんじゃないから!! 全ッ然、そんなじゃないから///」つ軍用懐中電灯 吹寄「お、落ち着いて結標さん!! みんな分かってるから、ただの馬鹿の妄言だから!!」 姫神「まあ。将来的にはうんぬん」 吹寄「ちょっと黙ってもらえるかしら姫神さん!?」 上条「…………」シクシク 土御門「で、カミやんは何で机に突っ伏して泣いてるんだにゃー?」 上条「……一方通行が、……真実という名の暴力を、……容赦なく振りかざしてくるからッ……!」グスン 土御門「メンタル弱っ!? いつもの並み居る敵を強引な説教で無理やり論破してきた鋼の心を持つヒーロー上条当麻は一体どこにいった!?」 上条「北極海に身を投げ出したい」 一方通行「……つゥかよォ」 ワイワイガヤガヤ 一方通行「早く注文終わらせろよ。いくら温和な店員さんでも、このままじゃ目からビームを出す戦うウェイトレスさンになっちまうぞ」 ウェイトレス「……いえいえごゆっくりぃ」ニコニコイライラ 吹寄「あっ、すみません! ええっと、頼んでないのはあと誰だっけ?」 姫神「たしか上条君」 上条「バリスティック・スライダーから身を投げ出したい」 土御門「面倒臭せえっ! カミやんが別のベクトルで面倒臭くなってやがるっ!」 吹寄「テスト週間という特殊な環境が上条当麻をここまで変えてしまったのね……いいわ、あたしがその腐った根性を叩き直して――」ボキボキ 姫神「待って吹寄さん。今の上条君がそんなの食らったら。真面目にひとたまりもないと思う」 一方通行「あァ面倒臭せェ。オイ三下ァ! オマエの今食いてェモンはなンだァ!? 『トンカツ定食』かァ!? 『焼き肉定食』かァ!? それとも『コーヒー定食』かァ!?」 吹寄「……『コーヒー定食』なんてあったっけ?」 結標「『コーヒー定食』=『コーヒー単品』。つまりいつもの一方通行のことよ」 姫神「なるほど」 上条「…………」 一方通行「どォなンだ? 答えてみろ三下ァ!!」 上条「…………ライス(小)」 土御門「結局そこに行き着くのかよ」 青ピ「」ピクピク ――― ―― ― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/20
21: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:57:49.95 ID:J2dUQG+bo 同日 13:00 結標「――さて、結標先生華麗に大復活っ!! さあ、勉強を再開しましょ?」 土御門「はーい!」 吹寄「数学は大方確認できたし、別の教科とかがいいわね」 姫神「それなら英語とかがやりたい。今回は文法とかが結構ややこしい」 上条「そうだな。上条さんも英語は全然駄目だからな」 結標「上条君。貴方はまだ数学の範囲全部見てないでしょ? だからもうちょっと数学頑張ってみよ? ね?」 上条「いや、でもこれくらいやれば赤点ぐらいなら回避できんじゃねえかな?」 吹寄「だったら試しにこのテスト勉強用に配られたプリントをテスト代わりにやってみたら? 自分がどれくらいの実力か分かるでしょ」 上条「よし、いいぜ。やってやるよ」ペラッ 姫神「とりあえず半分取れたらいい方。六割取れば安全圏ってところ?」 土御門「そうだにゃー。ウチは赤点のラインは三割未満だからそれくらい取れればまあ安全ぜよ」 上条「…………」 吹寄「あれ? どうしたの? ペンが止まってるけど」 上条「……さ、さっぱりわからないんだけど」 土御門「ふんぬッ!!」ゴッ 上条「ぐばっ!? ま、またかよ土御門っ!?」 土御門「だーかーらー、キミは今まで何をしてきたのかにゃー? 後半にある応用問題ならともかく、0点殺しと呼ばれる問1すらさっぱりとかナメてるとしか思えないんだぜい」 上条「分からねえんだからしょうがねえだろうが!」 吹寄「しょうがなくないわよ馬鹿者ッ!! 結標さんがどんな想いで貴様に勉強を教えていたと思ってるのっ!? 自分の精神を崩壊させながら!」 結標「いや、別に精神崩壊なんてしてないわよ」 姫神「あれは軽く精神崩壊してた」 結標「……と、とにかく上条君。もう一回最初からやりましょ? 現文とかは無勉でもまだ点数取りやすいけど、数学とかは分かってないと本当に悲惨な結果になっちゃうから。そうならないためにも」 上条「お、おう。頑張るよ」 一方通行「…………ハァ」 結標「……何よそのため息は?」 一方通行「オマエ、何にも分かってねェな。こンな無駄な努力いつまでも続けても一向に状況は変わらねェよ」 吹寄「どういうこと?」 一方通行「今のまま結標がいくら丁寧に教えたところで、コイツは何一つ知識を得ることなくテスト当日を迎えちまうってことだよ」 結標「えっ?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/21
22: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:58:28.28 ID:J2dUQG+bo 上条「ちょ、それは言い過ぎじゃないですかねー?」 一方通行「言い過ぎなわけあるか。三馬鹿の一人である土御門すら分かりやすいと言った結標の説明を聞いて、何一つ分からねェっつゥ言葉が出る時点オマエは終わりだろ」 上条「おうふっ」ガクッ 土御門「じゃあどうするんだにゃー? 他の人が教えるにしても結標以外の適任者がいないんだぜい」 吹寄「……そうね。正直結標さん以上に上手な説明、あたしにはとても無理よ」 姫神「同じく」 結標「……じゃあやっぱり私がやるしかないじゃない。よし、だったらもっと分かりやすい説明を考えて――」 一方通行「馬鹿。それが無駄な努力だっつってンだろ。大体適任者ならいるだろォが」 結標「適任者……? 一体誰よ。まさか小萌先生を呼ぶとか言うんじゃないわよね?」 一方通行「ンな面倒なことするわけねェだろォが。ここにいンだろォが、学園都市第一位の超能力者(レベル5)『一方通行(アクセラレータ)』。この俺が」ゴキッゴキッ 土御門「あ、アクセラちゃんだとっ!? 本気か!?」 一方通行「ああ」 吹寄「む、無理でしょ……だって現代文10点でしょ?」 姫神「とても人に勉強をうまく教えられるとは思えない」 一方通行「オマエら本当10点10点うるせェな。叩き潰すぞコラ」 結標「……でも貴方どうしていきなり? あんなに面倒臭そうにしてたのに」 一方通行「あァ? チッ、そンなの決まってンだろォが。意味のない茶番を見せ続けられるのがうっとォしいからだ」 姫神「意訳。『これ以上結標が苦しむ姿なンて見たくねェンだよ』。かっこいいよアクセラ君」 一方通行「姫神。ちょっと裏に来い。そのクソみてェな脳みそ頭蓋骨ごと吹き飛ばしてやるから」 姫神「断る」 土御門「でもさぁ、たしかに結標の姉さんがまた精神崩壊しても困るからアクセラにチェンジってのは分かるが、肝心のカミやんにうまく勉強をお前は教えられるのか? 姉さん以上に分かりやすく」 一方通行「無理だな」 吹寄「って駄目じゃないそれじゃ! よくそんなんで『これ以上結標が苦しむ姿なンて見たくねェンだよ』とか言えたわね」 一方通行「俺ァそンなセリフ一言足りとも発してねェぞ! それはそこの脳内バラ色野郎が勝手に言っただけだろォが!」 姫神「私は的確にアクセラ君の心情を言葉にした自信がある」 一方通行「チッ、勝手に言ってろ」 土御門「で、結局どうする気だアクセラ? 分かりやすく教えるのが無理なら、他に何か策があるんだろ?」 一方通行「……オマエら、冬休みに宿題が出てたのは覚えるよな? 結構な量のヤツ」 吹寄「長期休暇に宿題が出るのは当たり前なのだから、覚えてるのは当然でしょ?」 姫神「そういえばあれ。土御門君結局終わらせてなくて居残り勉強してたね」 土御門「にゃははっー、嫌なこと思い出させないでくれにゃー」 結標「あっ、でもその宿題、上条君は終わらせてたわよね? たしか貴方に手伝ってもらったって」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/22
23: ◆ZS3MUpa49nlt [saga] 2021/07/03(土) 23:59:09.15 ID:J2dUQG+bo 一方通行「そォだ。そこで勝手に絶望してる馬鹿は俺に宿題を『手伝って』もらうことによって終わらせた」 上条「…………」ゼツボーン 吹寄「ふん、どうせ上条当麻のことだから、難しいところはアクセラにやってもらって悠々と終わらせたに決まってるわ。だから、こんな馬鹿みたいな状況に陥ってるわけだし」 一方通行「いや、俺はアイツの宿題に一つも手を出してねェよ」 結標「えっ、どういうこと? 手伝ったんじゃなかったの?」 土御門「……まさか、そういうことか」 姫神「何か分かったの土御門君?」 土御門「昨日の放課後カミやんは最初誰に勉強を教えてくれと頼んだか覚えてるかにゃー?」 吹寄「ええっと、たしかアクセラでしょ? それがどうかしたの?」 土御門「頼んだ、ってことは一度教えてもらったことがあって、それが分かりやすかったってことじゃないかにゃー?」 姫神「そういえば。彼理数系限定なら分かりやすい教え方だとも言ってた」 吹寄「……まさか、いやそんなことありえないでしょ。いや、でも……」 土御門「そのまさかで合ってると思うぜい」 吹寄「アクセラ。あなたまさか上条当麻に勉強を教えて一人で宿題をこなさせた、ってことなの?」 一方通行「ご名答。アイツは俺の監視のもときっちり自分の力で宿題を終わらせた。これは事実だ」 結標「じゃ、じゃあやっぱり貴方は私より教え方がうまいんじゃないの? 私が教えても上条君には悪いけどこのざまなわけだし」 一方通行「それはありえねェよ。俺が丁寧に教えたところで、どォしても一人よがりな説明になっちまう。オマエみてェな相手に歩み寄るよォな説明俺には真似出来ねェ」 吹寄「じゃあどうやって……?」 一方通行「まァ見てろ。馬鹿に勉強を教えるのに最も必要なのは『豊富な知識』でも『猿でも分かるような丁寧な教え方』でもねェ――」 一方通行「――それはただの『恐怖』だ」ニヤリ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625323149/23
メモ帳
(0/65535文字)
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 818 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
Google検索
Wikipedia
ぬこの手
ぬこTOP
0.509s*